不動産クラウドファンディングの節税方法を徹底解説!確定申告での還付、損益通算など
公開日 2023/10/31
最終更新日 2026/01/25
不動産クラウドファンディングを利用して節税はできるのでしょうか。
結論から言うと、不動産クラウドファンディングは「すべてのケースで節税できる」わけではありません。
ただし、ファンドの仕組み次第では節税効果を期待できる場合があります。
今回は、不動産クラウドファンディングで節税対策を行う方法や税金に関する基礎知識を解説していきます。
- ・不動産クラウドファンディングは、すべてのケースで節税できるわけではない
- ・税金の扱いは「匿名組合型」と「任意組合型」で大きく異なる
- ・匿名組合型は雑所得となり、節税効果は限定的だが確定申告で還付を受けられる場合がある
- ・任意組合型は不動産所得として扱われ、経費計上や損益通算による節税が可能
- ・任意組合型は節税メリットがある一方、無限責任などのリスクも理解して選ぶ必要がある
不動産クラウドファンディングの利益にかかる税金
節税を考えるために、まずは不動産クラウドファンディングの利益にかかる税金について正しく理解しておきましょう。
不動産クラウドファンディングは、インターネット上で複数の投資家から募った資金で不動産運用をして得られた利益の一部を投資家に分配する投資手法です。
最終的に投資家に分配される収益を「分配金」といい、分配金は所得の一部とみなされ課税の対象となります。
税金の扱いはファンドの仕組みによって異なる
不動産クラウドファンディングの分配金にかかる税金は、ファンドの仕組みによって所得区分が異なります。
不動産クラウドファンディングのファンドの仕組みは、主に匿名組合型と任意組合型の2つです。
それぞれどのような区分になるか解説します。
匿名組合型の分配金は「雑所得」
匿名組合型の分配金は、原則として雑所得になります。
匿名組合型とは、投資家と運営事業者が匿名組合契約を結び、不動産の取得・運用によって得られた収益を、出資額に応じて分配金として受け取る仕組みです。
不動産クラウドファンディングの多くのサービスは、匿名組合型を採用しています。
任意組合型の分配金は「不動産所得」
任意組合型の場合、実態として不動産の共同所有・運用と認められれば、不動産所得として扱われるのが一般的です。
任意組合型では、複数の投資家が不動産を共同で保有・運用するために、任意組合契約を結びます。
複数の投資家で一つの不動産を共同で所有するため、比較的少額から現物不動産投資に近い方法で収益を得られる点が特徴です。
分配金は確定申告が必要?
ファンドの仕組みによって、課税方法や源泉徴収の有無が異なるため、確定申告が必要かどうかも変わります。
ここでは、匿名組合型と任意組合型それぞれについて、確定申告の考え方を解説します。
匿名組合型の分配金
匿名組合型の分配金は、事業者が税率20.42%で源泉徴収したうえで支払われます。
つまり、税金が差し引かれた後の金額が分配金として実際に口座に入金されます。
源泉徴収により納税が済んでいるため、基本的に投資家自身が別で納税する必要はありません。
ただし、給与所得以外の所得の合計が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
また、総合課税の税率が20.42%未満になりそうな人は、確定申告により還付を受けられる可能性があります。
確定申告により納め過ぎた税金が戻ってくるため、面倒でも手続きするほうが好ましいでしょう。
任意組合型の分配金
任意組合型の分配金は、原則として源泉徴収されないため、投資家自身が確定申告を行う必要があります。
そのため、分配金を受け取った場合は、所得区分に応じて確定申告を行い、税額を計算・納税します。
任意組合型であってもファンド設計や契約内容によっては、所得区分が異なるケースもあるため、確定申告の要否については事前に確認しておくことが大切です。
不動産クラウドファンディングは節税できる?
まず、運用益が非課税になるとして人気を集めているNISAやiDeCoなどの制度は、残念ながら不動産クラウドファンディングには利用できません。
ただし、「経費計上」や「損益通算」などで節税対策を行うことができる場合があります。
不動産クラウドファンディングで「できない節税」と「できる節税」についてわかりやすく解説します。
現物不動産を保有する従来の投資と同じ節税はできない
現物不動産投資では、減価償却や修繕費、管理費などの不動産関連経費を計上できるほか、課税評価額の圧縮による贈与税・相続税の節税が可能です。
しかし、不動産クラウドファンディングでは、不動産の運用・管理は運営事業者が行うため、現物不動産と同様の経費計上はできません。
また、不動産クラファンは投資家が不動産の所有権を持っていないため、贈与税・相続税の圧縮もできません。
匿名組合型より任意組合型のほうが節税効果を得やすい
任意組合型では、投資家が不動産の所有権を持つため、分配金は税務上、不動産所得として扱われます。
任意組合型は、不動産関連経費の計上や相続・贈与において資産の圧縮効果など、従来の現物不動産投資に近い節税効果を得やすい仕組みです。
一方、
匿名組合型の分配金は税務上、雑所得として扱われ、不動産所得と同じような減価償却や損益通算ができない(同一年内の雑所得同士の通算は可能)ため、節税効果は限定的です。
そのため、一定の手間や理解が必要となるものの、匿名組合型より任意組合型の方が節税効果を得やすいといえるでしょう。
任意組合型不動産クラウドファンディングでできる主な節税
任意組合型の不動産クラウドファンディングでできる主な節税には、以下の方法があります。
- 減価償却費や修繕費などを経費計上する
- 青色申告控除を利用する
- 運用が赤字になれば損益通算で節税できる
- 評価圧縮効果により相続税や贈与税の節税につながる
任意組合型の節税方法について解説します。
1.減価償却費や修繕費などを経費計上する
任意組合型では、投資家が持分割合に応じた不動産を直接保有します。
任意組合型の分配金は不動産所得として扱われ、収入から必要経費を差し引いた金額が課税対象となります。
そのため、従来の現物不動産投資と同様に、減価償却費や修繕費、管理費などの不動産関連費用を経費として計上することで、課税所得を抑える効果が期待できます。
2.青色申告特別控除を利用する
任意組合型の不動産クラウドファンディングは、条件を満たせば青色申告特別控除を利用できる場合があります。
青色申告特別控除は、一定の要件を満たした場合に、最大65万円を所得から控除できる仕組みです。
ただし、青色申告特別控除は、不動産所得が事業的規模と認められる場合に限られます。
基準を満たさず、適用できないケースも多いことを認識しておきましょう
3.運用が赤字になれば損益通算で節税できる
任意組合型の不動産クラウドファンディングの分配金は、不動産所得として扱われるため、運用が赤字となった場合、給与所得など他の所得と損益通算が可能です。
また、損失が生じた場合、青色申告を行えば翌年以降3年の「繰越控除」も可能です。
これは、損失を翌年以降3年間に得られた利益と相殺できる仕組みです。
確定申告することで、翌年以降の納税額を抑えられる可能性があります。
例えば、不動産クラウドファンディングの運用で1年目に200万円の損失。
2年目に50万円の利益、3年目に20万円の利益、4年目に70万円の利益が出たとします。
この場合、繰越控除を利用することで、3年間の税金が次の通り軽減できます。
| 損益 | 税金 | 繰越額 | |
| 1年目 | 損失200万円 | 0円(利益なし) | 損失200万円を翌3年間に繰り越し |
| 2年目 | 利益50万円 | 0円(繰越損失との相殺により課税対象となる利益なし) | 損失150万円(200万円-50万円)を翌2年間に繰り越し |
| 3年目 | 利益20万円 | 0円(繰越損失との相殺により課税対象となる利益なし) | 損失130万円(150万円-20万円)を翌1年間に繰り越し |
| 4年目 | 利益70万円 | 0円(繰越損失との相殺により課税対象となる利益なし) | 繰越控除の期限(3年)終了のため、残額は繰り越し不可 |
なお、損失の繰越控除を利用するには、毎年確定申告をする必要があります。
4.評価圧縮効果により相続税や贈与税の節税につながる
任意組合員に相続や贈与が発生すると、課税時点における評価額が相続財産とみなされます。
現物不動産の評価額は実際の価格の7割程度となることが一般的です。
匿名組合型の場合は実際に不動産を所有するわけではないため、相続時は分配金や償還額がそのまま計算されます。
しかし、実際に不動産を所有する任意組合型であれば、実際の価格より低く評価される資産圧縮効果が期待できます。
任意組合型の注意点
不動産クラウドファンディングでは匿名組合型が比較的多く扱われていますが、任意組合型は相続税や贈与税の対策として人気です。
ただし、任意組合型では、所有物件を運用するうえで損失が出た場合、投資家は出資の割合に応じた無限責任を負うことになります。
つまり、出資金以上の債務を負う可能性があります。
それに対し、匿名組合型は有限責任であり、事業でどれだけ多くの債務が発生したとしても、出資金以上の損失は発生しません。
任意組合型は相続や贈与の際に節税効果を期待できるメリットはあります。
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匿名組合型の不動産クラウドファンディングでできる主な節税
前項では、任意組合型の不動産クラウドファンディングに投資すると受けられる節税効果について解説しました。
ここでは、匿名組合型の不動産クラウドファンディングでおすすめの節税方法を4つ紹介します。
1.確定申告による還付を受ける
確定申告によって納め過ぎた税金が返ってくる場合があります。
それは、1年間の課税所得金額が694万円以下の方の場合です。
所得税に関しては、所得額によって課税率が異なる累進課税制度をとっています。
所得金額ごとの税率は以下のとおりです。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
一方、不動産投資クラウドファンディングでの源泉徴収税率は一律で20.42%です。
そのため、課税所得額が694万円以下の場合、本来適用されるべき税率よりも高い税率で源泉徴収されています。
つまり、税金を過払いしていることになります。
この払いすぎた税金は、確定申告することで還付が期待できます。
2.経費を計上する
必要経費を漏れなく計上することも有効な節税対策の一つです。
なぜなら、得られた利益から必要経費を差し引いた金額に課税されるためです。
経費の考え方は、「不動産クラウドファンディングで利益を得るために直接要したものであるか」です。
例えば、不動産クラウドファンディングに関する書籍費用やセミナー参加費、インターネット通信料などを経費として計上できる可能性があります。
必要経費が増えれば、その分課税される所得金額は少なくなるため、税負担も軽減できます。
3.損失を「繰越控除」する
匿名組合型の分配金は雑所得として扱われるため、損失が出た場合でも翌年以降に繰り越して控除することは認められていません。
ただし、同一年内に発生した他の雑所得がある場合には、確定申告を行うことで雑所得同士の相殺ができる場合があります。
4.ほかの雑所得と損益通算する
損益通算とは、同一年分の利益と損失を合算して相殺できる仕組みです。
利益が出た場合は税金がかかりますが、一方で損失が生じた場合には利益から損失分を差し引き、税金を軽減できます。
前述の通り、匿名組合型の不動産クラウドファンディングは雑所得に分類されます。
雑所得は他の所得と損益通算することは認められていませんが、雑所得同士での内部通算は可能です。
仮想通貨、ソーシャルレンディングとは損益通算できる
例えば、不動産クラウドファンディングと同じく「雑所得・総合課税」の扱いとなる暗号資産(仮想通貨)の投資をしていたとします。
そして、不動産クラウドファンディングでは50万円の利益、同一期間で暗号資産では20万円の損失が生じたとします。
この場合、損益通算によって差し引き30万円分に対して課税されることになり、税金を抑えられます。
※融資型のクラウドファンディングであるソーシャルレンディングも同様です。
つまり、暗号資産(仮想通貨)やソーシャルレンディングを行なっている方は、不動産クラファンを資産ポートフォリオに加えると、節税対策の幅が広がるということです。
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節税方法を理解して賢く資産を増やそう
ここまで、不動産クラウドファンディングの節税対策について詳しく解説してきました。
不動産クラウドファンディングでは、ファンドの仕組みによってできる節税に違いがあります。
匿名組合型は分配金が雑所得となるため節税効果が限定的ですが、任意組合型は不動産所得として扱われ、経費計上などにより節税効果を得やすい仕組みです。
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