ETF(上場投資信託)と投資信託の違いは?特徴やメリット・デメリットを徹底比較

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#用語解説 #投資の仕組み・スキーム #投資初心者

ETF投資信託 を耳にしたことはあるけど、具体的にどう違うのかわからない方も少なくないでしょう。ETFは投資信託の一種ですが、その性質は一般的な投資信託と異なる部分が多くあります。

そこで今回は、ETF(上場投資信託)と投資信託の違い 、それぞれのメリット・デメリットに加えて、どちらが投資初心者におすすめなのかお伝えしていきます。それぞれの特徴を理解して、自分により合った投資商品で運用を始めましょう。

投資信託とは

投資信託とは

投資信託とは、投資家から集めた資金をひとつの大きな資金として、運用の専門家が投資家の代わりに株式や債券などの金融商品に投資・運用する商品です。その運用によって得られた利益は、投資額に応じて投資家に分配されます。

投資信託のメリット

1.少額から運用できる

投資信託の最低投資額は金融機関によっても異なりますが、ネット証券を中心に多くの金融機関で100円から投資が可能です。株式や債券投資はまとまった大きな額が必要ですが、投資信託は投資初心者にとっても気軽に始められる投資商品といえます。

2.分散投資でリスクを軽減できる

投資信託は、1銘柄購入するだけで分散投資ができます。投資におけるリスクを軽減するために重要なのは、分散投資をすることです。異なる性質をもつ商品に投資することで、一方の価格が下がってしまった時にもう一方でその損失をカバーし得るからです。

投資信託はさまざまな種類・地域の金融商品に投資する商品のため、1銘柄に投資するだけでも手軽に分散投資が可能です。

3.専門家が運用してくれる

投資信託は、経済・金融などの知識を豊富に持つ専門家(ファンドマネージャー)が投資家に代わって運用してくれます。特に投資初心者にとって自分で投資先を見つけたり、売買のタイミングを計ることはとても難しいことです。

しかし、これらを専門家が代わりにすべて行ってくれる投資信託は、知識や経験が浅い投資家にとって安心できる商品といえます。

投資信託のデメリット

1.コストが比較的高い

投資信託では手数料の種類が多く、ほかの金融商品と比べると手数料が割高な傾向にあります。専門家が代わりに銘柄選定・運用などをしてくれるため、その報酬としての費用も含まれます。そのほか、購入時手数料などもありますが、最近では購入時手数料がかからない「ノーロード商品」とよばれるものもあります。

投資信託の手数料は、購入時手数料・運用管理費用(信託報酬)・監査報酬・売買委託手数料・信託財産留保額などがあります。これら以外にも、各投資信託によって費用が発生する場合があります

2.リアルタイムに売買できない

投資信託の価格である基準価額は1日に1回、投資信託に組み入れられている株式や債券などの時価評価を基に算出されます。そのため、申込み時点ではいくらで売買されるかわかりません。リアルタイムで時価を確認しながら行う取引ができないので、デイトレードのような短期投資には向きません。

ETF(上場投資信託)とは

ETFとは

ETF(Exchange Traded Fund)は別名「上場投資信託」といい、投資信託の1つです。一般的な投資信託との大きな違いとして、ETFは名前のとおり証券取引所に上場している点が挙げられます。

証券会社だけでなく銀行や郵便局などでも購入できる投資信託と違って、上場しているETFは証券会社でのみ可能です。

ETFのメリット

1.コストが比較的低い

ETFは、一般的な投資信託と比べるとコストが低い傾向にあります。取引所に上場していることから販売会社を介さずに市場で直接取引が可能なため、販売会社への報酬が必要ないなどの理由が挙げられます。

2.リアルタイムで売買可能

証券取引所の取引時間内であれば、ETFはリアルタイムでの売買取引が可能です。好きなタイミングで売買でき、自分の希望する取引額で注文をいれられるなど自由度の高い取引ができます。

ETFのデメリット

1.分配金が自動的には再投資されない

ETFの場合、運用状況に応じて還元される分配金は現金で受け取る方法しかなく、自動的に再投資する仕組みはありません。

分配金は再投資することによって複利効果で収益を効率よく増やすことが期待できます。ETFの分配金を再投資したい場合は、現金で受け取った分配金を元手に自身でETFの買付を行う必要があり手間と手数料がかかってしまいます。

2.定期積立を行うのが難しい

ETFは、一般的な投資信託と違って毎月定額で積み立てることが難しい商品です。なぜなら、ETFは取引単位が口数であり、その価格は常に変動しているためです。

また、ETFは一般的に「自動買付機能」が利用できません。自動買付機能とは、初めに買付金額や買付時期を設定してしまえばそれ以降自動的に定期積立ができるサービスで、投資信託は基本的にこの設定が可能です。ETFを積み立てたい場合は、自分で毎月買付の手続きをしなければなりません。

投資信託とETF(上場投資信託)の6つの違いを比較

投資信託とETFの主な6つの違いを、以下の表にまとめたのでご覧ください。
投資信託 ETF
上場の有無 非上場 上場
価格変動のタイミング 1日1回 リアルタイム
購入できる機関 証券会社、銀行、郵便局などの販売会社 証券会社
取引可能な時間帯 原則9時〜15時に申し込み 証券取引所の取引時間
種類の多さ 約6,000銘柄 約300銘柄
コスト(信託報酬) 高め 低め

それでは、以下で一項目ずつ詳しく見ていきましょう。

違い1.上場の有無

ETFは上場投資信託という名のとおり取引所に上場している一方、投資信託は上場していません。上場している場合としていない場合では、取引が可能な時間帯や場所などの取得方法が異なってきます。以下の項目で詳しく解説します。

違い2.価格変動のタイミング

投資信託とETFでは、価格が変動するタイミングが異なります。投資信託の価格である基準価額は1日に1回更新され、注文時点では正確な取引価格が分かりません。一方で、ETFの場合、株式と同様に市場が開いている間はリアルタイムで値動きがあります。そのため、自分が買いたい価格で購入することも可能です。

違い3.購入できる機関

投資信託は「販売会社」で購入します。例えば、証券会社や銀行、郵便局、保険会社などの金融機関で申し込みが可能です。一方で上場しているETFは、株式と同じように証券取引所での取引となるため、証券会社を通じてしか購入ができません。

違い4.取引可能な時間帯

ETFは取引所の取引時間内であれば売買取引ができます。例えば、東京証券取引所の場合、平日の9:00〜11:30、12:30〜15:00です。一方で、投資信託は販売会社である金融機関が定める時間内で取引が可能です。なお、一般的に15:00までの注文が当日申込となり、15:00を過ぎると申込日は翌営業日となります。

違い5.種類の多さ

投資信託とETFでは、種類や商品数にも大きな差があります。投資信託はETFよりも圧倒的に商品数が多く、約6,000本ほどの銘柄があります。ETFが約300銘柄程度なので、投資信託は選択肢がより多く、自分に合った商品を選びやすいというメリットがあります。

ただし、金融機関によって取り扱う銘柄や数が異なるため、金融機関を選ぶ際には取扱商品を確認しましょう。なお、ETFはどの証券会社であっても基本的にすべての銘柄が売買可能です。

違い6.コスト(信託報酬)

投資信託とETFでは、一般的にETFのほうが信託報酬が低い傾向にあります。信託報酬とは、金融商品の運用や管理の対価としての手数料であり、保有している間はずっと支払い続けます。また、いずれの商品も購入時や売却時などにも手数料が発生しますが、投資信託のなかにはその手数料が設定されていない商品もあります。

初心者は投資信託とETFはどちらがおすすめ?

投資の経験が浅い初心者は、まず投資信託から初めてみることをおすすめします。 投資信託であれば少額からの投資も可能で、 元手が少なくても気軽にスタートできます 。また、購入時に自動積立設定をすれば勝手に定期積立されるため、手間もかからず初心者でも始めやすいでしょう。

一方、自由度の高いETFは、自分で売買のタイミングを決めなければならない点から難易度が比較的高い金融商品だといえます。

自分に合った投資商品で資産運用を

今回は、投資信託とETFの違い や、初心者にはどちらが向いているのかについて解説しました。

ETFと投資信託はどちらのほうが優れている訳ではなく、その商品の特性からそれぞれにメリットとデメリットがあります。これから投資を始めてみたい方は、金銭面や運用面での敷居が低い投資信託が始めやすいでしょう。

なお、NISAiDeCo といった税制優遇制度でも投資信託を購入できるので、このようなお得な制度もうまく活用してみてはいかがでしょうか。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

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