投資信託とは?仕組みや特徴について初心者にも分かりやすく解説
公開日 2023/10/20
最終更新日 2023/12/21
投資信託は、投資の専門家が代わりに運用してくれることから、特に投資初心者から資産形成の手段として注目を集めている金融商品です。一方で、具体的に投資信託がどんな仕組み・特徴をもつ商品なのか理解していない方も多いのではないでしょうか。
今回は、投資信託とはをテーマに、基本的な知識や特徴などについて投資初心者にも分かりやすく解説していきます。投資信託への理解を深めたうえで、自分にあった資産形成手段を見つけていきましょう。
投資信託とはどんな投資方法?
投資信託とは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が投資家の代わりに投資・運用してくれる金融商品です。私たち投資家が投資信託を購入すると、その投資資金はファンドマネージャーに預けられることになります。
ファンドマネージャーは、多くの投資家から預かった資金をひとつの大きな資金としてまとめ、投資信託ごとに決められた投資先や運用方針のもとに選定した国内外の株式や債券などに分散投資します。この運用によって得られた収益が、保有口数に応じて投資家に分配されるのです。
投資信託の種類
ひと口に「投資信託」といっても、さまざまな種類があります。「投資先」と「運用方法」の2つの点から、それぞれどのような種類があるのか見ていきましょう。
1.投資先による分類
投資家から集めた資金の投資先は、投資信託ごとに異なります。「なに(資産)に投資するのか」、そして「どこ(地域)に投資するのか」という視点で解説していきます。
資産
投資対象となる資産は、大きく分けて「株式」「債券」「不動産(リート)」、そしてエネルギーや貴金属、穀物などの「コモディティ(商品)」があります。また、これらを複数組み合わせて投資する「バランス型」とよばれる投資信託もあります。それぞれ特性に違いがあり、期待できるリターンや抱えうるリスクの種類、大きさも異なります。
株式
値動きの幅が比較的大きいため、株式で運用する投資信託は大きな値上がりを追求できます。一方で、値下がり幅も大きくなるため、リスクが大きい資産です。
債券
債券で運用する投資信託は、株式と比べると値動きは安定しています。そのため、リスクは低い資産だといえますが、その分高い収益は期待できません。
不動産(REIT/リート)
リート(REIT)は、オフィスビルや商業施設などの不動産を所有し、賃料収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。リートで運用する投資信託は、分配金の利回りが相対的に高く、株式同様に積極的に利益を期待できます。もちろん、リスクも比較的大きくなります。
コモディティ(商品)
エネルギー、貴金属、穀物などのコモディティは、株式市場等との連動性が低く、異なる値動きを示す傾向にあります。投資対象に含めることで、分散投資を図れます。
バランス型
複数の資産を組み入れた投資信託をバランス型といいます。ひとつの資産だけを対象とした投資信託と比べるとリスク分散が期待でき、ファンドそのものの大幅な下落を防ぎます。
地域
投資信託の対象地域は、主に次の3つに分けられます。
日本国内
日本国内の投資対象資産で運用します。為替変動リスクがなく、投資対象も身近であるため市場動向を比較的把握しやすい点が特徴です。
海外(先進国)
アメリカや欧州など、主に経済がすでに大きく発展している先進国で運用します。新興国と比べると、高成長はそれほど期待できないためリターンは小さくなる傾向にありますが、政治・経済は比較的安定していてリスクも小さくなります。
海外(新興国)
アジアや中南米諸国など、大幅な経済成長を期待できる新興国で運用します。積極的なリターンを追求できる半面、政治・経済が脆弱で安定性に欠けるためリスクも大きくなる傾向にあります。為替変動が大きく、カントリーリスクも高いとされています。
2.運用方法による分類
投資信託の運用方法には、大きく分けてインデックス型とアクティブ型の2つがあります。
インデックス型
日経平均株価やNYダウなど、特定の市場平均を示す指数(=インデックス)に運用成果が連動するよう設計された投資信託です。市場平均並の運用成績を期待できますが、基本的にそれを大きく上回るようなリターンは得られません。
アクティブ型
特定の指数(=インデックス)を上回る運用成績を目指す投資信託です。運用のプロであるファンドマネージャーが、市場や企業を調査・分析したうえで組入銘柄を選定します。ファンドマネージャーの手腕によってはインデックス型を大きく超えるリターンを期待できますが、一方で市場の平均リターンを下回る可能性もあります。
投資信託の特徴やメリット5つ
では、投資信託にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、主な5つをご紹介します。
- 少額で投資できる
- 情報の透明性が高い
- 専門家に運用を一任できる
- NISAやiDeCoで節税しながら投資できる
- さまざまなテーマからファンド選べる
それでは、以下で詳しく見ていきましょう。
特徴1.少額で投資できる
投資信託は複数の投資家から資金を集めるため、1人あたりの投資額は少額で済みます。株式投資の場合は、基本的に一単元(100株ごと)に購入するため数万円~数十万円程度と、ある程度まとまった資金が必要です。
しかし、投資信託であれば月100円から投資できる商品も少なくありません。家計に負担なく、手軽に資産運用を始められます。
特徴2.情報の透明性が高い
投資信託は、取引価格となる基準価額が原則として毎日公表されており、自分が保有する投資信託の資産価値や値動きを把握しやすい商品です。
また、決算ごとに、投資信託に関する会計や経理処理が適切であるかなどの監査を受けています。それゆえ、投資信託の透明性は高く、安心できる金融商品といえるでしょう。
特徴3.専門家に運用を一任できる
投資信託は、運用のプロであるファンドマネージャーが投資家に代わって、銘柄や売買時期などの投資判断や取引をしてくれます。投資に必要な知識や手法を身につけるのはなかなか難しく、時間がかかるものです。
投資信託は、投資知識や経験が浅くても安心して始められます。また、個人投資家が買えない銘柄や手を出しにくい銘柄にも投資してくれるので、資産運用の幅が広がります。
特徴4.NISAやiDeCoで節税しながら投資できる
NISAとiDeCoはいずれも、運用益を非課税とすることでより資産形成を始めやすいように国が作った制度です。本来、運用によって得られた利益に対しては20.315%の税金がかかりますが、NISAやiDeCoの口座を利用して運用した場合には非課税となります。
投資信託は、NISAとiDeCoいずれも対象となっており、これらを活用することで効率よく資産形成を進められます。
特徴5.さまざまなテーマからファンド選べる
投資信託は商品ごとに運用方針が異なり、その運用方針に沿って銘柄選定して運用しています。AI(人工知能)や次世代通信など今後の成長が見込まれるテーマが豊富にあり、投資家個人では投資しづらい銘柄や国・地域に対しても、投資信託で分散投資しながら手軽に投資できます。
豊富なテーマの中から自分の運用スタイルに合ったものを選べる点は投資信託の魅力のひとつです。
投資信託のデメリットや注意点はある?
投資信託に、「元本保証」はありません。長期的な積立で分散投資することで、損失を生むリスクを抑えることは可能ですが、必ずしも損失を出さないわけではありません。市場の動向によって取引価格となる基準価額が変動するため、保有商品の価値が購入時よりも下がることは十分に考えられます。
投資はリターンを期待できる一方で、値下がりリスクをはらむことを理解したうえで行いましょう。あくまで余裕資金の範囲内で運用することが重要です。
投資信託はこんな人におすすめ!
今回は、投資信託とは をテーマに、基本的な知識や特徴などについて投資初心者にも分かりやすく解説しました。
投資信託は専門家が代わって運用をしてくれるほか、少額から始められるため、投資初心者や投資に自信がない方におすすめです。
また、忙しくて時間がとれない方にも、運用を任せられる投資信託は魅力的な商品だといえるでしょう。税金優遇制度なども賢く活用しながら、投資信託で効率的な資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
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