ソーシャルレンディングでの失敗に共通する5つの事例と回避策を紹介

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#リスクマネジメント #事例

ソーシャルレンディング は「失敗するからやめた方がいい」という声をよく耳にしますが、実際のところどのようなリスクがあるのでしょうか。いたずらに不安になるのではなく、リスクと実際に起こった失敗例、その回避策を認識することで、より安定的な投資を目指しましょう。

そこで今回は、ソーシャルレンディングの失敗例 と5つの回避策を紹介します。 ソーシャルレンディングへの投資を検討している人は本記事を最後までお読みください。

前提:すべての投資にはリスクがある

前提:すべての投資にはリスクがある

「投資=儲かる」というイメージが先行している方が多いのが現状ですが、なぜ儲かるかというとリスクがあるからです。

自宅にタンス預金していても資産が増えることはありませんし、一般の銀行に預けていてもほとんど利息はつきません。ただし、元本の減るリスクがない「安全資産」として安定的に保有することができます。

一方、投資はまだ確定していない未来の利益を見込んでお金を運用するという行為なので、どんなに手堅い案件でも「100%儲かる」ということはあり得ません。社会情勢、気候などの要素が複雑に絡み合って結果が出ます。例えば、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた業界に投資していた方はダメージを受けたはずですが、5年前は誰も予測できなかったはずです。

よって、投資と呼ばれるすべての行為にはリスクがあります。逆に言えば「元本保証で必ず儲かる」と必ず謳っているような案件は、間違いなく詐欺案件であるといえます。リスクはあるけど儲かる可能性があり、それはローリスクローリターンなのか、ハイリスクハイリターンなのか、その中間なのかをしっかり根拠をもとに説明している案件を選択することが必要です。

ソーシャルレンディングのリスク

なお、ソーシャルレンディング投資におけるリスク としては、以下の3つがあります。

リスク1.元本割れ

ソーシャルレンディングは自分が出資したお金を企業や事業に融資する投資です。つまりお金を貸しているわけですので、場合によっては当然貸倒れや返済遅延などのアクシデントが発生します。特に貸倒れになった場合は元本割れとなります。

リスク2.早期償還

ソーシャルレンディングを通して企業や事業に融資したお金は、満期を待たずして返済完了されることがあります。もちろん貸したお金が帰ってきたという側面ではいいことですが、満期まで返済が続けば、得られるはずだった金利が得られなくなるのもリスクといえるでしょう。

リスク3.運用期間中に解約できない

ソーシャルレンディングへの投資は満期まで中途解約できません。運用期間中に融資先企業の先行きに不安を感じたり、ソーシャルレンディング運営会社自体に不審を覚えても資金が動かせず、資産の流動性が低いのもリスクです。

ソーシャルレンディングにおける失敗事例

前項で紹介したソーシャルレンディングのリスクがそのまま顕在化し、投資に失敗した具体例としては以下の5つが代表的です。資金や機会の損失という悪い結果となってしまいました。詳しく見ていきましょう。

失敗例1.貸倒れによって出資金が返還されない

ソーシャルレンディング会社 を通してお金を貸した先の企業や事業が立ち行かなくなり、貸倒れが起こるケースです。投資をする前に、融資先がどのようなプロジェクトなのかを確認すること、そもそも融資先の情報公開をしているソーシャルレンディング会社を選ぶことなどが必要です。

特にトラブルが多いのが海外の企業やプロジェクトを多く扱っているソーシャルレンディングです。特徴として非常に利回りが良い案件がありますが、一方で貸倒れのリスクも大きなものになります。元本が多少削られるくらいのケースから、出資金が一円も返ってこないケースもあるため、リスクとリターンの塩梅はよく考えましょう。

失敗例2.事業者の不祥事・撤退で投資の存続が不可能になった

ソーシャルレンディングを運営している事業者が撤退することがあります。これは、事業者の事業自体が破綻するケースもありますし、法律違反などで金融庁などの行政から指導を受け業務停止命令を受けたり最終的に免許取り消しになったことで事業を撤退するというケース も目立ちます。

この場合、預けているお金が返ってくれば御の字で、返ってこないケースも考えられます。返ってこない場合は裁判となり、更なるお金や時間の損失です。

失敗例3.第二種金融商品取引業の登録を受けていない事業者を利用した

ソーシャルレンディングを事業として運営するには第二種金融商品取引業の登録が必須です。金融庁のホームページにも、以下のような注意喚起文が掲載されており、まず最初にチェックをしなければいけない部分です。

ソーシャルレンディングの仲介者は第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。登録を受けていない業者の募集等は、詐欺的な商法である可能性が高いため、一切関わらないようにしてください。
引用元:金融庁| ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください

万が一、勧誘されたり広告からたどり着いたソーシャルレンディング事業者が第二種金融商品取引業の登録がない場合は、一切関わってはいけません。もし気づかずに既に投資してしまっている場合は、速やかに返還を求めると同時に弁護士に相談しましょう。

失敗例4.中途解約ができないため資金調達に苦労した

満期まで中途解約ができないのがソーシャルレンディングのリスクですが、そのため手持ちの資金をあまりにも多く投入してしまうと、満期になるまでの資金が足りないとなりかねません。満期まで資金を動かせないことを認識し、投資のポートフォリオをしっかり描くことが大切です。

失敗例5.希望のファンドへの投資機会を逃した

満期まで期間が長いファンドに投資し手持ちの資金が足りないことで、希望のファンドへの投資機会を逃してしまうことも考えられます。ソーシャルレンディングが資産の流動性が低い投資方法であることを事前に認識していれば、もう少し慎重になれたはずです。

また、昨今よく起こるのが希望ファンドへの抽選漏れ・先着順漏れです。抽選倍率の高いファンドでの抽選漏れは運しだいなので打てる対策はありませんが、先着順応募の案件の場合は新着情報を定期的にチェックするのを癖づけておくといいでしょう。

ソーシャルレンディングで失敗しないためには?【回避策5つ】

ソーシャルレンディングで失敗しないためには?【回避策5つ】

上記のような失敗をできるだけ避けるためには、どのような点に気をつけてソーシャルレンディングに投資すれば良いのでしょうか。5つの方法をご紹介します。

回避策1.信頼できる事業者を利用する

ソーシャルレンディングを運営している事業者がそもそも信頼できるか。前述した第二種金融商品取引業の登録を受けていることは当然として、ホームページ等で過去の運用実績をチェックしましょう。運用件数だけでなく、過去に元本割れや貸倒れを起こした件数等でリスクを判断していきます。また、会社の代表名等でも検索をかけ、過去に投資系のトラブルに関係していないかも調べる必要があります。

回避策2. 担保や保証がついたファンドを利用する

担保や保証がついたファンドを利用することで、もしも貸倒れが起こっても担保から損失補填がされます。ただし、担保についている不動産がさまざまな理由で売却時に価値が下落している場合は、100%損失が補填されないケースもあることは頭に入れておきましょう。

回避策3. 運用期間の短いファンドを選ぶ

ソーシャルレンディングは満期まで解約できませんが、運用期間が短いファンドを選べばリスク回避にはなります。だいたい目安としては短いもので3ヶ月程度です。

回避策4. 投資資金を分散させる

ソーシャルレンディングの中だけでも投資資金を分散させるのもリスク回避になります。一つのファンドに資金を投入するのではなく、さまざまなファンドや投資商品に分散投資すれば万が一元本割れが起こった時にもダメージを軽減できます。

回避策5. 余剰資金で投資を行う

また、投資は余剰資金で行うことが鉄則です。生活資金や事業資金から無理して捻出した資金で行うのではなく、余剰資金で行い、それ以外の資金と明確に分けることが必要です。

ソーシャルレンディングのリスクを認識し、失敗しない投資を

今回は、ソーシャルレンディングの失敗例 と5つの回避策を紹介しました。

ソーシャルレンディングは投資ならではのリスクと独自のリスクがあります。まずは投資とソーシャルレンディングについて正しい認識をし情報収集をした上で、リスク回避につながるような投資活動を行いましょう。

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  • 記事を書いた人 落合 達也

    早稲田大学社会科学部卒業後、広告代理店を中心に数社経験。2018年よりライターとして独立。年間約150本の企業取材を行い、ビジネス系やHR領域の記事執筆が得意。柔らかくてムニムニしている食べ物が好き。

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