2026年9月16日、名古屋証券取引所は、株式会社エスポアの上場廃止を決定しました。
整理銘柄の指定期間は2026年9月16日から10月16日までで、上場廃止日は10月17日の予定です。
上場廃止の理由として名古屋証券取引所が挙げたのは、単なる業績悪化ではありません。
第三者委員会の調査では、以下が認定されています。
・取引の実在性を伴わない収益計上や利益の前倒し計上
・監査証拠の入手を妨げた行為
・第三者委員会への虚偽説明や証拠の隠蔽
・名古屋証券取引所への虚偽報告など
こうしたエスポアは、不動産クラウドファンディング「ヤマワケエステート」の「系統用蓄電池用地 EXITファンド#13」に深く関わっています。
同ファンドは2025年8月に5億2,300万円を募集し、エスポアと連携して岡山県小田郡矢掛町の系統用蓄電池事業を進める案件です。
さらにエスポアは、ファンドの連帯保証人の一社であるほか、自ら7,000万円を同ファンドへ出資しています。
そのため、今回の上場廃止決定を受けて気になるのが、「系統用蓄電池用地 EXITファンド#13」の事業と償還が今後どうなるのかという点です。
結論からいえば、エスポアの上場廃止が決まったことだけで、同ファンドの元本毀損や償還不能が確定したわけではありません。
一方で、エスポアの財務状況や信用力をめぐる前提は募集時から大きく変化しています。
今後は蓄電池事業の完成、売却決済、連帯保証の実効性、ファンドの償還までを分けて確認する必要があります。
出典:名古屋証券取引所「株式会社エスポア 上場廃止及び整理銘柄指定」
出典:エスポア「第三者委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」
エスポアの上場廃止が決定
名古屋証券取引所によると、エスポアは2026年2月期の期末月に、不動産コンサルティングなどの役務提供に関する収益認識取引を3件計上していました。
しかし、会計監査人が取引の実在性などを確認するために求めた証拠が十分に提示されなかったことから、2026年2月期の有価証券報告書には「意見を表明しない」とする監査報告書が添付されました。
その後、第三者委員会による調査が行われました。
取引の実在性を伴わない収益計上が確認された
名古屋証券取引所によると、第三者委員会の調査では、3件のうち1件について社外協力者の主導による取引の実在性を伴わない収益計上が確認され、
別の1件ではエスポア代表者の関与による利益の前倒し計上が確認されました。
さらに、会計監査人による監査証拠の入手を妨げたことや、第三者委員会に虚偽の説明や証拠の隠蔽行為などを行ったこと、
名古屋証券取引所からの照会に対して虚偽の報告がなされていたことも認められたとしています。
名証は「投資者の信頼を著しく毀損する」と判断
名古屋証券取引所は、重要な財務情報が長期間不確実な状態に置かれ、その状態が速やかに解消される見込みもないことなどから、
エスポア株式の上場を維持すれば金融商品市場に対する投資者の信頼を著しく毀損すると判断しました。
出典:名古屋証券取引所「株式会社エスポア 上場廃止及び整理銘柄指定」
第三者委員会の調査で約1億868万円の債務超過見通しに
エスポアが2026年9月16日に公表した資料では、第三者委員会による調査結果を反映した場合、
2026年2月期の連結純資産は1億868万2,000円の債務超過になるとされています。
収益認識取引3件のうち、1件は取引の実在性が認められず、別の1件については2026年2月期での収益計上が認められないと判断されました。
ただし、エスポアは