つみたてNISAとiDeCo(イデコ)の違いとは?どちらがお得か徹底比較

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#投資の仕組み・スキーム #NISA #iDeCo #投資初心者

将来、公的年金を充分に受け取れるか不安に感じているという声がよく聞かれます。自分で老後資金を作る必要性を感じていても、何から始めたらいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、老後資金をお得に作るのに最適な「つみたてNISA」「iDeCo」という投資制度についてご紹介します。つみたてNISAとiDeCoの違い や自分にはどちらが向いているのかを知りたい方はぜひご覧ください。

つみたてNISAとは

つみたてNISAは2018年4月に始まった「長期積立投資」を支援するための制度です。投資対象は 手数料が低く、分配金が頻繁に支払われる投資信託に限られています。また、「つみたて」の名のとおり、まとまった金額を投資するのではなく、定期的に決まった金額を積み立てる形式で投資するという特徴もあります。

つみたてNISA投資で得られた分配金、譲渡益は年間40万円まで、最長20年間はすべて非課税です。通常の投資信託の利益に課せられる税金「20.315%」は不要です。

つみたてNISAでの投資は証券会社・銀行・郵便局などの金融機関を通じて行います。ただし、金融機関によって投資できる投資信託は異なります。1人=1口座に限られているため、金融機関選びは慎重に行いましょう。

その他の特徴は以下の表をご覧ください。

利用できる人 日本国内に住む18歳以上の人(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税投資枠 新規投資枠で毎年40万円まで。最長20年間
投資可能期間 2018年~2042年

なお、つみたてNISA制度はNISA制度も含めて2024年以降改正されることが決定しています 。新制度については以下の表で確認してください。

つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税期間 無期限
非課税保有限度額
1800万円(うち、成長投資枠の限度額1,200万円。枠の再利用可能)
口座開設期
恒久化
投資対象商品 株式・投資信託 投資信託

新NISA制度では、つみたて投資枠、成長投資枠の併用が可能になります。また、2023年末までに現行のつみたてNISAで投資した分は新NISAに移行することはできません。移行したい場合は一旦売却し、新NISAで投資し直す必要があります。

iDeCo(イデコ)とは

iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」という私的年金です。公的年金とは異なり加入は任意となっており、掛金額、運用方法も自分で決めることができます(※)。「老後の生活資金作り」が目的の制度のため、原則60歳までは換金ができません。※掛金額は職業等で上限額が定められています。

iDeCoは積立形式で投資し、掛金は全額控除対象、運用益が非課税、給付金受け取りの際も税制優遇があります。老後、公的年金にプラスして受け取れるお金を増やしたい方におすすめの投資制度です。その他の特徴は以下をご覧ください。

加入できる人 20歳以上60歳未満の人※勤務先で厚生年金に加入している人、国民年金保険の任意加入被保険者は64歳まで加入可能
投資できる商品 運営管理機関(金融機関)が指定する元本確保商品や投資信託の中から選択
掛金額 月5,000円以上1,000円単位※上限額は職業等によって決定
受けられる税制優遇 掛金:全額控除対象運用益:非課税年金として受け取り:公的年金等控除一時金として受け取り:退職所得控除

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)にはどんな違いがある?

税制優遇の恩恵を受けながら投資をしたいという方でも、つみたてNISAとiDeCoどちらを選んだらいいのか迷うかもしれません。そこで、つみたてNISAとiDeCoの違いを一覧にしました。NISAの新制度も比較していますので、参考にしてください。

最も大きな違いは、換金・払い出し制限の有無でしょう。つみたてNISA・新NISAが制限なしであるのに対し、iDeCoは原則60歳まで払い出しができません。

つみたてNISA つみたて投資枠 iDeCo
投資できる金融商品
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
運営管理機関が選定する運用商品
加入できる年齢
18歳以上
20歳以上60歳未満※勤務先で厚生年金に加入している人、国民年金保険の任意加入被保険者は64歳まで加入可能
積立限度額 年間40万円 年間120万円 年間14.4万円~年間81.6万円※職業等によって異なる
月々の積立額 商品により異なる※月数百円程度から積立可能な場合もあり 月5,000円以上1,000円単位
換金・払い出し制限 制限なし 原則60歳まで不可
税制優遇
運用益非課税
掛金:全額控除対象運用益:非課税年金として受け取り:公的年金等控除一時金として受け取り:退職所得控除
非課税期間 20年 無制限 運用期間中※受取時は税制優遇あり
口座数
1人1口座

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)は併用がおすすめ

つみたてNISA・新NISAとiDeCoの最も大きな違いは「換金・払い出し制限の有無」ではないでしょうか。つみたてNISA・新NISAが制限なしであるのに対し、iDeCoは原則60歳まで払い出しができません。また、つみたてNISAについては非課税期間が20年となっています。

これらの点から、iDeCoは老後の生活資金作りのための制度、つみたてNISA・新NISAは老後の生活資金目的だけでなく、マイホーム資金や教育資金など、老後になる前の資金作りにも使えるということが分かります。

運用に回せる資金がどれだけあるかにもよりますが、できれば、つみたてNISA(2024年からは新NISA)、iDeCoを併用するのがおすすめです。「老後資金」「ちょっと先に必要な資金」を同時に作っていきましょう。

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)の制度を理解して投資を始めよう

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)の制度を理解して投資を始めよう

今回は、つみたてNISAとiDeCoの違い や資産運用方法としてどちらを選ぶべきかなどについて詳しく解説しました。

つみたてNISA、iDeCoは両方とも税制優遇を受けられる投資制度です。通常の投資で発生した運用益には20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAの運用益は非課税扱いとなります。また、iDeCoでは掛金は全額控除対象、運用益は非課税、受取時には税制優遇が受けられます。

どちらもお得な制度ですが、つみたてNISAとiDeCoには払い出し制限の有無などの違いもありますので、これらの制度をしっかり理解してから投資を始めてください。

なお、つみたてNISAは2024年に新制度へと移行します。新制度には非課税期間の無制限化や積立限度額の増加などの変更点があります。今すぐに現行制度で始めるか、2024年まで待って新制度から始めるかについても判断が必要です。

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  • 記事を書いた人 山岡 光

    フリーライター/校正者。編集プロダクション勤務を経て独立。投資経験を活かした不動産・株式・仮想通貨・FX・クレジットカード分野の記事執筆経験多数。わかりやすく読みやすい記事の執筆が得意。投信からグルメ記事まで幅広く作成。

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