投資額の数倍のリターンも?株式投資型クラウドファンディングとは

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#用語解説 #投資の仕組み・スキーム
こんにちは。投資家・ブロガーの中田健介です。

投資型クラウドファンディングには、融資型(ソーシャルレンディング)不動産投資型、寄付型、ファンド型などいくつかの類型がありますが、その中の一つとして、株式投資型クラウドファンディングがあります。今回は、この株式投資型クラウドファンディングとは何かについて解説します。

株式投資型クラウドファンディングとは

株式投資型クラウドファンディングとは、未公開(未上場)企業の株式に投資するタイプのクラウドファンディングです。投資家は、運営会社を通じて未上場企業の株式を購入することで対象企業の株主となります。

以前は一般の投資家が未公開企業の株式を購入することは極めて困難でした。しかし、2015年に株式投資型クラウドファンディングが解禁され、一般の投資家にも未公開企業の株式を購入する道が開かれました。

投資対象企業の中には、将来性のあるベンチャー企業もあります。そうした企業を見極めて投資できれば、将来的に投資額の何倍もの大きなリターンが得られる可能性があります

一方で、投資したベンチャー企業がいつまでも上場できなかったり、倒産してしまったりするリスクもあります。投資先企業が倒産してしまえば、投資したお金は戻ってきません。そのため、株式投資型クラウドファンディングはクラウドファンディング投資の中でも特にハイリスク・ハイリターンな投資であるといえます。

株式投資型クラウドファンディングのメリット

株式投資型クラウドファンディングのメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
  1. 比較的少額から始められる
  2. 大きなリターンを得られる可能性がある
  3. エンジェル税制により節税できる
  4. 株主優待がもらえる投資先もある

メリット1.比較的少額から始められる

株式投資型クラウドファンディングの最低投資金額は、投資先企業により異なりますがおおむね10万円程度からとなっています。比較的少額から始めることができ、スタートのハードルは低めであるといえます。

メリット2.大きなリターンを得られる可能性がある

株式投資型クラウドファンディングの主な出口としては、IPO(株式上場)や、M&A(他企業による買収)が挙げられます。いずれも実現した場合、株式の価値は投資時点の数倍にもなる可能性があります。この大きなリターンが、株式投資型クラウドファンディングの最大の魅力です。

大手サービス「FUNDINNO」におけるリターンの事例

企業名 リターン
Innovation Farm株式会社 最大4.4倍
株式会社ロジック・アンド・デザイン 最大10.4倍
株式会社ハーバルアイ 最大4.2倍

メリット3.エンジェル税制により節税できる

エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するため、対象企業に投資した個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。

特定の条件を満たす企業に投資することで、投資額の一部を総所得金額から控除できたり、その年の他の株式譲渡益から控除できたりします。これらの制度をうまく活用することで、節税できる可能性があります。

メリット4.株主優待がもらえる投資先もある

投資対象のベンチャー企業の中には、一部の上場株式と同じように投資金額に応じた株主優待がもらえる企業もあります

過去には焼肉店を運営する企業が食事券を優待にしたり、新サービスをいち早く体験できる優待を行ったりしていた企業がありました。

株式投資型クラウドファンディングのデメリット

一方で、株式投資型クラウドファンディングには、以下のようなデメリットもあります。
  1. リターンを得られるまでに時間がかかる
  2. リターンをまったく得られない可能性もある
  3. 途中で売却ができない可能性がある
  4. 事業内容を見極めるスキルが必要

デメリット1.リターンを得られるまでに時間がかかる

先に述べたように、株式投資型クラウドファンディングの出口としてはIPOやM&Aがありますが、いずれも投資してから実現するまでに時間がかかることがあり、場合によっては何年もかかることもあります。短期的な利益を求める投資家には向かないでしょう。

デメリット2.リターンをまったく得られない可能性もある

株式投資型クラウドファンディングの投資対象であるベンチャー企業は、大企業などと比較すると資金力・収益力などが脆弱な場合があります。

当然ながらIPOやM&Aを果たす前に倒産してしまう可能性もあります。もしそうなってしまった場合、その企業に投資した資金は基本的に返ってきません。最悪の場合には投資金額をすべて失う覚悟で投資しなければなりません。

デメリット3.途中で売却ができない可能性がある

株式投資型クラウドファンディングで投資する未公開株式は、流動性・換金性の低いものです。基本的には途中での売却はできないものと考えたほうがよいでしょう。

ただし、「FUNDINNO(ファンディーノ)」では、「FUNDINNO MARKET」という、未公開株式を売買できるプラットフォームを提供しています。とはいえ、すべての未公開株式を取り扱っているわけではなく、売買できる銘柄は一部です。

デメリット4.事業内容を見極めるスキルが必要

株式投資型クラウドファンディングで投資対象の企業を選ぶには、事業の将来性・実現可能性などを判断する必要があります。

また、経営者の実績や能力・人間性などを見極めることも大切です。ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングなどのクラウドファンディング投資と比べても難易度が高い投資だといえます。

代表的な株式投資型クラウドファンディングサービス

現在国内で提供されている代表的な株式投資型クラウドファンディングサービスには、以下のものがあります。

1.FUNDINNO(ファンディーノ)

FUNDINNO「FUNDINNO」は、日本初の株式投資型クラウドファンディングとして知られているサービスです。投資の際にはプロジェクトページからビジネスモデル、今後の展開、経営メンバーの経歴などを参照し、投資判断ができるほか、上場企業と同じように損益計算書/貸借対照表を確認することも可能です。

投資後は、投資先企業から定期的にIRという形で事業の進捗やニュースなどが届きます。 IRを定期的に確認することで企業の成長を実感でき、より投資先を身近に感じることができます。

また、「FUNDINNO」で購入した株式を売買できる未上場株式マーケット「FUNDINNO MARKET」も用意されています。

FUNDINNOの基本情報

サービス開始時期 2016年12月
累計成約件数 300件以上
最低出資金額 10〜50万円(投資先により異なる)
Webサイト https://fundinno.com/

2.Unicorn(ユニコーン)

Unicorn「Unicorn」は、東証グロース市場に上場する金融ベンチャーのZUUグループの株式会社ユニコーンが運営する株式投資型クラウドファンディングサービスです。ITやエンターテイメント、金融、医療など多彩な事業会社に投資を行えるのが特徴です。

Unicornの基本情報

サービス開始時期 2019年2月
累計成約件数 38件(2024年3月時点)
最低出資金額 5〜50万円(投資先により異なる)
Webサイト https://unicorn-cf.com/
ユニコーン

3.AngelNavi(エンジェルナビ)

AngelNavi「AngelNavi」は、2020年2月にサービスをスタートした比較的新しい株式投資型クラウドファンディングサービスです。ベンチャー企業に対し、クラウドファンディングによる資金調達だけでなく、さまざまな経営・財務コンサルティングを実施します。

Unicornの基本情報

サービス開始時期 2020年2月
累計成約件数 5件(2024年3月時点)
最低出資金額 5〜25万円(投資先により異なる)
Webサイト https://www.angel-navi.com/

4.イークラウド

イークラウド「イークラウド」は今回紹介する株式投資型クラウドファンディングの中では最後発のサービスです。投資家は、経営者から定期的に配信される活動報告や決算情報で、支援の成果を確認することができます。また、株主総会以外にもオンラインイベントや限定コミュニティなどで経営者や株主同士で交流できることもあります。

イークラウドの基本情報

サービス開始時期 2020年7月
累計成約件数 29件(2024年3月現在)
最低出資金額 10〜50万円(投資先により異なる)
Webサイト https://ecrowd.co.jp/

株式投資型クラウドファンディングはこれからさらに盛り上がる!?

今回の記事では、株式投資型クラウドファンディングとは何かについて詳しく解説しました。

株式投資型クラウドファンディングは、ハイリスク・ハイリターンの投資で少額から投資が可能であるものの、どちらかといえば投資上級者向けのサービスであるといえます。

そうした背景もあり、現時点ではサービスを提供する事業者はまだまだ多くはなく、参加する投資家の数はソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングと比べても少ない印象があります。

ただし、今後、IPOやM&Aを果たして大きなリターンをもたらす企業が増えてくれば、一気に盛り上がる可能性もあるでしょう。今のうちに有望なベンチャー企業をチェックし、仕込んでおくのもアリではないでしょうか。

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  • 記事を書いた人 中田健介

    IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

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