1万円からプロ・富裕層の投資を体験。オルタナバンク「中の人」に直撃取材。独自のファンド審査と強みとは?
公開日 2026/08/06
最終更新日 2026/08/06
少額から投資でき、運用に手間がかからないことなどから、クラウドファンディングに注目が集まっています。
サービスに参入する事業者も年々増えており、更なる市場拡大も期待されています。
当インタビューシリーズでは、そんなクラウドファンディングのサービス事業者に焦点を当て、“中の人”にサービス運営の裏側を伺っていきます。
今回はオルタナバンクを手がけるSAMURAI証券のSales & Marketing Division Manager冨田 修氏及び前田 恭宏氏にお話を伺いました。(取材日2026年6月12日)
オルタナバンクのファンドについて
オルタナバンクはSAMURAI証券が手がけるソーシャルレンディングです。
SAMURAIグループは海外のノンバンクなどに対し融資を行うプライベートデット事業を行っています。
なお、プライベートデット事業とは、投資家から集めた資金を企業に直接貸し付ける事業のこと。
かつ、富裕層限定とされるオルタナティブ投資(詳細後述)の投資機会を個人投資家に提供しています。
これまで海外案件中心に、累計約800億円の資金を集めており(2026年7月9日時点)、目標利回り達成率99.5%(税引前)という実績あるサービスです(2026年5月末時点)。
オルタナティブ投資とは?
オルタナティブ投資とは、上場株式や債券といった伝統的資産とは異なる資産への投資を指します。
オルタナティブ投資では未上場株式、不動産、コモディティ(金・農産物・エネルギー等)などが知られますが、美術品・ワイン・高級車などが対象となることも。
ただし、流動性の低さ及び情報が限定的となる点がデメリット。
リスク分散の目的や、高いリターンが得られる可能性があることから、近年注目を集めています。
オルタナバンクを手がけるSAMURAIグループについて
---本日はよろしくお願いします。最初にSAMURAI証券について、沿革や事業内容などを教えてください。
SAMURAI証券はSAMURAI FINANCIAL HOLDINGSの子会社であり、SAMURAIグループの主力会社の1つです。
SAMURAI証券は2002年に設立されたAIP証券が前身で、2015年にクラウドファンディングサービスを始めました。
その後、2017年にSAMURAI&J PARTNERS株式会社(旧JASDAQ上場)の 取締役CFOであった山口が主導し、AIP証券を買収(MBO)しました。
山口の経営の下、持ち株会社化やSAMURAIブランドへ名称変更が行われ、クラウドファンディング事業も最終的に2023年1月に“オルタナバンク”へリブランドして、現在に至っています。
---SAMURAI証券は株式の売買仲介などを手がけているのでしょうか?
SAMURAI証券は、一般的なネット証券のように上場株式等の売買サービスを提供する業態ではなく、主としてオルタナティブ投資商品の組成・募集・販売を行っています。
SAMURAIグループのSAMURAI ASSET FINANCE合同会社が海外ノンバンクなどへの融資などを行っており、SAMURAI証券はそれらの貸し付け債権を一般個人投資家へ販売する、オルタナバンクのサービスが中心事業です。
---クラウドファンディング事業は2015年から行われていますが、山口代表によるMBO以降は、別のサービス展開という理解で良いでしょうか?
その理解で結構です。AIP証券時代から、クラウドファンディングサービスは展開されていました。
特に転機となったのが、2021年のSAMURAI FINANCIAL HOLDINGS(SFH)によるMBOです。
これを機に事業モデルを大きく刷新。
SAMURAIグループが自ら案件化した融資債権のみを扱う現在のスタイルに移行しており、名称こそソーシャルレンディングですが、MBO以前とは根本から異なるサービスへと生まれ変わっています。
SAMURAIグループが手がける案件をファンドで募集、オルタナバンクのサービス内容について
---オルタナバンクのサービスについて教えてください。
オルタナバンクは、広義の意味ではソーシャルレンディングサービスです。
一般的なソーシャルレンディングでは、融資先から持ち込まれた案件を審査・仲介するのが主な役割です。
事業者はあくまで"橋渡し役"であり、どこに融資するかは融資先ありきで決まります。
オルタナバンクはその発想が異なります。
SAMURAIグループが「投融資したい」と判断した先を自ら発掘・案件化しており、融資先への理解を深めた上でファンドを組成しています。
案件を受け身で待つのではなく、自分たちで見つけてくる点が、ビジネスモデルの大きな特徴です。
SAMURAIグループは海外中心に、ノンバンクなどに貸し付けを行っています。
これらの貸し付け債権を小口化して、投資家に販売しているのがオルタナバンクです。
ビジネスの観点で当社グループが貸したい先に融資しており、グループ自身の資金も投じているため、貸し倒れが発生すれば当社も損失を免れません。
よって貸し付けに際しては、返済可能性や金利条件などを2~3ヶ月かけて調査(デューデリジェンス)した上で最終判断を行っています。
ソーシャルレンディングには融資仲介のイメージがあるものの、オルタナバンクは運営側が審査して、運営側自身も資金を投じられる、自信ある案件のみを投資家に紹介しています。
---海外のノンバンクに対する貸し付けのみが融資対象なのでしょうか?
海外ノンバンクに対する貸し付けが多いものの、国営銀行・カーリース会社・質屋など、手堅い収益を持つ会社に融資する、というのが当社グループの方針です。
国内では、上場企業の霞ヶ関キャピタルの不動産開発案件、蓄電池事業を展開する企業案件なども手がけています。
---海外と国内の比率は何対何でしょうか?
概ね海外8、国内2です。
国内でも金利が上昇しているとはいえ、まだ金利は海外のほうが高いです。
当社では金利8%超えのファンドを多数組成していますが、高い金利が見込めるのはやはり海外中心となります。
---金利が高い案件はリスクが高いイメージもあります。
まず選定基準として、すでに一定の収益基盤を持ち、事業の継続性が見込める先を対象としています。
将来の成長ストーリーに期待するベンチャー型の融資は行っていません。
今ある実力で返せるか、という視点を大切にしています。
その上で、一定の金利が得られる企業が融資対象です。海外の大手ノンバンクなどは、資金力が大きいほど良い条件で融資できます。
資金力が付くことで、好条件の案件化が可能になります。
---銀行がよい条件で融資しないのはなぜでしょうか?
日本は世界屈指の銀行大国ですが、海外では銀行が資金需要をカバーできていない国は少なくありません。
ノンバンクが事業を拡大するには資金が欠かせません。
経済発展にともない個人の資金需要が拡大している国も多く、当社は業界の先駆者でもあり充分戦える余地があります。
また国内であっても、銀行はプロジェクト単位の融資は柔軟に対応できない面があります。
当社グループで既に扱っている蓄電池案件は、最終的には企業への融資となりますが、プロジェクトに貸し付ける意味合いが強い案件です。
当社の活躍の場は金利の観点から海外が多くなっていますが、国内でも銀行融資が付くまでのブリッジ案件など、活躍余地はあります。
高い目利き力が強みのオルタナバンクのファンドについて
---御社のファンドについて簡単に教えてください。
当社ファンドは大きく分けると、「極」(きわみ)、「昇」(のぼる)と通常ファンドに分けられます。
「極」は期間1ヶ月・目標利回り9.9%(税引前)のファンドで初回投資家限定のファンドです。
当社への投資の入り口的役割を果たしており、当社ファンドを知っていただくためのファンドです。
「昇」は期間6ヶ月以内・目標利回り6%(税引前)のファンドで、オルタナバンクへの投資が5回以内の投資家向けのファンドです。
「極」で当社ファンドを知っていただいた後、多くの投資家が最初に選ぶ6ヶ月以内の短期運用型のファンドである「昇」により、投資家の方には資産形成のステージを一段上へ昇っていただきたい、と思っています。
「極」で当社を知る→「昇」で当社ファンドによる資産形成を味わう→その後は当社通常ファンドに投資していただく、という流れのイメージでいます。
1案件につき通常2~3ヶ月程度をかけ、事業・財務・法務を中心としたデューデリジェンスを実施
当社グループでは、1案件につき通常2~3ヶ月程度をかけ、事業・財務・法務を中心としたデューデリジェンスを実施しています。
営業部門、審査部門、法務部門等の関係部署が連携するとともに、必要に応じて外部弁護士や専門アドバイザーの知見も活用しながら、投融資先の事業内容、返済可能性、保全状況、取引条件等について多面的な検証を行います。
デューデリジェンスの結果を踏まえ、社内の「投融資稟議」において案件の妥当性やリスクを総合的に審議し、所定の社内承認手続きを経て投融資を決定します。
組織横断で多角的に精査するこの体制こそが、当社グループの目利き力の根幹です。
さらに、ファンドとして募集する案件については、投融資判断とは独立した「案件審査会」において、案件内容、リスク、投資家への説明内容等を確認し、承認された案件のみをファンドとして「販売」しています。
投融資判断と販売審査を分離した体制とすることで、投資家に提供する案件について、投融資の妥当性と商品としての適切性の双方の観点から確認を行う運用としています。
なお、この審査会には営業部門は議決権を持たず、外部弁護士など社内利害から独立した有識者が加わります。
つまり、投資判断とファンド組成の判断を意図的に切り離すことで、投資家に提供する案件の質に対して二重のチェックが機能する体制です。
---ファンドは海外の案件中心ですが、特に注意していることなどはありますか?
様々な観点で集中を避けています。
ノンバンクの場合、当社グループの融資額が融資先ノンバンクの融資全体額の一定水準を超える金額とならないようにしています。
また1案件に対するリスクを抑えるため、当社グループ全体の資金量に対する基準も定めています。
更に国別における融資集中度についても継続的にモニタリングし、特定の国への過度な偏りが生じないよう管理しています。
元本毀損が発生した時に、その被害が抑えられるよう、分散は欠かせないと考えています。
富裕層に限定されていたオルタナティブ投資を個人投資家にも届けたい
---オルタナバンクは、不動産クラウドファンディングともソーシャルレンディングとも随分異なるサービスと言えますね。
SAMURAIグループは、現在はプライベートデットという領域の投資サービスを展開しています。
プライベートデットはオルタナティブ投資のカテゴリーに入り、従来投資できるのは富裕層のみで個人投資家が投資できる分野ではありませんでした。
---なぜ個人投資家が投資できない分野だったのでしょうか?
オルタナティブ投資は流動性の低さがネックです。
例えばノンバンクに対する融資を考えてみましょう。
3年とか5年の期間でノンバンクに融資しますが、その間は融資された資金が固定化され、途中引き出しはできません。
融資債権は株式のように、市場でいつでも時価で売却できる訳ではありません。
また、扱う金額も大きくなるため富裕層しか対応できず、結果的に個人投資家の参入余地がほとんどありませんでした。
---融資案件の規模としては大きくても、オルタナバンクは1万円から投資できますがなぜでしょうか?
インターネットの普及によりクラウドファンディングが展開できるようになった、技術の進歩が大きいです。
業界の先駆者の活躍で、クラウドファンディングサービスのインフラができたことにより、金融商品を小口化して1万円単位で投資家を募集できるようになりました。
当社には、世界中のオルタナティブ資産を個人投資家に届けたい、との思いがあります。
オルタナバンクはオルタナティブ投資のインフラを作っている、と自負しています。
現在はプライベートデットに特化していますが、プライベートデットは最初の一歩と考えており、商品の多様化も視野に入れています。
規模拡大は投資家にもメリット、今後も様々な国の案件を手がけ事業拡大を目指す
---オルタナバンクの今後のサービスの方向性について教えてください。
当面はプライベートデットでの事業拡大を行います。
2024年に東アジア、西欧、中南米、南アジアへ進出しましたが、案件化に至っていない国も多くあります。
分散のためにも、まだ案件化に至っていない国でのサービス展開が欠かせません。
また、規模が大きくなり資金力も付けば、良い条件の案件へのアクセスも可能となるため、投資家のパフォーマンスにもプラスに働きます。
---国内事業についてはいかがでしょうか?
国内事業については、既にファンド募集も行っていますが、蓄電池案件は今後も注力する分野です。
AIには電力が欠かせません。AIの電力を安定的に供給するためにも、蓄電池は欠かせない存在です。
今後国内でもデータセンターの増加が予想されていますが、それとともに蓄電池事業に対するニーズも拡大すると予想しています。
また、まだ案件化はできていませんが、データセンター自体についても、インフラ系資産として相対的にキャッシュフローの安定性が高い点を評価しており、適切なストラクチャーを検討のうえ、将来的な案件化を視野に入れています。
---最後に読者の方に一言お願いします。
オルタナバンクは、オルタナティブ投資のインフラサービスです。
不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングとは若干異なりますが、まずはサイトで当社ファンドをご覧になってください。
当社のファンドやサービスの内容を見ていただき、存在自体を知っていただきたいです。
そしてご興味を抱かれたら、「極」という初心者向けファンドがあるので、まずは「極」で1万円・1ヶ月から当社のサービスを体験してください。
不動産クラウドファンディングと異なり、オルタナバンクは企業に対する融資となるため、倒産が発生するリスクがあり、また流動性が低いというリスクもあります。
しかし各案件には当社も資金を投じており、自信を持てる案件のみでファンドを組成しています。
結果として目標利回り達成率99.5%(税引前)で、ファンド累計も約800億円となりました。
まずは、オルタナバンクにどのようなファンドがあるか見る所、そして少額で試す所から始めていただけたらと思います。
お得な限定タイアップキャンペーンを実施中
現在、ゴクラクとオルタナバンクで限定タイアップキャンペーンを実施中。
詳細は以下の通り。
- キャンペーン期間:2026年7月11日〜2026年8月6日
- キャンペーン対象条件:以下のページから口座開設の完了及び10万円以上の投資をされたお客様が対象
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次回予告「意外?投資家が躊躇する長期ファンドはなぜ信頼に値するのか?」
今回は、オルタナバンクのサービス内容やSAMURAIグループの事業方針、ファンド運営の考え方について伺いました。
一方で、実際に投資を検討するうえでは、
「どのようなファンドが募集されているのか」
「利回りや運用期間はどの程度なのか」
「リスクはどこにあるのか」
といった具体的な内容も気になるところです。
そこで次回は、オルタナバンクで実際に募集されているファンドに焦点を当て、ファンドの仕組みや特徴、投資前に確認しておきたいポイントをより深掘りして紹介します。
オルタナバンクへの投資を検討している方は、次回のファンド(シリーズ)紹介記事もぜひあわせてご覧ください。