ベトナムと日本の2拠点生活。現地の株にも積極投資ーー投資家・ひでさわ氏インタビュー

公開日 2024/07/12

最終更新日 2024/07/12

#投資家インタビュー

こんにちは。投資家・ブロガーの中田健介です。

少額から気軽に投資できることで注目を集めている不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディング。当インタビュー企画では、これらのクラウドファンディング投資に投資をする投資家の方にお話を伺っていきます。

今回は、不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングをはじめ、ベトナム株などにも幅広く投資されている、実業家で投資家のひでさわ氏に、現在の資産状況や運用のポイントなどを詳しく伺いました。（インタビュー実施日：2024年6月6日）

ひでさわ
実業家・投資家

ベトナムにてオンラインショップや、日本企業のサポートを手掛ける企業を経営するかたわら、不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングをはじめ、ベトナム株などのへ投資を手掛ける。ブログ「新興国株＆利回り投資ナビ」を運営中。

資産の8割はベトナム株

ーー年齢とご職業を教えてください。

年齢は31歳です。もともとベトナムで勤務しており、2年前に退職して独立しました。現在はベトナムでオンラインショップの運営や、ベトナムに進出する日本企業の開業手続きサポートなどを手掛けています。

ーー現在の総資産額・負債額とポートフォリオについて教えてください。

投資自体を始めたのが約5年前です。現在の総資産額は約800万円で負債はありません。内訳としては8割が株式で、残りが不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングなどとなっています。

ーーどのようにして資産を作ったのですか？

会社員としてベトナムで働いていたのですが、当時はベトナムの物価が安く、生活費がさほどかからないので、自然とお金が貯まっていきました。現在は、ベトナム株の配当金と不動産クラウドファンディングの分配金がちょくちょく入ってきます。

少額に魅力を感じて始めたソーシャルレンディング

ーーソーシャルレンディング投資を始めたきっかけを教えてください。

5年ほど前になるのですが、その頃はまだ社会人になりたてで貯金もなかったので、1万円から投資できるソーシャルレンディングのことを知り、これならできそうだと考えて投資を始めました。

ーー現在はどんなソーシャルレンディングサービスに投資していますか？

現在は「Bankers（バンカーズ）」「LENDEX（レンデックス）」「Crowd Bank（クラウドバンク）」などに投資しています。

ーーソーシャルレンディングで年間どのくらい利益を上げていますか？

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングを合わせて年間20万円程度の分配金を得ています。

ーーソーシャルレンディングに投資をする上でどんなところに気を付けていますか？

サービス事業者に関しては、過去の実績を見て損失を出していないかどうかに気を付けています。あとは1つのサービス・ファンドに集中させないよう、分散投資を心がけています。それから、余剰資金で投資をすることです。基本的には、当面使わないお金が発生したら投資するようにしています。

ーーソーシャルレンディング投資の魅力はどんなところですか？

一度投資を実行したら基本的にほったらかしでよい点です。

ーー反対に、ソーシャルレンディング投資のどんなところにデメリットや懸念を感じますか？

過去にいくつかのサービスで不祥事が発生したと聞いていますので、そういう事業者が今後も出てこないかというのは懸念しています。

不動産クラウドファンディング投資先を選ぶ際に気を付けていること

ーー現在投資している不動産クラウドファンディングサービスはどこですか？

「ヤマワケエステート」「利回りくん」などに投資しています。

ーー不動産クラウドファンディングへ投資をする上ではどんなところに気を付けていますか？

サービスに関しては、過去の実績や運営会社が上場しているかどうかを見るようにしています。また、優先劣後構造など、投資家を守る仕組みがあるところを選ぶようにしています。

ファンドを選ぶ際には、ファンドの詳細情報を見て、投資対象不動産はどんな物件で、どうやって利益を得るのかといったスキームを確認するようにしています。

ーー不動産クラウドファンディング投資のデメリットや懸念点はどんなところだと感じますか？

ほとんどのサービスは、運用期間中に資産を現金化できない点が不便だと感じます。また、株式のようにファンド持分の売却によるキャピタルゲインが得られないところはデメリットに感じます。

ーー過去にソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資で損失を被ったことはありますか？

損失を被ったことはまだありません。ただ、早期償還され、想定よりもリターンよりも少なかったことはありました。

ーーこれからソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングを始める人におすすめのサービスはどこですか？

自分が始めたときによく使っていたのはソーシャルレンディングの「LENDEX」です。毎月分配金がもらえるし、出金手数料がかからないので初心者にもおすすめできます。ファンドの募集が多めなのも魅力です。

ーーソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資を始める投資家に何かアドバイスはありますか？

利回りが高いからと言って一つのファンドに資金を集中させるのではなく、複数のファンド・サービスに分散させることが重要です。

ベトナムと日本の2拠点生活、そしてこれから

ーー現在、ブログを運営されていますが、始めたきっかけは何だったのでしょうか？

ベトナム株に興味を持ったのが2〜3年前なのですが、当時はベトナム株に関する情報があまりなかったので、自ら情報を発信しようと思って始めました。収益化などは当初はまったく考えていませんでした。

ーーブログを続けるモチベーションは何でしょうか？

更新は1カ月に2〜3回程度ですが、自分の知識をアウトプットすることで学びにつながり、それが投資に生きることがあります。また、最近はブログ収益を増やしたいという想いもあります。

ーーベトナム在住歴7年で現在日本との2拠点生活とのことですが、なぜベトナムに住んでいるのですか？

もともと学生時代にベトナムでインターンシップを3カ月経験したのがきっかけです。そのまま向こうの企業に就職しました。

ーー国籍やビザはどのようにしているのですか？

国籍は日本のままです。ビザは、ベトナムで法人を設立したことで経営者としてのビザを保有しています。これは、3年に一度更新が必要なものです。

ーーベトナムではどのような生活をされているのですか？

ベトナムに来てから1年程度ベトナム語を勉強して、日常生活に困らない程度の会話はできます。ただ、仕事は英語で会話することが多いです。

現在はホーチミンに住んでいますが、最近は日本の飲食店やコンビニも増えているので、実際には日本とあまり変わらない生活をしています。物価はローカルのスーパーや食堂だと日本の1/3くらいですし、1年中暖かいので服にもお金がかかりません。

街中はバイクの渋滞がひどいですが、慣れれば大丈夫ですね。ライドシェアなども利用すれば移動にはあまりお金はかかりません。タクシーも安いので気軽に利用できます。それからカフェがいたるところにあり、外で仕事をするにも便利です。

ーーベトナム株について、どのような銘柄に投資しているのですか？

最初は「VN30」という代表株に投資するETFから始めました。現在は、小売業界・乳製品メーカーなど、自分が気になった企業に投資しています。基本的には長期保有を方針としています。ベトナム株はまだフロンティア市場ですが、近いうちにランクが上がるのではないかといわれています。

ーーベトナム株投資ではどのくらいの利益を得ていますか？

エネルギー関連株では、1年で2倍になったことがありました。

ーー日本在住でもベトナム株に投資することはできるのですか？

一応SBI証券で取り扱っていますが、手数料が米国株などに比べると高いです。1回に30万円ほど買わないと、手数料で損をしてしまいます。私は現地の証券会社で口座を開設しています。

ーー早期リタイアをされる予定はありますか？

今のところ予定はありません。現在すでに会社を退職して自分のやりたいことをやっており、付き合いたい人とだけ付き合っている状態です。今は自分のできることを続けていければよいと考えています。

記事を書いた人　中田健介

IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。著書に「年利7％！今こそ『金利』で資産を殖やしなさい！～日本初！融資型クラウドファンディング投資の解説書」（ぱる出版）がある。
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