公開日 2023/11/10
最終更新日 2023/11/10
NISA(少額投資非課税制度)で投資を始めようと思ったときに「一般NISA」と「つみたてNISA」どちらを選ぶべきか悩みどころではないでしょうか。原則、NISAは1人1口座まで、一般NISAとつみたてNISAの併用はできないため、どちらの枠を選ぶべきか慎重になってしまう方も多いでしょう。
この記事では、一般NISAとつみたてNISAの違いや特徴、結論として「どちらを選ぶべきか」を解説します。いずれのNISA制度も運用益が非課税になるお得な制度です。自分に合ったNISAを選び、将来のための資産運用に役立てましょう。
※なお、本記事は2023年までの旧NISA制度を扱った内容です。2024年からスタートする新NISA制度について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▽投資のプロ太鼓判「2024新NISA」の要点と4つのメリット
一般NISAでまず押さえておくべきポイントは次の3点です。
この3点を押さえて、一般NISAのメリットとデメリットを解説します。それでは、以下で詳しく見ていきましょう。
後ほど説明するつみたてNISAと比べると、一般NISAのメリットは大きく2つあります。
つみたてNISAの購入対象は、投資信託(ETFも含む)のみです。一方で、一般NISAでは、株式、投資信託(ETF・REITも含む)に投資できます。また、投資信託も、つみたてNISAより選べる商品数が多いため、選択肢の幅広さはメリットといえます。
つみたてNISAは1年間の投資枠が40万円です。一方、一般NISAの場合は1年間の投資枠が120万円とつみたてNISAの3倍です。例えば「ボーナスが入ったら少しまとまった金額を投資にまわしたい」、「相場が下がっているときに多く買っておきたい」といった考えがあるなら、柔軟に売買ができる一般NISAのほうが有利といえます。
投資の基本のひとつが「長期投資」ですが、一般NISAはこの点でデメリットが2つあります。
2024年1月にNISA制度が大きく変わります。現行の一般NISAで投資したい場合は、2023年中に口座開設しなければいけません。
利益について非課税で運用できる点がNISAのメリットですが、投資においては損失リスクも存在します。一般NISAで買った商品が値下がりしたまま5年経過した場合は、損を承知で売却するか、課税口座(利益について課税される口座)へ払い出すかのどちらかを選択する必要があります。
つみたてNISAについて、まず知っておきたいポイントは次の3点です。
ご覧のとおり、つみたてNISAは一般NISAとは内容が異なるため、メリットやデメリットも変わってきます。それでは、以下で詳しく見ていきましょう。
つみたてNISAは、投資を長くコツコツ続けやすい制度です。具体的なメリットを3つ紹介します。
つみたてNISAは、運用益が最長で20年間、非課税となります。単純に非課税となる期間が一般NISAよりも長いため、長期投資に適しているといえるでしょう。なお、一度買ったら20年間手放せないわけではなく、好きなタイミングで売却もできます。
1年間で見ると一般NISAのほうが多く投資できます。ただし、非課税で運用できる期間を含めて考えると、総額は次の計算式のようにつみたてNISAのほうが多くなります。
時間はかかりますが、非課税期間が長い分より多く投資できる点が、つみたてNISAのメリットです。
金融機関にもよりますが、つみたてNISAでは最低投資額100円から資産を積み立てられます。もちろん、積み立てる金額は途中変更できます。
また設定すれば毎月自動的に商品を買い増ししてくれるため、買い忘れる心配もありません。金銭的にも心理的にも投資を始めるハードルが低い点も、つみたてNISAのメリットです。
つみたてNISAはとくに少額からの投資を支援する制度であるため、より積極的に投資をしていきたい方にとってはデメリットとなる点もあります。
つみたてNISAで買える商品は投資信託のみです。そのなかでも金融庁の基準を満たした商品に絞られ、さらに金融機関によっても取り扱い数に差があります。基本的には、リスクが低めのラインナップであり、よりリスクを取って積極的に運用したい方、そもそも株式やREIT(不動産投資信託)に投資したい方にとっては選択肢の少なさがデメリットになります。
つみたてNISAは長い目で見れば一般NISAより多く資産を積み立てられますが、1年では40万円まで、平均すると1ヵ月で3万3,333円です。「今は少し余裕があるから、もう少し大きな金額で積み立てたい」という方には物足りないでしょう。
一般NISAとつみたてNISA、それぞれの特徴を上の表にまとめました。すでに触れてきた項目もありますが、ここではおさらいも兼ねて両者の5つの違いを解説します。
一般NISA | つみたてNISA | |
1.購入できる商品 | 株式・投資信託(ETF・REITを含む) | 投資信託(ETFを含む) |
2.NISAを利用できる期間 | 2023年まで | 2042年まで |
3.非課税で運用できる期間 | 最長で5年 | 最長で20年 |
4.年間の投資枠 | 120万円 | 40万円 |
5.ロールオーバー | できる | できない |
1. 購入できる商品
株式とREITに投資できるかどうかが、一般NISAとつみたてNISAの大きな違いです。また、つみたてNISAで購入できる投資信託は種類が限られるものの、次の3つの特徴によってコストを抑えて運用できます。
一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年までと定められています。2024年の制度改正(新NISA)で、現行の一般NISAは使用できなくなります。
一般NISAは最長で5年、つみたてNISAは最長20年とお伝えしました。2024年に制度が変わりますが、一般NISAで2023年に購入した商品は非課税で保有を続けられます。また、つみたてNISAで2042年に買った投資信託も、2061年まで非課税で保有できます。
一般NISAは120万円、つみたてNISAは40万円です。金額は異なりますが以下の2点はどちらにも共通しています。
ロールオーバーは非課税で運用できる期間を終えるとき、保有している商品を翌年分のNISAに移すことです。一般NISAではロールオーバーできますが、つみたてNISAではできません。
ここまでの内容を踏まえて、一般NISAのほうがおすすめな人、つみたてNISAのほうが向いている人をまとめます。
一般NISAは2023年に終了してしまいますが、今から始めれば運用益は5年間非課税になります。そのため「今から始めても遅い」と消極的になる必要はありません。
次に当てはまる人は、一般NISAがおすすめです。
どちらかというと、一般NISAよりもつみたてNISAのほうが初心者向けだといえます。具体的には以下のような人におすすめです。
今回は、一般NISAとつみたてNISAの違いや特徴、どちらを選ぶべきかについて解説しました。
投資は長く続けるほどリスクが下がり、効果的な運用が期待できます。制度の変更を待ってからではなく、興味があるなら1年・数ヵ月でも早く始めて将来の資産形成に役立てましょう。
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