保険で資産運用ができる?投資との違い&メリット・デメリット

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#投資の仕組み・スキーム #投資初心者
資産運用というと、投資信託株式、債券などの金融商品に投資して運用することをイメージする人が多いかと思いますが、実は保険商品を活用して資産運用する方法もあります。

今回は、保険で運用する場合と投資で運用する場合の主な違いや、資産運用が可能な保険商品の種類、そして保険を活用した場合のメリットとデメリットなどについて紹介していきます。

資産運用とは?資産形成との違い

資産運用と資産形成そもそも、「資産運用」とはなんでしょうか。また、似た言葉として「資産形成」がありますが、その違いはなんでしょうか。以下で、それぞれの意味について解説します。

資産運用とは

資産運用とは、いまある資金を元手にして、投資などで効率的に殖やしていく「手段(行為)」といえます。投資対象や運用方法によってリスク・リターンの大小も異なるため、あらかじめ自身の運用方針や目的を明確にする必要があります。もちろん、リターンが期待できるぶん、元本割れのリスクもはらんでいます。

資産運用と資産形成の違い

資産運用が手元の資産を殖やしていく「手段」であるのに対し、資産形成はゼロから資産を築き上げていくという「目的」です。仕事をして労働収入を貯蓄したり、節約で支出を減らして手元の資金を増やしたりすることでまとまった資金ができてようやく、その資金を元手に資産運用できる段階に入ります。

つまり、「資産形成」とは、今後の資産をつくるために労働収入などで預貯金の積み上げや投資をすることであり、「資産運用」は、資産形成を達成する1つの手段といえます。

保険で資産運用ができる?投資との違い

保険商品で運用した場合と、投資商品で運用した場合の違いは、具体的に何があるのでしょうか。保険で運用する仕組みと併せて解説していきます。

保険で資産運用できる仕組み

生命保険には主に「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2種類があります。そして、「貯蓄型」の保険であれば資産運用が可能です。貯蓄型保険とは、万が一の際の保障だけでなく資産形成という2つの役割を併せ持った保険商品で、解約や満期の際には解約返戻金・満期保険金として契約時に定めた金額を受け取れます。

払い込んだ保険料総額から見た受け取れる保険金(返戻金)総額の割合である「返戻率」があらかじめ設定されており、一般的に加入期間が長ければ返戻率100%を超える場合が多くなります。契約した保険に月々の保険料を支払い続けるだけで資産を運用できるため、投資初心者でも始めやすい運用方法といえます。

保険での資産運用と投資での資産運用との違いは?

保険と投資は、そもそも目的が異なります。資産運用が可能な貯蓄型保険は、資産運用だけでなく保障も兼ね備えています。資産を運用しながら、いつ起こるかわからない事態に備えられるのが最大のメリットです。一方、投資の目的は資産運用のみで、万が一に備える保障はありません。

また、保険は保障の側面も併せ持つがゆえに、保険料としてのコストもかかります。つまり、投資よりもコストが高くなる傾向にあるため、投資で運用する場合と比べると大きな運用成果は期待しにくいといえるでしょう。

資産運用ができる保険

保険と投資の違い保険で資産運用をおこないたい場合、どのような保険商品の種類があるのでしょうか。ここでは、6つの保険商品を紹介し、あわせてそれぞれの特徴を解説します。

1.終身保険

「終身保険」とは、死亡・高度障害の状態になった場合の保障が一生涯にわたって続く保険です。途中で解約した場合には解約返戻金を受け取れ、基本的に加入期間が長いほど返戻率も高くなるため、解約時期によっては払込保険料総額以上の解約返戻金を受け取れます。保険で資産運用する場合に活用される代表的な保険商品のひとつです。

2.養老保険

「養老保険」は、契約時に定めた保険期間中に死亡・高度障害となった場合に保険金を受け取れる保険商品です。何事もなく満期を迎えた場合には、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れます。保険期間を自由に設定できるため、住宅購入などのライフイベントに向けた資産形成に活用しやすい商品といえます。

3.個人年金保険

「個人年金保険」とは、老後資金に備える目的で運用したい場合に選ばれる保険商品です。契約時に定めた年齢まで保険料を払い込み、受取開始年齢になったら一定期間あるいは終身にわたって年金形式または一括で保険金を受け取れます。老後の生活資金を計画的に準備することが可能です。

4.こども保険(学資保険)

「こども保険(学資保険)」とは、子どもの教育資金を準備することに特化した保険商品です。高校や大学の入学時などに保険金を受け取れます。また、保険料を支払う契約者に万一のことが起きた場合には、以降の保険料払込が免除される制度もあり、保障はそのあとも継続されます。

保険料の払込期間を短くしたり、一括払込にしたりすることで割引が適用されることもあり、より効率的な資産形成が可能になります。

5.変額保険

「変額保険」は支払った保険料を株式や債券などで運用する保険商品で、運用成績によって受け取れる保険金や解約返戻金が変動します。つまり、運用次第では資産を大きく殖やすことも可能ですが、元本割れのリスクも大きくなります。

ただし、運用方法は自身で選択するため、リターンやリスクの度合いは自分で設定可能です。一般的に基本保険金額が設定されて、運用実績に関わらず死亡保険金・高度障害保険金は基本保険金額が最低保証されます。

6.外貨建て保険

「外貨建て保険」は、保険料の払い込みや保険金・解約返戻金の受取りを日本円以外の外貨でおこなう保険商品です。保険会社は、契約者から集めた保険料を外貨で国外の公社債などに投資して運用します。日本円よりも外貨の方が相対的に金利が高い傾向にあるため、高い利回りが期待できる特徴があります。

ただし、為替相場の影響を受けて為替差益や為替差損が生じるため、為替レートによっては損失を生む可能性があることも理解しておく必要があります。

保険で資産運用をするメリット

では、保険で資産運用する場合のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

メリット1.もしものときに安心

保険で資産運用する場合、将来を見据えた資産形成だけでなく、万一の際の保障も確保できます。十分な金融資産があれば保険商品に加入していなくても問題ないケースもありますが、資産が不十分だと遺された家族の生活が不安定になるリスクがあります。保険は加入した直後から十分なお金(あらかじめ設定した保険金額)を準備できるというメリットがあります。保険での資産運用は、安心と将来の資金を両方準備できるのです。

メリット2.生命保険料控除を受けられる

保険で資産を運用した場合、「生命保険料控除」という所得控除を受けられる点もメリットの1つです。「生命保険料控除」とは1年間に支払った保険料に応じて一定の金額がその年の所得から差し引かれ、所得税・住民税の負担が軽減される仕組みです。つまり、保険を活用することで、節税メリットを享受しながら資産運用が可能となります。

メリット3.投資の知識がなくても始めやすい ※銘柄選びがない

保険で運用した場合、資産の運用そのものは保険会社に在籍している運用のプロが行ってくれるため、投資の知識が少ない投資初心者でも始めやすい方法だといえます。生命保険に加入する場合、保険会社の担当者が商品ごとの特徴やリスクなどを説明してくれます。

自身の運用目的を伝えておくことで、自身に適した生命保険商品を選びやすくなるでしょう。

保険で資産運用をするデメリット

では、保険で資産運用するデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。以下の3点を紹介します。

デメリット1.長期加入が前提

生命保険は、中途解約すると損してしまう可能性が高い傾向にあります。返戻率は、加入期間が長くなるにつれて高くなっていくため、ある程度の運用成果を得るためには長期加入を前提に考えなければなりません。保険商品によってどの程度の期間加入すれば利益が出るかなどは異なるため、契約前にきちんと確認しておく必要があります。

デメリット2.掛け捨ての保険より保険料が高い

資産運用が可能な貯蓄型保険の商品は、一般的に掛け捨て型の保険よりも保険料が割高となっています。保障分の保険料だけでなく、満期保険金や解約返戻金を受け取るための積立分を追加で支払わなければならないからです。

保険での資産運用は長期加入が前提でもあるため、加入時には無理なく払い続けられる保険料水準かどうかも検討しなければなりません。

デメリット3.元本割れするものもある

生命保険での運用に限りませんが、資産運用においては元本割れのリスクが必ずあります。保険の場合、途中で解約した場合や、運用実績が低迷した場合など、将来受け取れる保険金や解約返戻金が、払込保険料総額を下回る可能性が十分に考えられるのです。資金を預金ではなく運用にまわすことで、より大きなリターンが狙える反面、より大きなリスクをとっていることも理解しておきましょう。

ノーリスクで甘い汁は吸えません。保険による資産運用は、商品によっては投資に近い側面もあるため、元本割れする可能性も想定しておきましょう。

ライフスタイルに合えば保険で資産運用するのもアリ

保険による資産運用について詳しく解説してきました。

本来、保険は万一の際に備えるための金融商品ですが、資産形成の手段の1つとして活用できる保険商品も多く用意されています。保険での資産運用には、保障も併せ持つ点や節税メリット、投資初心者でも始めやすい点などのメリットがある一方で、長期加入、保険料が割高、元本割れリスクといったデメリットもあります。

それらを踏まえ、資産運用が可能な保険商品のそれぞれの特徴をしっかり理解した上で、自身のライフプランや運用目的に合った保険を検討してみましょう。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

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