「みんなで大家さん バナナ」と検索すると、「工場」「北九州」「小松菜」「成田」「鹿児島」といった関連ワードが表示されます。
なかでも気になるのが、バナナとは一見つながりがない「小松菜」という言葉ではないでしょうか。
公開情報を確認すると、「みんなで大家さん」が扱ってきたバナナ関連商品は1つではありません。
福岡県水巻町の種苗関連施設と、鹿児島県などのバナナ栽培・加工関連施設では役割が異なります。
さらに2024年には国会で福岡県北九州市・水巻町のバナナ生産について質問が行われています。
2025年にはテレビ朝日やMBSが各地の関連施設を現地取材しました。
2026年2月には、水巻町の対象不動産に関係する固定資産税の滞納をめぐる差し押さえも報じられています。
本記事では、2026年9月7日時点で確認できる公式サイト、国会会議録、行政資料、報道機関の取材内容をもとに、「みんなで大家さん」とバナナの関係を整理します。
なお、報道機関による現地取材や関係者証言は当サイトが独自に確認した事実とは区別し、報道内容として明記しています。
1. みんなで大家さんの「バナナ」とは?関連商品は1つではない
最初に押さえておきたいのは、「みんなで大家さんのバナナ」と呼ばれているものが、1つの施設や1つの商品だけを指しているわけではないことです。
代表的なものとして、福岡県水巻町の「アグレボバイオテクノロジーセンター」と、鹿児島県などのバナナ栽培・加工関連施設があります。
さらに「ゲートウェイ成田」は同じ「みんなで大家さん」で販売された商品。
ですが、バナナ関連商品とは対象不動産も事業内容も別です。
みんなで大家さんにおけるバナナ関連のワード
| 検索されている言葉 | 主に関係する内容 |
|---|---|
| みんなで大家さん バナナ 北九州 | 福岡県遠賀郡水巻町の「アグレボバイオテクノロジーセンター」 |
| みんなで大家さん バナナ 工場 | 水巻町の種苗関連施設や、鹿児島県南九州市の「青果熟成加工物流センター」など |
| みんなで大家さん バナナ 鹿児島 | 南九州市・指宿市などのバナナ栽培・熟成・梱包・出荷に関係する施設 |
| みんなで大家さん バナナ 小松菜 | 2025年の報道で、鹿児島県指宿市の一部ハウスにおいて小松菜が栽培されていたとされた件 |
| みんなで大家さん バナナ 成田 | バナナ関連商品と「ゲートウェイ成田」の関係を調べる検索で、両者は別の商品 |
まずは、それぞれを分けて見ていきましょう。
2. 「北九州のバナナ工場」はどこ?実際の所在地は福岡県水巻町
「みんなで大家さん バナナ 北九州」や「工場」で検索した人が探している施設の一つが、「アグレボバイオテクノロジーセンター」です。
ただし、所在地を正確にいうと北九州市内ではありません。
みんなで大家さん「シリーズ43号」の公式ページでは、所在地を福岡県遠賀郡水巻町頃末南二丁目13番1号としています。
同ページの物件種別は「店舗」であり、公式には単純な「バナナ工場」という名称ではありません。
対象不動産でバナナを中心に種苗が生産されていると説明
一方、商品説明では、「AGREVO農法」に特化したバイオルームなどが設置され、対象不動産でバナナを中心に種苗が生産されていると説明されています。
また、施設を植物・土の研究、生産、販売を行う事業者に賃貸し、そこから得られる賃料を出資者へ分配する仕組みとされています。
公式の商品一覧を見ると、同施設を対象とする商品が複数組成されていたことも確認できます。
農林水産省は「生産・出荷状況を把握していない」と答弁
この水巻町の施設をめぐって注目されたのが、2024年4月17日の衆議院国土交通委員会でのやり取りです。
緒方林太郎衆議院議員が、福岡県北九州市・水巻町におけるバナナやバナナ苗の生産・出荷状況について質問しました。
これに対し農林水産省は、統計上、福岡県のバナナの出荷実績はなく、北九州市・水巻町におけるバナナの生産・出荷状況を把握していないと答弁しました。
バナナ苗についても、「生産も承知はしておりません」と答えています。
バナナや苗は生産されていたの?
このやり取りは、国会会議録検索システムで確認できます。
ただし、この答弁は「農林水産省が生産実態を把握していない」という内容であり、
「バナナや苗が一切生産されていなかった」と行政が認定したものではありません。
この点を混同しないことが重要です。
会社側は「現在もバナナの種苗を生産」と回答
一方、テレビ朝日は2025年10月4日、水巻町の施設を現地取材しています。
同報道では、取材時に施設への人の出入りがうかがいにくい状況だったことや、地元住民や緒方議員の見方が紹介されました。
これに対し「みんなで大家さん」側はテレビ朝日の取材に、「これまでも、そして現在もバナナの種苗を生産し続けております」と回答しています。
生産数については企業機密として回答を控えたと報じられています。
会社側は「年間1万苗体制でバナナの苗を育て出荷している」と回答
MBSの2025年11月の取材に対しても、会社側は「年間1万苗体制でバナナの苗を育て出荷している」と回答したと報じられています。
つまり、公開情報から確認できるのは、農林水産省は地域の生産・出荷状況を把握していないと答弁している一方、会社側は種苗生産を継続していると説明しているという状況です。
公開資料だけから具体的な生産量や販売量を断定することはできません。
2026年には固定資産税の滞納をめぐる差し押さえも報道
その後、2026年2月には水巻町の対象不動産をめぐって新たな動きが報じられました。
RKB毎日放送は2026年2月19日、水巻町にある投資物件の固定資産税約2,200万円を滞納したとして、町が同社側の別の不動産を差し押さえていたと報じています。
これは「水巻町のバナナ施設そのものが差し押さえられた」という意味ではないため、対象を分けて理解する必要があります。
3. 鹿児島の「バナナ工場」と「神バナナ」は何だった?
鹿児島では、水巻町とは別のバナナ関連商品が展開されていました。
現在も公式サイトで確認できる代表例が「シリーズファーム7号」です。
シリーズファーム7号の公式ページによると、対象不動産は鹿児島県南九州市川辺町にある「青果熟成加工物流センター」です。
こちらの物件種別は「工場・機械室」と明記されています。
公式サイトでは、農業法人が収穫した純国産バナナを熟成・梱包・出荷する施設を賃貸し、そこで得られる賃料を分配する商品と説明されています。
同ページでは、「テナントの農業法人が鹿児島県南九州市、指宿市、奄美大島を中心にバナナ栽培を行っている」との記載も。
MBSが「神バナナ」関連施設を現地取材
MBSは2025年11月、バナナ関連商品について九州各地を現地取材しています。
MBSは「神バナナ株式会社」について、「みんなで大家さん」の子会社として2017年から栽培を始めたと報じています。
また、同社のホームページ上では、「鹿児島県南九州市、指宿市、佐賀県の3カ所でバナナを栽培している」と掲載。
MBSは佐賀県みやき町、鹿児島県指宿市、南九州市の施設を取材し、取材時点での栽培状況を報じました。
4. なぜ「小松菜」が出てくる?2025年の現地取材で確認
「みんなで大家さん バナナ 小松菜」という検索ワードの背景にあるのが、2025年秋の現地取材です。
テレビ朝日は2025年11月1日、バナナ栽培会社のホームページに掲載されていた栽培用ハウスを取材しました。
そのうち鹿児島県の一部ハウスでは、バナナの木が確認できず、別の農業法人が2025年7月から借りて農業を始めていたと報じています。
その農業法人の関係者は、取材に対して当時栽培していたものを「小松菜」と回答しています。
「バナナでなく、小松菜を栽培していた」との報道も
同じ関係者は、その場所で以前バナナを作っていたかとの質問には肯定する回答をしています。
MBSも同年11月、鹿児島県指宿市の施設で、「神バナナ」とは無関係の会社が2025年7月からハウスを借り、小松菜を栽培していたと報じました。
したがって、この件を正確に表現するなら、「2025年の取材時点で、バナナ栽培施設として紹介されていた一部のハウスを別の農業法人が借り、小松菜を栽培していたと報じられた」となります。
「最初からバナナを作っていなかった」「バナナ事業はすべて架空だった」といった結論を、この事実だけから導くことはできません。
南九州市の施設でもバナナの木は確認されなかったと報道
MBSは同じ取材で、鹿児島県南九州市の栽培施設についても、取材時点ではバナナの木がなく、野菜の芽のようなものが見えたと報じています。
また、佐賀県みやき町の施設では、町の担当者がMBSの取材に対し、2021年から2024年までに約1トンの収穫があったと会社側から聞いていると説明しています。
このように、施設や時期によって確認されている状況が異なるため、「バナナ関連施設」を一括りにして評価するのは適切ではありません。
5. 「みんなで大家さん バナナ 成田」は何の関係?
検索候補には「みんなで大家さん バナナ 成田」も表示されます。
しかし、成田でバナナを栽培していたという意味ではありません。
みんなで大家さんの商品一覧では、「シリーズ成田」の対象不動産は「成田空港周辺開発プロジェクト用地」として掲載されています。
アグレボバイオテクノロジーセンターやシリーズファームとは別の商品です。
それでも「成田」と「バナナ」が一緒に検索される背景には、2025年に主力の「ゲートウェイ成田」で分配金の支払いが止まり、
その後、バナナ関連商品を含む他の商品にも分配遅延が広がったことがあります。
成田が注目され、バナナにも注目が集まった
MBSもバナナ関連商品の追跡記事で、「ゲートウェイ成田」の分配停止から他の商品へ問題が広がった流れの中でバナナ商品を取り上げています。
つまり、「成田」と「バナナ」は同じ事業なのではありません。
同じ「みんなで大家さん」で展開された別の商品が、分配遅延問題の中であわせて注目されたという関係です。
6. みんなで大家さんは2026年現在どうなっている?
2026年9月現在、「みんなで大家さん」全体を取り巻く状況は大きく変化しています。
2026年9月1日、大阪府は営業者である都市綜研インベストファンド株式会社に対し、不動産特定共同事業に係る許可の取消しと指示処分を行いました。
同日、東京都も販売代理人であるみんなで大家さん販売株式会社に対し、不動産特定共同事業に係る許可の取消しと指示処分を行いました。
会社側は既存契約の結了と償還に向けた対応を継続すると表明
みんなで大家さん側は2026年9月1日の声明で、行政処分を重大に受け止めるとしたうえで、既存事業参加者への対応、資産保全、必要な資産売却、償還原資の確保などを進めるとしています。
一方、会社側は、行政庁による個々の事実認定や法的評価の全てを認めているわけではないとも表明しています。
さらに2026年9月3日の声明では、行政処分で認定された内容と、故意に事業参加者を欺いたとの評価や刑事上の犯罪成立は別の問題だとの見解を示しました。
まとめ:北九州・鹿児島・小松菜・成田はそれぞれ別の話として整理する
みんなで大家さんの「バナナ案件」については、いろんな報道があります。
今後の状況を確認する際も、SNS上の断定的な情報だけではなく、行政庁の公表資料、会社側の公式開示、裁判所の判断、報道機関の取材内容をそれぞれ区別して確認することが重要です。
参考資料・出典
みんなで大家さん「シリーズ43号・アグレボバイオテクノロジーセンター」
みんなで大家さん「シリーズファーム7号・青果熟成加工物流センター」
国会会議録検索システム「第213回国会 衆議院国土交通委員会 第8号」
テレビ朝日「みんなで大家さん配当遅延拡大 “北九州バナナ事業”実態は?」2025年10月4日
テレビ朝日「『みんなで大家さん』また配当停止 “バナナ事業”」2025年11月1日
RKB毎日放送「“バナナの苗栽培”で投資募るも…固定資産税滞納で不動産差し押さえ」2026年2月19日
大阪府「不動産特定共同事業者に対する処分について」2026年9月1日
東京都「不動産特定共同事業者に対する行政処分について」2026年9月1日
みんなで大家さん「大阪府及び東京都による行政処分に関する当社グループの見解」2026年9月1日
みんなで大家さん「一部報道記事の記載に関する当社の見解及び今後の対応について」2026年9月3日
【免責事項および情報に関する注記】
本記事は、2026年9月7日時点で確認できる行政機関の公表資料、国会会議録、事業者の公式サイト・声明、報道機関の取材記事をもとに、公開情報を整理したものです。
報道機関による現地取材、関係者証言、評価については、当サイトが独自に事実認定したものではなく、各報道機関が報じた内容として記載しています。
本記事は、行政処分で認定された事実、事業者側の見解、報道内容、筆者による整理を可能な限り区別して記載しており、特定の法人・個人について故意の欺罔行為、詐欺その他の犯罪行為が成立すると断定するものではありません。
本記事は特定の金融商品への出資、保有、解約、訴訟その他の投資判断・法的対応を推奨するものではありません。
個別の契約、返還請求その他の法的手続きについては、弁護士などの専門家へご相談ください。