ブロックチェーンって何?わかりやすく解説
公開日 2024/02/09
最終更新日 2024/02/09
こうした話題に興味はあるものの、具体的にはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は超初心者向けとして、ブロックチェーンをわかりやすく、かつ詳細に解説します。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、「ブロック」と呼ばれる単位でデータを時系列で管理し、そのブロックを鎖(チェーン)のようにつなぐことで、分散的に情報を処理・記録する技術のことを指します。ブロックチェーン=暗号資産、ブロックチェーン=NFTというイメージをお持ちの人も多いかもしれません。確かにブロックチェーンはこういったテクノロジーの中心となる技術の一つとして活用されていますが、ブロックチェーンの本質はデータベースを構築する仕組みにあります。
データベースとは、決まった形式でデータ群を管理した集まりで、例えば企業の顧客データをデータベースを使って整理することで検索や分析が効率的になります。代表的なデータベース言語には「SQL」があります。
ブロックチェーンが注目されているのは、これら既存のデータベース言語とは違う性質を持っており、暗号資産やNFTのようなテクノロジーが実現できるからです。ブロックチェーンを「ビットコイン」や「イーサリアム」といった性質の違うプラットフォーム上で活用することでさまざまなサービスが生まれています。
ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンの仕組みでもっとも重要なのが、「分散型台帳」ともいわれるデータベースの管理方法です。
「分散型台帳」とはビットコインやイーサリアムなどブロックチェーンのプラットフォームに参加する不特定多数のノード(ここでは「デバイスの使用者」くらいの認識でOKです)が、ブロックチェーンのプラットフォーム上で行われたすべての取引履歴を共有し監視するというやり方で信頼性を担保する仕組みのことを指します。
中央集権型のリスク・デメリット
一方、私たちがこれまで意識せずに使用してきた一般的な管理方法は、上記の「分散型」に対し、「集中管理型」や「中央集権型」と呼ばれるものです。これはたとえば銀行であれば口座間の送金やATM入出金履歴などの取引に関することをすべて銀行が保有しているシステムが管理しています。当たり前に用いられている仕組みですが、実はリスクもあります。たとえばその銀行が突然倒産しシステム自体が使えなくなれば、自分の資産の流動性が損なわれるばかりか資産保全も危ぶまれるでしょう。また、もし銀行自体がシステム上で不正をしていても自社で中央集権的に管理しているやり方ではなかなか異変を察知しにくいこともあります。
ブロックチェーンでは中央集権的なこれまでの管理方法ではなく、分散型台帳という不特定多数による管理を行うことで、より公平公正なインターネット上の取引を実現できるのです。
分散型で管理を行うには
不特定多数による管理を具体的にどうやるのか、さまざまな方法があります。たとえばビットコインであれば「PoW(プルーフオブワーク)」、イーサリアムであれば「PoS(プルーフオブステーク)」と呼ばれるものです。PoW(プルーフオブワーク)
たとえばビットコインのプラットフォーム上で送金を行う場合、その取引が正しいものであるという証明を行う必要があります。誰かの口座からお金を盗もうとしているような取引ではないよというものを証明し承認する過程が生じるわけです。これをどうやるのかというとビットコインではネットワーク上の誰かが暗号化された計算を解くことで証明します。これがPoWです。もちろん人間が紙とペンでやるわけではなくコンピューターが行い、早く解いた人に対しては報酬が支払われます。これを「マイニング」といい、報酬を目当てに多くの人や会社が参加しています。
PoS(プルーフオブステーク)
イーサリアムのPoS(プルーフオブステーク)とは、暗号資産であるETHをより多く持っている人が承認する権利を得るというものです。いわば、株主制に近い仕組みといえます。また、富を持っている人に力が集中するから中央集権的なのではという指摘もありますが、少なくとも最初から中央集権的なシステムとは違い多くの人に門戸は開かれているといえます。
ブロックチェーンの特徴
さて、分散型台帳という仕組みのブロックチェーンはどのような特徴をもつデータベースシステムなのでしょうか。特徴1.個人間取引が可能
これまで私たちがインターネット上で誰かに送金をしようと思ったときは、銀行の口座を通して誰かの口座に送る必要がありました。この場合、口座は銀行のプラットフォーム上にあり、送金されたという事実も銀行のシステム上で管理されます。一方、ブロックチェーンでの個人間取引では、自分固有のブロックチェーンのウォレット(口座のようなもの)に直接親や友人から暗号資産が送られてきます。つまり現金を手渡しするようなことが、インターネット上で可能になるわけです。
特徴2.改ざんが極めて困難
ブロックチェーン上での取引は改ざんが極めて困難です。これはブロックチェーンが分散型台帳で不特定多数によって管理されていることによって実現しています。特徴3.トレーサビリティ
万が一改ざんや不正があった場合も、ブロックチェーンの場合は分散型台帳に全取引の記録が時系列で残っているため、不正の追跡が容易です。特徴4.スマートコントラクトで単なる送金以外にさまざまな機能をつけることができる
「スマートコントラクト」は、ブロックチェーン上で行われる契約を自動化するプログラムで、暗号資産を送金するだけでなく、さまざまな機能をつけることもできます。たとえばこれまでは契約書のさまざまな項目にサインが必要だったのが、費用を払えば全部契約行為が完了したり、あるNFTを購入した人にはこのコミュニティへの参加権が自動付与されるといったようなことです。
ブロックチェーンはどのように活用される?
ブロックチェーンの活用方法で現状目立つのは暗号資産やNFTといったWeb3.0関連のサービスです。銀行を通さなくても個人間で金融取引ができたり、デジタルデータをNFT化することでコピーや改ざんができなくなるため、デジタルイラストや音楽、動画などに資産価値が生じるようになったというのは多くの人が理解しやすいところかもしれません。また、国家の公文書を改ざん不可能なブロックチェーンで管理することによって、不正を防ぐといったことも可能です。データベースとして企業活動に活用できるというのも大きな可能性です。たとえばブロックチェーンを使って開発したデータベースの公開範囲を特定の企業間だけに絞るといったこともできます。
同じサプライチェーンに属する複数の企業が、共通のブロックチェーンデータベースを共有し製造出荷物流の最適化を図るといったことも考えられますし、すでに一部では行われています。
ブロックチェーンの問題や課題点
ブロックチェーンは大きな可能性のあるテクノロジーですが、正しい理解がまだまだ追いついていません。ブロックチェーン=儲かるというマーケティング手法だったり、逆にブロックチェーン=怪しいというイメージもついてしまっています。実際にまだまだポンジスキームや半ば詐欺的なプロジェクトも横行しており、確実に信頼できるブロックチェーンのプロジェクトを探すのはなかなか苦労するかもしれません。そのため「そのプロジェクトは本当にブロックチェーンを活用して行う意味があるか?」をよく考えることが重要です。
実際には既存のIT技術でも十分に可能なサービスだが、普通にやっても出資を集められないため、「ブロックチェーンで夢の未来を実現する」のような謳い方で盛っているケースもあります。ブロックチェーンを使っているかどうかではなく、そのプロジェクト自体に価値があり、ブロックチェーンの特徴でないと実現できない内容になっているかをよく考えましょう。
ほかにもブロックチェーンの特性上の問題としてよく語られるのが、国や銀行等の既存の権力からすると自分達の追えない個人間取引が増えることで、収税や資産監視が難しくなるということもあります。
ブロックチェーンを正しく理解しよう
ブロックチェーンについてわかりやすく解説してきました。ブロックチェーンを理解する上で大切なのは、ブロックチェーンは単なるデータ管理の仕組みであるという前提を持っておくことです。そして分散型台帳ならではの個人間取引や改ざん不可能、トレーサビリティ、スマートコントラクトといった機能があるよということをまずは知ることです。
ブロックチェーンは夢のような未来を実現する魔法ではなく、これまでより個人間取引の自由度や取引自体の信頼性や多様性を広げる道具に過ぎません。ブロックチェーンを活用した事例は年々増え続けていますが、こうしたことを念頭に置いて本当に意味のあるプロジェクトを見極めるようにしましょう。
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