社債とは?株式との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説

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#用語解説 #投資初心者
元本保証がある預貯金とは異なり、投資には多少なりともリスクがあります。その中でも、なるべく低リスクで投資したいと考えているならば「社債」に注目してみてはいかがでしょうか。

社債とは何か、そして代表的な投資である「株式」との違い、社債購入のデメリット・デメリットについてご紹介します。

社債とは

「社債」とは金融商品の1つで、企業が発行する債券(会「社」の「債」券)のことです。主に設備投資のための資金調達を目的として発行されます。社債は発行時に額面金額(債券の最低購入単位)と満期が定められており、満期が来ると額面金額が投資家へ返還されます

また、利子が付くという特徴もあります。企業にお金を貸して、返済期限が来たら利子と貸した金額が戻ってくる、というとイメージしやすいでしょう。

なお、社債は発行時だけでなく途中での売買も可能です。ただし途中で売買する際は、額面金額ではなく時価になる点には注意が必要です。

社債と株式の違いは?

企業が発行する金融商品というと、「株式」が思い浮かぶ人も多いでしょう。そこで、社債と株式の違いを6つご紹介します。

1.満期の有無

社債には満期がありますが、株式には満期がないため何年でも持ち続けることができます。

2.返還の有無

社債は満期時に額面金額が返還されます。しかし、株式には返還義務がありません。逆にいうと、売却するまで換金はできません。

3.利息の有無

社債には発行時に定められた利息が付きます。株式には受け取れる利息はありません。ただし、発行企業に利益が出ると「配当」という形で還元が行われることがあります。そのほか、銘柄によっては「株主優待」という株主還元もあります。

4.値動きの仕方

社債の場合、一般的に市中金利が下がれば債券価格が上昇します。株式は発行企業の業績やニュース、国の政治経済の動きなどが原因で上下します。

5.売買する場所

社債は証券取引所、もしくは証券取引所を通さずに直接証券会社で売買しますが、株式の売買は証券取引所のみ(※)で行われます。
※証券会社を通じて注文し、証券取引所で売買が行われます。

6.経営参加権の有無

株式を購入するということは、その会社の一部を買うということと同義です。そのため、株式を保有すると、その企業の経営参加権を持てます。株主は株主総会での議決に参加できるため、間接的に経営に参加していることになるのです。

一方、社債は企業に対しお金を貸しているだけなので保有者には議決権等はなく、経営参加権もありません。

社債の種類

社債にはどのような種類があるのかも確認しておきましょう。

1.普通社債

「ストレートボンド(SB)」とも呼ばれます。額面金額で発行され、満期になると額面金額が戻ってきます。また、定期的に決まった金額の利息を受け取ることができます。

2.転換社債

正式名称は「転換社債型新株予約権付社債」です。「コンバーチブルボンド(CB)」とも呼ばれます。決まった条件を満たせば発行企業の株式に転換できるという特徴がある社債です。

株式に転換すれば売却して値上がり益を狙うこともできます。株式に転換せず保有した場合は、利息や満期時の償還金を受け取ることが可能です。

3.ワラント債

新株予約権付社債とも呼ばれています。一定の期間、決められた金額で発行企業の株式を購入することができる権利が付いた社債のことです。

権利を行使し株式を入手した後も、ワラント債は普通社債として手元に残るため、利息や償還金を受け取る権利もそのまま残ります。

4.劣後債

発行企業が倒産した時などに、償還金や利息を受け取る優先順位が普通社債よりも低くなるように設定された社債です。

償還金や利息が満額時、支払われない可能性もあるため、普通社債と比較するとリスクが高い社債といえますが、そのぶん利回りは高く設定されます。

社債を購入するメリット

社債のメリット社債を購入するメリットを見てみましょう。

1.預貯金よりも利率が高い

2024年5月現在、都市銀行の普通預金の利率は0.02%、定期預金でも0.025%ほどです。それらと比較すると社債の利率は高めに設定されています。

例えば、2024年3月に発行されたソフトバンクグループの期間7年の個人向け社債(無担保)は利率が年3.04%でした。その他の企業の社債でも利率が年0.3〜2.0%台程度と預貯金よりも高めになっています。

なお、一般的に社債のリスクは、発行企業の債務支払能力を示す「格付け」によって判断されます。格付けはもっとも信用度が低いものが「C(シングルシー)」、もっとも高いものが「AAA(トリプルエー)」となっており、格付けが低い社債ほど利率が高めに、高い社債ほど利率が低めに設定されます。

格付けは、信用度の相対的な位置づけを民間の格付け機関が決めるもので、その基準は格付け機関によって異なります。そのため、同じ社債であっても格付け機関によって違った評価になることもあります。

2.定期的に利息が受け取れる

株式でも保有時に受け取れる「配当」がありますが、企業の業績によって金額が変わる可能性があります。一方の社債の場合は、発行時に決められた利率で満期まで定期的に利息が支払われます。定期預金のように貯蓄として利用することもおすすめです。

3.満期まで持つと額面金額が戻ってくる

株式の場合、売却するまで換金はできません。さらに、売却時に買ったときよりも株価が低ければ損失が出ます。社債は満期まで持つと額面金額が戻ってきます。社債発行時に購入し、満期まで持てば、基本的に受け取る額が少なくなることはありません。

社債を購入するデメリット

社債の購入にはメリットだけでなく、デメリットもあります。こちらも確認しておきましょう。

1.新規発行時に購入するのが難しい

社債は不定期で発行されますが、多くは機関投資家(銀行、保険会社などの法人投資家のこと)向けに発行されます。個人向け社債は出回る数が少ないため、購入希望者すべてに行き渡るとは限りません。

また、社債は取扱証券会社がある程度限定されています。購入を希望する場合は、社債を扱う証券会社で口座を開設し、こまめに情報を収集する必要があります。

2.いつでも売買できるとは限らない

社債は新規発行時に購入する以外に、すでに発行されているものを購入することもできます。ただし、売り切れとなっている場合もありますので、購入したいときに社債の取扱証券会社に問い合わせる必要があります。

購入金額等の条件もその時々で変わりますので注意が必要です。また、途中売却も可能ではありますが、こちらも売却金額などを問い合わせる必要があります。途中売買が絶対にできないというわけではありませんが、株式と比較すると各段に難しくなる点には留意しておきましょう。

3.価格変動リスクがある

社債の途中売却は可能ですが、債券価格は変動するため、額面価格を下回ることもあります。損失を出す可能性もある点はデメリットといえるでしょう。 

4.償還されないリスクもある

発行企業が倒産すると、額面金額が全額償還されない恐れもあります。特に、普通社債より償還の優先順位が低い劣後債を購入する場合は注意しましょう

社債は預貯金の代わりとして利用できる

社債とは何かについて、詳しく解説してきました。

社債は、決まった利率の利息が定期的に受け取れる、満期時まで保有すれば額面金額が戻ってくるというメリットのある金融商品です。現時点で利率がかなり低い普通預金や定期預金の代わりに、貯蓄として利用することも検討してみましょう。

ただし、社債はいつでも販売しているとは限らないため、証券会社で新規発行社債の情報をこまめに集めるようにしましょう。

また、途中で売買することも可能ですが、価格が新規発行時の額面金額よりも低く(もしくは高く)なっていることもあります。場合によっては損失を出すこともありますので注意が必要です。途中売買の際は、いつでも売買できる株式とは異なり、証券会社に問い合わせが必要なことも覚えておきましょう。

なお、発行企業の倒産リスクにも要注意です。購入する社債はなるべく格付けの高いものを選ぶことをおすすめします。

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  • 記事を書いた人 田尻 宏子

    2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員第一種資格保有。証券会社、生命保険会社など複数の金融機関勤務後、2016年にライターとして活動開始。現在は「分かりにくいことを分かりやすくお伝えする」をモットーに、株式などの投資関連から、保険や家計管理まで幅広く金融関連記事を執筆中。

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