今からジュニアNISAを始めても大丈夫?メリットと注意点を徹底解説

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ジュニアNISAは17歳以下(2022年までは19歳以下)の未成年者を対象とした非課税投資制度で、未成年者名義の「ジュニアNISA専用口座」であれば、最長5年間、毎年80万円までは非課税で投資ができる、というものです。

しかし、後にジュニアNISAを利用しての投資は2023年末での終了が決定しています。なぜ終了に至ったのでしょうか。そして、今からジュニアNISA口座を開設してもメリットはあるのでしょうか。

今回は、今からジュニアNISA 口座を開設するメリットと注意点について詳しく解説します。子どもが未成年者でお得に投資をしたいという人はぜひ参考にしてください。

そもそもジュニアNISAとは?

そもそもジュニアNISAとは?ジュニアNISAとは、その名の通り「子供用のNISA」です。制度を利用することで、専用口座での投資で出た利益(分配金・配当金・譲渡益)にかかる税金が非課税になります。なお、非課税投資枠は年間80万円までとなっています。その他の特徴についても一覧で見てみましょう。
利用できる人 日本在住の17歳以下の人
※口座を開設する年の1月1日時点で17歳以下
非課税対象 株式・投資信託などの投資から得られる分配金・配当金・譲渡益
非課税投資枠 年間80万円
非課税期間 最長5年間
投資可能期間 2023年まで
ジュニアNISA口座は1人1口座に限定されています。また、運用管理者は親や祖父母など、「口座名義人の二親等以内の 親族」です。

ジュニアNISAはなぜ廃止されるのか【2023年で廃止】

じつはジュニアNISAは2023年で新規口座開設を終了することが決定しています。その理由や背景について解説します。

ジュニアNISAが廃止される理由・背景とは?

ジュニアNISA廃止の最大の理由として挙げられるのが、人気の低迷です。NISAには、ジュニアNISAのほかに「一般NISA」と「つみたてNISA」があります(2024年からは統合)が、これらに比べてジュニアNISAの新規口座開設数は伸び悩みました。

要因として考えられるのが、「資産の払い出し制限」が、利用者にとっての大きなネックとなったことです。ジュニアNISAは、子どもの進学・就職のためなどの中長期的な資金作りの用途として設計されており、そのため「3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払出しができない 」という払い出し制限がありました。

一般NISA、つみたてNISAには払い出し制限がないのに対し、ジュニアNISAだけには制限があり、長期間にわたって資産が拘束されることになるため、大きなデメリットとなっていました。

ジュニアNISAの廃止後はどうなる?

ジュニアNISAは2023年で廃止されますが、その後の扱いはどうなるのかを確認しておきましょう。

成人年齢に達するまで非課税は継続される

ジュニアNISAが廃止されることで、2024年以降はジュニアNISA口座での新規投資はできません。しかしながら、口座内で運用されている資産がただちに課税口座に移るわけではありません。ジュニアNISAで保有している資産は「継続管理勘定」に移管され、18歳までは非課税のまま運用されます。 18歳になった時点で、課税口座に払い出されることとなります(2024年以降)。

払い出し制限が解除される

2023年まではジュニアNISAの払い出し制限がありますが、2024年以降は制限が解除されます。いつでも売却金額や配当金等を手元に引き出せるようになるのです。ただし、保有銘柄の一部売却での払い出しや配当金のみの払い出しはできません。ジュニアNISA口座で保有する銘柄全ての売却および払い出し、そして口座解約が必要となります。
【廃止によって使い勝手が向上する皮肉も……?】
払い出し制限がなくなり、2024年以降はいつでも資金の払い出しが可能になったことで、(2023年中に関しては)皮肉なことにジュニアNISAの使い勝手が大きく向上することになりました。

今からジュニアNISAを始めるメリット

今からジュニアNISAを始めるメリット日本証券業協会による「ジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について」の資料によると、2020年の廃止決定後に、口座開設数が急増していることがわかります。2021年末には54万口座だったのが、2022年9月末には74万口座まで増加しており、その9カ月間での増加率は36%にも上っています。

このことから、廃止が決まったあとに「始めたい」と考える人が増えたことが分かります。では、具体的に2023年の今からでもジュニアNISAを始めるメリットについて考えてみましょう。

メリット1.18歳までは非課税で運用される

2024年以降は非課税での新規投資はできなくなりますが、2023年までに投資したぶんについては18歳になるまで非課税で運用可能です。そのため、2023年中にある程度投資できれば、あとは子供が成人するまで放置するだけで、資産を大きく増やせる可能性があります。
金融庁の発表では、2022年3月~2022年6月にジュニアNISA口座を作った人(口座名義人)の年齢は「1歳~5歳」がもっとも多くなっています。今のうちに投資して、非課税で長く運用したい人が多いということが分かります。

メリット2.払い出し制限がなく使いやすい

従来は18歳までの払い出し制限があったジュニアNISAですが、払い出し制限が撤廃され、2024年以降はいつでも払い出しが可能になります。いつでも払い出せるため、ライフステージに応じて予定よりも早く資金が必要になった場合でも、そのときにお金を手にすることができます。教育資金としてはもちろん、いざという時のお金を貯めたいという人にもメリットが大きいでしょう。

メリット3.非課税投資枠が増える

現在、すでに非課税投資制度の「NISA」や「つみたてNISA」を利用している人も多いでしょう。その中には「非課税投資枠をもっと増やしたい」という人もいるかもしれません。ジュニアNISAを利用することで、実質的に非課税投資枠を増やすことが可能です。ちなみに、子ども1人につき1口座のため、子どもが複数いる場合はそれぞれで口座を作れば、そのぶん非課税投資枠を増やせます。

今からジュニアNISAを始めるデメリット

今からジュニアNISAを始めるデメリットもあります。こちらも理解しておいてください。

デメリット1.一部払い出しができない

2024年以降はジュニアNISAからの払い出しが可能になりますが、全額払い出しのみとなり、その時点でジュニアNISA口座は解約となります。「払い出しは一部だけでいい」というニーズには対応していないため、注意が必要です。

デメリット2.口座開設年齢に注意

ジュニアNISA口座は17歳までは開設可能ですが、非課税運用期間は始めた年齢にかかわらず18歳で終了します。口座開設時の年齢によっては、非課税での運用期間が短くなるケースもあるため留意しておきましょう。

今からジュニアNISAを始めてもメリット大

今からジュニアNISA を始めるのはアリ?という疑問について回答・解説いたしました。

ジュニアNISAは2023年をもって終了(新規口座開設は9月まで)しますが、非課税での運用は18歳まで継続できます。結論、特に小さいお子さんを持つ人は、2023年9月までに口座を開設すれば長期間非課税での運用が可能なため、始めたほうがお得 です。

18歳以降の運用については検討の余地があるでしょう。2024年からは、内容が大きく改善された「新NIISA」が始まります。こちらは18歳から始められるため、ジュニアNISAで運用したお金を新NISAに回してさらに運用を続ける、ということも可能です。

じょうずにNISA制度を活用して、将来に向けた資産運用に役立てましょう。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

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