不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディング投資は副業にあたる?

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#投資初心者
こんにちは。投資家・ブロガーの中田健介です。

世間では2024年になっても物価は上昇傾向で、実質賃金はなかなか上がらない状況が続いています。そんな中、本業以外の収入を求めている人も増えており、副業に注目が集まっています。今回はそんな副業に着目し、不動産クラウドファンディングソーシャルレンディング投資が副業にあたるかどうかについて解説します。

副業とは

副業とは、本業以外で収入を得るために行う仕事のことです。一般的には、給与所得以外の収入を得る活動を指しますが、法律によって明確に定義されているわけではありません。

副業に関する法律とガイドライン

2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン(2022年7月改定)」を策定しました。それまで厚生労働省のモデル就業規則にあった副業禁止の規定を削除し、副業・兼業について以下のような規定を新設しました。
(副業・兼業)第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。① 労務提供上の支障がある場合② 企業秘密が漏洩する場合③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合④ 競業により、企業の利益を害する場合
副業・兼業の促進に関するガイドラインPDF|厚生労働省

国の副業推進の背景

国としては、働き方改革の一環として副業を推進する方向性を打ち出しています。これにより、個々の労働者が多様な働き方を選択できるようになり、生活の安定やキャリアの発展につながることが期待されています。

会社による副業の制限

会社によっては、情報漏えいや労働管理ができないなどの理由から、就業規則で副業を禁止しているケースもあり、このような場合、就業規則を破ると「戒告」や「減給」などの懲戒処分が科される可能性があります。

また、副業を許可していても、事前に申請がないと認められないケースも少なくありません。

公務員の副業制限

公務員は、法律によって副業・兼業が制限されており、起業・開業やアルバイトは原則禁止です。ただし、公益性が高い活動など、適切な申請をして許可を受ければ、副業・兼業が認められることもあります。

「公益性が高い活動」とは、特定の個人や組織ではなく社会全体の利益になるもののことを指し、自治体によってはNPO団体での活動を認めているところもあります。

不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディング投資は副業にあたる?

一般的に、不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングを含む投資活動は資産運用であり、副業にはあたりません。原則副業禁止の公務員の場合も、資産運用である投資は副業には当たらず、服務規定違反に問われることもありません。

投資と副業の違い

投資は、株式債券、不動産などに資金を投入し、その資産価値の変動や配当、利息などから収益を得る行為です。これは、一般的に「不労所得」とみなされ、労働によって得る収入とは区別されます。

一方の副業は、労働を通じて収入を得る活動であり、自らの時間や労力を投入する必要があります。

投資をしていることを会社に知られたくない場合は?

会社に投資を秘密にしたい
投資は副業にあたらないとはいえ、投資を行う人の中には、会社に知られないように行いたい人もいるかもしれません。特に投資で大きな利益を得ている場合、それを会社の上司・同僚などに知られると妬まれたりすることにもなりかねません。

しかしながら、ただ自分が口外しなければバレないというものでもなく、税金処理の過程で判明することもあります。ではどのようにして知られないようにすればよいのでしょうか。投資がバレるケースとともに対策を見ていきましょう。

住民税による投資利益の露見

投資で利益を得ていることが会社に知られる最大の要因は住民税です。住民税は、前年度の収入によって納税額が決まるので、給与収入以外の投資で利益が出ていると、その分納税額も高くなるため、会社側にわかってしまいます。

住民税の徴収方法

住民税の支払いには、給与から控除して会社が市町村に納付する「特別徴収」と、自分で直接納付する「普通徴収」があります。投資で得た収入について確定申告をする際、「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目で、「自分で納付(=普通徴収)」に〇をつけると、投資によって増えた住民税額を会社が把握できなくなるため、投資をしていることを秘密にしやすくなります。

ただし、自治体によっては普通徴収が認められていないケースもあるため、税務署等に事前に確認しておく必要があります。

会社員や公務員でもクラウドファンディング投資はできる

今回は、不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディング投資が副業にあたるかどうか、また、投資をしていることを会社に知られないようにする方法について解説しました。

本記事で解説した通り、基本的に不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディング投資は副業にはあたりません。ただし、いうまでもありませんが、副業をするにしても、投資をするにしても、所属する会社の社内規定や法令については必ず確認し、遵守に努めましょう。

複数の収入源を持つことは将来設計において非常によいことです。不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングを通して、ぜひ将来の資産づくりにチャレンジしてみましょう。

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  • 記事を書いた人 中田健介

    IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始。同時にブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設。 著書に「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)がある。

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