「中東情勢って、不動産クラファンに関係あるの?」
「建築費や物流費が上がると、ファンドは危ないの?」
不動産クラウドファンディングを見ていると、このように感じる方も多いはずです。
結論から言うと、影響を受けやすいのは新築開発型や大規模改修型のファンドです。
建物を建てる、または大きく直す案件は、建築費や物流費の影響を受けやすくなります。
一方で、完成済み物件を運用するファンドは、直接的な影響が比較的小さいです。
大切なのは、どんな影響が出やすいのかを知ることです。
この記事では、まず影響するポイントを整理します。
そのうえで、リスクが高まりやすいファンドと、手堅く選びやすいファンドを解説します。
- ・中東情勢で見たい影響は、建築費、物流費、工期、売却時期、償還方針の5つ
- ・新築開発型や大規模改修型は、コスト上昇の影響を受けやすい
- ・完成済み物件、短期運用、出口が明確な案件は比較的チェックしやすい
- ・高利回りだけでなく、工事の進み具合と事業者の説明を確認する
- ・手堅さを重視するなら、予定通り償還される可能性を優先する
まずは、なぜ海外情勢が日本の不動産クラファンに関係するのかを見ていきましょう。
ここを理解すると、後半のファンド選びが理解しやすくなります。
1. 中東情勢が不動産クラファンに影響する理由
中東情勢が不安定になると、原油価格や海上輸送に影響が出ることがあります。
その影響は、燃料費や物流費に広がる場合があります。
さらに建築資材の一部は、海外物流や為替の影響も受けます。
つまり、海外のニュースが建築コストに波及することがあります。
開発型ファンドでは、このコスト変化が収支に関係します。
中東情勢が売却時期や償還時期にも影響
工事費が上がれば、事業利益の余白は小さくなります。
資材の到着が遅れれば、完成時期も遅れやすくなります。
完成が遅れると、売却時期や償還時期にも影響します。
ここまでが、中東情勢と不動産クラファンがつながる基本の流れです。
では次に、その前提となる建築費が今どの水準にあるのかを確認しましょう。
2. 建築費はすでに高い水準
不動産クラファンへの影響を考えるうえで、まず見たいのが建築費です。
2026年4月の東京の建築費指数は、集合住宅RC造で143.8。
(出典:一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建築費指数® 2026年4月分」)
同じ月の木造住宅は149.4。
(出典:一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建築費指数® 2026年4月分」)
この指数は、2015年平均を100として見ます。
つまり、建築費は以前より高い水準にあります。
物流費まで上がると、開発型ファンドの収支はさらに読みづらくなる
なお、国土交通省も、主要建設資材7資材13品目の価格や在庫を毎月調査しています
(出典:国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査」)。
建築資材の動きは、国も継続して見ている重要な情報です。
ここで押さえたいのは、建築費がすでに高い状態であることです。
そのうえで物流費まで上がると、開発型ファンドの収支はさらに読みづらくなります。
そこで次は、物流費や納期の影響を見ていきます。
3. 物流費の上昇も工期に響く
建築費だけを見ていると、見落としやすいのが物流費や保管費です。
資材は、買えばすぐ現場に届くわけではありません。
輸送ルートが乱れると、到着時期がずれることがあります。
Maerskは、コンテナ船による国際輸送などを手がける大手物流企業
Maerskは中東関連の一部貨物について、最大3,800米ドルの緊急貨物料金を示しています(出典:Maersk「Middle East Operational Update 30」)。
同社は、一時保管が14日を超える場合の保管料にも触れています(出典:Maersk「Middle East Operational Update 30」)。
この金額が日本の建材にそのまま乗るわけではありません。
ただし、国際物流が乱れると、調達コストや納期に影響します。
その結果、工事の遅れや追加費用につながることがあります。
これまでの話から影響を特に受けやすいファンドを知る
ここまでで、建築費と物流費がファンドに影響する背景が見えてきました。
では、この影響を特に受けやすいのはどんなファンドなのでしょうか。