FUNDIの償還遅延はなぜ起きた?2024年開始から代表交代・仮差押えまでの全時系列

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#特集・選び方

不動産クラウドファンディング「FUNDI(ファンディ)」で、複数のファンドの償還遅延と、運営体制の急変が続いています。

この記事は、FUNDIに出資したまま資金の行方を待っている方、出資を検討していた方、そして何が起きたのかを正確に知りたい方に向けたものです。

読み終えると、2018年の会社設立から2026年10月までの流れ、遅延が起きた背景、そして出資中の方が今とるべき確認手順がわかります。

ゴクラク編集部員もFUNDIに出資している当事者であり、運営会社からの投資家向けメールを実際に受け取っています。

本記事は、2026年11月3日時点の公開情報と投資家向けの連絡をもとに、事実と推測を分けて整理しています。

この記事でわかること
✓2025年12月のデータセンター3ファンドの償還遅延から始まった一連の経緯
✓2026年4月以降の代表交代・社名変更と、仮差押え情報の確認状況
✓蓄電池ファンド(#5)の遅延と、その後の償還完了までの経緯
✓募集総額の約7割をデータセンター3件が占めていたという集中の構造
✓出資中の人が今とるべき確認手順と、相談先

結論|FUNDI償還遅延の全体像を1分で整理

FUNDIをめぐっては、SNSや掲示板で多くの推測が飛び交っています。

まずは、公式発表・公的な会社情報・投資家の会の報告などから確認できる事実を整理します。

償還遅延の流れ

いま起きていること(2026年11月時点の現在地)

現時点で確認できている事実を、時期ごとに整理します。

時期 確認できている事実 対象
2025年12月 当初の償還期日に支払えず、償還遅延を公表*1*2 #1・#3・#6(データセンター関連)
2026年4月 投資家の会は4月22日の代表交代を報告。社名は4月24日に変更され、5月20日にFUNDIへ戻った*3*4 運営会社
2026年6月 6月2日に代表変更のメールが届いたと、投資家の会が報告*5 運営会社
2026年6月〜8月 6月16日に償還遅延を通知。その後、8月31日に元本毀損なく償還が完了*6*7 #5(静岡県菊川市 蓄電池)
2025年9月に募集開始した#8以降 新しいファンドの募集開始は確認できない。#8の募集受付は10月2日まで行われた*8*9 サービス全体
2026年11月3日確認 神奈川県が公表する2026年度の宅建業法に基づく監督処分一覧に、FUNDIの掲載はない。不特法に基づく処分を含む全ての処分の有無を示すものではない*10 運営会社

このほか、#2は2026年1月19日、#4は2月12日に償還したと公表されています。#7は9月8日、#8は10月14日に、それぞれ償還完了が発表されています。*11*12*13*14

一方で、確定していないことも明確にしておきます。

まだ確定していないこと 現在の状態
#1・#3・#6の償還完了と、その後の支払見通し 11月3日までに確認した一般公開のお知らせでは、償還完了を確認できていない*1*2
#1・#3・#6の最終的な償還額・支払時期 個別の契約書面と、出資者向けの最新の正式通知で確認が必要

注意

「遅延=元本割れ確定」ではありません。

売却や買戻しが成立すれば、元本と分配金が戻る可能性は残っています。

ただし、#1・#3・#6については、当初の期日後の償還完了を、一般公開資料では確認できていません。出資中の方は、専用の報告ページと自分に届いた正式通知を確認してください。

【早見表】2018年〜2026年11月のタイムライン

会社設立から現在までの流れを、表にまとめました。

時期 出来事 投資家から見た状況
2018年9月 株式会社TENREIとして設立*15*4 現在の公式会社情報では、不動産の賃貸・売買事業も掲載
2024年5月 社名を株式会社FUNDIへ変更*15*4 同年11月にクラウドファンディングサービスを開始
2024年11月 サービス開始。#1 千葉市データセンター(想定利回り12%)を募集*16*17 最終的な応募額は約35億円、募集額に対して約2.75倍*18
2024年12月〜2025年 #2〜#7を順次募集(マンション・データセンター・蓄電池)*8 データセンター以外にも募集対象を広げる
2025年9月〜10月 #8 千葉県芝山町 蓄電池を募集*8*9 2026年11月3日時点で、これより後の新規ファンドは確認できない
2025年12月25日 #1の償還遅延を公式サイトで公表*1 当初の償還予定日に履行できなかったと説明
2025年12月26日 #3・#6の償還遅延を公式サイトで公表*2 具体的な交渉経緯等は出資者向けに説明すると案内
2026年4月 代表交代があったと投資家の会が報告。4月24日に社名変更*3*4 変更日と、投資家への通知日を分けて確認する必要がある
2026年5月20日 社名をFUNDIへ戻す*4 約1カ月での再変更
2026年6月2日 代表変更のメールが届いたと、投資家の会が報告*5 これが初めての通知だったかは、公開情報だけでは確認できない
2026年6月16日 #5の償還遅延を通知*6 償還予定日の前日の連絡
2026年6月 弁護士法人が関与する投資家の会が活動を開始*3 6月19日に会社・代表取締役・取締役へ通知書を送付*19
2026年8月〜10月 #5・#7・#8の償還完了を公表*7*13*14 #1・#3・#6とは分けて、個別の償還状況を確認する必要がある

※出典

*1:FUNDI|「千葉市 データセンター FUNDIプロジェクト #1」償還遅延に関するお知らせ

*2:FUNDI|「印西市データセンター FUNDIプロジェクト#3及び#6」償還遅延に関するお知らせ

*3:FUNDIに償還を求める会|参加者募集(あまた法律事務所)

*4:国税庁法人番号公表サイト|株式会社FUNDIの情報

*5:FUNDIに償還を求める会|6月2日にFUNDI社から、登録者全員に代表変更のメールが届きました。

*6:FUNDIに償還を求める会|6月16日にFUNDI社から、#5(菊川市 蓄電池プロジェクト)の償還遅延に関するメールが届きました。

*7:FUNDI|静岡県菊川市 蓄電池 FUNDI プロジェクト#5 運用終了及び償還完了のお知らせ

*8:ゴクラク|FUNDI(ファンディ)事業者ページ(ファンド実績・運営会社情報)

*9:FUNDI|千葉県芝山町 蓄電池 FUNDI プロジェクト#8

*10:神奈川県|監督処分の公表(令和8年度)

*11:FUNDI|「読売ランド前 一棟マンション FUNDI プロジェクト#2」運用終了及び償還完了のお知らせ

*12:FUNDI|「長野県上田市蓄電池 FUNDIプロジェクト#4」運用終了及び償還完了のお知らせ

*13:FUNDI|和歌山県和歌山市 蓄電池 FUNDI プロジェクト#7 運用終了及び償還完了のお知らせ

*14:FUNDI|千葉県芝山町 蓄電池 FUNDI プロジェクト#8 運用終了及び償還完了のお知らせ

*15:FUNDI|株式会社FUNDI

*16:ゴクラク|千葉市データセンター FUNDI プロジェクト#1

*17:PR TIMES|株式会社FUNDIが、不動産クラウドファンディングサービス「FUNDI(ファンディ)」をリリース

*18:FUNDI|千葉市データセンター FUNDI プロジェクト#1

*19:FUNDIに償還を求める会|6月19日にFUNDI社・森田代表取締役・佐藤取締役の3者へ、内容証明(通知書)を送付しました。

第1章|創業期:データセンター特化で登場した新興クラファン

FUNDIは、サービス開始から約1年で、累計募集額が70億円を超えました。*8

その出発点を確認します。

運営会社・株式会社FUNDIとは

運営会社は株式会社FUNDIです。

公式会社情報によると、設立は2018年9月で、当時の商号は「株式会社TENREI」でした。*15*4

現在の資本金は1億円です。2024年5月に、社名を株式会社FUNDIへ変更しています。*15*4

項目 サービス開始時(2024年)*20 2026年11月3日確認*15*4*21
本店所在地 東京都渋谷区広尾 千葉県船橋市。公式会社情報と国税庁の情報が一致
不動産特定共同事業 東京都知事 第173号 神奈川県知事 第24号
宅地建物取引業 東京都知事(2)第103068号 神奈川県知事(1)第32765号
事業者区分 第1号・第2号事業者 第1号・第2号事業者
資本金 1億円 1億円

ここで押さえておきたい点が2つあります。

1つは、許可を出している行政庁が東京都から神奈川県へ変わっていることです。現在の不動産特定共同事業の許可番号は、神奈川県知事第24号です。*15*21

もう1つは、資本金1億円という水準です。

不動産特定共同事業の第1号事業者には、資本金1億円以上という基準があります。ただし、許可には純資産や人的構成など、ほかの要件もあります。*24

資本金の額だけで、同社の過去の事業実態や、現在の財務の健全性を判断することはできません。

用語:不動産特定共同事業 複数の投資家から集めたお金で不動産を取得・運用し、利益を分配する事業です。

投資家保護のため、原則として都道府県知事などの許可が必要で、資本金などの基準も定められています。*24*25

許可を出した行政庁が、その事業者の監督と相談の窓口になります。

あわせて読みたい 不動産特定共同事業法(不特法/FTK法)とは?要点をわかりやすく解説

2024年11月、FUNDIのサービス開始

サービスは2024年11月に始まりました。*17

第1弾となった#1は、千葉県千葉市にある介護施設を投資対象とするファンドです。*16

公簿面積15,007坪という広大な土地で、電力供給の手続きなどを経て、大手不動産会社と共同でデータセンター用地として第三者へ売却する計画でした。*16

条件は想定利回り12.0%、運用期間12カ月、募集金額12億8,250万円です。*16

募集は2024年11月22日19時に始まり、募集額を上回る応募を集めました。*18

最終的な応募額は約35億円、応募倍率は約2.75倍に達しています。*18

投資の仕組みにも特徴がありました。

  • 1口1万円から投資できる*16
  • 運用終了の翌営業日に償還することを基本とする設計*17*18
  • 売却益が想定を上回ると分配も増える「アップサイド配当」*17*18

用語:キャピタル型ファンド 物件の売却益を主な分配原資とするタイプのファンドです。元本の償還には、売却代金などが充てられます。

賃料収入を主な分配原資とするインカム型と比べ、売却代金の回収時期に償還が左右されやすい仕組みです。分配の頻度や償還方法は、ファンドごとの契約によって異なります。

FUNDIの案件は、土地の売却を前提としたこのタイプが中心でした。

当時、投資家の期待を集めた4つの理由

サービス開始から1年ほどの間、FUNDIには次の4つの特徴がありました。

  • 高い想定利回り:平均10.6%、最高12.0%という水準*8
  • テーマの独自性:データセンターと系統用蓄電池という成長分野に少額で投資できた*8
  • 代表による直接の発信:YouTubeライブや投資家向けの集まりで説明が行われていた*3
  • 開示された案件設計:売却先や買取保証会社、施工体制などに関する説明が案件ページに記載されていた*26*18

この4点が、投資家からの注目を集めたと考えられます。

第2章|拡大期:データセンターから蓄電池へ、8本のファンド

2026年11月3日時点で、FUNDIが公開したファンドは全部で8本です。*8

公開された8ファンドの一覧

ゴクラクに掲載されている8本の募集時の条件を整理すると、次のとおりです。運用期間や利回りは募集時の予定であり、その後の実績とは異なります。*8

号数 対象 想定利回り 運用期間 募集額
#1 千葉市 データセンター 12.0% 12カ月 12億8,250万円
#2 読売ランド前 一棟マンション 8.0% 12カ月 1億500万円
#3 印西市 データセンター 11.5% 12カ月 22億5,600万円
#4 長野県上田市 蓄電池 10.5% 12カ月 5億1,000万円
#5 静岡県菊川市 蓄電池 10.5% 12カ月 5億1,000万円
#6 印西市 データセンター追加買取 11.5% 5カ月 15億5,000万円
#7・#8 和歌山・千葉県芝山町 蓄電池 10.6%/10.5% 12カ月 合計9億2,000万円
合計 8本 平均10.6% 平均約11カ月 71億3,350万円

ここで注目したいのが、資金の集中度です。

データセンター関連の#1・#3・#6の募集額を合計すると、約50億8,850万円になります。*8

8本の累計募集額71億3,350万円のうち、約7割をこの3本が占めていた計算です。*8

募集額について

サービス開始からわずか1年の事業者が、1つのテーマに50億円規模を積み上げていたことになります。

「売却先決定済み」「買取保証あり」という安心材料

各ファンドのページには、投資家の不安を和らげる材料が並んでいました。

たとえば#5の募集時の案件概要では、次のように説明されていました。*26

  • すでに売却先との間で売買契約が締結済み*26
  • 東証スタンダード市場に上場する企業による買取保証を導入*26
  • その保証会社の自己資本比率は50%超*26

ここまで読むと、売却が失敗する余地は小さく見えます。

ところが同じページには、こう書かれていました。

最終的な所有権移転(決済)は、工事完了後となる契約内容です。*26

ポイント

売買契約が結ばれていても、代金が入るのは決済のときです。

決済の条件が「工事完了後」であれば、工事の遅れが入金の遅れにつながることがあります。

「売却先決定済み」という表示だけでなく、決済条件まで読まないと売却の確実性は判断できません。

売買契約済みでも要注意

実際に#5では、建設工事の遅れなどにより、売却・決済を予定どおり完了できなかったと説明されています。その後、2026年8月31日に償還が完了しました。*27*7

劣後出資比率は5%前後

FUNDIは優先劣後方式を採用していました。

ただし、劣後出資の割合はファンドごとに異なります。

確認できた#1と#5は、いずれも劣後出資割合5.0%です。一方、#8は19.61%でした。*16*26*9

出資総額の95%を投資家、5%を運営会社が出資し、借入れや経費などを考慮しない単純な例で計算してみます。

  • 事業全体の損失が出資総額の5%以内であれば、運営会社の劣後出資分で吸収される
  • 出資総額の10%に当たる損失が出ると、劣後出資で吸収しきれない5%分を優先出資者が負担する
  • 優先出資者の損失率は5÷95で約5.26%。10万円の出資なら、損失は約5,263円になる

なお、土地の価格下落率が、そのままファンド全体の損失率になるわけではありません。そして、もう1つ重要な点があります。

優先劣後方式は元本割れの幅を一定程度抑える仕組みであって、償還の遅れを防ぐものではありません。

売却代金を償還の原資にする案件では、売却や決済が遅れると、劣後出資があっても償還が遅れることがあります。

あわせて読みたい 不動産クラウドファンディングの優先劣後方式とは

2025年12月の償還と、止まった新規募集

2026年11月3日時点で最後に募集を開始したファンドは、2025年9月の#8 千葉県芝山町 蓄電池です。募集受付は同年10月2日まで行われました。*8*9

それまで続いていた新規案件の募集が、途切れたことになります。

そして2025年12月、サービス開始から約1年を経て、最初の運用期間満了と償還予定日を迎えます。*1

投資家にとっては、FUNDIが約束を守れるかどうかが初めて試される場面でした。

結果として、そこで起きたのが償還遅延です。最初の償還実績として確認できるのは、2026年1月19日に償還した#2です。*11

続きでは、投資前や運用中に確認したかった4つの点、2025年12月の発表の中身、そして2026年4月以降の代表交代・社名変更などを、日付を追って整理します。

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第3章|異変:遅延の前から表れていた4つの予兆

予兆1:償還実績がないまま、大型の募集が続いた

予兆2:「早ければ6月に償還」という説明と、まだ結ばれていない売買契約

予兆3:劣後出資の薄さ

予兆4:新規募集の停止と、情報発信の減少

第4章|1回目の償還遅延:2025年12月、データセンター3ファンド

12月20日に何が起きたか

会社の説明と、償還見通しの推移

確認できること・確認できないこと

第5章|運営体制の急変:2026年4月〜6月

4月22日〜5月20日:代表交代と、社名の変更・再変更

6月2日:投資家への通知

第6章|遅延の拡大と投資家の動き:2026年6月〜10月

#5 菊川市 蓄電池でも償還遅延

弁護士法人が関わる投資家の会の発足

#7・#8など、その他のファンドの状況

2026年11月時点の現在地

なぜ崩れたのか、構造的な4つの要因

要因1:出口を「特定の買主」に頼る案件設計

要因2:契約が固まる前に資金を集め、見通しを発信していた

要因3:運営会社の財務と、倒産隔離のない構造

要因4:ガバナンスと情報開示

出資中の人が今とるべき確認手順

ステップ1:契約書面と通知メールを保存する

ステップ2:公開情報で会社の状況を確認する

ステップ3:権利売却や追加購入の案内には慎重に対応する

問い合わせ・相談の方法

まとめ|FUNDIの時系列から投資家が学ぶ教訓

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

    不動産クラウドファンディング等の情報を提供しています。投資初心者の目線に立った運営を目指しています。記事は情報提供を目的としており、特定商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する意思決定は、事業者の公式サイトにてリスク等の内容をご確認いただき、ご自身の判断にてお願いいたします。

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