ソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資に役立つ参考図書3選
公開日 2024/04/18
最終更新日 2024/05/22
今回は、ベテランクラウドファンディング投資家でもある私も実際に参考にした、ソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資に役立つ書籍を3冊ご紹介します。
筆者:中田健介(投資家・実業家・ブロガー) |
IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。 |
1.『1万円からはじめる投資 ソーシャルレンディング入門』著者:SALLOW
著者のSALLOW氏は本書出版当時は製造業で働く京都在住の会社員でした。28歳の時に株や投資信託、FXなどの投資を始めますが、リーマンショック時に250万円の損失を出してしまいます。2014年~15年の「黒田バズーカ第2弾」時には大きく儲けるものの、自身が日々の値動きに一喜一憂する投資に向いていないことに気づきます。以降、2012年から始めた値動きを気にする必要のないソーシャルレンディングへの投資に力を入れ続け、本書出版時点で投資額8000万円以上で、年間400万円以上の不労所得を得るようになりました。
本書では、ソーシャルレンディング投資の魅力についてさまざまな角度から説明されています。中でもユニークなのは、「古今東西、お金持ちになるのは『金貸し』」という視点です。著者は、ソーシャルレンディングの本質は古くから世の中に金融という形で干渉し貢献してきた「金貸し」であるとし、古今東西、お金持ちになるためのもっとも有力な手段の一つがその「金貸し」だと述べています。
初心者が押さえるべきポイントは2つ
ソーシャルレンディング投資で初心者が押さえるべきポイントは、「保全」と「分散」の2つだけであるとし、それぞれ具体的に解説しています。「保全」とは、貸し付けたお金がきちんと返ってくるような仕組みのことで、担保と保証の2種類があります。「分散」とは、事業者と案件の種類を、少額ずつ多くの対象に分けることです。これら2点をおさえておくことで、初心者でも上級者と同じパフォーマンスを出せるとのことです。
投資に役立つポイント
著者のSALLOW氏は現在ソーシャルレンディングに1億円以上を投資しています。また、2021年にはFIREを果たしています。長年にわたりソーシャルレンディング投資で利益を上げ続けてきた著者の言葉には大変説得力があります。本書でも触れられていますが、ソーシャルレンディング投資の特徴の一つは再現性が高いという点です。値動きのある株式やFXなどで成功した投資家の投資手法をそのまま真似ても同じように成功するとは限りませんが、ソーシャルレンディングであれば、成功した人の投資手法をそのまま真似た場合、同じように成功する可能性が高いといえます。
2.『投資2.0~投資型クラウドファンディング入門~』著者:藤原久敏
著者の藤原久敏氏は1級FP技能士・CFPで、尼崎信用金庫勤務を経て独立。現在は投資に関する講演・執筆を中心に活動しており、著書は20冊以上あります。各スキームの仕組みや特徴をわかりやすく解説
本書で「投資型クラウドファンディング」として取り上げられているのは、「貸付型」「ファンド型」「株式型」の3種類で、ソーシャルレンディングだけでなく幅広いサービスを紹介しています。それぞれの仕組みや特徴・違いをわかりやすく解説しています。
「貸付型」として挙げられているのは「maneo(マネオ)」「OwnersBook(オーナーズブック)」「CROWD CREDIT(クラウドクレジット)」「Crowd Bank(クラウドバンク)」「SBIソーシャルレンディング」などです。
「ファンド型」の例としては「セキュリテ」「Sony Bank Gate(ソニーバンクゲート)」など、「株式型」の例としては「FUNDDINO(ファンディーノ)」「エメラダエクイティ」「GoAngel(ご縁ジェル)」などが挙げられています。
業者を選ぶポイントとして、「実績」「最低投資額と利回り」「業績」の3つが挙げられています。また、貸付型のファンドを選ぶポイントとして、「利回りと運用期間」「担保や保証内容」を見るべきと説明されています。
投資に役立つポイント
「貸付型」「ファンド型」「株式型」すべてについてあくまで「投資」と捉え、投資家の観点から、実践的・網羅的に解説した書籍は珍しく、ほかではあまり見ない内容です。記述についても正確で、投資型クラウドファンディングの良い面ばかりでなく、運営業者の行政処分についてなど、業界の負の側面にも目を向けてきちんと解説しており、信頼性は高いと考えられます。ただし2018年出版の書籍であるため、残念ながら不動産クラウドファンディングについては取り上げられていません。
3.『不動産投資 1年目の教科書』著者:玉川陽介
著者の玉川陽介氏は大学在学中に統計データ処理受託の会社を設立。同社を毎年増収増益で成長させ、2006年にM&Aで上場会社に売却。その資金で本格的に不動産投資を始めました。現在は、都心を中心に多数の投資物件を保有し、宅建業者として売買仲介も手掛ける傍ら、『週刊ダイヤモンド』など経済誌への記事執筆も行っています。本書は、これから不動産投資を始めたい初心者が、1年目に教科書として使えるよう、著者がセミナーや相談受付をした際に多くの人から受けた質問を集約してQ&A方式で解説したものです。
「一棟と区分はどちらがよいのか?」「RCと木造では?」など、初心者投資家の質問には、いくつかの基本パターンがあり、その中に質問の9割方は集約できることに著者はあるときに気付いたそうです。
投資初心者が抱きやすい質問に回答
本書の構成は、大きく「物件選定編」「融資活用編」「収支計画編」「リスク回避編」の4部に分かれています。例えば以下のようなよくある質問に答えています。- 最初に買うなら区分所有と一棟物件のどちら?
- 木造がいいといっている人が多いのはなぜ?
- 収支計画はどのように立てればいい?
- なぜ不動産投資では借り入れすることが重要なの?
- 不動産を持つのは個人と法人のどちらが有利?
- 日本の借金は1000兆円以上あるが、そんな国に不動産を買って大丈夫?
- 東京で大地震が起きたらどうなる?
投資に役立つポイント
不動産クラウドファンディング投資を手掛けるにあたり、投資対象である不動産物件の種類や立地・構造・築年数・収益性といった点について自分なりに評価・判断できるようになるためには、不動産投資の基本的な考え方や用語について知っておくことは重要です。主題は現物の不動産投資ですが、不動産クラウドファンディングの投資判断のための入門書としても本書は役立つでしょう。知識をつければ投資はもっと楽しくなる
今回は、ソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資に役立つ書籍を3冊紹介しました。最近はネット上でもさまざまな記事や有用な情報が得られるので、情報収集はそれで十分という人も多いかも知れません。私自身も以前に比べて読書量は減っているように思います。
しかし、本を読むことで一つのテーマについて体系的に理解できるメリットはやはり大きいといえます。そうして得られた知識・知恵は、長期的な投資方針を立てたり、判断に迷った時などに助けになるかもしれません。
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