IPO&クラファン投資で資産形成。投資家・IPOキム氏インタビュー

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こんにちは。投資家でブロガーの中田健介です。

クラウドファンディング投資をされている投資家に、インタビューでお話を伺う当シリーズ、今回は投資信託株式不動産クラウドファンディングソーシャルレンディングなどに投資されている投資家・ブロガーのIPOキム氏に、現在の資産状況や運用のポイントなどを詳しく伺いました。(インタビュー実施日:2024年2月4日)

IPOキム
投資家・ブロガー
会社員として働くかたわら、投資信託や株式、クラウドファンディング、暗号資産、為替などの投資を行う。ブログ「IPO初値予想ブログなら、キムさんのIPO投資日記」を運営中。

現在の資産状況について

ーー年齢とご職業を教えてください。

年齢は40代後半で、職業は会社員です。

ーー投資を始めたのはいつごろですか?

2005~2006年あたりだったと思います。周りの知り合いはほとんど投資に興味がなく、話の合う相手がいませんでした。

ーー現在の総資産額・負債額とポートフォリオについて教えてください。

現在の総資産額は約4000万円で負債はゼロです。ポートフォリオは株式と投資信託で600万円、クラファンで500万円、暗号資産や為替などで200万円、残りはチャンスに備えて現金で保有しています。

ーー現在のキャッシュフローの状況はいかがですか?

妻と共働きなので、毎月の生活費は2人の給与でまかなっています。また保有株式などからの配当がたまにあります。クラウドファンディングは自分の任意のタイミングで投資をしているので、分配金はほとんど考えずに生活しています。

4,500万円を稼いだIPO投資手法とは

4,500万円を稼いだ投資手法ーーブログには「IPO(新規公開株)投資だけで4,500万円以上稼いだ」とありますが、具体的にはどのような手法で利益を得たのですか?

まだ手元資金が少ないころに個別株式への投資を始めたのですが、結果は惨敗でした。そこで何か儲かるすべはないかと思って調べたところ、IPO投資が私に合いそうだと感じてIPOに専念することにしました。

当時は比較的ニッチな投資手法でしたので申し込みの倍率も低くコンスタントに当選していました。資金が少ないうちはとにかく利益が出たら貯めていて、出費を抑えながら毎月コツコツ利益を貯蓄に回す感じでした。ちなみに500万円まで貯めるのが一番きつかったです。

ネット口座以外にも店頭での取引にもチャレンジして複数株のIPOを手に入れることもありました。昔は1回の当選で30~50万円程度の利益を得られることも結構ありましたね。中には1銘柄100株(1単元)の当選で90万円弱の利益を得られたこともあります。IPO投資を早くから始めてよかったと思います。

ーー過去どのようなIPO銘柄に投資されたのですか?

単元株当選だと「オークファン(3674)」や「SKIYAKI(3995)」「Fusic(5256)」あたりだと思います。昔は30万円程度の利益は普通にありました。複数株当選だと「マツオカコーポレーション(3611)」や「九州旅客鉄道(9142)」や郵政関連などですね。

ーー特に大きな利益を上げた銘柄は何ですか?

「イーディーピー(7794)」は300株当選してセカンダリーにもそのまま入ったので1回の投資で100万円程度の利益が出ています。

ーーこれまで何社くらいIPO銘柄に投資されたのですか?

銘柄数は270~280社くらいだと思います。複数単元配分(当選)もあったため株数はわかりません。

ーー投資対象のIPO銘柄はどのように選定されているのですか?

IPO(上場)による吸収金額が低く公開株数が少ない、ベンチャーキャピタル出資が少なく売出株が少ないなど一定の基準があります。また大型のIPOだと機関投資家需要があるかをリサーチして勝負することもあります。長くIPO投資を続けていると社長の経歴や業績推移、業種など複合的に分析する力が付いてきます。

ーーIPO投資は抽選になることも多いと思いますが、抽選に当選するためのコツなどはありますか?

抽選に当選するためには主幹事からの申込みを優先しながら平幹事からも申し込みすることです。確率の問題になりますが、できるだけ多くの引受幹事から申し込みを行うのが当選確率を上げるコツです。

ソーシャルレンディング投資の魅力

ーーソーシャルレンディング投資を始めたのはいつですか?

2015年6月に恐る恐る投資を始めました。

ーーソーシャルレンディング投資を始めたきっかけは何でしょうか?

ローリスクに利益を得られると判断したからです。ちょうど新しい投資を探していた時期でした。

ーー現在投資しているソーシャルレンディングサービスはどこですか?

クラウドバンク」「Funds(ファンズ)」「AGクラウドファンディング」など複数の事業者に投資しています。

ーーソーシャルレンディングサービスを選ぶ上でどんなところに気を付けていますか?

私の場合はブログで広告を扱う側になるため、サービス事業者のセミナーを受講したりして顧客ファーストの運営を行っているかを確認しています。それから公式ページの見やすさや開示情報の質なども判断の基準にしています。昔に比べるとどの事業者も質が高いため大丈夫だと思います。

あとはやはり利回りが高ければ魅力的に映ります。もちろん、利回りが高ければリスクが高くなる認識で投資をしています。

ーーソーシャルレンディングのファンドを選ぶ際はどんなところに気を付けていますか?

元本毀損に気を付けたいところですが、実績がある企業であれば、どこでもいいかなと考えています。ただ、担保状況などは確認します。優待が付くタイプのファンド案件だと多少リスクが大きくても投資することもありますね。

ーーソーシャルレンディング投資の魅力はどんなところですか?

よくいわれることですが、元本変動がなく想定された利回りを得られることです。ほったらかし投資」は精神的にも負担がないのがいいですね。小額で投資できることも魅力の1つです。

ーーソーシャルレンディング投資のデメリットや懸念点はどんなところですか?

ファンド情報が本当なのか、高利回り提供がいつまで続くのかといった、投資家には隠れたリスクはあると考えています。そのため自分が信頼できると判断した事業者に投資するべきだと思います。

ーーこれからソーシャルレンディング投資を始める投資家におすすめのサービスはどこですか?

ソーシャルレンディングには老舗的存在のサービス事業者も複数ありますので、そのような実績ある企業がおすすめです。証券会社をベースにした事業者や上場企業傘下の事業者などもいいと思います。

不動産クラウドファンディングはさらに低リスク?

ーー現在投資している不動産クラウドファンディングサービスはどこですか?

CREAL(クリアル)」「COZUCHI(コヅチ)」「利回り不動産」など複数の事業者へ投資を行っています。

ーー不動産クラウドファンディングを始めたのはいつですか?

2021年6月あたりだと思います。ソーシャルレンディングだけでなく、不動産投資型クラウドファンディングもだんだんと増えてきた時期です。

ーー不動産クラウドファンディングを始めたきっかけは何でしょうか?

ソーシャルレンディングに比べてさらに投資リスクが低いと思ったからです。優先劣後構造に興味がありました。

ーー不動産クラウドファンディングサービスを選ぶ上でどんなところに気を付けていますか?

昔は利回り重視の投資を行っていましたが、サービス事業者が増えてきたためトータル的に判断しています。募集規模に見合った劣後出資なのか?過去の実績はどうなのか?面白いファンドを提供しているのか?安定した利回りを得られるのか?など複合的に判断しています。最終的に元本毀損の可能性が低いと判断できれば投資します。

ーー不動産クラウドファンディングのファンドを選ぶ際はどんなところに気を付けていますか?

ファンド利回りの確認はもちろんですが、劣後出資割合やマスターリース契約の有無、運用期間などを特に見ています。また、ファンド組成内容にも目を通すようにしています。

ーー不動産クラウドファンディング投資の魅力はどんなところですか?

劣後出資があるため、短期間投資であれば不動産価値の上下も少なく想定された利回りで償還される可能性が高いため魅力があります。投資を行ったあとはほぼ放置でOKなのもいいと思います。

ーー逆に不動産クラウドファンディング投資のデメリットや懸念点はどんなところですか?

ソーシャルレンディングでは担保設定がない場合や抵当権の設定がない場合もありますが、不動産クラウドファンディングは劣後出資が組み込まれることが多いため安心した投資ができると考えています。ただ投資期間が長くなると不動産価値の下落により買い手が見つからないとか、インカムゲイン型ファンドであれば家賃下落リスクなどもありそうです。

ソーシャルレンディングでも同じですが、想定利回りはあくまで「想定」なので、実際はそれより低くなる可能性も頭に入れておいたほうがよさそうです。

過去には苦い経験も。それでもクラファン投資を続ける理由

ーー過去にソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資で損失を被ったことはありますか?

みんなのクレジット」で20万円程の損失が出しました。あと1カ月で償還されるはずの案件だったのですが、倒産してしまいました。こういうこともあるのかと、今はいい勉強になったと考えています。

ーーそうした苦い失敗を経て、それ以降もソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資を続けているのはなぜですか?

やはり投資したあとも元本の値動きがないことに魅力があるからです。また業界を牽引する企業も出てきたため、昔に比べてよいサービスが受けられていると感じます。あとは、投資家の性格もあると思いますが「ほったらかし投資」といわれるように多くの事業者で事前に想定された利回りをしっかり得られるようになったことも大きいですね。それでもリスク分散のために複数の企業へ分散投資しています。

ーーソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング投資を始める投資家に何かアドバイスはありますか?

先ほどもいいましたが、1社に集中して投資を行うのではなく複数の事業者に投資してリスク分散をすることが重要です。また、投資先によっては面白いファンド組成も行われるので楽しみながら投資できる環境を自分で作ることが長続きするコツだと思います。

ブログを続けるモチベーションになっているものは?

ブログのモチベーションは

ーーほかにはどんな投資を行っていますか?

自動車業に属しているため車両の売買を行うことはあります。最近は面倒なのでIPOや個別株、投資信託、ETF、株主優待などに注力しています。

ーー現在他に興味を持っている投資はありますか

米国株の個別高配当銘柄は気になっています。円安で買いにくかったり、二重課税の問題があったりはしますが。

ーー投資の情報はどのように得ていますか?

おもにX(旧Twitter)やネット検索で行います。Xでは投資グループに誘われて情報交換を行っています。最終的には自分で調べた銘柄に投資を行います。自分で分析して間違いないと思った銘柄のみに投資を行っています。

ーーブログを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

ブログをはじめたきっかけはIPOブログを書いていた方に「どうせならブログを書いてみませんか?」といわれたことです。まさか自分が情報を発信する側になるとは当時は思ってもいませんでした。単純にIPO投資にのめり込んでいたためすべてが楽しい時期でした。

ーーどのくらいの頻度でブログを更新されていますか?

ブログ更新は最低でも1日1記事を書きたいと考えています。IPOが多くなると1日に3記事書くこともあります。

ーーブログにどのくらいの時間をかけていますか?

IPO承認記事だと1本2時間~3時間くらいかかります。クラウドファンディング記事だと5時間以上かかることもあります。できるだけ詳しく調べて公開するようにしています。

ーーブログを続けるモチベーションは何でしょうか?

ブログを長く続けていると読者との交流もできてきます。その中で投資情報を得られることもありブログは生活の一部となっています。ただ毎日アウトプットするため必死な自分もいます。過去には何度もやめようと思いましたし、今でも「いつ辞めようかな?」と考えることがあります。

ただ、続けていると書くのが当たり前になって、特にIPO情報に関しては責任感みたいなものもあります。また、ブログを長く続けているとSNSで知り合った仲間とお酒を飲むこともたまにあります。性格的に地味な作業が好きなんだと思います。

ーー早期リタイアをされる予定はありますか?

早期リタイアはまだ考えていませんが「億り人」になることができたら早期リタイアをするかもしれません。現実的には無理なので現状維持でこのまま突っ走る方向で考えています。サイドFIREであればたどり着けそうな気がします。ここ数年の人生次第だと思います。

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  • 記事を書いた人 中田健介

    IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

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