【個人投資で利回り18%】系統用蓄電池は儲かる?ビジネスモデル・小口投資の仕組み
公開日 2026/09/10
最終更新日 2026/09/10
「系統用蓄電池は儲かるのか」「個人でも小口投資できるのか」と関心を持つ方が増えています。
脱炭素社会に向けた国策として、大手企業から個人投資家まで、多くの資金がこの分野に流れ込み始めています。
とはいえ、専門用語が多く、実際のところどのように利益を生み出すのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そもそも系統用蓄電池とは何なのかという基礎知識から、ビジネスモデルを整理。
利回りの正しい見方、トーチーズなどの個人向けファンド事例までを丁寧に解説します。
さらに、法人が検討できる期間限定の即時償却・節税スキームについても、適用条件を整理しました。
投資で利益を得られる可能性はありますが、利回りは「何に投資し、どう回収するか」で大きく変わります。
蓄電池の投資先では、不動産クラファンのトーチーズがあります。
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\お得キャンペーンなどを知る/系統用蓄電池とは?「系統用」と「蓄電池」に分けてわかりやすく解説
投資の仕組みを理解するためには、まず対象となる設備がどのような役割を持っているのかを知る必要があります。
ここでは「系統用蓄電池」という言葉を、「蓄電池」と「系統用」の2つに分けて分かりやすく解説します。
「蓄電池」とは電気をためて、必要なときに使える設備
蓄電池とは、電気を内部にため込み(充電)、必要なときに外へ放出(放電)できる設備の総称です。
スマートフォンに入っているリチウムイオンバッテリーや、自動車のバッテリーをそのまま巨大化したものと考えてください。
太陽光パネルのように自ら電気をつくり出す(発電する)機能はありません。
あくまで「つくられた電気を一時的に保管し、使うタイミングをずらす」ための役割を担います。
「系統用」とは電力ネットワークに直接つなぐこと
次に「系統(けいとう)」とは、発電所から変電所、電柱を通り、各家庭や工場へと電気を届ける「電力ネットワーク網」全体を指す専門用語です。
系統用蓄電池とは、工場や家庭の敷地内で自家消費するためではなく、この電力ネットワーク(系統)に直接つなぐ目的で設置される大型設備を指します。
これにより、地域全体の電気の過不足を調整する巨大なインフラとして機能することができます。
家庭用蓄電池や太陽光発電のFIT制度との違い
家庭用蓄電池は、自宅の屋根で発電した電気をためて電気代を節約したり、停電時に備えたりするためのものです。
一方の系統用蓄電池は、電力市場で電気を売買して利益を出すための「事業用設備」です。
また、太陽光発電投資で主流だった「FIT制度(固定価格買取制度)」のように、国が決めた固定価格で20年間同じように電気を買い取ってもらえるわけではありません。
電力の市場価格を見ながら、AIなどを駆使して売買タイミングを図る必要がある点が決定的な違いです。
なぜ系統用蓄電池に注目が集まる?国策と企業参入の背景
そもそも、なぜ「電気をためるだけの設備」がこれほど注目され、投資マネーが集まっているのでしょうか。
そこには、日本のエネルギー政策と直結した大きな背景が存在します。
再エネの普及に伴う「出力制御」問題の深刻化
日本は脱炭素社会に向けて、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入を推進しています。
しかし太陽光発電は、天気が良い昼間に電気が大量につくられる反面、電力需要が少ない春や秋には「電気が余りすぎる」という現象が起きます。
電気が余りすぎると大規模停電を引き起こす恐れがあります。
そのため、現在は発電所に「発電ストップ」を命じる「出力制御」が全国で頻発し、せっかくのクリーンな電気が無駄になっています。
この余った電気を昼間に巨大なバッテリーで吸収し、電気が足りなくなる夕方以降に放出する仕組みが、国として急務となっているのです。
国策としての支援拡大と企業のESG投資
この課題を解決するため、経済産業省などは系統用蓄電池の設置に対する多額の補助金制度を設け、導入を強力に後押ししています。
企業側からすれば、国が支援を約束している有望な成長市場に映ります。
さらに、環境問題の解決に貢献する事業(GX:グリーントランスフォーメーション)に参入することで、国内外からのESG投資を呼び込む狙いもあります。
こうした理由から、エネルギー関連企業だけでなく、商社や不動産会社なども続々と市場に参入しているのです。
系統用蓄電池のビジネスモデルとは?儲かる仕組みを解説
社会的な必要性が高いインフラであることが分かりました。
では、実際に蓄電池を設置した事業者は、どのようにして収益を上げているのでしょうか。
主な収益源は、性質の異なる3つの電力市場への参加です。
卸電力市場:安く充電し、高い時間帯に売る(アービトラージ)
最も分かりやすい収益源が、日本卸電力取引所(JEPX)での電気の売買です。
先述の通り、太陽光発電が余る昼間は市場の電気価格が非常に安くなります(時にはほぼ0円になることもあります)。
この安い時間帯に電気を買って蓄電池に充電し、夕方以降に人々が電気を使い始めて価格が高騰したタイミングで放電(売却)します。
この価格差を利用した取引(アービトラージ)で利益を出すのが基本モデルです。
需給調整市場:瞬時に出力を上げ下げする「調整力」を提供
電力ネットワークは、使う量とつくる量を常に一致(同時同量)させなければなりません。
需給調整市場とは、天候急変などでこのバランスが崩れそうになった際、数秒から数分単位で瞬時に出力を調整できる能力を取引する市場です。
蓄電池は火力発電所などと比べて応答速度が極めて速いため、この市場で高い価値を持ち、調整力を提供した対価として収入を得ることができます。
容量市場:将来に備えた「供給力」を担保する
将来必要となる電気の供給力をあらかじめ確保しておくための「容量市場」からの収入もあります。
特に、国が主導する「長期脱炭素電源オークション」では、原則20年間という長期にわたり固定的な容量収入を得る仕組みが整備されました。
ただし、設備を設置するだけで自動的に利益が出るわけではありません。
高度な運用が求められる
実際の取引は「アグリゲーター」と呼ばれる専門の運用事業者が担います。
アグリゲーターはAIなどを活用し、複数の市場を最適に組み合わせる「マルチユース」を行います。
こうした取引から手数料や充電にかかる電気代などを差し引き、最終的な利益を生み出すという高度な運用が求められるのです。
系統用蓄電池の利回りは何%?数字を比較する前の確認点
収益の仕組みがわかったところで、投資家にとって最も気になる「利回り」について解説します。
広告などで「利回り○%」という数字を見た際、そのまま鵜呑みにせず、何を基準にした数字なのかを確認することが重要です。
「事業の表面利回り」と「投資家の分配利回り」は別物
数億円の設備を自社で所有する企業向けの「事業収益率」と、小口投資を行う個人の「分配利回り」は全く別の概念です。
例えば、コンサルティング会社などが「表面利回り20%以上」と試算するレポートを発表することがあります。
しかし、これは理想的な市場環境を前提とした事業全体のシミュレーションに過ぎません。
個人向けファンドに提示される数字を見る際は、アグリゲーターの手数料や設備の維持管理費など、すべての経費が引かれた後の数字であるかを必ず確認してください。
初期費用と運用費用の内訳を把握する
投資の採算性を計算するためには、かかる費用の全体像を知っておく必要があります。
初期費用には、蓄電池本体の価格だけでなく、設置する土地代、変電設備、基礎工事費、そして電力網へつなぐための高額な系統接続負担金が含まれます。
また、運用開始後も、充電するための電気代、システムの通信費、保守点検費、保険料などが継続的にかかります。
補助金を受けて初期費用が圧縮されている前提の利回り計算なのかどうかも、チェックポイントの一つです。
2026年の最新市場ルールを反映したシミュレーションか
電力市場のルールは、国の制度見直しによって頻繁にアップデートされます。
例えば、需給調整市場の一部商品の上限価格は、2026年9月の実需給分から(従来の15円等から10円/ΔkW・30分などへ)見直されています。
数年前の高い価格帯のままシミュレーションされた古い事業計画書では、実際の収益を大きく見誤る可能性があります。
参考:電力需給調整力取引所「需給調整市場のΔkW上限価格について」2026年7月公表
系統用蓄電池に個人投資する方法と小口投資の仕組み
高額な初期費用がかかる系統用蓄電池ですが、近年は個人投資家でも参加できる小口化された仕組みが登場しています。
個人が参加する場合、契約上「具体的に何にお金を出しているのか」を見極めることが投資判断の第一歩です。
ファンド(匿名組合など)を通じて事業に出資する
最も一般的なのが、クラウドファンディングなどを通じて小口の資金を集め、事業を行うファンド(匿名組合など)に出資する方法です。
事業者が電力市場で得た売電収入などから、経費を差し引いた利益が投資家に分配されます。
個人で設備を管理する手間はありません。
しかし、事業計画通りに電気が売れなかった場合、分配金が減ったり元本割れしたりするリスクを直接負うことになります。
貸付型ファンド(ソーシャルレンディング)に出資する
投資家から集めた資金を、蓄電池の開発事業者に対して「貸し付ける」というスキームもあります。
この場合、投資家の利益は事業の運用益ではなく、事業者から毎月支払われる「利息」となります。
事業が大儲けしても投資家の取り分は増えません。
しかし、事業者に返済能力(別の資金源や担保など)があれば、市場の価格変動リスクをある程度回避しやすくなります。
用地ファンド(設置するための土地)に出資する
蓄電池事業そのものではなく、設備を置くための「土地」を取得・開発し、売却または賃貸することで利益を出す不動産ファンドもあります。
この仕組みでは、日々の電力価格の変動リスクは負わず、「土地が無事に売却できるか」「電力網への接続権が適正に評価されるか」が主な焦点となります。
トーチーズの利回り例|想定年利18%の用地ファンド
個人向けの小口投資において、具体的にどのような商品があるのか、事例を見てみましょう。
先述の「用地ファンド」の代表例として、不動産クラウドファンディング「TORCHES(トーチーズ)」が高い利回りを提示して注目を集めています。
最低10万円・想定運用期間10か月の募集事例
トーチーズでは、系統用蓄電池の設置に適した用地を取得し、事業化の目処を立ててから売却するファンドを複数組成しています。
公式ページで確認できた募集事例(2026年9月9日時点では募集終了)は以下の通りです。
| 項目 | No.24 福岡県糟屋郡 | No.63 香川県三豊市 |
|---|---|---|
| ファンドの対象 | 系統用蓄電池用地 | 系統用蓄電池用地 |
| 想定利回り | 年18.0%・税引前 | 年18.0%・税引前 |
| 想定運用期間 | 10か月 | 10か月 |
| 最低出資額 | 10万円(1口1万円・10口〜) | 10万円(1口1万円・10口〜) |
| 優先:劣後 | 99:1 | 99:1 |
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\お得キャンペーンなどを知る/高い利回りを支える「キャピタルゲイン型」の仕組みとリスク
トーチーズのファンドは、運用益(インカムゲイン)ではなく、土地を高く売って利益を確定させる「キャピタルゲイン型」です。
募集段階で売却先企業との売買契約が締結済みであるケースが多く、出口戦略が明確であることがアピールされています。
ただし、契約が成立していても、最終的な代金の決済が無事に完了するまではリスクが残ります。
また、事業者が先に損失を負担する「劣後出資」の割合が1%と低く設定されています。
そのため、売却価格が想定をわずかでも下回った場合、投資家の元本に影響が及ぶ可能性がある点には留意が必要です。
法人の系統用蓄電池投資は節税できる?即時償却制度の仕組み
個人の小口投資だけでなく、法人(企業)が節税の一環として系統用蓄電池を導入するケースも急増しています。
突発的に大きな利益が出た法人が、国の優遇税制を使って税負担をコントロールする仕組みを解説します。
即時償却は「経費の免除」ではなく「前倒し」
通常、高額な設備投資は「法定耐用年数」に応じて、複数年に分けて少しずつ減価償却費として経費計上します。
しかし、国の特定の要件を満たして「即時償却」が認められると、数千万円から数億円の設備取得費用の全額(100%)を、購入した初年度に一括で経費として落とすことができます。
これにより当期の利益を大きく圧縮し、法人税を劇的に引き下げることが可能です。
とはいえ、課税の繰延べ
ただし、これは税金を免除されるわけではないです。
本来なら翌年以降に計上できる経費を「前倒し」して使ったに過ぎません(課税の繰延べ)。
将来、設備を売却して利益が出た際には課税されるため、出口戦略まで含めた財務計画が必須です。
2026年度創設「大胆な投資促進税制」の要件
法人が即時償却を狙う場合、2026年度に創設された特定生産性向上設備等投資促進税制(通称:大胆な投資促進税制)などが検討候補となります。
所定の手続きを経て経済産業大臣の確認を受け、投資利益率15%以上などの要件を満たせば、即時償却または税額控除の適用が受けられます。
ただし、計画の対象となる設備投資額が原則35億円以上(中小企業者等は5億円以上)と非常に高額。
貸付用資産は対象外となるなど、非常に厳密な条件が定められています。
参考:経済産業省「大胆な投資促進税制の申請受付開始について」2026年7月公表
投資前に確認すべき特有のリスクとデメリット
ここまで系統用蓄電池の将来性や税制メリットを解説してきましたが、インフラ事業特有の重いリスクが存在することも忘れてはいけません。
申し込む前に、以下のリスクが事業計画にどう織り込まれているかを確認してください。
電力市場の価格変動と競争激化リスク
収益の大きな柱である価格差(アービトラージ)は、燃料価格の安定化や、他社の蓄電池参入が増加することで徐々に縮小していく可能性があります。
参入企業が増えるほど市場での競争は激しくなり、当初想定していた高い利益水準が将来にわたって維持できる保証はありません。
系統接続の手続きと工事遅延リスク
設備を購入し、土地を用意しても、電力会社の送電網に接続(系統連系)できなければ事業はスタートしません。
現在、再エネ設備や蓄電池の接続希望者が殺到しており、電力会社との接続手続きや工事が大幅に遅れるケースが報告されています。
予定通りに稼働できなければ、収入の開始時期がズレ込み、投資回収計画に大きな狂いが生じます。
運営会社・アグリゲーターの倒産リスク
ファンドの営業者や、高度な運用を担うアグリゲーターが経営破綻した場合、事業の継続が困難になり出資金が戻らない恐れがあります。
「蓄電池ビジネスの将来性」だけでなく、「お金を預け、運用を任せる企業が財務的に健全か」という信用リスクの評価を忘れてはいけません。
個人投資家が申し込む前に確認するべきこと
以上の仕組みとリスクを踏まえ、個人投資家が実際にファンド等へ申し込む前の最終チェックポイントをまとめます。
資金使途と分配の原資を自分の言葉で説明できるか
「国策だから」「年利10%以上だから」という理由だけで飛びつくのは危険です。
「集めたお金は設備費に使われるのか、土地代か」「利益は日々の売電から出るのか、土地を売って一括で出るのか」。
この2点を、自分の言葉で明確に説明できる状態になるまで、目論見書や契約成立前書面を読み込んでください。
余裕資金での分散投資を徹底する
系統用蓄電池関連のファンドの多くは、運用期間中の途中解約が原則として認められません。
急な病気やライフイベントで現金が必要になっても引き出せないため、必ず「当面使う予定のない余裕資金」で参加することが鉄則です。
また、特定の1つの事業者やファンドに全額を投じるのではなく、株式や債券、他の不動産ファンドなどと組み合わせた分散投資を心がけましょう。
【免責事項】
本記事は、2026年9月9日時点で確認できた公表資料に基づく一般的な情報提供を目的としています。
特定の投資商品、事業者、税務処理その他の手段を勧誘・推奨するものではありません。
記載した利回りは募集時の想定値、事業者のモデルケースまたは説明用の仮定であり、将来の収益や確実な節税効果、元本を保証するものではありません。
投資には、元本の一部または全部の損失、分配の減少、償還の遅延などが生じる可能性があります。
募集条件、市場制度、税制や補助金の内容は変更される場合があり、適用関係は個別の契約・事業実態・所得状況によって異なります。
最終判断に際しては最新の公式資料と契約書面を確認し、法律上の事項は弁護士、税務上の事項は税理士など、内容に応じた専門家へご相談ください。
情報確認日:2026年9月9日。募集条件・市場制度・税制等は変更される場合があります。