公開日 2024/05/22
最終更新日 2025/03/05
ほったらかしで投資で資産運用できることから近年注目を集めているソーシャルレンディング。
本記事では、危ないという声もあるソーシャルレンディングのリスクやトラブル事例を詳しく解説し、安全に投資するための対策を徹底解説します。
投資を検討している人はもちろん、すでに活用している人も、しっかり理解して投資の参考にしてみてください。
この記事の要点まとめ |
---|
|
のちほど詳しく解説しますが、ソーシャルレンディングには、借り手がローンを返済できなくなる(デフォルト)リスクがあります。
ソーシャルレンディング事業者は事前に借り手の信用調査・審査を行いますが、事業が必ずうまく行くとは限らないため、完全にリスクを排除することはできません。
仮にデフォルトが発生した場合、投資家は元本の一部または全額を失う可能性があります。
このリスクは特に、中小企業や個人への貸付が多い場合に高まります。
多くのソーシャルレンディング投資では決められた運用期間の間、資金が拘束されることになります。
株式や債券のように市場で自由に売買できるわけではないため、急な資金需要に対応するのが困難な点はデメリットです。
また、持分を譲渡するための2次取引市場も未整備であるため、流動性は低いといえます。
なぜなら、貸金業法によって情報の開示が義務化されていないためです。
これは、不動産クラウドファンディングや上場株式に比べて投資対象のリスク評価が難しいことを意味します。
投資家は、具体的な借り手の情報や資金の使途に関する詳細が不明確な場合、リスクを正確に評価しにくくなります。
このような情報の透明性の欠如は、投資判断の精度に影響を与える場合があります。
そのうちのいくつかは業務停止にまで追い込まれる事態となっています。
これにより、多くの投資家が損失を被り、業界全体の信頼性が低下しました。
その後の規制強化によって良い方向へ向かっていますが、完全に信頼を取り戻し、さらなる市場成長を遂げるにはもう少しの時間が必要になる可能性があります。
これにより、ほかの所得と合算して課税されるため、高所得者にとっては税率が高くなる可能性があります。
例えば、株式の配当や不動産の賃貸収入は分離課税であることが多く、これに比べると税制上で不利になることが多いでしょう。
結果として、最終的な手取りのリターンが少なくなる場合があります。
ここでは、ソーシャルレンディングでよくあるトラブルとその原因・対策について詳しく解説します。
元本割れは、融資先の事業者が倒産したり、ソーシャルレンディング事業者が倒産したりした場合に発生します。
以下で原因について詳しく解説していきます。
しかし、中にはプロジェクトが計画通りに進まないケースもあります。
その要因としては以下が挙げられます。
仮に融資先事業者自体が倒産してしまえば、資金の回収は難しくなります。
ソーシャルレンディングの融資先事業者の中には零細企業や個人事業主というケースもあります。
そのような事業者は財務状況が脆弱な場合も多く、倒産の可能性が相対的に高いといえます。
したがって、融資の仲介者であるソーシャルレンディング事業者が倒産した場合も元本割れの可能性が極めて高くなります。
具体的には以下のような状況が考えられます。
中には情報の不正やずさんな管理体制、あるいは詐欺的な募集など、ソーシャルレンディング事業者が不祥事を起こしたケースもあります。
以下は、ソーシャルレンディング事業者が起こした不祥事の一例です。
しかし、実際には集めた資金のほとんどは親会社や関連会社への貸し付けであり、かつそれをWebサイトに明記していなかったほか、設定された担保は親会社の未公開株式でした。
さらに、未償還(返済)の資金が、すでに運用終了したファンドの償還金の原資として充当されていました(ポンジスキーム)。
さまざまな点を証券取引等監視委員会から指摘され、行政処分を受けています。
なお、最終的に集めた資金のうち約31億円は償還が滞り、今もそのほとんどは投資家の手に戻っていません。
最終的には会員数6万人以上を抱える国内最大級のサービスにまで成長しました。
しかし、融資先事業者が行うプロジェクトの大幅な進捗の遅れにより巨額の赤字を計上。
さらに資金使途違反までが発覚したことで、最終的には事業撤退にまで追い込まれています。
その後、2021年4月に関連ファンドの未償還元本相当額について、SBIグループにより最大150億円の補填が行われました。
そして投資家への個別調査を経て、2021年9月から順次補填が開始されており、結果として投資家は損失を免れることとなりました。
しかし、融資先の太陽光発電事業者が、本来の目的とは異なる用途で資金を流用していたことが発覚。
そのほか、融資先事業者の財務状況や事業内容について、虚偽または誇張した説明を行い、投資家を募っていたことが判明しました。
これらの不祥事により、株式会社グリーンインフラレンディングは投資家から損害賠償請求を受け、2019年4月に破産申請を行いました。
負債総額は約127億円にのぼり、5,000人近い投資家が被害を受けました。
これは、投資家から集めた資金を当初の計画とは異なる用途に使用してしまう行為です。
では、具体的に危ないソーシャルレンディング事業者を見分け、避けるためにどのようなポイントを見て投資の判断をすれればよいのでしょうか。
ここでは4つに絞って解説します。
これらの数値は、そのプラットフォームがどれだけリスクの高い融資を行っているかを示す指標となります。
貸し倒れが多い場合、投資した資金を回収できないリスクが増します。
信頼できるプラットフォームはこれらの情報を透明に公開し、過去の実績を示すことで投資家の信頼を得ています。
行政処分を受けているプラットフォームは、法令遵守や内部管理に問題がある可能性が高いため、投資家にとってリスクが高いと考えられます。
金融庁や消費者庁などの公式サイトで過去の行政処分履歴を確認できますので事前にチェックしておくと安心です。
融資先が明確に公開されている場合、投資家はその企業やプロジェクトの信頼性を自分で調査することができます。
透明性が高いプラットフォームは、投資先の詳細情報を提供し、投資家がリスクを適切に評価できるようにしています。
上場企業が運営しているソーシャルレンディングサービスは、一定の信頼性と透明性を持っていることが期待できます。
上場企業は定期的な監査を受け、財務情報や経営情報を公開する義務があります。
投資家はプラットフォームの健全性を確認しやすくなるため、信頼感の担保につながります。
ソーシャルレンディング(融資型/貸付型 クラウドファンディング)は、インターネットを通じて投資家が企業などに融資を行う投資サービスです。
融資を受けた事業者はそのお金を使って事業を行い、利息をつけてお金を返済をします。
このときの利息を原資として、投資家へ出資した金額に応じて分配金が支払われます。
事業者としては、銀行などの金融機関では審査の通りにくい事業などでもソーシャルレンディングを用いることで融資を受けられる可能性が高まります。
そのため、新しい資金調達の手段としても注目を集めています。
1.ソーシャルレンディング事業者が、企業や個人事業主から融資希望を受け付け、案件を募集します。
2.投資家は、ソーシャルレンディング事業者のWebサイトを通じて会員登録して案件を閲覧し、投資したい案件(ファンド)を選んで出資します。
3.ソーシャルレンディング事業者は、集まった資金を企業や個人事業主に融資します。
4.企業や個人事業主は、融資を受けた資金を事業運営に使い、一定期間後に元本と利息を返済します。5.投資家は、企業や個人事業主から返済された元本と利息を原資とした分配金を受け取ります。
メリットについてもあらためておさらいしておきましょう。
多くのプラットフォームでは1万円から投資が可能。
大きな金額を投じるのに心理的ハードルがある投資初心者や、余剰資金が限られている投資家でも参加しやすいのが特徴です。
少額から始めることで、投資のリスクを分散しやすく、複数の案件に投資することでリスクを軽減することができます。
例えば、「Funds(ファンズ)」や「AGクラウドファンディング」などのサービス事業者では、1円からの投資も可能です。
多くのソーシャルレンディング案件では、年利換算で想定利回り3〜7%、場合によっては10%以上の利回りが提示されることもあります。
これは、低金利が続く銀行預金や国債と比べて非常に高いリターンであるといえます。
高利回りを狙えることは、特に安定的なインカムゲインを重視する投資家にとって大きな魅力となります。
不動産事業はもっとも一般的ですが、それ以外にも飲食店の開業や再生可能エネルギープロジェクト、リゾート施設開発、海外事業などが含まれます。
このような対象事業の多様性により、投資家は自身の興味や投資戦略に応じて、さまざまな案件を選ぶことができます。
また、多様な案件に分散投資することで、ポートフォリオ全体のリスクを軽減させることもできます。
ソーシャルレンディング案件には、中小企業の資金調達や再生可能エネルギープロジェクトの資金提供などがあり、社会的に意義のあるプロジェクトに投資する機会が得られます。
投資家は自らの投資を通じて、金銭的なリターンだけでなく社会に貢献するという「対価」を得られます。
さらに、経済の活性化や持続可能な社会の実現に寄与することができます。
ただし、こうした事業者の不祥事を受けて、金融庁は規制強化に動いています。
これにより、参入事業者の数は近年減ってきてはいますが、逆にいえば安全性の高い事業者が生き残った、とも考えられます。
サービスの黎明期と比較すると安心感は高まったといえるでしょう。
また、投資家個人としても、投資にはこうしたリスクがつきものであることを心に止めておく必要があります。
生活に必要な資金まで投入するのではなく、あくまで余裕資金で運用を行うこと、特定ファンドに大金を入れずに分散投資を心がけることが重要です。
2025/02/04
#事例
2025/01/07
#リスクマネジメント
2024/12/27
#リスクマネジメント
2024/12/16
#事例
2024/12/11
#事例
2024/12/04
#事例