アセクリ “Ver.2” へ。より楽しめる投資サービスを目指して。ーー「ASSECLI」藤本圭介氏インタビュー
公開日 2024/04/12
最終更新日 2024/04/12
当インタビュー企画では、そんな不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングのキーパーソンに、サービスの裏側を詳しく伺います。今回は、東京近郊の物件を主な対象とし平均6%超の高利回りファンドを提供する不動産クラウドファンディングサービス「ASSECLI(アセクリ)」をピックアップ。サービスを運営する株式会社エボルゾーンCIO・藤本圭介(ふじもとけいすけ)氏にお話を伺いました。
藤本圭介(ふじもとけいすけ) 株式会社エボルゾーン CIO イノベーション事業部 |
1978年群馬県生まれ、中堅不動産デベロッパーにて飲食店開発やシステム開発に従事したのち独立し、2009年に業務システム開発、Web制作、ECサイトの開発運用保守を行う会社の代表取締役、2015年には賃貸・売買の仲介を中心とした不動産会社を設立し代表取締役に就任。2020年、M&Aにより不動産会社を売却したことをきっかけにEVOLグループにてマーケティング・プロモーションを担当。2023年に株式会社EVOL ZONEのCIOに就任。 |
ASSECLI(アセクリ)とは?
「アセクリ」は、株式会社エボルゾーン(旧社名:株式会社プレミアムバリューバンク)が運営する不動産クラウドファンディングサービスです。同社は一棟マンションやアパートを中心に累計1,000件以上の投資用不動産の取引実績を誇り、精度の高い目利きにより安定的かつ高収益のファンドを提供しています。お客様の人生も、スタッフの人生も豊かに
ーー株式会社エボルゾーンの事業内容を教えてください。
投資用不動産を仕入れて市場のニーズにマッチするような修繕をした上で再販する不動産再生をメイン事業としながら、賃貸管理や不動産クラウドファンディングといった事業も並行して行っています。
ただ、ちょうど今会社のリブランディング中で、さらに一歩先に進んでいくために、よりクリエイティブな方向性へのシフトを考えているところです。例えば更地から仕入れて低層のRC開発をしたり、リゾート開発への注力も考えています。
あとは、木造アパートの再生でも、レトロな個性を生かしながら現代のエッセンスを入れて運用するというようなこともやっていく予定です。建て替えるのか、現状を生かすのか、その土地や建物の魅力をどう引き出して、クリエイティブな付加価値を提供できるかというところに挑戦している最中ですね。
ーー2020年に「株式会社プレミアムバリューバンク」からエボルゾーンに社名変更をされていますが、どういった背景があったのでしょうか?
今行っているリブランディングにもつながってくるのですが、従来のやり方・考え方から脱却しようというのが名称変更の最初のきっかけですね。当初は具体的な方向性までは定まっていませんでしたが、社内のコンセンサスとして「今のままだとダメだよね」というのはありました。
ーー具体的にはどのような課題があったのでしょうか?
一番は、働いているスタッフのモチベーションというか、ワクワク感みたいなものがもっとほしいよね、という感覚です。当然会社としては利益を追求しなければいけないのですが、そこに「働く意義」がないとスタッフがどんどん消耗していってしまいます。そこで、会社として掲げる社会的使命、存在意義みたいなものをもう少しわかりやすく定義して内外に示したほうがいいんじゃないかと考えました。
お客様に豊かになってもらうことはもちろん重要ですが、スタッフの人生を豊かにすることも会社の役割です。当社も以前はイメージ通りの不動産屋さんで、ゴリゴリの営業で仕入れて売って、という時代もあったのですが、今はそういう時代じゃない。なので、ちゃんと時代に合わせた会社にしていこうというのが、社名変更の源流にある思いです。
2024年、中長期運用の任意組合型ファンドの提供も視野に
ーー2020年から「ASSECLI(アセクリ)」として、不動産クラウドファンディングのサービスをスタートしています。この事業を始めたきっかけについて教えてください。
プロジェクトのスタートは2018年の終わり頃になるのですが、きっかけはやはり不特法(不動産特定共同事業法)の改正ですね。既存のお客様でも「不動産を買いたいけれどなかなか買えない」という方も多くいらしたので、不動産を小口化してオンラインで購入できるというのが市場のニーズともある程度合致しているというのは感じていました。
それに少額で投資できることで新しい顧客開拓にもつながりますし、多くのユーザーに対してメリットを提供できそうだということで実際に動き出しました。それで、2019年の改正法施行と同時くらいに申請して許可を取って、そこからシステムを作って……という感じで、ようやくローンチできたのが2020年ですね。
ーー「ASSECLI(アセクリ)」のサービス名称の由来について教えていただけますか?
これは「ASSET(資産)」と「CLICK(クリック)」を合わせた造語ですね。Web上のワンクリックで資産を運用できるという手軽さを表現したいという思いで2つの言葉をくっつけて、略して「アセクリ」という名称にしています。
ーー「ASSECLI」の特徴について教えてください。
まずは、6%前後の良好な利回りを提供しつつ、数カ月という短期で配当を行っていることですね。運営会社であるエボルゾーンが不動産取引の豊富な実績を持っていますので、ファンドの投資対象となる収益不動産の選定には自信を持っています。あとは少しずつですが、安定的な運用実績を重ねてきている点も投資家のみなさんにとっては投資判断の安心材料になるかなと思います。
それから、昨年(2023年)に任意組合型で不動産特定共同事業を実施するための追加認可も取得しましたので、今後は運用期間3〜5年の比較的長期の任意組合型ファンドも提供していければと思っています。
ーー任意組合型ファンドの提供の予定時期などは決まっているのでしょうか?
早ければ2024年5月から6月くらいに始められればと考えています。
ーー2次取引のような仕組みも検討されていたりするのでしょうか?
そうですね。具体的な部分は検討中ですが、「COZUCHI(コヅチ)」さんが行っているような、譲渡のニーズに応じて「アセクリ」で一度買い取って、それを別の方に再販するというような仕組みを想定しています。
ASSECLI(アセクリ)ならではの “カラー” で選ばれるサービスに
ーー現在のユーザー層はどのような感じでしょうか?
中心になるのは30代半ば〜40代半ばの層です。ただ、特に最近は裾野の広がりを感じていて、20代前半の方のご利用も増えてきています。上の年齢層でいうと60代くらいまではかなりご利用いただいています。男女比でいうと、ほぼ半々。もしかしたら女性のほうが少し多いかもしれないくらいの感じです。少額から気軽に投資いただけるので、主婦の方からのご利用も増えていますね。
ーーこれまで(2024年4月時点)提供されているファンドは、すべて満額での成立となっています。少しずつ案件の規模も大きくなっていますが、現状の手応えはいかがでしょうか?
やはり不動産クラウドファンディング全体への関心が高まってきているのかなと感じています。全体的に登録数が増えてきているのですが、特にライト層の増加が目立っていますね。会員数が増えてきているので、みなさんに投資いただけるくらいの投資枠を用意するという意味で、募集金額が1億円を超える案件も最近は少しずつ増やしています。
ーー「ASSECLI」でファンドとして提供する物件はどのような基準で選定されているのでしょうか?
投資家のみなさんに満足いただけるだけの配当を出せるかどうかが一番重要だと思っています。 単に利回りが高いだけでなく、それを自信を持って配当まで持っていける物件かどうかを重視して選定しています。
ーーここまでのファンド組成実績などから、「こういう案件が特に投資家に好まれやすい」などあれば教えてください。
やはり利回りの高い案件が好まれるというのは傾向として間違いなくあります。ニーズがはっきりしているので、サービス提供側としてはその期待に応えられるような案件を提供できるよう頑張りたいと思います(笑)。
そのほかにもファンド選びの基準はいろいろあると思うのですが、現状「アセクリといえばコレ」という明確な “カラー” があまりないので、サービスのイメージを明確にしたうえで、それが投資家のみなさんにとって「選ぶ理由」になれば一番いいなと思っています。
不動産というツールは変わりませんが、不動産を使って何をやるかが重要だと捉えていますので、その部分で創造性を発揮しながらアセクリらしいサービスを提供するのが理想ですね。
アップデートでさらに面白いサービスへ
ーー現状はすべて先着式で募集を行っていますが、今後は抽選式の提供も考えていたりするのでしょうか?抽選式のご要望は確かにいただきます。現状の先着式だと人気のファンドは5分ほどで埋まることもあるので、クリック合戦のようになってしまうこともあります。なので、平等にチャンスを提供するという意味で抽選式の必要性も感じています。
ここに関しては実際に今、大規模なシステム改修に着手しているところです。システムがアップデートされた際には、ファンドの特性に合わせて先着式だけでなく抽選式の選択肢も取れるようにしていければと思っています。あとは投資家さんの投資実績に合わせて優先応募枠を設けるなどの新しい仕組みも検討しているところです。
ーー「ゴクラク」をご覧の方へ、あらためてメッセージをお願いします。
現状(2024年4月時点)、昨年の11月からファンドの提供がない状態が続いているのでヤキモキされている方もいらっしゃるかもしれないのですが(苦笑)、今まさに水面下でいろいろと動いているところです。
運営会社のエボルゾーンとしてもそうですが、「アセクリ」としてもリブランディングを進行しているところでして、今後はさらに面白いと感じてもらえるようなファンドの組成を考えています。土地を仕入れるところから入る開発系のプロジェクトであったり、中長期運用の任意組合型ファンドの提供も年内にスタートする予定です。
投資家のみなさんには、投資を楽しんでいただきながら、しっかり配当も提供できるような案件組成を目指してがんばっていきますので、引き続き「アセクリ」にご期待いただければと思います。
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