不動産クラウドファンディングの市場規模はどれくらい?さらに拡大する4つの理由

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#市場規模
近年人気を高めている不動産クラウドファンディングですが、比較的新しい投資方法であることから「市場規模はまだまだ」と思う人もいるでしょう。投資判断において市場規模は重要な要素なので、現在の規模や今後の展望などを把握しておく必要があります。 

そこで今回は、不動産クラウドファンディングの市場規模、拡大した4つの理由、海外での市場規模などについて詳しく解説します。不動産クラウドファンディングの投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

不動産クラウドファンディングとは

不動産クラウドファンディングは、不動産の権利を小口化することにより、複数の投資家から出資を受け、運営事業者が不動産を購入し運用益や譲渡益を得るという投資方法です。出資した投資家は、運用益を分配金として受け取ります。 

不動産投資を少額から行えることに加え、運用や管理の手間がかからないこと、インターネット上で取引が完結するという利便性もあり、近年急成長している投資商品です。

不動産クラウドファンディングの市場規模

まずは海外の市場規模を見ていきましょう。米「Facts & Factors」によると、世界の不動産クラウドファンディング市場の規模は、2023年に約121億7,000万米ドルと評価されており、すでに日本円にして2兆円に迫る規模にまで拡大しています。

不動産クラウドファンディングの市場規模

参照元:Real Estate Crowdfunding Market Size, Share, Global Trends & Forecast to 203

さらに、2024年から2032年にかけては年平均約45.2%で成長し、2032年までにその市場規模は3,492億6,000万米ドルにまで達すると予想されています。世界の不動産クラウドファンディング市場は、いくつかの推進要因により、大幅な成長率で成長すると予測されています。

不動産クラウドファンディングの本場はアメリカ

不動産クラウドファンディングは、北米や欧州で盛んとなっており、特にアメリカでは世界市場の約4割を占めるほど、不動産クラウドファンディングが規模を拡大しています。

アメリカで不動産クラウドファンディングが盛んな理由として、中古物件市場の成熟が挙げられます。アメリカでは中古物件でも適切なメンテナンスによって物件価格が維持されることもあり、物件の流動性も高いです。また、2008年に起こったリーマンショック以降、不動産に魅力を感じる人が増えたのも要因のひとつでしょう。

物件の流動性に加え、不動産投資をしたい投資家の増加も市場拡大の一因です。賃貸住宅等への投資を魅力と感じる人も多く、物件供給や投資家層のいずれも拡大の一途を辿っています。

日本の不動産クラウドファンディングの市場規模 

不動産クラウドファンディングの市場規模近年の不動産クラウドファンディングの市場規模を見ていきましょう。一般社団法人日本クラウドファンディング協会が発表した、不動産クラウドファンディングサービスが提供するファンドの掲載金額から算出した市場調査結果は以下の推移を示しています。 

2018年の市場規模は21億円で、そこから翌年2019年には前年度比約128%増の48億円、さらに2019年には前年度比25%増の60億円に拡大しています。

こちらの金額は、あくまでも主要9サービスに限ったもので、国内に無数に存在する不動産クラウドファンディングサービスをすべて含めれば、さらに大きな金額になるでしょう。しかし、不動産クラウドファンディング市場が日本において堅調に成長し続けていることは、引用したデータからも容易に読み取ることができます。

出典:一般社団法人日本クラウドファンディング協会|クラウドファンディング市場調査報告書(2020年)

不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大する4つの理由

不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大した4つの理由不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大した理由として、主に4つの理由が挙げられます。

  1. 不動産特定共同事業法(不特法)の整備 
  2. 大手企業の参入 
  3. 少額投資ができる 
  4. 不動産の情報が開かれている 

では、以下で詳しく見ていきましょう。

1.不動産特定共同事業法(不特法)の整備

不動産特定共同事業法(不特法)は事業者が投資家から集めた資金を元に、不動産を購入・運用し、得られた運用益や譲渡益などを投資家に分配するという「不動産特定共同事業」の適正な運営と投資家保護に関する仕組みを定めた法律です。

平成7年に施行されて以降、過去に3度の改正が行われました。度重なる法改正により、事業者の参入要件が緩やかになり、不動産特定事業法に基づく不動産サービスが多く誕生することとなりました。さらに、すべての申し込み・入金・分配金の受け取りまでがインターネット経由で完結するようになったため、投資家の負担も大幅に軽減しました。 

こうした不動産特定共同事業法が整備されていったという背景が、不動産クラウドファンディング市場の拡大につながったものと考えられています。

2.大手企業の参入

不動産クラウドファンディングサービスの特徴として、上場企業や大手企業が運営しているサービスが増加していることも挙げられます。 

上場企業や大手企業は倒産リスクが比較的低く、不動産事業の実績を生かした投資案件が豊富です。有価証券報告書などのIR情報も充実しており、個人投資家が一定の信頼性をもって投資できる環境が整っていると言えるでしょう。

3.少額投資ができる

通常、マンションやアパートなどの現物不動産投資を行うためには、不動産の取得などの初期費用や、運営・管理のランニングコストで多額の投資費用が必要になります。 

しかし、不動産クラウドファンディングは不動産を小口化した金融商品のため、1口1万円程度から少額で投資できるサービスが豊富に提供されています。 

4.不動産の情報が開かれている

不動産クラウドファンディングでは、投資対象となる不動産物件の情報が詳細に開示されています。物件の所在地や築年数、土地や建物の面積などの情報も記載されているので、おおよその資産価値を事前に知ることができます。 

また、公開されている物件を活用して、どのように収益をあげるのかについても開示されています。投資判断をするための情報が公開されているため、不動産投資に詳しくない初心者でも投資しやすいのが特徴です。

海外での不動産クラウドファンディングの市場規模は?

STOの導入がさらなる不動産クラウドファンディングの市場拡大を担う

法人が資金調達する方法の一つとして、STO(Security Token Offering)があります。STOとは、ブロックチェーン を活用してデジタル証券を発行し、資金調達する仕組みのことです。 法人が行う資金調達の方法としては株式上場がありますが、STOは株式上場よりも簡易的で、さらに、非上場の企業や個人も活用することが可能にしています。 

不動産クラウドファンディングでも、STO導入の取り組みは進んでいます。STOの導入によって、株式のような二次流通市場(投資家間での売買など)を形成することができることに加え、24時間いつでも取引可能になり、外部アクセスからのデータ改ざんを防ぐなどのメリットも生まれます。 

このように、STOの導入が、さらなる不動産クラウドファンディングの市場拡大に寄与するものと考えられます。

市場規模や将来性を知った上で投資しよう

今回は、不動産クラウドファンディングの市場規模、市場規模が拡大した理由、海外での市場規模などについて詳しく解説しました。

不動産クラウドファンディングは、日本では認知され始めたばかりの新しい投資商品です。しかし、国内外のクラウド不動産ファンディングの市場規模は拡大の一途を辿っており、今後ますますの成長が期待できます。

不動産に少額投資をしたい、比較的低リスクで手間のない運用をしたいという人は、不動産クラウドファンディングを検討してみてはいかがでしょうか。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

    『ゴクラクJOURNAL』は、不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディング、事業型ファンドといった少額投資ファンドに関する情報や、投資・お金、その他ファイナンシャルテクノロジーに関する情報を提供しています。編集部では、投資初心者の目線に立ったユーザーファーストのメディア運営を目指しています。

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