プロは不動産クラファンのどこを見る?6人の採点でわかった危険な案件の共通点

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#特集・選び方

こんな案件があったら、あなたは投資しますか?

東京23区・駅から徒歩9分の一棟マンション、想定利回りは年7.0%、運営会社は累計32本を組成して元本毀損はゼロ。

数字だけを並べれば、投資を始めたばかりの人の目にはかなり魅力的に映る条件です。

編集部では上の条件をすべて満たす架空のファンドを1つ作り、投資や不動産の実務経験を持つ6人に、お互いの回答を見せない状態で採点してもらいました。

結果は、6人中5人が「見送り」でした。

読み終わると、プロが利回り以外のどこを見て「これは危ない」と判断したのか、そして自分が検討している案件で何を確認すればいいのかがわかります。

注意

この記事で採点した案件は、編集部が作成した完全な架空のファンドです。

実在する事業者やファンドを指すものではなく、記事の内容は情報提供が目的で、特定の商品の購入を勧めるものではありません。

同じ案件をプロ6人に見せたら、結論はほぼ一致・理由はバラバラだった

不動産クラウドファンディングを検討するとき、多くの人が最初に比べるのは利回りです。

募集ページの一番大きな文字が利回りなので、それが自然な流れでもあります。

ただ、同じ案件を職業の違う人に見せると、注目する場所がまったく変わります。

そこで今回は、1つの架空案件を用意し、次の6人に採点をお願いしました。

回答者 人数 普段いちばん見ている数字
証券会社勤務経験者 3名 リスクに対する利回りの釣り合い、分配の確実性
銀行勤務経験者 1名 運営会社の決算、担保として物件にいくら付くか
不動産営業経験者 1名 賃貸需要と、その値段で本当に売れるか
現役投資家 1名 募集ページに書かれていない条件、運営会社の体力

採点は、他の人の回答を見られない状態で個別に回答してもらう方式にしました。

誰かの意見に引っ張られると、その人の素の判断がわからなくなってしまうからです。

集まった回答を並べてみると、結論はきれいにそろい、理由はまったくそろいませんでした。

6人中5人が「見送り」で一致した一方、その5人が挙げた理由は、事業者の資金繰り、有利子負債、出口戦略、売却の実現性、劣後出資の薄さと、ほとんど重なりませんでした。

検証に使った「1つの案件」

採点に使ったのは、実際にありそうな条件を組み合わせて作った架空のファンドです。

判断に必要な材料は、実際の募集ページと契約成立前書面に載る範囲でそろえました。

不動産クラウドファンディングは不動産特定共同事業法にもとづく「電子取引業務」として行われ、契約の前には条件をまとめた書面が投資家に交付されます。*1

つまり、ここに並ぶ情報は本来、申し込む前に自分で読める情報です。

用語:契約成立前書面 申し込みの前に交付される、ファンドの条件やリスクをまとめた書面のことです。

募集ページの見やすい要約には出てこない条件が、この書面で初めて確認できることがあります。*5

あわせて読みたい 【必見】不動産クラファンで納得の投資判断を!損しないためのファンド情報の見方

ファンドの条件

検証に使った架空案件
項目 内容
予定分配率 年7.0%(内訳:賃料などのインカム2.2%+売却益4.8%)
配当原資 運用中はマスターリース賃料、最後は物件の売却代金
分配のタイミング インカム分は6ヶ月ごと、売却益は運用終了時に一括
運用期間 12ヶ月(事業者の判断で最長6ヶ月の延長あり)
優先劣後 劣後出資5%(600万円)
出口(売却先) 市場売却、または自社の関連ファンドへの売却を含むと記載
その他 募集総額1.2億円・抽選式・1万円から・匿名組合型・途中解約不可

物件の条件

項目 内容
立地 東京都大田区・京急本線の駅から徒歩9分(品川まで約12分、羽田空港まで約20分)
建物 一棟レジデンス(RC造5階建・25戸・1K中心)/築36年・新耐震・エレベーターなし
取得価格 3億円(前の所有者は2年前に2.58億円で取得)
第三者鑑定 鑑定評価あり・収益還元価格3.06億円(還元利回り5.1%)
想定売却価格 3.15億円(12ヶ月後・表面利回り6.4%相当)
稼働と賃料 稼働率88%/募集賃料6.3万円に対し直近の成約は5.9万円
賃料保証 満室想定の90%をマスターリースで保証(6ヶ月ごとに改定協議あり)
周辺環境 商店街まで徒歩3分・スーパーまで徒歩5分圏/大田区の事業所と羽田空港関連の単身勤務者が需要の中心
その他 最寄駅周辺の公示地価は3年で約8%上昇/多摩川の浸水想定区域に該当

運営会社の条件

項目 内容
会社 設立5年・非上場・行政処分歴なし
実績 累計32本を組成・24本が償還済み・元本毀損ゼロ(うち9本は自社や関連ファンドへの売却で償還)
拡大ペース 運用残高は18ヶ月で12億円から58億円へ
倒産隔離 記載なし(匿名組合出資として分別管理のみ)

運営会社は直近3期分の決算も公開している、という設定にしました。

項目(百万円) 2023年度 2024年度 2025年度
売上高 980 2,450 5,880
営業利益 45 128 310
自己資本 180 251 419
有利子負債 850 2,300 5,100
自己資本比率 14.2% 9.1% 6.8%

ここまでが、6人に渡した情報のすべてです。

ぜひ一度、自分ならこの案件に投資するかどうかを考えてから読み進めてみてください。

採点した6人のプロフィール

今回のパネルは、金融側の経験者が4人、不動産の現場が1人、個人投資家が1人という構成です。

意図的に「お金の貸し借りを見てきた人」を多めにしています。

不動産クラウドファンディングは物件に投資する商品のように見えて、実際には事業者にお金を預ける仕組みでもあるためです。

呼び方 この案件で最初に見た数字
証券会社勤務経験者Aさん 決算サマリー
証券会社勤務経験者Bさん 予定分配率
証券会社勤務経験者Cさん 予定分配率「年7.0%」
銀行勤務経験者さん 自己資本比率6.8%
不動産営業経験者さん 想定売却価格3.15億円
現役投資家さん 利回り

結果:6人中5人が「見送り」だった

最初に、6人の採点結果をまとめて見てみましょう。

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プロ6人が口をそろえた「2つの警告」

警告①:劣後出資5%は「不十分」=6人全員が一致

警告②:想定売却価格3.15億円は6人中5人が「強気」

なぜ「利回り7%」の評価が、高い・妥当・低いに三分したのか

銀行勤務経験者の視点:「これは物件を買う商品ではなく、事業者にお金を貸す商品」

借金は自己資本の約12倍まで膨らんでいる

自己資本比率6.8%は「過去に破綻した会社と同じ領域」

「会社には貸さない、物件に貸す」担保評価は★2

取得価格3億円は「高値掴みの疑いが濃い」

賃料保証は物件の評価には使えない

証券会社勤務経験者3人の視点:売却益4.8%は「絵に描いた餅」か

売却益4.8%が「絵に描いた餅」になりかねない理由

償還実績の約4割は、グループ内での売却だった

「開示があれば問題ない」という別の見方もあった

3人が契約成立前書面で最初に見る場所

不動産営業経験者の視点:賃貸需要は「堅い」、でも「売れない」

現役投資家の視点:引っかかった「劣後の薄さ」

唯一「条件付きで買い」と言った1人は、何を見て、どんな条件をつけたのか

6人の「最初に見た数字」マップ:あなたはどこを見る?

プロの視点を自分の投資に活かすチェックリスト

まとめ:利回り7%の裏で、プロは何を見ていたのか

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

    不動産クラウドファンディング等の情報を提供しています。投資初心者の目線に立った運営を目指しています。記事は情報提供を目的としており、特定商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する意思決定は、事業者の公式サイトにてリスク等の内容をご確認いただき、ご自身の判断にてお願いいたします。

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