金利0.75%時代にやってはいけない不動産投資とは?現物ローンとクラファンの使い分け3原則「借りすぎない」「脱・利回り」「超分散」
公開日 2026/05/07
最終更新日 2026/05/07
金利がある時代の不動産投資は、「利回りの高さ」だけでなく「金利が上がっても続けられるか」を見ることが大切です。
「政策金利が0.75%へ」
そんなニュースを聞いて、自分の不動産投資はこのままでいいのか、不安を感じた方もいるかもしれません。
長く続いた超低金利の時代、不動産投資では「低金利でローンを借りて、利回りの高い物件を買う」という考え方が見られました。
しかし、金利が上がる局面では、同じ投資でも前提が変わります。
この記事では、現物不動産(ローン利用)と不動産クラウドファンディング(CF)の使い分けを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
現物ローン
リターンもリスクも大きくなりやすい「増幅装置」。
金利上昇や空室に耐えられるか、しっかり試算する必要あり。
不動産CF
借入を増やさずに不動産投資ができる「分散装置」。
少額・複数案件で分散投資できる。
- ・金利が上がると不動産投資でのローン返済負担が増え、不動産価格に下押し圧力がかかりやすい
- ・現物不動産のローン活用はリターンを高める一方、金利上昇・空室・修繕などのリスクも増幅する
- ・不動産CFは借入を増やさず、少額から複数案件・複数エリアへ分散しやすい選択肢
- ・現物ローンは大きく資産形成を狙う人、不動産CFは借入を抑えて分散したい人に向きやすい
- ・不動産CFも元本保証ではなく、元本毀損・遅延・事業者リスクなどの確認が欠かせない
1. 金利が上がると、不動産価格はどう変わる?
投資手法を選ぶ前に、不動産市場そのものがどのように変化しやすいのかを整理します。
そもそも金利が上がると、不動産市場にはドミノ倒しのように影響が広がります。
不動産価格はどう決まる?金利上昇が価格に与える影響
金利が上がると、不動産価格には下押し圧力がかかりやすくなります。
ただ、これだけ聞くと、 「なぜ金利が上がると、不動産価格が下がりやすいの?」 と感じる方も多いはずです。
ここでは、不動産価格の基本的な考え方から、金利上昇がどのように価格へ波及していくのかを整理します。
金利上昇局面で知っておきたい計算式
大事なのは、以下の計算式。
まず知っておきたい考え方
不動産価格 = 年間収益 ÷ 投資家が求める利回り
この式を出す理由は、不動産投資では物件価格を 「いくらで買うか」だけでなく、「その価格で買ったときに、どれくらいの収益が得られるか」 で判断するからです。
たとえば、年間で225万円の収益が見込める物件があるとします。
投資家が「この物件なら年4.5%くらいの利回りで買いたい」と考えた場合、価格は次のように計算できます。
225万円 ÷ 4.5% = 5,000万円
つまり、年間225万円の収益がある物件を5,000万円で買うと、利回りは4.5%になる、ということです。
ここで大切なのは、同じ年間収益でも、 投資家が求める利回りが変わると、買ってよい(買える)価格も変わる という点です。
※買ってよい(買える)価格=投資に値する価格(投資適格かどうか)
225万円 ÷ 4.5%
5,000万円225万円 ÷ 5.0%
4,500万円225万円 ÷ 5.5%
約4,091万円このように、投資家が求める利回りが高くなるほど、 同じ収益の物件でも「買ってよい(買える)価格」は下がっていきます。
では、なぜ金利が上がると求める利回りも上がりやすいのか
理由は、投資家にとってのコストが上がるからです。
現物不動産をローンで購入する場合、金利が上がると毎月の返済負担が増えます。
たとえば借入額が4,000万円ある場合、金利が1%上がると、 単純計算で年間約40万円の利息負担が増えます。
月にすると約3.3万円です。
返済負担が増えると、投資家の手元に残るお金は減りやすくなります。
そのため、投資家は以前と同じ価格では買いにくくなり、 「この金利環境なら、もう少し高い利回りがほしい」 と考えやすくなります。
金利上昇が価格へ波及する流れ
- ローン金利が上がる
- 返済負担が増える
- 投資家の手残りが減りやすくなる
- 投資家はより高い利回りを求める
- 高い価格では買いにくくなる
- 不動産価格に下押し圧力がかかる
金利が低い時代であれば、投資家は「利回り4.5%でもよい」と考え、 年間収益225万円の物件を5,000万円で購入するかもしれません。
しかし、金利が上がると、ローン返済の負担が増えます。
すると投資家は「せめて5.0%の利回りはほしい」と考えやすくなります。
その場合、同じ年間収益225万円の物件でも、買える価格は4,500万円になります。
さらに「もっと余裕を見て5.5%の利回りがほしい」となれば、 買える価格は約4,091万円まで下がります。
ポイント
家賃収入が同じでも、金利が上がると「その価格で買ってよいか」の基準が厳しくなります。
これが、金利上昇時に不動産価格が下がりやすくなる基本的な仕組みです。
駅近で需要が強い物件は依然として強い傾向に
ただし、これは「金利が上がると、すべての不動産価格が下がる」という意味ではありません。
駅近で需要が強い物件、賃料が安定している物件、将来的に賃料上昇が期待できる物件は、 引き続き評価されやすいです。
一方で、空室リスクが高い物件、賃料が伸びにくい物件などは、 金利上昇の影響を受けやすくなります。
つまり、金利上昇局面では、 「不動産だから安心」ではなく、「その価格で買っても、金利上昇後に収支が成り立つか」 を丁寧に見ることが大切です。