公開日 2023/11/02
最終更新日 2025/03/14
「有名な指数とは知っているけれど、詳しくは知らない」
特徴を知れば見方がわかるようになります。
ぜひ投資判断のヒントとして大いに活用していきましょう。
※過去、株価などがいくら上がったかは以下の動画を参考にしてください
略して「日経平均」「日経225(ニーニーゴ)」とも呼ばれます。
日本の株式市場の大まかな動きを捉えられるため注目度が高く、投資信託のなかには日経平均に連動して運用される商品もあります。
※2023年10月30日時点 参考:上場会社数・上場株式数|日本取引所グループ
たとえばトヨタ自動車や、ユニクロで知られるファーストリテイリング、ソフトバンクなどです。
下の表に各市場へのおもな上場基準をまとめました。
プライム市場 | スタンダード市場 | グロース市場 | |
株主数 | 800人以上 | 400人以上 | 150人以上 |
流通株式数 | 2万単位以上 | 2,000単位以上 | 1,000単位以上 |
流通株式時価総額 | 100億円以上 | 10億円以上 | 5億円以上 |
収益基盤 |
最近2年間の利益合計25億円以上 または売上高100億円以上かつ時価総額1,000億円以上 |
最近1年間の利益が1億円以上 | ー |
財政状態 | 純資産50億円以上 | 純資産額がプラス | ー |
市場に出回る株式数や金額が多く、売買が成立しやすい(流動性が高い)、株価が乱高下しにくいといった特徴があります。
日経平均の具体的な特徴は次の3つです。
日経平均は6つのセクターから数にできるだけ偏りがないようバランスよく銘柄を選出するルールがあります。
36の業種を6つのセクターに集約して選出(除外)の参考としています。
市場分析によりセクターごとの業績などを見ることで投資の判断材料に用いられます。
下の表は6つのセクターと、各セクターに分類される業種です。
セクター | 業種 |
技術 | 医薬品/電気機器/自動車/精密機器/通信 |
金融 | 銀行/その他金融/証券/保険 |
消費 | 水産/食品/小売業/サービス |
素材 | 鉱業/繊維/パルプ・紙/化学/石油/ゴム/窯業/鉄鋼/非鉄・金属/商社 |
資本材・その他 | 建設/機械/造船/輸送用機器/その他製造/不動産 |
運輸・公共 | 鉄道・バス/陸運/海運/空運/倉庫/電力/ガス |
日本は製造業が盛んなため、日経平均には技術セクターから59銘柄と多く選出されています。
また業種の多い素材セクターからの採用も56銘柄と多めになっています。
見直しのおもな基準は流動性とセクター間のバランスです。
流動性の高い450銘柄のうち、そのセクターに属する銘柄数の1/2が各セクターからの選出数の目安です。
例えば流動性の高い450銘柄のうち技術セクターに属する銘柄が100あるなら、技術セクターから日経平均への採用は50銘柄が目安となります。
構成比率の高い銘柄、つまり株価の高い銘柄ほど日経平均への影響度合いも大きくなります。
ファーストリテイリングだけで1割以上を占め、10銘柄の合計は37.44%と約4割弱にもなります。
企業名 | セクター | 業種 | 構成比率 | 株価(2023/3/10終値) |
ファーストリテイリング | 消費 | 小売業 | 10.07% | 2万8,735円 |
東京エレクトロン | 技術 | 電気機器 | 5.83% | 4万8,030円 |
ソフトバンクグループ | 技術 | 通信 | 4.13% | 5,343円 |
KDDI | 技術 | 通信 | 2.98% | 4,113円 |
ダイキン工業 | 資本財・その他 | 機械 | 2.91% | 2万3,610円 |
ファナック | 技術 | 電気機器 | 2.89% | 2万4,130円 |
アドバンテスト | 技術 | 電気機器 | 2.70% | 1万1,400円 |
信越化学工業 | 素材 | 化学 | 2.39% | 2万500円 |
テルモ | 技術 | 精密機器 | 1.83% | 3,588円 |
TDK | 技術 | 電気機器 | 1.71% | 4,770円 |
その意味では、日経平均だけでは225銘柄全体の株価動向を判断できない点は弱点といえるでしょう。
日経平均と似た指数に「TOPIX(トピックス/東証株価指数)」があります。
TOPIXは日経平均よりも広範囲に株式市場を網羅する株価指数です。
日経平均と並んで日本の株式市場全体の動きをつかめる代表的な指標として知られています。
日経平均は構成比率の高い銘柄に影響を受けやすいです。
対して、TOPIXは時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい点が特徴です。
では日本株をおもに売買するのは誰でしょうか。
実は売買代金の約6割が海外投資家(外国人投資家)による取引だと言われています。
つまり、日経平均株価は、海外投資家の売買に大きく影響されています。
海外投資家(外国人投資家)とは、海外に在住している人のこと。
日本の市場で株を売買する個人や機関投資家(金融機関や信託銀行、投資顧問など)のことを指します。
海外投資家のなかでも機関投資家はとくに運用額が大きいため、市場へのインパクトも大きくなります。
海外投資家の投資材料は企業の経営状況や財務状況だけでなく、金利や為替、各種の経済指標など多岐にわたります。
ここでは米国、英国、ドイツ、フランスのおもな株価指数を下の表に紹介します。
米国 | 英国 | ドイツ | フランス | |
指数名 | ダウ工業株30種平均 | FTSE100種総合株価指数 | ドイツ株価指数 | CAC40 |
略称 | ダウ平均株価 | FTSE100(フッツィーワンハンドレッド) | DAX(ダックス) | ー |
算出機関 | ダウ・ジョーンズ社 | FTSE | STOXX | ユーロネクスト・パリ |
対象取引所 |
ニューヨーク証券取引所(NYSE) ナスダック(NASDAQ) |
ロンドン証券取引所(LSE) | フランクフルト証券取引所(FWB) | ユーロネクスト・パリ証券取引所 |
対象銘柄数 | 主要30銘柄 | 時価総額上位100銘柄 | 主要30銘柄 | 時価総額上位40銘柄 |
日経平均株価は日本の株式市場の大まかな動きを捉えられる代表的な指標です。
225銘柄すべてが均等に指数へ影響するわけではない点には注意が必要です。
政治や景気の動向、為替の状況など併せれば投資判断の手助けになります。
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