信用できる不動産クラウドファンディング事業者とは?選び方をベテラン投資家が解説

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こんにちは。投資家・ブロガーの中田健介です。

不動産クラウドファンディングに参入する事業者は年々増えており、しかもそれらの事業のバックグラウンドは多種多様です。投資家のみなさんの中には、「これらの事業者は本当に信用できるのだろうか」と疑問に思う人もいるかと思います。

そこで今回は、ベテランクラウドファンディング投資家の私が考える「信用できる不動産クラウドファンディング事業者の見極め方・選び方」について解説します。

筆者:中田健介(投資家・実業家・ブロガー)
IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

不動産クラウドファンディングは信用が重要

不動産クラウドファンディングを選ぶとき、みなさんはどのような基準で選んでいるでしょうか。単純に利回りだけ見て選ぶのは、リスクを無視しているようなものなのでおすすめできません。

不動産クラウドファンディングは、不動産の取得・運用のために不特定多数の投資家から資金を集める投資スキームであり、投資家はお金を預けたあとは何もできません(何もする必要がありません)。

それだけにファンド単体の収益性だけでなく、サービス事業者自体は自分の資金を預けるに値する事業者なのか、しっかり運用できるノウハウがあるのか、また、もし何かがあったときに破綻しないだけの財務基盤があるのかなどについて、ちゃんと調べておくに越したことはないのです。

信用できる不動産クラウドファンディング事業者の基準・選び方

不動産クラウドファンディング事業者の選び方それでは、具体的にどのような不動産クラウドファンディング事業者なら信用できるのか、詳しく解説していきます。

1.過去の元本割れ・返済遅延の発生率が低い

過去に元本割れや返済遅延がどれだけ発生しているかは、事業者の信用度を測る上で重要な指標です。

不動産クラウドファンディングは比較的歴史の浅い投資商品であり、現状、元本割れや償還遅延などはほぼ起きていません。しかし、それがこれからも永続的に続くはずはなく、事業を長く運営し、多くのファンドを募集していれば、多少のトラブルが発生することも出てくるでしょう。

とはいえ、現時点で実績として元本割れや返済遅延が発生しているとすれば、事業者の不動産物件を評価する能力や運営する能力に問題がある可能性があります。私個人としては、「金額ベースで『元本割れ+返済遅延』発生率が1%未満」というのが信用できる事業者の一つの目安になると考えています。

2.過去に当局からの行政処分などを受けていない

不動産クラウドファンディング事業者はすべ不動産特定共同事業者の認可を受けて事業を運営しています。不動産特定共同事業者には法律上遵守すべき事項があり、それに違反した場合、当局から行政処分を受けることもあります。過去にそうした行政処分を受けていないかどうかは、チェックすべき重要なポイントです。

もし事業者が過去に行政処分を受けているのであれば、その理由と、その後きちんと業務改善が行われているかどうかをチェックしましょう。

3.全体的な利回りが高すぎない

運用利回りが高いのはもちろんよいことですが、その利回りには明確な根拠や裏付けがあるでしょうか。

過去ソーシャルレンディング業界において、非常に高い利回りを謳う事業者が何社かありましたが、その一部ではその後貸し倒れや返済遅延が多発し、結局営業を停止した事業者もありました。当時利回りの高さに惹かれた多くの投資家が損失を被りました。

ちなみに私もその一人です。

ハイリスク・ハイリターンは投資における代表的な原則です。リターンが高いということはそれ相応のリスクがあると考えるべきでしょう。高い利回りに飛びつく前に、なぜそれほど高い利回りが出せるのか、それが妥当な利回りなのかについて十分に検証することをおすすめします。

4.運営会社が上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている

運営会社が上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けているかどうかも、信用度を見る上で有効と考えられます。運営会社が上場企業であれば、多くの関係者により常にチェックされているので、問題が起きる可能性は低いでしょう。

あるいは上場していなくても、おもな出資者が上場企業であったり、ベンチャーキャピタルなどであれば、やはり経営状況が厳しく監視されることになるため信用度が高いものと考えられます。こうした観点は基本的な事項ですが、事業者の信用度を測るには重要なポイントです。

上場企業が運営している不動産クラウドファンディングサービスの例

上場区分 運営会社 サービス名
東証プライム プロパティエージェント株式会社 Rimple(リンプル)
東証プライム トーセイ株式会社 TREC FUNDING(トレックファンディング)
東証プライム 株式会社FJネクストホールディングス GALA FUNDING(ガーラファンディング)
東証スタンダード 穴吹興産株式会社 Jointo α(ジョイントアルファ)
東証スタンダード 株式会社マリオン i-Bond(アイボンド)
東証スタンダード 株式会社ウッドフレンズ 信長ファンディング
東証グロース クリアル株式会社 CREAL(クリアル)
東証グロース 株式会社アンビションDXホールディングス A Funding(エーファンディング)
東証グロース 株式会社タスキ TASKI FUNDS(タスキファンズ)

不動産クラウドファンディングを選ぶときは運営会社の信用もチェック

不動産クラウドファンディング事業者選ぶは信用もチェック今回の記事では、私が考える「信用できる不動産クラウドファンディング事業者の見極め方・選び方」について解説しました。

不動産クラウドファンディング事業者は年々増加傾向にあり、それだけに事業者自身としても他サービスとの差別化に苦慮しているところもあるようです。投資家への訴求力としては、「利回りの高さ」は大きな魅力になり得ますが、それだけでは投資判断の基準としては不十分です。

運営者自体が信用に足る会社であるか、という視点は今後さらに重要になっていくでしょう。今回の内容が、事業者選びの参考になれば幸いです。

※なお、本記事の内容はあくまで、イチ投資家である私個人の考える基準であり、「この基準に沿って事業者を選定すれば絶対に安全」というものではありません。あらかじめご了承ください。

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  • 記事を書いた人 中田健介

    IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

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