【2026年最新】不動産クラファンの償還遅延・運用延長一覧|どの事業者で何が起きている?
公開日 2026/08/13
最終更新日 2026/08/13
2025年から2026年にかけて、みんなで大家さん・ヤマワケエステート・FUNDIなど複数の事業者で、分配金の停止や償還の遅れが相次ぎました。
すでに出資していて「自分の出資先は大丈夫なのか」を確かめたい方、そしてこれから始めるにあたって「どの事業者で何が起きたのか」を先に知っておきたい方は多いでしょう。
この記事では、公式お知らせ・IR資料・報道をもとに、2026年7月末時点の事業者ごとの状況を一覧化し、遅延と延長の違い、延長になったときの対応、遅延しにくいファンドの見分け方までを整理します。
【2026年8月時点】償還遅延・運用延長が起きている事業者サマリー
まずは全体像です。
並び順は50音順ではなく、影響を受ける出資金の規模が大きい順にしました。
自分の出資先がこの表に載っているかどうかを、最初に確認してください。
なお対象ファンドは網羅的なものではなく、公表・報道で確認できた一部の例を記載しています。
集計基準 最終更新日:2026年8月4日。
集計対象は2026年7月末までに各社が公表した公式お知らせ・IR資料・大阪府等に提出された事業報告書、および日経不動産マーケット情報などの報道です。
ファンド本数は公表・報道ベースで編集部が集計したものであり、非公表分を含む網羅的な数字ではありません。
2026年7月末時点で、分配停止や償還未履行、償還遅延が公表・確認されている事業者は複数あります。
影響が及ぶ出資残高は、みんなで大家さん(都市綜研インベストファンド)1社だけで約2,072億円にのぼります。*1
| 事業者名(運営会社) | ステータス | 対象ファンド例(公表ベース) | 公式発表の延期・償還予定時期 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
|
みんなで大家さん 都市綜研インベストファンド |
①分配停止・償還未履行 | 現行39本の大半 出資残高 約2,072億円*1 |
再開時期の公表なし | 2026/8/4 |
|
ヤマワケエステート ヤマワケエステート(REVOLUTION連結) |
①+②が混在 | 21本以上で償還遅延*2 | ファンドごとに個別公表 | 2026/8/4 |
|
victory fund カチデベロップメント |
①償還未履行+廃業届 | 償還未了の案件が複数 廃業届を提出済み*3 |
時期の確約なし | 2026/8/4 |
|
FUNDI 株式会社FUNDI |
①償還未履行 | #1(データセンター)*4 #3・#6・#5*5 |
時期の確約なし | 2026/8/4 |
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わかちあいファンド 日本プロパティシステムズ |
①+②が混在 | 旧軽井沢大樹の森シリーズ、東近江ウイングなど*6 | ファンドごとに個別公表 | 2026/8/4 |
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LEVECHY 株式会社LEVECHY |
②運用期間延長 | 13号(ニセコ) 想定運用終了日2025年4月30日を過ぎても「運用中」表示*7 |
公表なし | 2026/8/4 |
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COZUCHI LAETOLI |
③延長後に償還完了(解消済) | 代々木公園事業用地(№42)・同追加買取(№48)*8*9 | 運用終了を公表 | 2026/8/4 |
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利回り不動産 ワイズホールディングス |
③延長後に償還完了(解消済) | 41号・44号(中村橋PJ)*10 | 運用終了 | 2026/8/4 |
|
トモタク イーダブルジー |
③延長後に償還完了(解消済) | 築地7丁目PJⅡ(CF17号)*11 | 償還完了 | 2026/8/4 |
ポイント
表に自分の出資先が載っていた場合、まず見るべきはステータスの①か②かです。
②であれば期日が後ろにずれただけの可能性が残りますが、①は事業者側の資金繰りまで疑う段階に入っています。
この章の出典
*1:日経不動産マーケット情報|【トラブル】「みんなで大家さん」39ファンド全調査 大半で分配金遅延、償還不履行も
*2:日経不動産マーケット情報|【トラブル】21ファンドで償還遅延、ヤマワケエステート
*3:カチデベロップメント株式会社|出資者向け通知(2026年7月17日)
*4:FUNDI|千葉市データセンター FUNDI プロジェクト#1(ファンドページ内「償還遅延に関するご報告」)
*5:株式会社FUNDI|出資者向け通知(2025年12月・2026年6月)
*7:LEVECHY|LEVECHYファンド13号 ファンド詳細
*8:COZUCHI|「代々木公園事業用地」「代々木公園事業用地追加買取」運用期間延長のお知らせ(2023年6月5日)
*9:COZUCHI|代々木公園事業用地及び代々木公園事業用地追加買取 運用終了見込みに関するお知らせ(2023年5月10日)
ステータスの3分類と見方
この記事では、事業者の状態を次の3つに分けています。
ここで強調したいのは、③に該当する事業者が実際に存在するという事実です。
「運用期間が延長された」というニュースを見ると、多くの方が反射的に元本が戻らないと考えます。
しかし延長は、期日が後ろにずれることであって、元本が失われることとは別の事象です。
③の代表例が、COZUCHIの「代々木公園事業用地(№42)」と「代々木公園事業用地追加買取(№48)」です。
当初の運用終了予定日は2023年6月5日でしたが、同社は同日付で2023年6月中旬〜7月中旬への延長を公表しました。*8
その後、リファイナンスを実施して本ファンドの運用を終了すると公表しています。*9
同社は運用を終了したファンドについて、元本毀損なく償還された割合を示す「正常償還率」を100%と公表しています。*12
利回り不動産も、41号・44号ファンド(中村橋プロジェクト)で延長を告知したうえで運用を終えています。*10
注意
逆に「延長=ただの遅れ」と決めつけるのも危険です。
分配も止まり、延期後の期日すら示されない場合は、①に移っている可能性があります。
この章の出典
*8:COZUCHI|「代々木公園事業用地」「代々木公園事業用地追加買取」運用期間延長のお知らせ(2023年6月5日)
*9:COZUCHI|代々木公園事業用地及び代々木公園事業用地追加買取 運用終了見込みに関するお知らせ(2023年5月10日)
「償還遅延」と「運用期間延長」は何が違う?
ニュースでは同じように扱われますが、この2つは意味が違います。
混同すると、必要以上に不安になったり、逆に危険なサインを見逃したりします。
ここで言葉の整理をしておきましょう。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 運用期間延長 | 事業者が契約に基づき、計画変更を事前に告知して期間を後ろにずらすこと |
| 償還遅延 | 約束した期日を過ぎても元本が返還されていない状態 |
| 早期償還 | 想定より早く売却できて、期日前に元本が戻ること |
不動産クラファンは、多くが不動産特定共同事業法(不特法)に基づく匿名組合契約で運営されています(任意組合契約型や賃貸委任契約型も存在)。*13
この契約には、多くの場合「運用期間を延長できる」という条項が最初から入っています。
つまり延長は、契約違反ではなく契約の範囲内の出来事であることが多いのです。
一方の償還遅延は、契約上の期日を守れていない状態を指します。
確認ポイント:契約成立時書面 出資時に交付される契約成立時書面(および契約締結前交付書面)には「運用期間の変更」条項が記載されています。
延長できる上限が何か月なのか、延長中の分配はどう扱われるのかは、ここに書かれています。
たとえばみんなで大家さんのシリーズ成田は、公式の商品概要ページに「対象不動産の売却が終了していない場合、当初満了日から1年を上限に契約期間を延長することがあります」と明記されています。*14
ここを読まずに出資すると、「延長されるなんて聞いていない」という誤解が生まれます。
あわせて読みたい 早期償還とは?クラウドファンディングでのメリット・デメリットを解説延長されても分配金は受け取れるのか
ここが投資家の方がもっとも気になる点でしょう。
結論から言えば、ケースバイケースです。
延長期間分も想定利回りどおりに分配された事例と、分配自体が止まった事例の両方があります。
◎ 分配が続いた例
- COZUCHIの代々木公園事業用地は、延長期間分も当初想定利回りで分配する方針を公式に明記*8
- 賃料収入が続いているインカム型は、延長中も分配原資が確保されやすい
△ 分配が止まった例
- みんなで大家さんは2025年7月末以降、分配金の支払いが停止*15
- わかちあいファンドの旧軽井沢大樹の森シリーズは配当遅延・償還遅延を公表*6
この差はどこから来るのでしょうか。
分配原資が「賃料収入」なのか「売却代金」なのかで、事情が変わります。
賃料型は、延長中もテナントから家賃が入るため、分配を続けやすい構造です。
一方で売却益型は、売れなければ収入がゼロのままなので、延長中の分配原資が生まれません。
更地からの開発案件は、この意味でもっとも厳しい立場に置かれます。
注意
優先劣後方式は「損失が出たとき、事業者の劣後出資分から先に負担する」仕組みです。
ここで見落とされがちなのが、売却を前提としている際、この仕組みが機能するのは物件を売却できた場合だという点です。
売却できない間は、劣後出資が何%あっても手元にお金は戻ってきません。
劣後出資比率は「元本が減ることに対するクッション」であって、「返還が遅れることに対する保険」ではありません。
ここを取り違えると、「劣後20%だから安心」という誤った安心感につながります。
あわせて読みたい 不動産クラウドファンディングの優先劣後方式とは延長後に無事償還されたケースもある
不安な話が続いたので、解消した側の事例も見ておきましょう。
延長から償還までたどり着くルートは、大きく2つあります。
買主が見つかり、売却代金で償還する
もっとも素直な出口です。
延長の理由が「買主の資金調達待ち」であれば、この道筋が残っています。
リファイナンス(借換)で資金を確保する
物件を売らずに、別の資金で先に投資家へ返す方法です。
前述したCOZUCHIの代々木公園事業用地は、この形で運用を終了しています。*9
用語:リファイナンス 既存の資金を別の資金で置き換えることです。
住宅ローンの借り換えと同じ発想で、返済(償還)の原資を新しい調達先から用意します。
LEVECHYでも、7号ファンドが契約期間の延長を公表したのちに償還へ至っています。*16
これらの事例が示しているのは、「満期=確定」ではないという不動産クラファンの構造的な性質です。
株式のように市場で売買される商品ではなく、実物の不動産が売れるかどうかに結果が左右されます。
買主側の融資や売却決済が遅れれば、ファンドの運用終了や償還時期も後ろにずれる可能性があります。
この性質は欠陥ではなく、この商品の前提条件だと理解しておくのが健全です。
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