公開日 2023/11/08
最終更新日 2025/04/17
業界への新規参入事業者も増えており、市場規模は年々拡大しています。
このシリーズでは、クラウドファンディングのサービス事業者側に焦点を当て、インタビューを実施。
サービスの深い部分を“中の人”に直接語っていただきます。
新畑誠(しんばた・まこと) 株式会社ライブズ 代表取締役 |
1969年、福岡県出身。1990年に20歳で不動産業界に飛び込み、主に営業職として実績を重ねる。 2000年に独立し、株式会社アドバシステムを設立。2007年に社名を株式会社ライブズに変更。 2022年に新規事業として不動産クラウドファンディング「Lives FUNDING(ライブズファンディング)」をスタート。 現在は、株式会社ライブズの代表を務めるかたわら、一般社団法人「新しい都市環境を考える会」の幹事長も務める。 不動産投資業界の健全化にも積極的に取り組む。 |
同分野では後発ながら堅実な運用実績を重ねています。
着実に知名度と人気を高めている要注目のサービスです。
当社は「不動産という商品を通して、お客様一人一人に安心を与え、未来の人生を支える」という使命を掲げています。
また、マンション開発も手掛けていまして、自社ブランドの「HY's(ハイズ)シリーズ」を展開しています。
それと並行するかたちで2022年から不動産クラウドファンディングの「Lives FUNDING」をスタートしています。
ーー新畑社長は、一般社団法人「新しい都市環境を考える会(都環会)」の幹事長を務めていらっしゃいますが、こちらではどのような活動をされているのでしょうか?
「都環会」は土地・建物といった不動産に関する事業の健全な発展を推進する目的で2019年に設立された団体です。
ほかに、2023年4月には「都環会」が中心になって「投資不動産販売員」という資格も立ち上げています。
立ち上げ3カ月くらいで800名の合格者が出ていてよい反響をいただいています。
ーー株式会社ライブズでは、これまで現物不動産の取り扱いがメインだった中で、不動産クラウドファンディングに参入することになったきっかけを教えてください。
やはり現物の不動産に投資しようと思うと何千万円というお金が必要になってきます。
そうなると、一般の多くの方にとっては始めるのが大きなハードルになってしまいますよね。
それを小口の少額から投資できれば、不動産投資の入り口として親しんでもらいやすいのではないか。
こう思ったことが大きな理由です。
もともと投資用の現物不動産を専門に扱っている会社です。
1万円から投資可能な「Lives FUNDING」をきっかけに、「不動産投資ってこういう感じなんだ」とか「結構おもしろいな」と感じてもらって。
ゆくゆくは当社のファンになっていただけたらいいなという思いがあります。
ーー「Lives-FUNDING」立ち上げにあたって、当初から定めていたコンセプトなどはありますか?
先ほどの話にもつながりますが、やはり不動産投資って多くの方にとってはハードルが高いイメージがありますよね。
それをもっと身近なものに感じていただきたいです。
それこそ習慣や日常、というレベルにまで目線を下げることができれば、「未来の人生を支える」という使命の達成にも近づけるかなという気持ちもあります。
当社が扱う物件は一都三県、特に東京23区内を重点的に扱っています。
その中でも「駅近」の条件は非常に重視しているポイントです。
ですので、物件の賃貸ニーズは文字通り生命線です。
賃貸需要が高いエリアから選ぶことが大前提。
かつ駅近の物件を選定していく、というのはこだわっているところです。
あとは、「住みやすさ」の想定も慎重に行っています。
立地の良さは言わずもがなの最重要ポイントです。
さらに、賃貸管理にも強みがある当社ならではの視点もあります。
ーーまた、今後売却益を配当原資とするキャピタルゲイン型案件の提供も検討されていたりするのでしょうか?
そうですね。
とはいえ「Lives FUNDING」のサービスがスタートしてまだ間もないです。
なので、まずは足元を固めるという意味で、当社の得意とする分野で進めているところです。
今、一番大事にしたいのが、確実にファンを増やしていくことだと思っているんです。
できれば2~3年以内くらいに大きめの開発案件も手掛けていければと思っています。
ーー不動産投資というとリスクの部分が気になる方も多いと思います。リスクに対しては、「Lives FUNDING」としてはどのような取り組みをされていますか?
まずは基本的な部分として「優先劣後方式」を採用し、サービス事業者として10~20%の劣後出資を入れていく。
当社の現在リリースしているファンドについては、さらに仕組みを提供しています。
グループ会社のライブズナビと「マスターリース」という形式で家賃保証契約を結び運用を行います。
これによって、仮に物件に空室が出てしまった場合などでも投資家のみなさまへの配当に影響が出ないようになっています。
ーーこの優先募集実施のきっかけについてお聞かせください。
この優先募集の取り組みを行ったのは、そもそも「#10」「#11」の反響がよかったことがきっかけなんです。
結果としてどちらも募集額を大幅に超える申し込みが集まりました。
特に「#10」は500%を超える申し込み率で過去最高の額となったんですね。
せっかく当社のサービスに興味を持っていただいたみなさまです。
なんとか救済の機会を提供したいということで、「#12」のファンドで優先募集枠を設けることにしたんです。
ーー優先募集の反響はいかがでしたか?
先着式で募集をしたところ、わずか1分で満額を達成しました。
一度落選した方が、もう一度「Lives」に投資をしたいと思ってくださったということ。
なので、素直にうれしかったですね。
ーー今後、また優先募集の取り組みを行う可能性はありますか?
もちろん、可能性はあります。
なので、そうではない方法でも可能か考えていきたいです。
あとはキャンペーンの内容も含めて、いっそう投資家のみなさまに喜んでいただけるような企画を考えて今後も提供していければと思います。
ーーサービス開始当初から小規模の案件がメインだったと思いますが、「Lives FUNDING#13」で、初めて1億円超えの案件を提供されています。
ーー背景や狙いを教えてください。
そんな中で、「#10」「#11」「#12」と立て続けに大きな反響をいただけました。
なおかつ、投資家のみなさまからも「大型案件もお願いします」というお声をいただくことも増えていていたんですね。
正直少しチャレンジングなタイミングではあったのですが。
「#12」の優先枠も1分で埋まっていますので、そこでまた投資できなかった方もいらっしゃいました。
なので、そういったみなさまに対してもちゃんと投資枠を提供したいという気持ちもあって実施を決めましたね。
ーーこちらの案件では、満額の1億4,000万円には届かなかったものの、見事1億円の調達には成功しファンドが成立しています。
ーーこのあたりの手応えはいかがでしたか?
「#13」に関しては1億円は達成できました。
しかし、達成できたのは応募締め切りの前日にようやく、という感じでした。
なので、まず、そういった方に対して、案件成立まですごくお待たせしてしまって申し訳なかったなという気持ちがあります。
ここに関しては、まだまだ我々の力不足というのも痛感した部分です。
ただ一方で、今後サービスを進めていく上で1億円の調達を達成できたということは大変重要な一歩になったと思っています。
また、この案件を通して「Lives FUNDING」を知った方も増えたと思います。
なので、悔しい気持ちもありますが、これが「Lives FUNDING」の現在地であると再認識できたことはよかったです。
当社としてはあらためて気を引き締める機会にもなりました。
今後は、もっとサービスをブラッシュアップして、ここから新しいスタートを切るという気持ちでやっていきたいと思っています。
ーー最後に、今後の展望や考えている企画などがあればお聞かせください。
かつ、今後は1億円規模になる大きめのファミリーマンション、例えばタワーマンションの案件なんかもやってみようと計画中です。
あとは先ほど話に出たキャピタルゲイン型のファンド。
開発案件として土地を購入し、そこに投資家のみなさまから募った資金で建物をつくって売却益を得る。
元来、クラウドファンディングには「応援」の側面もあると思います。
例えば学童施設を建てたりとか、医療モールのビルを建てたりとか。
そういう街づくりを通した社会貢献を不動産クラウドファンディングで実現できたらと思います。(了)
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