不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディング、おすすめはどっち?

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#投資の仕組み・スキーム #投資初心者
こんにちは。投資家・ブロガーの中田健介です。

「ゴクラク」では、不動産クラウドファンディングソーシャルレンディングの両方の情報を扱っています。この2つは商品性が似ている点もありますが、仕組みや基づく法律など異なる点もあります。

今回は、この2つの共通点と違いについて紹介しつつ、人によって不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディング、どちらがおすすめなのかを解説していきます。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの共通点

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの共通点不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングにはいくつかの共通点があります。まずは両者の共通点から見ていきましょう。

共通点1.「匿名組合契約」のスキームによりファンド形式で募集される

不動産クラウドファンディングもソーシャルレンディングも、どちらも「匿名組合契約」と呼ばれる投資スキームを用いた投資商品です。匿名組合契約とは、サービス事業者の営業のために出資を行い、その営業から生じる利益を分配することを約束し契約するものです。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングは、いずれも不特定多数の投資家からファンドを通じて資金を募り、投資家は個別にサービス事業者と匿名組合契約を結ぶことで出資を行います。

共通点2.少額から投資できる

不動産クラウドファンディングもソーシャルレンディングも、少額から投資できるのは大きな共通点であるといえます。どちらも多くのファンドでは1万円から投資が可能ですが、ソーシャルレンディングの場合は1円から投資できるものもあります。

共通点3.事前に「想定利回り」が設定され、運用中の値動きがない

どちらの投資商品も、ファンドが募集される前から「想定利回り」が設定されます。通常、想定利回りは年利換算で表示され、ファンドが問題なく運用された場合に受け取ることのできる利益が事前にわかるようになっています。

株式投資信託などとは違い、運用中の値動きがないため投資資金の運用計画が立てやすいのは両者に共通するメリットです。

共通点4.あらかじめ運用期間が決まっている

いずれも利回りだけでなく、ほとんどのケースでファンドの運用期間も決まっています。通常、運用期間は数カ月~3年程度で設定され、所定の運用期間を経たあとに投資元本が償還(返金)されます

特に運用期間が12カ月以下のファンドでは償還と同時に分配金を受け取るケースが多くなっていますが、比較的長期で運用するファンドの中には3カ月ごとや6カ月ごとに分配金を受け取れるものもあります。

共通点5.運用の手間がない

投資をしたあとは、ほったらかしでOKな点も両者の共通点です。どちらの投資商品も、投資資金の運用はサービス事業者が行うため、投資家は運用中にすることはありません。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違い

上記のような共通点があることから混同されることも多い両者ですが、細かい点を見ていくとまったく異なる投資商品であることがわかります。次は違いについて見ていきましょう。

違い1.投資対象(出資金の使途)

不動産クラウドファンディングでは、出資したお金は「不動産そのものの取得」に使われます。サービス事業者は出資金で不動産を取得して運用し、それによって得る賃料収入や売却益を出資額に応じて投資家に分配します。

一方のソーシャルレンディングでは、出資したお金は「第三者への融資」に使われます。サービス事業者は集めた出資金を、何らかの事業を行う事業者へ融資し、それによって得る利子を出資額に応じて投資家に分配します。

違い2.基づく法律と事業運営の許可

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングとでは、基づく法律が異なります。不動産クラウドファンディングは「不動産特定共同事業法(不特法)」に基づく投資商品で、事業を行うには、事業の種類によって国土交通大臣および金融庁長官による許可、または各都道府県知事による許可が必要となります。

一方のソーシャルレンディングは、「金融商品取引法(金商法)」および貸金業法に基づく投資商品です。事業を行うには、第一種金融商品取引業、または第二種金融商品取引業、および貸金業の許可・登録を受ける必要があります。また、管轄する省庁も異なります。不動産特定共同事業者を管轄するのは国土交通省ですが、金融商品取引事業者を管轄するのは金融庁です。

違い3.開示する投資情報の違い

不動産クラウドファンディングでは、実質的に不動産そのものに投資を行うため、対象不動産の情報は欠かせません。各サービス事業者もそれぞれの方法で基本的に細かく不動産の情報を開示しています。

一方のソーシャルレンディングでは少し様子が異なります。ソーシャルレンディングでは投資家は出資によって間接的にではありますが第三者に融資を行うことになります。このとき、融資先事業者の情報を詳細に開示し、投資家が閲覧できた場合、投資家は貸金業法上の「貸金業者」とみなされてしまい、貸金業の登録免許が必要になってしまいます

とはいえ、すべてのソーシャルレンディング投資家に貸金業者の登録を求めるのは非現実的であるため、投資家が「貸金業者」とみなされないようにあえて一部の情報を隠して資金を募ることがあります

「情報の匿名化」の弊害

ただし、この「情報の匿名化」を原因とした不祥事も起きたことから、現在では金融庁はソーシャルレンディングにおける情報開示では、一定の要件を踏まえれば匿名化・複数化が不要である旨を公表しています。とはいえ金融庁は「情報を開示してもよい」といっているだけであり義務ではないため、依然として最終融資先の情報が不透明な状態でファンドを募集している事業者もあります。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングに共通するメリット・デメリット

次に、両者に共通するメリット・デメリットを紹介していきます。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングで共通するメリット

両者に共通するメリットとしては以下が挙げられます。
  • 少額から始められる
  • 預金や債券などと比べて利回りが高い
  • 運用の手間がない
  • 景気・為替変動などの影響をほとんど受けない
  • 定期的に配当が得られる
細かな仕組みの違いなどはありますが、上記の事項においては共通したメリットがあるといえます。利回りは、どちらの投資商品もファンドによって大きな幅があり、下は1%台、上は10%を超えるものまであります。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングで共通するデメリット

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングで共通するデメリットとしては以下の点が挙げられます。
  • 事業者リスクがある
  • 原則として中途解約できない
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングは、いずれもサービス事業者を介して投資を行う商品です。そのため、事業者自体が倒産することによって出資金を毀損するリスクもはらんでいます。

また、両者ともに原則として中途解約はできないところがほとんどです。急に現金が必要になったときに困ることのないよう、余裕資金で運用することをおすすめします。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの独自のメリット・デメリット

メリット・デメリット続いて、不動産クラウドファンディング独自のメリットとデメリットを見ていきましょう。

不動産クラウドファンディング独自のメリット・デメリット

不動産クラウドファンディングだけが持つメリットとデメリットを簡単にご紹介しましょう。

不動産クラウドファンディング独自のメリット

まずはメリットから紹介していきます。
  • 現物不動産の裏付けがある
  • 投資リスクを低減する優先劣後出資方式がある(匿名組合型の場合)
  • 相続税対策になる任意組合型ファンドも選べる
不動産クラウドファンディングの投資対象は不動産です。現物不動産には価値の裏付けがあり、数年の運用の間に不動産市況によって価値を下げる可能性はあっても、無価値にまでなる可能性は極めて低いといえます。

また、不動産クラウドファンディングでは「優先劣後方式」という元本割れリスクを軽減する仕組みがあります。これは事業者自身も出資を行い、仮に運用で損失が出た場合は、その事業者出資分から損失を負担するという仕組みのことをいいます。

ソーシャルレンディングでも「セイムボート方式」という似た仕組みを取り入れているところもありますが、セイムボート方式では事業者も出資をするという点は同じですが、損失は投資家も同様に負担することになります。また、不動産の所有権を持つことができる任意組合型ファンドは、ソーシャルレンディングにはありません。税対策をしたい場合は不動産クラウドファンディングの任意組合型ファンドが有利です。

不動産クラウドファンディング独自のデメリット

不動産クラウドファンディング独自のデメリットとしては以下が挙げられます。
  • 不動産投資が抱えるリスクをそのまま負う
不動産クラウドファンディングはファンドを通じた少額投資ですが、抱えているリスク 自体は現物不動産と基本的に変わりません。運用している不動産に空室が出れば得られる賃料が下がり利益が小さくなる可能性がありますし、運用中に不動産の価値が下落する可能性もあります。

また災害等による建物の破損・倒壊などのリスクもあります。リスク軽減の措置はあるものの、基本的に不動産に投資をする以上は避けられないリスクだといえます。

ソーシャルレンディング独自のメリット・デメリット

続いて、ソーシャルレンディングだけが持つメリットとデメリットを簡単にご紹介しましょう。

ソーシャルレンディング独自のメリット

ソーシャルレンディング独自のメリットとして、以下が挙げられます。
  • 投資対象事業が幅広い
  • 担保・保証などによるリスク低減措置のあるファンドがある
ソーシャルレンディングのメリットとしてはやはり投資対象の事業が多彩であることが挙げられます。不動産自体の投資を行う不動産クラウドファンディングと違い、いろいろな事業に投資が可能です。

また、仮に事業がうまくいかなかった場合に備えて、担保や保証を付けているファンドもあります。元本が100%保証されるわけではありませんが、一定のリスク軽減の仕組みがあるのは安心できる要素となります。

ソーシャルレンディング独自のデメリット

ソーシャルレンディング独自のデメリットとしては、以下が挙げられます。
  • 貸し倒れリスクがある
ソーシャルレンディングでは、一旦お金を預けるサービス事業者と、さらにそこからの融資先となる第三者事業者、2つの事業者が関わることになります。サービス事業者の倒産リスクは不動産クラウドファンディングも同様に存在しますが、融資先の倒産リスクはソーシャルレンディングだけにあるリスクです。それによって貸し倒れ、つまりお金が返ってこない、ということも起こり得ます。

それだけに、ソーシャルレンディングでは、サービス事業者の信用やファンドの対象事業の内容に加え、融資先の信用も詳しくチェックする必要があります。

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディング、おすすめはどっち?

不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディング、おすすめはどっち?不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングにはこれまで見てきたように違いがあります。この違いを踏まえて、それぞれ以下のような人におすすめできます。

不動産クラウドファンディングがおすすめな人

不動産クラウドファンディングの特徴の1つは、住居・商業不動産など、さまざまな不動産に投資できることです。一般的に、不動産投資はお金持ちしかできないもの、あるいは多額のローンを組まないとできないもの、というイメージがあります。

しかし、不動産クラウドファンディングであれば、最低1万円ほどの少額から多様な不動産に投資できます。中には一般の投資家が現物としてはなかなか投資できない商業施設や物流施設・ホテルなどにも投資可能な点もメリットです。このように、不動産クラウドファンディングは、これまで不動産投資に興味があったけれどもなかなか踏み出せなかった、という人におすすめです。

さらに、不動産クラウドファンディングの一部のファンド(任意組合型ファンド)では相続税における評価額引き下げの効果があります。こうしたファンドは、相続税対策を考えている人におすすめできます。

ソーシャルレンディングがおすすめな人

ソーシャルレンディングのメリットの1つとして挙げられるのは、モノではなく「事業に投資する」という観点を持てることです。ソーシャルレンディングでは、サービス事業者を通してお金を貸すことで、その先の事業者が行う事業を支援することになります。

例えば、あなたは街で行列ができるほど繁盛している飲食店を見たとき、「この店に投資出来たらなあ」と考えたことはないでしょうか(筆者はよくあります)。ソーシャルレンディングなら、このような望みをかなえることができます。

また、その投資対象となる事業は多種多様で、飲食業や不動産、ITサービス、さらにSDGsを意識したインパクト投資まで、実にさまざまです。そのため、ソーシャルレンディングは、世の中の色々な事業に興味を持って投資してみたいという人におすすめです。

特性を知って自分にあった投資を選ぼう

今回は、不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディング、おすすめなのはどっち?というテーマで、それぞれのの共通点と違いについて細かく見ていきました。

この2つの投資商品は、共通点も多いことから混同されることも少なくありません。しかし実際には、投資スキームや投資対象、関連する法律などさまざまな部分で違いがあります。

「なんとなくやっているけれど、具体的に何に投資をしているのかはよくわからない」というのはあまり健全な状態とはいえません。しっかり違いを踏まえた上で、自分に合った投資を選択することをおすすめします。

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  • 記事を書いた人 中田健介

    IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

    この執筆者の記事を見る
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