マンション投資は儲からないのは本当?失敗しないためのポイントとは

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#リスクマネジメント
マンション投資は儲からないからやめとけ、という話を聞くことがありますが、その理由は何でしょうか。たしかにマンション投資にリスクはありますが、それはどのような投資案件でも同じです。事前にリスクを知っておけば、その対策を立てることができます。

逆にそのようなリスクを考慮せずに始めてしまうと、儲からないという事態にもなりかねません。マンション投資は物件購入の前にリスク対策を考えておけば、決して儲からないわけではないということです。失敗しないためには何が必要なのかを理解しておきましょう。

マンション投資は儲からない?

マンション投資は儲からない、といわれることがありますが実際に儲からないわけではありません。まずはマンション投資とはどのようなものかを把握しておきましょう。

そもそもマンション投資とは?

マンション投資はワンルームマンションの一室などを区分所有で購入し、第三者に貸して家賃収入を得るものです。購入時の借入は住宅ローンではなく不動産投資ローンを利用するので金利は高めになりますが、家賃収入でローン返済ができるように資金計画を立てておきます。

ローンを完済すれば、諸経費を除いた家賃収入がそのままインカムゲインとなりますし、あるいは物件の価値が上がったところで売却しキャピタルゲインを得ることも可能です。買値よりも安く売却する場合でも、支払ったローンの元金分で売却差損を埋めることが可能です。

マンション投資の利回り

マンション投資の利回りは、物件を検討する際は「表面利回り」で比較検討するのが一般的です。表面利回りは「物件の取得費に対する年間の家賃収入」で計算されます。一方、実際の運用を見通す場合は、年間の諸経費を差し引いた「実質利回り」で資金計算をします。

なお、マンション投資の表面利回りはエリアや物件により異なりますが、都心部の区分マンションのケースでは、築20年未満ではおおむね4〜5%程度、築20年以上で5〜8%程度が目安となります。

マンション投資が儲からないといわれてしまう理由5つ

マンション投資が儲からないといわれる理由なぜ一般的にマンション投資は儲からないといわれるのかを説明します。

理由1.短期間で大きなリターンを狙う投資ではないから

マンション投資が儲からないといわれる理由として、短期で大きな利益を得にくいことが挙げられます。基本的には長期間にわたって少しずつ収益を積み上げる仕組みなので、FXや株式のように短期間で利益が出ないことが儲からないと認識されていると考えられます。

短期的には中古マンションをリノベーションし価値向上させたのち売却してキャピタルゲインを狙うという方法もありますが、当然ながらどのエリアでも利益が出せるわけではありません。

マンション投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」が特徴なので、そもそも短期間での利益を狙うものではないと考えることが大事です。

理由2.物件選定が難しいから

マンション投資を成功させるには、それなりの知識や経験が重要になってきます。購入の際には築年数や最寄り駅から距離などの表面的な情報だけでなく、当該エリアに住む人の属性・傾向を把握することや、それに伴う周辺環境・施設の状況なども重要な判断材料になります。

しかし、土地勘のない場所について正確に調べるのは簡単ではありません。物件選定が儲かるかどうかの最大のポイントになるため、初心者には難易度が高めであることは確かです。

理由3.空室・家賃滞納のリスクがあるから

マンション投資が儲からないといわれる理由に空室や家賃滞納リスクがある点も挙げられます。一般的にマンションの購入にはローンを利用し、その返済には家賃収入をあてます。もし空室が出たり、家賃の滞納があれば、その間のローンは自腹で返済しなければなりません。

どのような物件でも空室・滞納リスクはありますし、物件購入を検討する際にはそれらのリスクを踏まえて資金計画を立てることが大切です。リスクを考慮せずに資金計画を立てると、本当にマンション投資は儲からないということにもなりかねません。

理由4.金利上昇のリスクがあるから

マンション投資での借入に使う不動産投資ローンの多くは変動金利が利用されます。金利が上昇すれば毎月の返済額が増え利益が圧迫されるため、金利上昇も不動産投資のリスクとなります。

日本では1999年からゼロ金利となり、2016年からはマイナス金利政策が導入されています。アメリカや欧州などが金利を引き上げている中で、日本がいつまでマイナス金利を続けるのか注目されています。

こうしたリスクを警戒し、マンション投資は儲からないといわれることがあります。

理由5.築年数経過や災害などで資産価値が下がるリスクもあるから

一般的にマンションは築年数が経過すると賃借人がつきにくくなります。そのため家賃が下がって収入が減少し、売却時の査定が下がることにもつながります。

このように築年数の経過で資産価値が下がること、さらにそれに伴い修繕費用がかかってしまうのもマンション投資が儲からないといわれる理由の1つです。

また、災害による破損でも資産価値は低下するといったリスクも考えられます。大きな地震により大規模な補修が必要になれば、かなりの出費となってしまいます。その結果、収益性を大きく悪化させる可能性もあるでしょう。

マンション投資で失敗しないためには?

マンション投資で失敗しないためのポイントマンション投資にはさまざまなリスクがあります。そこで運用に失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1.不動産投資について勉強する

マンション投資で失敗しないためには、事前の対策が必要です。何か起きてからでは遅いので、特にマンション投資を始める前は不動産投資について勉強しましょう。

大事なのは物件選びと資金計算、管理会社の選び方や利益を確定する出口戦略についてです。特に物件選びは重要なので、どのエリアでどんなマンションを購入すべきか、選定の基準についてきちんと学んでおきましょう。

ポイント2.物件選びの情報収集をしっかり行う

マンション投資で最重要といえるのが物件選びですが、その際の情報収集は綿密に行う必要があります。

一般的に、不動産投資では中長期で賃料収入を狙うことになります。つまり、いくらその物件自体が魅力的でも、賃貸需要のないエリアでは収益を上げるのは難しくなります。そのため、まず第一にリサーチすべきなのは賃貸需要です。

ただし、物件のタイプと住民層のマッチングも考えなければなりません。近隣に大学のある学生街でのファミリー向け物件など、ニーズがマッチしにくいものもあるため、事前のリサーチは欠かせません。

近場であればこうした情報を“足で”得ることも可能ですが、難しい場合もあります。まずは不動産会社からしっかりヒアリングを行うようにしましょう。

ポイント3.長期的な収支シミュレーションを行う

不動産投資にはさまざまなリスクがあるため、物件購入の前にそれらのリスクを踏まえて長期的な収支シミュレーションをすることが重要です。

最終的な収支を計算する際には、ローン返済だけでなく管理費や修繕積立金、保険料、固定資産税といった費用を考慮するほか、空室率として15%程度も考慮しておくのが安全です。

これらも含めた上でしっかりプラス収支が出るようであれば投資対象として検討する価値があるということになるでしょう。

リスク対策を万全に行えばマンション投資は儲からないわけではない

マンション投資が儲からないといわれる理由にはさまざまなものがあります。その多くは、不動産投資が抱えるリスクに関連するものですが、逆にいえば、しっかりリスク対策を行うことで儲かる可能性を高めることができるということでもあります。

その第一歩としては、それらのリスクについて正しく理解することが重要です。また、不動産投資において何より需要なのは「立地(場所)」です。物件選定の際は、利回りだけで選ぶのではなく、物件のターゲットに対して十分なニーズがあるかを綿密にリサーチする必要があるでしょう。

事実として、マンション投資で大きな収益を上げている人もたくさんいます。その意味では「マンション投資は儲からない」のではなく、「やり方を間違えるとマンション投資は儲からない」ということがいえます。マンション投資を行う際は、十分な準備を怠らないようにしましょう。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

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