高利回りが魅力。話題の古家不動産投資とは?
公開日 2024/03/18
最終更新日 2024/03/18
現物不動産投資の手法には、マンション投資やアパート投資、商業不動産投資、駐車場投資などさまざまなものがありますが、近年注目を集めているものとして、「古家(ふるや)不動産投資」があります。古家不動産投資とはどのようなものなのでしょうか。今回は、私自身も実践するこの投資手法について解説します。
筆者:中田健介(投資家・実業家・ブロガー) |
IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。 |
古家不動産投資とは
古家不動産投資とは、おもに東京・大阪など大都市から少し離れたエリアにある空き家を購入し、リフォームを施した上で入居付けをし、賃料収入を得る投資手法です。対象となるのは、都心ではないものの住居としての需要が十分に見込めるエリアで、関東でいえば、埼玉・千葉・神奈川などのいわゆるベッドタウンの物件が該当します。このエリアで、適切に再生すれば十分に賃貸住宅として入居者を見つけられる物件を探して購入します。
中田式・古家不動産投資の手法
では、私・中田の実践する古家不動産投資の手法について具体的に説明していきましょう。空き家・古家物件見学ツアーへの参加
私は「全国古家再生推進協議会」という団体が認定する「古家再生投資プランナー」の資格を持っています。この資格は、全国古家再生推進協議会が提供する教材を元に学習し、認定試験を受けて合格して登録料を支払えば取得できます。古家再生投資プランナーになると、全国古家再生推進協議会が主催する全国の空き家・古家物件見学ツアーに参加することができます。このツアーは毎月全国各地で開催されています。主催するのは、各地域に詳しいリフォーム業者です
ツアーでは、オンラインあるいはオフラインで実際の空き家・古家を見学します。各物件の想定価格・リフォーム価格・想定賃料も提示されます。参加者は、自分が購入したい物件があれば、その場で手を挙げて購入の意思を伝えます。
物件をリフォームし入居者探しへ
その後、不動産業者を通じて売り手から物件を購入します。また、ツアーを主催したリフォーム業者とリフォームの詳細について打ち合わせた上で、リフォームを発注します。築50年といった物件でも、リフォームを施すと見違えるようにきれいになり、若い人たちでも住みたいと思えるような物件に仕上げることができます。リフォームが完了したら、周辺の不動産業者を回り、入居付けを依頼します。入居者が決まったら、後は毎月賃料収入が得られます。
古家不動産投資のメリット
古家不動産投資のメリットとして、以下の4点が挙げられます。1.比較的少額から始められる
現物のマンション投資やアパート投資を始めようと思えば、数千万円から数億円もの資金が必要となりますが、古家不動産投資は数百万円程度の資金でも始められます。ローンが組めなかったり、ローンを組むことに抵抗があるような人でも、比較的少ない資金で始められるのは大きなメリットです。
2.高い利回りが期待できる
物件の選定やリフォームにどこまでお金をかけるかにもよりますが、一般的に古家不動産投資は、10~20%ほどの利回りが期待できます。中には30%以上の利回りが得られる物件もあります。これは、不動産現物投資の利回りとしてはかなり高い水準だといえます。3.節税効果がある
築古の木造住宅は4年で減価償却できます。この減価償却をうまく使えば、所得を圧縮でき節税効果も得られます。4.社会貢献できる
総務省の土地統計調査によると、2018年の時点で、全国の空き家の数は約849万件にも上るそうです。そしてその数は年々増え続けており、大きな社会問題にもなっています。一方で、家賃が安く良質な住宅を求めているファミリー層・高齢者・低所得者層といった人たちもいます。空き家を再生してこのような人たちが住めるようにすることは、社会的にも意義のあることです。
古家不動産投資のデメリット
一方、古家不動産投資には、以下のようなデメリットもあります。1.空室リスクがある
いくら物件を購入してリフォームを行っても、入居者が入らない限りは1円にもなりません。物件のリフォームが完了したら速やかに入居付けを行う必要があります。この空室リスクが古家不動産投資の最大のリスクと言えます。2.物件探し・リフォーム業者探し・入居付けなどの手間がかかる
古家不動産投資においては、物件探し・リフォーム業者探し・入居付けなどをすべて自分で行わなくてはなりません。物件探しにおいては自ら候補となる物件に足を運ぶ必要がありますし、リフォーム業者も自ら探す必要があります。経費節約のため、業者に頼まずにDIYでリフォームを行う人もいます。私はDIYは手掛けたことはありませんが、その場合さらに手間がかかるでしょう。
また、リフォームが終われば、自ら周辺の不動産業者を回り、入居付けを依頼することになります。私はいつも10件以上の不動産業者を回っています。
3.物件購入・入居付けの際に交渉スキルが必要となる
古家を購入する人はあまり多くないということもあり、古家物件の相場というのは明確ではありません。そのため売手との交渉次第で安く買える可能性もあります。また、入居付けの際に入居希望者から家賃の引き下げなどの要望が出ることもあります。その場合どこまで応じるかは交渉次第です。このように、古家不動産投資においてはさまざまな局面で交渉スキルが重要となります。交渉が苦手な方には向いていないかもしれません。逆に、交渉次第で利回りを高められるのが古家不動産投資の醍醐味であるともいえます。
4.ローンが利用しにくい
一般的に、金融機関からは築古の木造住宅(上物)の資産価値はほとんどないものとして評価されます。そのため、ローンを組んで古家を購入することは不可能ではありませんが、やや難しい場合があります。ちなみに私はこれまで古家をいずれもキャッシュで購入しています。
私の保有する古家の実績
冒頭でもお話ししたように、私自身も古家不動産投資を実践しており、現在2件を保有しています。それぞれの物件について紹介します。1.神奈川県厚木市物件
所在地 | 小田急本厚木駅からバス17分 |
築年月 | 1978年10月 |
構造 | 木造2階建 |
間取り | LDK10.5帖、洋6帖、洋10.5帖、物置3帖 |
土地面積 | 128.61㎡ |
建物面積 | 1階:41.13㎡/2階:22.35㎡/延63.48㎡ |
購入時期 | 2021年 |
購入価格 | 430万円 |
リフォーム費用 | 330万円 |
家賃 | 82,500円 |
表面利回り | 13.0% |
この物件は私が初めて購入した古家です。駐車スペースが若干狭いため入居付けに少し苦労しましたが、最終的には法人が入居してくれました。
2.千葉県柏市物件
所在地 | 東武鉄道野田線(東武アーバンパークライン)豊四季駅徒歩11分 |
築年月 | 1971年5月 |
構造 | 木造2階建 |
間取り | LDK13帖、和室6帖、和室6帖、洗面所5帖、物置 |
土地面積 | 113.61㎡ |
建物面積 | 1階:39.74㎡/2階:19.87㎡/延59.61㎡ |
購入時期 | 2022年 |
購入価格 | 280万円 |
リフォーム費用 | 355万4,030円 |
家賃 | 70,000円 |
表面利回り | 13.2% |
この物件は2番目に購入したものです。1件目の反省を生かして、十分な駐車スペースがある物件を選択しました。結果として、入居付けは比較的スムーズにいきました。
魅力十分な古家不動産投資にチャレンジしてみよう
今回の記事では、話題の古家不動産投資について解説しました。不動産クラウドファンディング投資を通じて不動産投資に興味を持たれた方もいると思います。
投資の幅を広げるためにも、次は現物不動産投資としては比較的ハードルの低い古家不動産投資にチャレンジされてみてはいかがでしょうか?
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