IPO投資で当たらない理由は?当選確率を上げる方法を解説
公開日 2024/02/26
最終更新日 2024/02/26
そこで今回は、IPO投資でなかなか当たらない理由や当選確率を高める方法を紹介します。抽選に外れた場合のセカンダリー取引についても解説しますので、今後のIPO投資の参考にしてみてください。
IPO投資とは
IPO投資とは、新たに株式市場に上場する銘柄を上場前に購入して、上場後に売却することで利益を狙う投資方法です。IPOは「Initial Public Offering」の略語であり、日本語では「新規公開株」や「新規上場株式」と呼ばれます。新たに株式市場に上場することで、これまで限られた人しか保有できなかった企業の株式を不特定多数の投資家が売買できるようにすることが新規上場の目的の1つです。
IPO投資で利益が出る仕組み
投資家は市場に出される前の価格「公募価格」でIPO株を購入できる権利を抽選によって得られます。上場日の初めに付く株価のことを「初値(はつね)」といいます。この初値が公募価格を上回るケースが非常に多いため、通常の株式投資と比べるとIPO投資は利益を出しやすいといわれています。そのため、IPO投資は非常に人気の高い投資手法です。
IPO投資に当選しにくい理由
比較的低リスクで利益を狙える可能性が高いゆえに投資家から大変人気なIPO投資ですが、公募価格でIPO株を購入できる権利は抽選に当たらないと得られません。そして、IPO投資に当選するのは、実際のところ簡単ではありません。ここでは、IPO投資に当選しにくい主な理由について3つ紹介します。
理由1.人気が高く申し込みが多い
IPO株は人気が高いため競争倍率も高く、当選確率は非常に低いと言われています。もちろん銘柄によっても異なり、当選確率の正確な統計データは公表されていませんが、一般的に1~2%が当選確率の目安とされています。競争倍率は50倍〜100倍となり、当選する可能性は非常に低いことがわかります。
理由2.抽選は全員に完全平等ではない
実は、IPO株の抽選は必ずしも全員に平等に行われるわけではありません。IPO株の抽選方法には、すべての投資家が平等に抽選される「完全平等抽選」や証券口座の資産残高や取引実績などに応じたステージごとに優遇される「優遇抽選」など、主に次の4種類があります。抽選方法の種類 | 概要 |
完全平等抽選(1人1票) | 応募者は1人につき1票が与えられる。IPOに応募した投資家が全て平等に扱われる抽選。方法 |
平等抽選(1口1票) | 1口の申し込みに対して1票が与えられる。資金力次第で当選確率が上がる。 |
優遇抽選 | 証券会社が定めた条件を満たした人の当選確率が上がる。 |
店頭配分 | 証券会社の裁量でIPO株を割り振れる。証券会社は、資産力があり取引実績が多い投資家に配分することで、顧客維持や顧客との取引拡大を図る。 |
複数の方法を組み合わせて抽選を実施する証券会社もあり、証券会社によって採用している方法は異なります。
完全平等抽選を採用する証券会社もありますが、取引実績や資金力によって当選確率が変わる方法で抽選する証券会社もあるため、IPO株の抽選は応募者全員にとって完全平等ではないといえます。
取引実績などが少ない投資初心者であれば、特に当選しにくいといえるでしょう。
理由3.複数の証券会社で同時に申し込む人が多い
IPO株は銘柄ごとに取扱証券会社が決まっており、さらに証券会社ごとにIPO株数が配分されます。そしてIPO投資に慣れている投資家は、こうして配分された各証券会社に同時に申し込みを行います。1つの証券会社のみに申し込んでいる場合、当然ながら複数申し込んだ場合と比べて単純な確率論として当選しにくくなります。
IPO投資で当選確率を上げる5つの方法
当選確率が非常に低いIPO株ですが、次の5つの方法で当選確率を高めることが可能です。何度も挑戦しているのになかなか当たらないという人はぜひチェックしてみましょう。方法1.主幹事会社で申し込む
IPOの当選確率を高めるには、IPOの主幹事会社から申し込むことがおすすめです。主幹事会社とは、IPOにおいて上場までの事務手続きや株式の引き受けを主に中心となって担う証券会社のことです。主幹事会社はIPO株の引受数量が圧倒的に多く、残りがほかの幹事会社に配分されることになります。IPO株の大部分が主幹事会社に配分されるため、IPO株の当選確率を高めるには申し込む予定のIPO株の主幹事会社を確認し、まずそこから申し込むことがポイントです。
方法2.ライバルの少ない証券会社から申し込む
抽選においては、ライバルの数も重要です。開設口座数が多い大手証券会社はIPOに申し込む投資家の人数も多いと考られます。例えば、中堅証券会社や新興証券会社などは大手証券会社と比べると開設口座数は多くなく、ライバルが少ないと言えます。ただし、開設口座数が少なくても、IPOの取り扱い件数が少なすぎては口座開設する意味がありません。証券会社ごとの過去のIPOの取り扱い件数も確認しながら、開設する証券会社を絞っていくとよいでしょう。
方法3.完全平等抽選を採用する証券会社から申し込む
IPO株の抽選は、資金力や取引実績が多い人を優遇する証券会社も少なくありません。しかし、「完全平等抽選」の方式を採用している証券会社であれば、1つの証券口座につき1つの抽選権が与えられます。つまり、資金力や取引実績に関わらず、全員が完全に平等な抽選方式です。資金が少ない人や取引実績のあまりない人にとっては、他の方式を採用している証券会社で申し込むよりも当選確率が高まるといえます。
方法4.複数の証券会社から申し込む
できるだけ多くの証券会社を活用して、抽選チャンスを増やすことも当選確率を高めるために有効な手段です。単独の抽選では当選しなくとも、複数の申し込みで抽選回数を増やすことで当選割合は上げられます。IPOの取り扱い件数が多い証券会社などの口座を複数開設して、それぞれから申し込みをしておきましょう。
方法5.SBI証券で何度も抽選にチャレンジする
SBI証券には「IPOチャレンジポイント」というポイント制度があります。「IPOチャレンジポイント」は、IPO株に申し込んで抽選に外れた回数に応じてポイントが加算されていきます。そして溜まったポイントを次回以降のIPO申し込み時に使用すると、当選確率が上がるというメリットがあります。使うポイントは多いほうが当選確率は高まるため、SBI証券からIPO株の抽選に毎回申し込んでポイントを増やしておくことが重要です。
IPO投資の当選がはずれたらIPO株のセカンダリー取引をすべき?
セカンダリー取引とは、証券市場ですでに売り出されたIPO株の取引をいいます。つまり、上場前にIPO株を購入するのではなく、上場直後の初値で購入します。IPO株は上場以降も株価が上昇する可能性があるため、抽選に外れた場合でもこの方法で利益を狙えるのです。特に公募価格を下回る「公募割れ」となった株を購入した場合は、当選して公募価格で購入していた場合よりも少ない資金で利益を狙える可能性もあります。
ただし上場直後は値動きが激しい傾向にあり、一般的にセカンダリー取引はIPO投資よりもハイリスクといわれています。初値が最高値となり、その後は株価が下落する可能性もあるため、慎重に取引する必要があります。
セカンダリー取引は、口座を開設している人なら誰でも参加できる一方で、上場後に値上がりする銘柄を見極めなければならず難易度が高い投資手法だといえます。チャレンジするのであれば、株取引の知識や経験を身につけてからのほうがよいでしょう。
IPO投資は初心者にもチャンスがある
IPO投資で当たらない理由とその対策について解説してきました。IPO投資は大変人気であるがゆえに、当選するのはなかなか難しいものです。しかし、当選すれば大きな利益を手にできる可能性があり、夢がある投資手法だといえます。特に投資初心者には、ローリスクであるIPO投資はとてもおすすめです。
今回紹介した当選するための方法をできる範囲でたくさん実践することで当選確率が高まり大きな利益を得られるチャンスが広がります。仕組みをしっかり理解した上で、IPO投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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