【VYMと比較】SPYDおすすめしない?メリットとデメリットや配当利回りを解説

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SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式ETF)は、米国の高配当ETFとして人気のある銘柄です。

しかし、SNSや投資家の間では「おすすめしない」との意見も多く見られます。

この記事では、SPYDの仕組みからデメリット・リスクを解説。

他のETFとの比較、そしてどんな人に向いているのかを解説します。

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記事の要点まとめ
  • ・SPYDは高配当ETFだが景気に左右されやすく減配リスクあり
  • ・構成銘柄は不動産・公益・金融など景気敏感セクター中心
  • ・VYMやHDVより成長性が劣り、長期投資には不向き
  • ・短期で高配当を狙いたい投資家には有力な選択肢
  • ・安定重視ならVYM・HDV、配当重視ならSPYDが候補

SPYDは高配当が魅力のETFですが、安定性・成長性の面で他のETF(VYMやHDV)に劣る部分があります。

特に景気に左右されやすい銘柄構成と、減配リスクの高さは長期投資において懸念点です。

一方で、短期的に高配当を狙いたい投資家にとっては有力な選択肢になり得ます。

SPYDとは?配当金生活で人気?

SPYDは、米国のS&P500指数に含まれる企業のうち、配当利回りが上位80社の株式を均等に組み入れたETFです。

正式名称は「SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF」。

ステート・ストリート社(State Street Global Advisors)が運用しています。

経費率は0.07%と非常に低く、個人投資家でも扱いやすいETFです。

SPYDの構成銘柄とセクター比率

SPYDの構成銘柄は年に2回リバランスされ、常に配当利回りの高い上位80社で構成されています。

2025年時点では、不動産(REIT)、公益事業、エネルギー、金融といった景気敏感セクターの割合が高いのが特徴です。

その反面、テクノロジーやヘルスケアといった成長セクターの比率は低く、株価上昇の恩恵を受けにくい構造になっています。

SPYDをおすすめしない7つの理由

SPYDが「おすすめしない」と言われるのは、以下のようなリスクや欠点があるためです。

① 配当が不安定で減配の実績がある

SPYDは高配当をうたっていますが、実際には安定して増配していません。

2020年のコロナショックでは前年よりも30%以上分配金が減り、2023年も一時的な減配がありました。

景気敏感株の割合が高く、企業業績が悪化するとすぐに配当が減る傾向があります。

② トータルリターンが市場平均を下回る

SPYDは高配当を重視する一方で、株価の成長性が低く、結果としてトータルのリターンがS&P500指数を下回る傾向にあります。

過去5年間のリターンを比較すると、VYMやHDV、S&P500指数に比べて伸びが鈍いです。

配当金だけで見れば魅力的ですが、再投資を含めた総合パフォーマンスでは見劣りします。

③ 構成銘柄の質と分散性に課題がある

SPYDは「高配当」という一点で銘柄を選ぶため、財務が安定していない企業も含まれます。

また、上位に不動産・公益・エネルギーが集中するため、分散効果が限定的です。

たとえば、景気後退期にはこれらのセクターが同時に下落することがあり、分散の意味を失うリスクがあります。

④ 為替変動リスクがある

SPYDは米ドル建てで取引するETFのため、円高になると日本円ベースのリターンが目減りします。

円安時には利益が増えますが、為替は読みにくいため、為替リスクを避けたい人には向きません。

特に円高局面では、せっかくの配当利回りが帳消しになることもあります。

⑤ 配当だけではインフレに負けるリスクがある

配当金の額面利回りが高くても、株価が上がらなければインフレに勝てません。

SPYDは成長産業の比率が低いため、物価上昇局面では実質リターンがマイナスになる可能性があります。

「配当をもらいながら資産を増やす」には、株価の成長性も欠かせません。

⑥ 他の高配当ETFより成長性が鈍い

同じ高配当ETFでも、VYMは幅広く分散され、HDVは財務健全性を重視しています。

SPYDはこの両者と比べて、株価の上昇スピードが遅く、景気変動による下落幅が大きい傾向があります。

そのため、長期投資での安定的な成長を期待する投資家には不向きです。

⑦ 分配金に米国課税がかかる

SPYDの配当金には米国で10%の源泉徴収税がかかり、日本でも課税対象になります。

NISA口座を利用しても米国課税は免除されないため、実質的な手取り配当は表示よりも少なくなります。

SPYDに投資するメリット

一方で、SPYDには他のETFにはないメリットもあります。

特に短期的な配当狙いや分散効果を求める人にとっては魅力的な選択肢です。

① 高い配当利回り

SPYDの直近配当利回りはおおむね4〜5%と、HDVやVYMを上回る水準です。

短期間で配当収入を得たい人や、キャッシュフローを重視する投資家には適しています。

② 分散投資が簡単にできる

ETF1本で米国の高配当株80社に分散投資できるため、個別株を選ぶ手間がかかりません。

高配当株投資を試したい初心者にも扱いやすい設計です。

③ 少額から始められる

1口数十ドルから購入可能で、SBI証券や楽天証券など国内の主要ネット証券で簡単に買えます。

NISA口座を活用すれば、為替手数料を抑えながら長期保有も可能です。

④ 経費率が低い

経費率は0.07%と非常に低く、他の高配当ETFと比べてもコスト面で優れています。

長期保有時の手数料負担が少ないため、コツコツ運用したい人にとって魅力的です。

⑤ 定期的に配当金を受け取れる

SPYDは年4回(3月・6月・9月・12月)に分配金が支払われます。

安定した現金収入を得たい投資家にとっては、心理的な安心感があります。

SPYDとVYM・HDVの比較

ここでは、SPYD・VYM・HDVの3つの代表的高配当ETFを比較します。

ETF名 構成銘柄数 配当利回り 主な特徴
SPYD 約80銘柄 約4〜5% 高配当重視、景気敏感株が多い
VYM 約400銘柄 約3%台 幅広い分散と安定性
HDV 約70銘柄 約3.5〜4% 財務健全性を重視し、長期安定

長期投資で安定を重視するならVYMやHDV、短期で配当を狙うならSPYDが候補になります。

SPYD投資が向いている人・おすすめしない人とは?

SPYDは誰にでも向いているETFではありません。

目的や投資スタイルによって、向き・不向きがはっきり分かれます。

SPYDへの投資が向いている人

・短期的に高配当を得たい人。

・高配当戦略を一度試してみたい投資家。

・リスクを理解しながら景気変動をチャンスにしたい人。

・すでにVYMやHDVを保有しており、配当重視の銘柄を追加したい人。

SPYDは「配当重視の分散投資を短期間で行いたい」投資家にとって良い選択肢です。

SPYDをおすすめしない人

・長期で安定した資産形成を目指す人。

・減配や株価下落に不安を感じやすい人。

・インカムゲインよりもトータルリターンを重視する人。

・ETFや為替の仕組みをまだ十分に理解していない初心者。

SPYDは短期的な収益には向きますが、長期の安定運用を目的とする場合は他のETFの方が適しています。

Q&A:SPYDの疑問に回答

ここでは、SPYDに関してよくある質問をまとめました。

初心者が疑問に思いやすいポイントを中心に、わかりやすく解説します。

【比較】SPYとSPYDの違いは?どっちがいい?

SPYとSPYDはいずれもS&P500をベースにしたETFですが、目的と特徴が大きく異なります。

SPYはS&P500全体に連動するETFで、アメリカ経済全体の成長をそのまま取り込める商品です。

値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う長期投資に向いています。

配当でセミリタイア・FIREを狙いたいならSPYDも

一方、SPYDはS&P500の中でも配当利回りが高い上位80銘柄に投資するETFです。

株価の上昇よりも配当収入(インカムゲイン)を重視する設計です。

そのため、資産を長期で成長させたい人はSPY、高配当を受け取りながら運用したい人はSPYDが向いています。

SPYDの手数料は?

SPYDの運用コスト(経費率)は年率0.07%です。

これは米国ETFの中でも非常に低く、同じ高配当ETFであるHDV(0.08%)やVYM(0.06%)とほぼ同水準です。

ただし、購入時には為替手数料(通常1ドルあたり25銭前後)が別途かかります。

長期で保有する場合は、為替コストを抑えられる証券会社を選ぶことも大切です。

SPYDの配当金はいくら?利回りは?

SPYDの配当金は年4回、3月・6月・9月・12月に支払われます。

2025年時点の実績では、年間配当利回りはおおむね4〜5%前後です。

ただし、分配金は年によって変動するため、景気悪化時には減配するリスクもあります。

長期的に安定した配当を重視するなら、HDVやVYMのような財務健全性の高いETFを組み合わせるのもおすすめです。

SPYDの買い方と買い時のポイント

SPYDは、SBI証券・松井証券・マネックス証券などの主要ネット証券で購入できます。

米国ETFのため、米ドル建てで取引し、NISAや特定口座で管理可能です。

買い時の目安は、配当利回りが4.5%を超えたときや、景気後退で株価が下落している局面です。

まとめ:SPYDはやめとけ?やめたほうがいい?

SPYDは高配当ETFとして人気があります。

しかし、減配リスクやセクター偏り、成長性の鈍さなどのデメリットがあります。

短期の配当収入を重視する人には魅力があります。

長期安定型の投資を目指す人はVYMやHDVを中心に検討した方が良いでしょう。

配当利回りの高さだけで判断せず、トータルリターン・分散・為替リスクを総合的に見て選ぶことが大切です。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

    不動産クラウドファンディング等の情報を提供しています。投資初心者の目線に立った運営を目指しています。記事は情報提供を目的としており、特定商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する意思決定は、事業者の公式サイトにてリスク等の内容をご確認いただき、ご自身の判断にてお願いいたします。

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