みんなで大家さんが業務停止。危ない・詐欺の噂は本当か

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「みんなで大家さん」は、1口100万円から投資可能な不動産小口化商品サービスです。気軽に不動産投資ができるのはメリットですが、2024年6月には大阪府・東京都から行政処分が下され、ネット・SNS上では厳しい意見も散見されています。

そこでこの記事では、「みんなで大家さん」の業務停止の詳細や「危ない」という評判の真相、メリット・デメリットなどを紹介していきます。利用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

「みんなで大家さん」編集部の独自評価・レビューを見る

そもそも「みんなで大家さん」とは?

まずは「みんなで大家さん」についておさらいしておきましょう。「みんなで大家さん」は、1口100万円から不動産投資ができるク不動産小口化商品サービスです。投資家は出資した金額に応じた利益を受け取ることができます。

※2024年7月末現在、ファンド情報の公開が停止されており、新規の投資はできない状態となっています

サービス名 みんなで大家さん
初回募集開始 2007年9月
想定利回り(年利換算) 6〜7%
最低投資額 100万円
募集方式 先着式/抽選式
優先劣後方式 あり
中途解約 可能(制限あり)

 一般的に、現物の不動産投資となれば数千万から数億円という資金が必要になりますが、「みんなで大家さん」が提供する不動産小口化商品であれば、資金の少ない個人の投資家でも不動産投資に参加することが可能です。

みんなで大家さんのサービスの仕組み

みんなで大家さんの仕組み

「みんなで大家さん」が提供するのは、不動産特定共同事業法(不特法)に基づく不動産小口化商品です。これは不動産を少額に小口化して複数の投資家に販売する商品です。 

 投資家は、「みんなで大家さん」の運営会社である都市綜研インベストファンド株式会社と匿名組合契約を締結します。同社は集めた出資金で不動産を取得して運用(賃貸)し、その利益を原資に投資家に配当金を支払う仕組みです。各ファンドでは優先劣後方式を採用しており、投資家の元本割れリスクを軽減しています。

みんなで大家さんの運営会社・経営者

「みんなで大家さん」を運営するのは、都市綜研インベストファンド株式会社です。

会社名 都市綜研インベストファンド株式会社
所在地 〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-1-5 関電不動産梅田新道ビル12階
設立 1999年
代表 代表取締役 柳瀬健一
資本金 29億2330万9139円
登録免許 ・不動産特定共同事業許可 許可番号 大阪府知事第8号
・宅地建物取引業免許 大阪府知事(3)第54991号
上場/非上場 非上場

都市綜研インベストファンド株式会社の代表は柳瀬健一氏

「みんなで大家さん」を運営する都市綜研インベストファンド株式会社の代表取締役を務めるのは柳瀬健一氏です。

柳瀬氏は自衛隊での勤務を経て1992年から資産家向け財務コンサルティングビジネスに取り組み、1997年に都市総研インベストバンクグループを設立。不動産開発、不動産証券化、不動産投資ファンドの組成・運用・管理などの事業に取り組んでいます。 そして2007年から「みんなで大家さん」の事業をスタートしています。

2024年6月、みんなで大家さんに行政処分

2024年6月17日、大阪府は「みんなで大家さん」を運用・販売する都市綜研インベストファンド株式会社(大阪市)に、また東京都は同日「みんなで大家さん」の代理販売を行うみんなで大家さん販売株式会社に対し、不動産特定共同事業法に基づいて、30日間、新規販売など一部業務停止を命じました。

指摘された問題点

大阪府や東京都に、「みんなで大家さん」の主要プロジェクトであった「成田空港周辺開発プロジェクト(ファンド名『シリーズ成田』)」に関して、対象不動産である土地の資産性に大きな影響を及ぼす可能性のある重要な事業プランの変更(大阪府によると、訪日外国人向けの観光産業拠点から食品産業の集積拠点へ変更されたとのこと)があったにもかかわらず、投資家に対してその重要事項を説明していなかったとの指摘を受けています。

一部のファンドでは、開発許可を受けていない土地を対象不動産に含めていたにもかかわらず、あたかも開発許可を受けているかのように誤った情報を提供し、勧誘や契約を行っていました。この問題の是正のため、同社は開発許可の対象外の土地を許可を受けた土地と交換しようと試みたものの、その過程でも投資家との契約変更において不適切な行為が発生していました。

さらに、契約成立前交付書面において、宅地造成工事完了後の形状や構造を記載すべきところを、工事完了前の形状を記載していたことも判明しました。

みんなで大家さんへの行政処分の詳細

東京都はみんなで大家さん販売株式会社に対し、上記の不動産特定共同事業に係る業務の一部停止(30日間)のほか、複数に渡る事項について改善を求めています。

改善命令の詳細

今回、指示が出ているのは計8項目です。
 
1. 「シリーズ成田16号」の対象不動産の変更に関し、出資契約の変更・解約についての意思が未確認の投資家に対して契約変更に応じる意思の有無を確認し、都市綜研インベストファンド株式会社に報告を行うこと

2. 共生バンクグループが進める「ゲートウェイ成田プロジェクト」に関し、2023年5月19日付けで計画の報告以降に販売した「シリーズ成田」関連ファンドの出資者に対して、以下の処置を講じること
① 「成田プロジェクト」の計画見直しが、「シリーズ成田」の対象不動産である土地の資産性に大きく影響を及ぼし、当該土地の最終的な売却の可否や売却価格に影響が生じるリスクがあること、計画見直し後の対象不動産の資産価値、将来的な収益性や実現可能性への影響といった、出資者が投資判断を行う上で重要となる事項についての説明
② 法第24条第1項に基づき交付する書面等において、対象不動産の宅地造成工事完了時における形状・構造等の必要事項の明示と説明
③ 今回の処分理由と、処分内容等についての説明

3. 「シリーズ成田」について、出資者から解約の申出があった場合、都市綜研インベストファンド社への取次を誠実かつ適切に行うなど、出資者の保護に万全を期すこと

4. 同様のトラブルの再発防止のために行う具体的な対策の検討と速やかな実行、またみんなで大家さん販売株式会社の役員や従業員、並びに出資者に対し周知徹底すること

5. 法及び関係法令の遵守の徹底、社内研修・教育の計画作成を行い、役員や従業員に対し継続的にこれを実施すること

6. 不動産特定共同事業、またその遂行に関する業務の適正な運営を確保するため、社内の業務管理体制の整備等必要な措置を講じること

7. 指示事項(3)については、出資者からの解約の申出に関する解約申請件数や金額等の対応状況について、当面の間、日次の報告を行うこと

8. その他の指示事項については、その対応状況を2024年7月12日までに書面で報告するとともに、対応に使用した資料を提出すること
情報参照:不動産特定共同事業者に対する行政処分について|東京都

みんなで大家さん、譲渡契約を一時停止。ファンド情報もすべて削除

2024年6月18日、「みんなで大家さん」は譲渡契約の一時停止を発表しました。その背景として、昨日6月17日に発令された行政処分を契機に、契約上の地位の譲渡の申出が多発したことを挙げています。

参照:譲渡契約についてのお知らせ|みんなで大家さん  

同報告では「譲渡契約の締結を一時的に停止」とアナウンスしていますが、簡単にいうと、これまで可能だった中途解約の受付を停止する、ということです。

報告では「利益分配金や出資の価額の評価に影響を及ぼすものではない」としていますが、すでに出資をしている人にとっては不安の募る対応といえます。また、「一時的」といえど、具体的な期日の言及はありません。

2024年6月19日、ファンド情報が消える

みんなで大家さん一時停止

「ゴクラク」編集部が確認したところ、2024年6月19日の時点で「みんなで大家さん」の公式Webサイトでは、すべてのファンド情報(商品一覧)が削除されていました。2024年7月31日時点でファンド情報の掲載は再開されていません。

今後のファンド組成について不透明なだけでなく、過去提供されたファンドについても事前のアナウンスなく情報が閲覧できない状態になっており、順次報告されていた運用状況なども外部からは確認できなくなっています。

2024年7月26日、譲渡契約の再開を発表

「みんなで大家さん」は2024年7月26日、公式サイトで一時停止状態となっていた出資持分の譲渡契約を同7月29日から再開する旨を発表しました。

後述するように、「みんなで大家さん」では件の行政処分を公表した2024年6月17日午後5時から翌18日午後5時までの24時間で延べ400名以上、金額にして28億円にも上る解約申し込みが殺到。それを受けて、今回の再開については以下の条件が設けられています。

・ひと月あたりの譲渡金額予算:最低5億円以上
・想定されるすべての譲渡に応じるために必要な期間:6~12カ月

譲渡完了(=現金化)に最大で1年かかるとしており、投資家としては運用を続けるか、解約の申し込みをするか難しい決断を迫られることになります。

また、同リリース文書で、譲渡請求が多発しやむなく対象不動産を売却した場合には、運用期間満了を待たずに賃貸事業を終了することになる、としています。

2024年6月20日、業務停止から一転「一時効力停止」へ

上述のように、行政処分によって一部業務の停止処分を受けた「みんなで大家さん」でしたが、2024年6月20日には、以下のようなリリースが出されました。
みんなで大家さん販売株式会社(以下「当社」)は、東京都からの業務停止処分に関する裁判で、当社の主張が認められたことをお知らせいたします。これにより、東京都の当社に対する業務停止処分の効力が停止されました。
参照:業務停止処分の効力の停止に関するお知らせ|みんなで大家さん

業務停止の効力停止の詳細

リリースには、東京地方裁判所からの文書が貼付されており、詳細が記載されています。文書によると、「みんなで大家さん」側は、行政処分が下った翌日、6月18日に即本件の申し立てを行っています。「みんなで大家さん」側が求めたのは大きく以下です。
  • 業務停止処分について、本事案の判決確定までの効力停止
  • 出資者に対する説明等を指示する処分の取り消し
これに対し、東京地方裁判所が出した決定は以下です。
東京都知事が令和6年6月17日付けで申立人に対してした別紙記載第1に係る不動産特定共同事業法35条1項に基づく業務 停止処分の効力は、本案事件の第一審判決の言渡後から7日が経過する日まで停止する。
参照:東京地方裁判所の決定文|みんなで大家さん  

つまり、「業務停止の効力停止」は、行政訴訟(一部業務停止命令の処分取消訴訟)の第一審判決後7日間までということになります。加えて、以下の記述もあります。

申立人は、本件業務停止処分の効力を本案判決の確定まで停止することを求めているが、現時点における本案についての理由の有無等に関する申立人の疎明の程度に照らせば、 本件においては、 本案事件の第一審判決の結論をみた上で、改めて効力停止の各要件を判断するのが適当であると思料されるから、本件申立てについては、上記(2)の損害を避けるために、 本件業務停止処分の効力を本案事件の第一審判決の言渡後から7日が経過する日まで停止すべき緊急の必要性はあるといえるが、それを超えて効力を停止すべき緊急の必要性があるとまではいえない。
として、「申立人のその余の申立てを却下する」にとどめています。つまり一時的な業務停止処分の効力停止のみを決定した、ということになります。

解約申し込みの事実も明らかに

同文書内では、「みんなで大家さん」に行政処分が下されたあとの解約申し込みについても言及しています。
公表した日である令和6年6月17日の午後5時から同月18日 午後5時までの間だけで成田商品の事業参加者4百数十名から取引解約の申 入れがあり、 解約申入れに係る出資金総額が28億円以上にのぼる
わずか1日で、28億円以上の解約が相次いだことから、18日の譲渡契約の停止にいたったことが示唆されています。

今後に関するアナウンスはなし

なお、ファンド情報の閲覧については依然としてできないようになっており、また「運用中のファンドについて問題ない」との見解を示している一方で具体的な分配や償還の予定についても不明です。

新規のファンド組成については慎重になっていくことが考えられますが、「シリーズ成田」に限っても多くのファンドが運用中であり、今後どうしていくのか、詳報が待たれます。

不可解?行政処分直後にロンドン証券取引市場に上場

2024年8月、共生バンク株式会社は、同社が保有する、みんなで大家さん販売株式会社の株式97.41%と、英・Bowen Fintech Plcの増資ご株式資本の80.69%相当の新株を交換したことを発表しました。

Bowen社は英ロンドン証券取引所のメインマーケットに上場する「SPAC(Special Purpose Acquisition Company/特別買収目的会社)」で、その名の通り、買収を目的に設立される会社です。この取引によりBowen社は社名を「MOH NIPPON PLC」に変更し、同株式のティッカーシンボルを「MOH」に変更して取引を開始しています。

みんなで大家さん販売会社は、これにより実質的にロンドン証券取引所への上場を果たしたことになります。

「裏口上場」との揶揄も

SPACは、自ら事業を行わないペーパーカンパニーであり、上場後に株式市場から資金調達を行い、その資本をもとに未公開会社の買収を行います。

その“空箱”ともいえる企業に買収された会社の事業を入れることになるため、実質的には本来の上場プロセスを経ずに上場が可能となります。このような方法は「裏口上場」と揶揄されることもあります

本件に関しても同様の方法での上場となっており、疑問の声も挙がっています。

危ない?「成田シリーズ」の進捗はどうなっている?

サービス開始から15年以上と実績もある「みんなで大家さん」ですが、ネット界隈では「危ない」「ヤバい」などの意見も出ています。その中でよく話題に上がり、実際に今回の行政処分でも問題の対象となったのが、「みんなで大家さん」の提供するファンドの1つ「成田シリーズ」です。

みんなで大家さんの「成田シリーズ」とは?

ゲートウェイ成田

「みんなで大家さん」の主要なファンドシリーズの1つである「成田シリーズ」は、成田国際空港の北西に隣接する、約45.5万㎡の大型開発用地「成田空港周辺開発プロジェクト用地」の一部を投資対象としたファンドシリーズで、2024年6月時点で18号まで組成されていました(※同11月時点でも変わらず)。

またもやオープン延期へ

また、2024年11月時点では、以下のようにオープン予定が「2027年冬」へとしれっと延期になっています

ゲートウェイ成田

成田シリーズのスキーム

一般的に開発プロジェクトの場合は開発完了から売却を想定し、その売却益を配当原資にするものが多いですが、「成田シリーズ」では2カ月ごとの配当を行っていることからもわかる通り、配当原資は売却益ではありません。

スキームとしては、運営会社が取得した土地を、造成開発を行う事業者(同グループ会社)へ賃貸し、その賃料収入を原資に配当を行うというものです。

ファンド詳細ページにある「想定賃貸利益」から計算すると、「成田シリーズ」のファンドの運用によって得られる利回りは8.75%です。投資家にはそのうち7%を渡しているため、運営者側としては劣後出資分から得られる7%+(分配金を差し引いた)全体の1.75%が利益になると考えられます。

適正な賃貸によって上記のような利益を得られるのであれば、このようなスキームは成立しますが、開発中の土地は利益を生まないため造成開発業者はどこから巨額の賃料を支払っているのか、という疑問も湧いてきます。

プロジェクトの進捗に暗雲?

みんなで大家さん進捗画像参照:【2024年5月20日現在】開発工事の作業の内容及び様子を公開|GATEWAY NARITA

同地には2027年3月末に、各種商業施設やホテル、アリーナなどを含む大型複合施設「GATEWAY NARITA(ゲートウェイ成田)」がオープン予定で、現在その開発が進んでいるところです。その開発の進捗については同プロジェクトの公式サイトで月に1度程度の頻度で報告されています。当該エリアでの工事状況を写真と動画で撮影したもので、大まかな様子が伺えます。

ただし、撮影の場所が毎回異なる(定点ではない)ため、細かな進捗は把握しにくくなっています。また、それを考慮しても工事の進捗は芳しいようには見えず、いくつかの重機の姿は見えるものの長期間にわたって広大な何もない土地の景色のままとなっています。

2027年3月末に間に合うのか?⇒同年冬に延期

特に投資している人にとっての心配ごとの1つは、予定通り2027年3月のオープンに間に合うのかということでしょう。確認できる限り、造成開発の進捗報告がスタートしたのが2021年3月で、その時点では「GATEWAY NARITA」のオープン予定を2025年としていました。

プロジェクトの遅れとともに、開業予定もずれ込んでおり、現状は2027年3月末となっています。しかし、当初から3年以上が経過しても造成が完了していない点には不安が残ります。

【2024年7月時点】造成工事が70%完了?

上述した譲渡契約再開のリリースでは、成田プロジェクトの進捗状況についても触れています。それによると、「造成工事が概ね70%まで進んでおり、来年6月には完了する見込み」とのこと。

7月30日に公表された直近の作業状況では、これまでよりも多い7台の重機が確認でき、作業を進めていることがわかりますが、これまで延期を重ねてきたこともあり眉唾だとする意見も散見されています。

そして、肝心の各建物の建築着工は2025年秋を予定しているとのこと。まずは、造成工事の完了と建造物の着工までは心して行方を見守っていく必要がありそうです。

施設オープン前に次々に満期・償還が来る

このように「成田シリーズ」は工期がずれ込みながらも次々に新しいファンドが組成され、そのたびに100億円規模の募集がかけられており、「危ない」といった声が出てくるのも無理がない状況といえます(集めた百億円単位の資金が、現時点で開発に投入されている様子も工事の写真・動画からは伺えません)。

また「成田シリーズ1号」の償還は2026年1月を予定しており、以降「9号」までは施設オープン前である2027年3月末以前の償還を予定しています。そして、その総額は約316億円にも達します(募集金額ベース)。

ちなみに現状、「成田シリーズ」に関しては分配の遅延などは発生しておらず、特に初期に投資した投資家はすでに一定以上の利益を得ていると思われますが、果たして上述のような大きな額を遅滞なく無事に償還できるのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。

結局のところ、みんなで大家さんは詐欺なのか

上記のようにプロジェクト運営上の不安があり、かつ今回の行政処分によって一部の問題が顕在化しています。現時点では「詐欺」とまでは断定できませんが、この一件によりその疑念が強まってしまったのは確かです。

みんなで大家さんの特徴

不安な要素が散見される「みんなで大家さん」ですが、これまでの実績から主な特徴をおさらいしておきましょう。

  1. 安定的な高利回り
  2. 運用期間が長め
  3. 2カ月ごとに分配金を受け取れる
  4. 【一時停止中】中途解約が可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.安定的な高利回り

「みんなで大家さん」で提供されるファンドはほとんどが想定利回りが6%以上となっており、高い利回り水準のファンドが安定的に提供されています。不動産小口化商品投資に一定以上の利回りを求める人にとって魅力的な利回りだといえます。

2.運用期間が長め

「みんなで大家さん」で提供されるファンドは全体的に運用期間が長めに設定されています。すべてのファンドで運用期間が3年以上となっており、平均運用期間も4年に迫る長さです。中長期的に腰を据えて投資に取り組みたい人に一定の支持を得ています。

3.2カ月ごとに分配金を受け取れる

「みんなで大家さん」では、分配金を2カ月に1度受け取れます。短いスパンでこまめに収入を得られるのは大きなメリットです。 

例えば、想定利回り6%のファンドに100万円を投資したとすると、投資金額の1%分である1万円(税引前)を年に6回受け取れることになります。

4.【一時停止中】中途解約が可能

運用期間が長くなるとそれだけ不動産の価格変動や災害のリスクなども大きくなるため、一般的に短期運用ファンドのほうがリスクが低いとされています。しかし「みんなで大家さん」は運用中のファンドであっても中途解約が可能で満期を待たずに現金化ができるようになっています。

万が一現金が必要になったときの備えがあるのはうれしいポイントです。

ただし、上述の通り「みんなで大家さん」を運営する都市綜研インベストファンド株式会社は2024年6月18日、その前日6月17日に発令された行政処分(30日間の業務停止処分)を受け、「譲渡契約の締結を一時的に停止」とし、中途解約が「一時的に」できなくなりました。なお、いつまで、というアナウンスはされておらず、すでに投資をした人は引き続き大きな不安を抱えたまま運用が続くことになります。

みんなで大家さんの注意点

「みんなで大家さん」を利用する際の注意点も確認しておきましょう。

  1. 行政処分を受けている
  2. 最低投資金額が1口100万円
  3. 中途解約は手数料が必要
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.行政処分を受けている

「みんなで大家さん」は、過去に以下のようなトラブルを起こしています。

債務超過

「みんなで大家さん」は2011年に行政から会計基準の違いを指摘されているほか、2013年には約32億円の資産過大計上を指摘され、運営会社である都市綜研インベストファンド株式会社が60日間の一部業務停止という行政処分を受けています。

返金遅延

2013年の行政処分でユーザーの解約が多発したことから一時返金の遅延が発生しています。最終的に全額が返金されましたが、利用者としては不安が大きいでしょう。

出資者への報告漏れ

本記事で詳報した通り、2024年6月、「シリーズ成田」に関するプロジェクト計画について、重大な変更があったのもかかわらず、出資者に対し資産価値に与える影響の説明を怠るなどしたことで、30日間の一部業務停止処分がくだされています。

2.最低投資金額が1口100万円

「みんなで大家さん」は小口から不動産投資できますが、最低投資金額は1口100万円となっています。近年では1万円から投資できる不動産クラウドファンディングも多いので、1口100万円は高いと感じる人も少なくないでしょう。

最低出資口数が2口以上という物件もあるため、資金が少ないと案件の選択肢が限られてしまいます。

3.中途解約は手数料が必要

「みんなで大家さん」は上述の通り現状は中途解約を一時停止していますが、対応している場合、解約の際には手数料が発生します。解約手数料率は、出資額の3.3%(税込)相当です。

仮に100万円を出資していた場合は、解約手数料として3万3,000円が差し引かれることになります。当然ながら投資の利益を大きく押し下げることになるため注意が必要です。

みんなで大家さんの評判・クチコミ

「みんなで大家さん」の評判とクチコミをチェックしていきましょう。

うれしい評判・クチコミ

残念な評判・クチコミ

みんなで大家さんの評価は?編集部レビュー

不動産小口化商品サービス「みんなで大家さん」の「危ない」という評判の真相について詳しく考察してきました。最後に、編集部の独断と偏見による評価・レビューを使用開始ます。総合評価は高い順からS・A・B・C・Dの5段階です。

※編集部による評価は、今後組成されるファンドや償還の状況により修正することがあります。

みんなで大家さん評価
評価 D 行政処分により業務停止。プロジェクトに大きな不安あり

「みんなで大家さん」は長い実績を持つ不動産小口化商品サービスです。平均7%近い高利回りで、なおかつ2カ月ごとに配当を受け取れることから根強い人気があります。

ただし、ネット上での評判や噂は(実際に投資していない人も含めて)ネガティブなものが多いのが実情です。2024年6月には「シリーズ成田」のプロジェクト運営で重要な変更事項に関する報告を怠ったことなどで大阪府と東京都から一部業務停止の行政処分が下されています。そして、この「成田シリーズ」については、今後も大きな不安がつきまといます。

成田空港近くの広大な土地に大型複合施設を開発する予定がありますが、工事の進捗は順調とは言い難く、資金繰りについても多くの部分がブラックボックスとなっています。「成田シリーズ1号」の満期・償還は2026年1月で、以降も施設開業前にどんどん満期を迎える予定となっており、無事に償還できるのか、引き続き注目していかなければなりません。

現状はファンド情報の閲覧もできない状態であり、投資や会員登録については慎重に検討したほうがよいでしょう。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

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