3号・4号事業者として、圧倒的No.1を取りに行く。ーー「LEVECHY」高将司氏インタビュー
公開日 2024/12/23
最終更新日 2024/12/27
当インタビューシリーズでは、そのような不動産クラウドファンディングのサービス事業者に焦点を当て、キーパーソンにサービス運営の裏側を伺います。今回は、2023年のサービスリリース以来、意欲的なファンド展開で注目を集めている「LEVECHY(レベチー)」を運営する株式会社LEVECHY代表取締役・高将司(こう・しょうじ))氏にお話を伺いました。(取材日:2024年9月10日)
高 将司(こう・しょうじ) 株式会社LEVECHY 代表取締役 |
1985年生まれ。父と叔父の影響で起業に興味を持つ。2006年にサヴィルズ・ジャパン株式会社に入社し、オフィスリーシング事業の日本マーケット立ち上げメンバーとして参画。2012年にジャパン・プロパティーズ株式会社を設立。2024年、同社の社名を株式会社LEVECHYに変更。 |
LEVECHY(レベチー)とは?
「LEVECHY」は、2023年5月にサービスをスタートした不動産クラウドファンディングサービスです。首都圏の居住用マンションやオフィスビルに加え、地方の特色を生かした物件も投資対象としています。業界でも数少ない不動産特定共同事業3号・4号事業者の1つで、SPC(特別目的会社)を介した低リスクのファンド運用を行っていることも大きな特徴です。
また、LEVECHYはオフィスの仲介やリノベーションに特化した専門性の高いチームと豊富な実績を持ち、市場にほとんど出回らない物件の取得やバリューアップを可能にしており、急速に人気を高めています。
この事業を軸に。社名を「LEVECHY」へ
ーー株式会社LEVECHYの事業内容について詳しくお聞かせください。次世代型・オフィス&レジデンスのクリエイト事業として「JP-BASE」というブランドでビルのリノベーション事業を行っているほか、オフィス賃貸仲介や不動産管理といった事業も手掛けています。
それらに加えて新たな事業として取り組んでいるのが不動産クラウドファンディングの「LEVECHY」です。投資初心者でも手間いらずで一口1万円から始められる不動産投資で、我々不動産のプロが選定した不動産に“相乗り”するような形で気軽に投資していただけるようなサービスになっています。
ーー今年7月に、ジャパンプロパティーズ株式会社から、株式会社LEVECHYに社名を変更されています。こちらの背景について詳しくお聞かせください。
「LEVECHY」のサービス立ち上げから1年が経って、認知度も徐々に上がってきたところで、いよいよこの事業を会社の軸にしていくという覚悟が決まったというのが一番の理由です。
「LEVECHY」というサービスをさらに世の中に広げていく上では、サービス名と社名が同じほうが分かりやすいですし、このサービスをもう一段次のステージに進めていく、という決意のもとで社名変更に踏み切りました。
ーー2023年に不動産クラウドファンディング「LEVECHY」をローンチしていますが、サービスを立ち上げたきっかけや想いについてお聞かせください。
ひと言でいうと、このサービスを通して「不動産投資の民主化」を目指して行きたいと思っています。やはり金融や不動産の業界には情報の格差があって、大口の投資家でないと回ってこない情報も中にはあります。
それが、クラウドファンディングのスキームでたくさんの投資家さんが集まって大きな資金を調達できるとなれば、我々のプラットフォームを通じて、10億円以上するような大型の物件情報と出会えるようになり、実際にそれらに少額から投資もできます。「LEVECHY」を通して、不動産投資に関する情報格差や投資に対するハードルを取り払っていけたらいいなと思っています。
ーー「LEVECHY」では、不動産特定共同事業(不特事業)の3号・4号の認可を取得されていますよね。
そうですね。私が不特事業をやろうと決めたのが2019年頃だったのですが、事業を行う上では、投資家の方からお預かりしたお金を別で管理をして倒産隔離するという体制を作ることはマストだと思っていました。そのためには不特事業の3号・4号の認可が必要になるので、迷わず取りに行きました。
ーー1号・2号の許可でもサービスは展開できるという中で、3号・4号の認可を取りに行くことで事業のスピード感が犠牲になる可能性もあったのでは?
本当にその通りで、サービス名も決めて、商標登録も済ませて、というところまで準備をしていたのですが、なかなかライセンスが下りず、信念は持っていたものの、待っている間は正直、葛藤はありました。
当初は申請から2年ほどで行けるだろうと思っていて、2021年にはローンチできる想定でした。それが、結局はそこから2年延びてサービス開始が2023年になってしまいました。
ーー予定が延びていく中で、焦りはありませんでしたか?
相当ありましたね。悔しかったですし、待っている間は悶々としていました(笑)。それでも、当初から3号・4号事業者として圧倒的No.1を取りに行くと決めていましたし、ここでブレたら終わりだと自分にいい聞かせていました。今となっては、やっぱり初志貫徹でやってよかったなと思います。
2029年までに預かり資産1,000億円を目指す
ーー2023年6月に1号ファンドを発表し、6,200万円の募集に対して17億円以上もの応募がありました。当時の反響や社内の受け止め方などについてはいかがでしたか?かなり盛り上がりましたね。やっぱり、飛び上がるために4年間もしゃがんでいたというのがあるので、サービスをローンチして「1号」を出すときは正直不安な気持ちもあったのですが、結果として大成功といえる滑り出しができました。
なので、すごく安心したのと、うれしかったのと、「これだけ投資家さんが評価してくれたんだ」ということで、それまでの苦労とかかけてきた時間なども含めて色々な思いが重なりましたね。
ーー2024年9月には、累計のファンド組成金額が100億円を突破したというプレスリリースも出されました。あらためて、ここまでの「LEVECHY」の手応えについてお聞かせください。
やはりサービスインの初速はすごいものがあって、その勢いを加速させながら「13号」まで来られたと思っており、非常に大きな手応えを感じています。3号・4号事業者として、安心して投資いただけるスキームでファンドを組成しながら、大きなリターンも提供するといったところをしっかり評価していただけているのかなと思っています。
ーー2号ファンドで募集金額3億円、3号では9億円ということで、ローンチ初期のサービスとしては異例の大型案件を連発されましたが、十分に行けると判断したということでしょうか?
そうですね。「1号」で17億円集められたというのはかなり大きかったです。ただ、基本的に「LEVECHY」では数千万円規模のファンドを組成しにくいという事情もありました。SPCを介してファンドを組成していくので、1号・2号で運営する場合よりもコストが大きくなってしまうんです。
なので、2~3億円以上のファンドの規模が運営上必要だったという裏の事情もあったのですが、結果として「1号」の成功でこの規模でも十分行けると判断しました。ちなみに「3号ファンド」の募集金額は9億円だったのですが、物件自体は18億円で買っています。もう半分の9億円は金融機関からのシニアローンでまかなうことで、レバレッジをかける設計になっていて、それによって利回りも大きめに出せたという背景もあります。
ーー直近の13号ファンドでは、過去最大となる25億円超、かつ利回りも過去最高の12%というものでしたが、反響はいかがでしたか?
反響はものすごく大きかったですね。想定利回りも金額も過去最大ということで、かなりキャッチーだったと思います。運用期間も8カ月と投資しやすい期間に設定させていただいたこともあり、満額を大きく超える額のお申し込みをいただくことができました。
ーー累計組成金額100億円を達成して、さらに先の目標としてはどんなものがありますか?
現時点では、あと5年、2029年までに1,000億円のAUM(預かり資産残高)を目標としています。
「不動産投資って面白い」を伝えていきたい
ーー基本的には抽選式で募集をされていますが、7号ファンドで1度だけ先着式で募集をされています。今後もファンドの特性によって募集方式は変えていくのでしょうか?先着式の募集について、検討はしています。「7号」についてはテスト的にやってみたのですが、反響がすごくて一時的にアクセスが不安定になったりもしました。にもかかわらず、結果的に6億円のファンドが1時間ほどで埋まりました。
やはり、抽選式だと事前に設定した応募期間を待たないといけないというデメリットがあります。募集終了してから入金の期間を取って、さらにクーリングオフの期間まで考えていくと、投資家さんからすれば応募してから運用開始まで1カ月とか1.5カ月とかの時間がかかってしまうことになります。その期間が長くなれば当然投資効率にも関わってきます。
先着式だとその期間を大幅に短くできますので、投資家のみなさんにとってもいい話だと思います。なので、引き続きユーザーの声を伺っていきながら、今後の先着式の採用について検討していきたいと思っています。
ーー「LEVECHY」の今後の展望についてお聞かせください。
これまでの「LEVECHY」は運用期間が比較的短めのファンドをメインに提供していたのですが、これからはもう少し期間の長い、中長期型ファンドも提供していきたいと考えています。あとは、「13号」のニセコの案件や「5号」の奄美大島の案件のような、首都圏にとどまらない、地方創生的な側面もあるファンドの提供も増やしていければと思っています。
そして、繰り返しになりますが「LEVECHY」としては、魅力的な不動産の情報をできるだけ多くの方に届けて、一口1万円から気軽に投資できるという「投資の民主化」を広げていきたいと思っています。私自身、不動産投資によって人生が大きく変わった経験がありますので、「LEVECHY」を通じて「不動産投資って面白いんだよ」ということをたくさんの人に伝えていけたらいいなと思いますね。
ーー最後に、当記事をご覧になる投資家の方に、あらためてPRなどメッセージをお願いします。
「LEVECHY」は、現在月に1本というペースでファンドを提供しています。「もっとたくさん出してよ」「投資できないよ」と感じている方もいらっしゃるかと思うのですが、丁寧に物件を厳選しながら、より魅力的な商品を提供したいという思いで、自信のある案件のみを提供するというポリシーで行っております。
もちろん、投資家のみなさんのお声もいただきながら、よりよいサービスを目指してアップデートを続けてまいりますので、長い目で見ていただきながら、みなさんと一緒に成長していけるようなプラットフォームになっていければと思っております。
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