サイドFIREを機にクラウドファンディング投資を開始。投資家・かつさんど氏インタビュー

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#投資家インタビュー
こんにちは。ブロガー・投資家の中田健介です。

今回は、不動産クラウドファンディングソーシャルレンディング投資家で、2018年にサイドFIREを果たした、かつさんど氏にインタビューを実施しました。現在の資産状況や、運用のポイントなどを詳しく伺いましたので、ぜひ投資の参考にしてみてください。

かつさんど
投資家・投資関連サイト運営
不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディングをはじめとして、株式・FXなどの投資を手掛ける。2018年にサイドFIREを果たす。不動産クラウドファンディング情報サイト「トチクモ」を運営。

2018年にサイドFIRE。資産形成の方法とは?

ーー年齢とご職業を教えてください。

年齢は40代で、2018年にサイドFIREを果たしました。現在は専業投資家のかたわら、投資関連の情報発信をしています。

ーー投資自体を始めたのはいつ頃ですか?

20代前半の頃に株式投資を始めました。もう20年以上前になります。

ーー現在の総資産額・負債額とポートフォリオについて教えてください。

総資産額は1億円ほどで、負債はありません。ポートフォリオは、高配当株式、不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディング、FX、現金が合わせて6,000万円ほどで、不動産が4,000万円ほどです。不動産はキャッシュで購入しました。

ーーどのようにしてそれだけの資産を築いたのですか?

私は新卒で外資系企業に就職したのですが、そこで60歳まで働き続けるイメージが持てず、早くから退職を意識していました。退職して専業投資家になりたいと考えました。そのために200冊ほど投資関係の本を読んで少しずつ手法を学びながら、株式やFX、先物取引などで資産を形成しました。

それから、自宅として6,000万円ほどで購入したタワーマンションがその後値上がりし、9,000万円ほどで売却できました。その時点で資産が1億円を超えました。ちなみに自宅を売却したあとは賃貸物件に住んでいます。

住んでいるのが愛知県で、いつ大きな地震が来るかわかりません。不動産の評価額が下がる懸念もあったため、早く売却したかったというのもありました。

FIREの「4%ルール」実行のためにソーシャルレンディング投資を開始

ーー現在の月々のキャッシュフローとその内訳について教えてください。

株式の配当や、不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディングの分配金などで毎月20~30万円を得ています。また、副業である投資サイト運営でも多少の収入を得ています。支出は30万円ほどです。

ーーソーシャルレンディング投資を始めたのはいつですか?

2018年から始めました。FIREを果たすにあたり、「4%ルール」を実行するため、ソーシャルレンディングを選びました。

ーー現在投資しているソーシャルレンディングサービスはどこですか?

ソーシャルレンディングは「Funds(ファンズ)」「OwnersBook(オーナーズブック)」のみです。以前は「maneo(マネオ)」や「SBIソーシャルレンディング」「LENDEX(レンデックス)」などにも投資をしていましたが、現在は徐々に不動産クラウドファンディングにシフトしています。

ーーソーシャルレンディングのサービス事業者やファンドを選ぶ上でどんなところに気を付けていますか?

事業者が健全な状態でも、貸付先に悪意があったり、経営がうまくいかないと破綻したり遅延したりするリスクがあります。そのため、貸付先を精査する必要があります。

またファンド選びの際は、ステークホルダーの多い開発案件はできるだけ避け、すでに建物が建っていて、稼働している状態の不動産ファンドに投資するようにしています。また、利回り6%を超えるファンドには投資しないようにしています。

不動産自体についても、評価額が妥当かどうかはしっかり見ています。周辺価格と比較して妥当かを調べています。

ーーソーシャルレンディング投資の魅力はどんなところですか?

価格変動がないところです。特に最近株式市場は暴落・暴騰を繰り返しており、変動幅が大きいので、自分には合っていないと感じます。

ーーこれからソーシャルレンディング投資を始める投資家におすすめのサービスはどこですか?

「Funds」です。「Funds」は上場企業に近い信頼性があり、借り手も上場企業が多いので安心感があります。上場企業は常に周囲から監視されており、コンプライアンスもしっかりしています。資金を異なる用途に使ってしまうということもないでしょう。

不動産クラウドファンディングには約3,000万円を投資

ーー現在投資している不動産クラウドファンディングサービスはどこですか?

Rimple(リンプル)」「CREAL(クリアル)」「信長ファンディング」「みらファン」「Jointo α(ジョイントアルファ)」「GALA FUNDING(ガーラファンディング)」「TREC FUNDING(トレックファンディング)」です。

ーー不動産クラウドファンディングを始めたのはいつですか?

2018年です。ソーシャルレンディングでいろいろな事故が起こって、スキーム自体に不安を持ちました。その点、不動産クラウドファンディングはステークホルダーが少なく、お金の流れが比較的わかりやすいところが魅力でした。上場企業がサービスを手掛けているところも多く、信頼性が高いと考えました。

ーー不動産クラウドファンディングで年間どのくらい利益を上げていますか?

不動産クラウドファンディングには3,000万円ほど投資しており、年間100万円(税引き前)ほどの利益を得ています。利回りとしては4%ほどです。

ーー不動産クラウドファンディングサービスを選ぶ上でどんなところに気を付けていますか?

運営会社が上場会社であること、ファンドの償還実績があること、開発案件ではなくインカムゲイン型のスキームであることを重視しています。

ーー不動産クラウドファンディングのファンドを選ぶ際はどんなところに気を付けていますか?

あまり利回りが高いものには手を出さないようにしていて、6%を基準としています。また、最近は金利の動向も変わっているので、投資対象はマンションに絞るようにしています。マンションは生活に必要なものなので、景気動向を考えてもマンションの入居者が一斉にいなくなることは考えにくいと思います。

一方で、コロナ禍でオフィス需要が一気に減少したように、オフィス需要は景気動向に左右されます。そのため、オフィスや商業不動産などについては、J-REITで投資するようにしています。

ーー不動産クラウドファンディング投資の魅力はどんなところですか?

ソーシャルレンディングと同様に価格変動がないところです。また、一般的に不動産投資には専門知識・初期費用が必要で投資後も管理が必要ですが、不動産クラウドファンディングは、ノウハウを持っている運営会社が投資してくれるので専門知識がなくても問題ありません。

さらに、運用期間が決まっていて資金計画が立てやすいというのも、私のような専業投資家には魅力の1つですね。株式では投資タイミングによって利益が変わりますが、不動産クラウドファンディングでは、投資できた人は全員が同じだけの利益が得られます。

ーー不動産クラウドファンディング投資のデメリットや懸念点はどんなところですか?

投資後に管理の必要がない点は、魅力でもありますが、一度投資をしたら事業者に任せるしかなく、逃げ場がないということでもあります。株式投資では損切りができますが、不動産クラウドファンディングではそれができません。事業者と投資内容を精査する必要があります。

ーーこれから不動産クラウドファンディング投資を始める投資家におすすめのサービスはどこですか?

当選できれば、「Rimple」「Jointo α」「GALA FUNDING」です。すべてインカムゲイン型で、自社で所有する物件を運用して、売却も社内で行われるため、安全性が高いと考えています。これらの事業者は優先劣後方式を採用していますし、特に「Rimple」「Jointo α」は複合ファンドでリスクを軽減していて投資家にとってよい条件で投資できると感じています。

ーー過去にソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディング投資で損失を被ったことはありますか?

「トラストレンディング」で投資していましたが、90万円ほど返済遅延の状態が続いています。また、「SBIソーシャルレンディング」では返済遅延を経験しましたが、最終的には返金はされたので、直接的な損失はありませんでした。

ーーそれを踏まえて、それ以降もソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資を続けているのはなぜですか?

ソーシャルレンディングへの投資については今後は縮小していく予定ですが、不動産クラウドファンディングの投資額は3,000万円ほどを維持していきます。私はFIREしていますが、現在株式市場が荒れているので、そこに全額ベットしていたら大きな損失を被る危険があります。精神的なリスク分散のためにも、比較的安全に運用できる不動産クラウドファンディングは最適だと考えています。

FIREを達成して得た3つの自由

ーー2018年にはFIREを果たされたとのことですが、FIREを果たしたきっかけはあったのですか?

総資産額が1億円を越えたのがFIREを果たしたきっかけでした。会社員としてやっていけるイメージがなかったということと、子供のころから投資に興味があり、専業投資家になるのは天職だと思いました。

勤めていた会社の事業がブランドビジネスで、顧客は富裕層が多かったので、その人たちと接する中で、自分もそうしたステージに行きたいと強く思うようになり、そのためには投資がよいと考えました。

もともとFIREを目指していたわけではなかったのですが、いろいろシミュレーションした結果、生活の目途が立ちそうだったので、一度チャレンジしてみようと思いました。

ーーFIRE後の生活はどのようなものですか?

FIREというと派手な生活をするイメージがあるかもしれませんが、実際には地味なライフスタイルを送っています。年利4%ほどの運用益だけで経済的自由を維持するのはなかなか難しいので、副業などを確保してサイドFIREを果たすのが安全性が高いと思います。

支出を下げるために物を減らすことに取り組んでいます。いわゆるミニマリストですね。 FIREする3つの自由が手に入ります。経済的自由・時間的自由・人間関係の自由です。会社員時代は通勤時間や就業時間に時間を取られ、毎日仕事の締切に追われていました。FIRE後は、「やらなくてはならないこと」がなくなりました。旅行してもいいし、昼まで寝ていてもいい。やることがなくて暇ではないかと聞かれることもありますが、暇を苦痛に感じる人には向かないと思います。

会社員は、仕事上の人間関係や上下関係、役職などが決まっていますし、退職理由の一つが、やはり人間関係でした。FIREを達成すると、ほかの人たちと対等になり、どの人と付き合うかを自分で決められるようになるのがいいなと思います。

ーー不動産クラウドファンディングの比較サイト「トチクモ」を始めた理由は何でしょうか?

不動産クラウドファンディングは現在はまだまだニッチな投資手法ですが、日本にはなかなかない、精神的に楽に投資できる手法です。自分自身がメインで投資しており、利回り4%程度を安定的に得られていて、実際によい投資手法だと思っているので、これを広めたいと考えて始めました。

ーー「トチクモ」ではどういった情報が見られるのですか?

実際に自分が投資している事業者にインタビューを行うなどして、信頼できると考える事業者をおすすめ事業者として紹介しています。また、それらの事業者が募集したファンドを3段階評価しています。

ーー比較サイトとしては競合的な関係ですが「ゴクラク」のことはご存知でしたか?

知っています。総合的にクラウドファンディング投資を発信しており、便利だと思います。競合だとは考えておらず、共にクラウドファンディング投資を広めたいと考えています。

ーー最後に、ソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資を始める投資家に何かアドバイスはありますか?

最近は事業者が増えていて、安定した事業者もあれば、不安定な事業者もあります。事業者の精査・ファンドの分析が重要となります。初心者は上場企業が手掛けるインカムゲイン型のファンドから始めるのがよいと思います。

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  • 記事を書いた人 中田健介

    IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

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