31年ぶりの金利1.0%。現物ローンとノンレバのクラファン使い分け
公開日 2026/09/03
最終更新日 2026/09/03
2026年6月、日本の政策金利が1.0%になりました。
1%台に乗るのは1995年以来、およそ31年ぶりです。
変動金利で住宅ローンを返済中の方にとっては、「自分の返済額はいくら増えるのか」がまず気になるところだと思います。
これから借入をして現物不動産を買おうと考えている方、あるいは借金をせずに不動産で運用したいと考えている方にとっても、判断の前提が変わる出来事です。
この記事では、今回の利上げが住宅ローン金利にも反映された場合、返済額が月いくら変わるのかをモデルケースで示したうえで、レバレッジをかけて現物を買うのか、ノンレバの不動産クラウドファンディングに寄せるのかを、感覚ではなく損益分岐点の数字で判断できるように整理します。
2026年6月の利上げで何が変わったのか
まずは事実関係を整理します。
ニュースの見出しだけを見ると「また利上げか」で終わってしまいますが、今回の会合では金利以外にも重要な決定がありました。
その中身を押さえておくと、次の会合で何が起きうるかの見当がつくようになります。
2026年6月15日・16日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標)が0.75%程度から1.0%程度へ引き上げられました。*1
引き上げ幅は0.25%で、政策金利が1%台に乗るのは1995年以来およそ31年ぶりです。
利上げの背景として報じられているのは、次の3点です。
- 物価の上振れリスク:中東情勢の緊迫化にともなう原油高が物価を押し上げる懸念*1
- 円安基調の継続:輸入物価を通じて国内物価に波及する経路が残っている*2
- 金融環境がなお緩和的:1.0%でも実質金利はマイナス圏にあり、引き締めではなく「アクセルを緩める」段階という位置づけ
あわせて、国債の買入れ額を減らしていく措置(減額)についても方針が示され、2027年4月以降は月間2兆円程度とする計画が決定されました。*3
買入れ額を減らすほど、長期金利は市場の需給で決まりやすくなります。
つまり短期の政策金利だけでなく、長期固定型の住宅ローンの原資となる長期金利にも、じわじわと上昇圧力がかかりやすい状態が続くということです。
その後の2026年7月30日・31日の会合では、政策金利は1.0%程度で据え置かれました。
次回の金融政策決定会合は2026年9月17日(木)・18日(金)で、その後は10月29日・30日、12月17日・18日と続きます。*4
ポイント
今回の利上げは「終着点」ではなく、まだ途中の一段階として位置づけられています。
だからこそ、1回分の影響だけでなく「あと数回続いたら」を前提に試算する必要があります。
政策金利と住宅ローン金利は同じだけ動かない
ここが最も誤解されやすいところです。
「政策金利が0.25%上がったから、自分の住宅ローンも0.25%上がる」と考えてしまう方が多いのですが、実際はそう単純ではありません。
変動金利型の住宅ローンは、短期プライムレート(短プラ)などを基準に金利を決める商品があります。
短プラは、銀行が信用力の高い企業へ1年未満で貸し出すときの最優遇金利です。
政策金利の変更が短プラや住宅ローンの基準金利にどう反映されるかは、金融機関や商品によって異なります。
今回の利上げを受けて、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行はいずれも短プラを年2.125%から年2.375%へ0.25%引き上げ、適用開始日を2026年8月3日としました。*5*6*13
一方でりそな銀行・埼玉りそな銀行は、同じ8月3日から年2.375%を年2.625%へ引き上げています。*7
同じ日に改定しても、水準そのものは銀行によって異なります。
すでに変動金利で借りている人については、基準金利の改定日と実際に新しい利率が適用される時期が一致するとは限りません。
三菱UFJ銀行では、2026年8月31日以前に借り入れた住宅ローンのうち、変動金利(毎月型)は2026年9月1日を基準日として見直し、2026年11月の約定返済分から新利率が反映されます。
変動金利(年2回型)は2026年10月1日を基準日として見直し、2027年1月の約定返済分から新利率が反映されます。*8
さらに、元利均等返済で5年ルールが適用される場合は、適用金利が上がっても毎月の返済額自体が直ちに増えるわけではなく、まず返済額に占める元金と利息の内訳が変わります。
注意
金利の見直し時期、適用開始日、返済額の変更方法は金融機関や契約内容によって異なります。
「政策金利が0.25%上がったから、次の返済額も0.25%分すぐ増える」とは限りません。
必ず自分の借入先からの通知や契約内容で確認してください。
政策金利1.0%で住宅ローンの返済はいくら増えるのか
借入3,000万円・残35年のケース
借入5,000万円・残35年のケース
累計で見るとどうなるか(短プラ上昇幅0.90ポイントを反映したモデル)
「5年ルール・125%ルール」があるから安心、ではない
自分のケースで試算する3ステップ
返済額だけではない——「借りられる金額」への影響
投資用ローンは金利上昇が収支にどう効くのか
イールドギャップはどれだけ圧縮されたか
出口価格への影響——キャップレート上昇のシナリオ
ノンレバのクラファンは金利上昇で何が起きるのか
影響①:借入併用型ファンドは実質レバレッジがかかっている
影響②:無リスク資産の利回り上昇でハードルレートが上がる
影響③:出口が売れにくくなると償還遅延・運用期間延長につながる
現物とクラファン、3タイプ別の使い分け
タイプA:これから現物を買おうとしている人
タイプB:すでに現物を保有している人
タイプC:現金で待機している人・現物を持たない人
資金配分の考え方(数値例)
金利上昇局面でクラファンを選ぶ際のチェックポイント
よくある質問
変動から固定に借換えるべきですか
次の利上げはいつですか
金利が上がると不動産価格は必ず下がりますか
まとめ