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公開日 2026/10/07
最終更新日 2026/10/07
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大阪ミナミ・宗右衛門町にある「みんなで大家さん」の対象土地が、裁判所の競売に出ました。
面積は約771坪、売却基準価額は46億3,077万円です。
入札は2026年10月21日から29日、開札は11月5日に予定されています。
「46億円もの土地が売れるなら、出資金も返ってくるのではないか」と考える出資者もいるでしょう。
しかし、競売では土地が売れた金額が、そのまま投資家に返ってくるわけではありません。
実際、この土地には競売前から税金の差押え、出資金返還請求、強制競売、約120億円の債権に関する仮差押えが入っています。
今回の宗右衛門町は、「不動産があるから安心」「会社からの返金を待っていればいい」と考えることの危うさが、かなり分かりやすく表れた事例です。
みんなで大家さんの出資者だけでなく、不動産クラウドファンディングや現物不動産に投資する人にも関係する話として整理します。
※本記事は2026年10月7日時点の公開情報をもとにしています。
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競売に出たのは、大阪市中央区宗右衛門町19番1の土地です。
「みんなで大家さん宗右衛門町」の公式ページに記載された対象不動産と、所在地・面積が一致しています。
同商品は匿名組合型で、都市綜研インベストファンドが営業者となっています。
出典:みんなで大家さん「宗右衛門町」
46億3,077万円は落札価格ではなく、裁判所が定めた売却基準価額です。
実際にいくらで売れるかは、これからの入札で決まります。
ここが今回、一番重要なところです。
競売で土地が売れると、売却代金は裁判所を通じて債権者へ配当されます。
そのときに見るのは、単純な「出資した人の人数」ではありません。
誰がどんな権利を持っているのかによって、受け取れる順番が変わります。
裁判所は、競売代金について、差押債権者や配当を求めた債権者へ法律上の順位に従って分配すると説明しています。
例えば抵当権のある債権は、原則として債務名義しかない一般債権より優先します。
出典:裁判所「不動産執行手続」
つまり、見るべきなのは「この土地はいくらで売れるのか」ではなく、「売ったあと、自分のところまでいくら残るのか」です。
これは現物不動産でも同じです。
1億円の物件を持っていても、銀行への返済が9,000万円残っていれば、1億円すべてがオーナーの手元に残るわけではありません。
不動産が高く売れることと、投資家が全額回収できることは別の話です。
今回の競売は、9月の許可取消しをきっかけに突然起きたわけではありません。
大阪府の資料を見ると、宗右衛門町の土地には以前から複数の差押えなどが入っていました。
出典:大阪府「都市綜研インベストファンド株式会社に対する行政処分関係資料」
そして2026年9月1日、大阪府は都市綜研インベストファンドの不動産特定共同事業の許可を取り消しました。
出典:大阪府「不動産特定共同事業者に対する行政処分について」
つまり、今回の競売が公表されるかなり前から、債権者は資金回収のために動いていたということです。
特に目を引くのが、約120億円の債権に関する仮差押えです。
仮差押えとは、裁判などで結論が出る前に財産を動かされ、後から回収できなくなることを防ぐための手続です。
もちろん、約120億円がそのまま優先して支払われるという意味ではありません。
ただ、会社からの任意返金だけを待たず、法的な回収手続に入っていた債権者がいたことは分かります。
先に仮差押えをした人が、他の投資家より必ず先に全額回収できるわけではありません。
不動産競売の配当には法律上の順位があり、同じ立場の一般債権者同士は原則として平等に扱われます。
それでも、早めに動く意味はあります。
回収できる財産があるうちに、手を打てるからです。
返金が止まり、会社の資金繰りが悪化している間にも、不動産の売却、預金の差押え、別の債権者による競売申立て、税金の滞納処分などは進みます。
宗右衛門町で実際に起きているのが、まさにこれです。
会社に「返してください」と連絡していることと、裁判所で回収できる権利を確保していることは同じではありません。
強制競売を自ら申し立てる場合には、原則として判決や和解調書、公正証書などの債務名義が必要です。
また、すでに始まっている競売から配当を受ける場合も、債権者の立場によって必要な手続は異なります。
だからこそ、「まだ会社から連絡が来ているから待とう」だけで判断しないことが重要です。
今回の問題は宗右衛門町だけではありません。
大阪府によると、2026年6月30日時点で、都市綜研インベストファンドでは9商品、7,511人に対して188億200万円の償還遅延が発生していました。
さらに、今後償還を予定していた商品は1,724億6,939万円でした。
これに対し、同日時点の固有勘定の現金預金は約9,242万円でした。
大阪府は、現金預金が償還遅延額と償還予定額の合計に対して約0.05%だったとしています。
また、会社側が償還原資として説明してきた大規模な債券発行についても、予定時期が何度も後ろ倒しになっていたことが大阪府の資料に記されています。
2026年6月時点でも、明確な資金調達時期は示されていませんでした。
この状況で「宗右衛門町の土地が高く売れれば大丈夫」と土地1件だけを見るのは危険です。
返金を考えるなら、会社全体でどれだけの支払いがあり、どの財産に誰が権利を持っているのかまで見る必要があります。
宗右衛門町に出資している人が最初にやるべきことは、回収額を予想することではありません。
自分の権利を確認することです。
契約書、契約成立前交付書面、出資記録、解約や持分譲渡の書類、会社から届いたメールなどをまとめます。
宗右衛門町は匿名組合契約です。
土地の一部を投資家が直接所有しているわけではありません。
まず、自分がどの契約に基づき、誰に、いくら請求できる状態なのかを整理します。
返金が止まっている場合は、仮差押えなど財産を保全する方法が取れるのか、弁護士に確認する必要があります。
実際、宗右衛門町ではすでに出資金返還請求、仮差押え、強制競売が行われています。
訴訟を起こすかどうかはその後でも、今どんな手段が残っているのかは確認できます。
宗右衛門町に出資しているだけで、自動的に今回の競売代金が振り込まれるわけではありません。
自分の債権が今回の競売でどのように扱われるのか、配当を受けるために手続が必要なのかを確認する必要があります。
「みんなで大家さん宗右衛門町」の事例で一番重要なのは、不動産があり、売却できても、そのお金がそのまま出資者に返るわけではないという点です。
返金トラブルが起きたときは、会社の説明を待つだけでなく、自分の請求権や回収手段を早めに確認することが重要です。
※本記事は公開資料をもとに事実関係と一般的な制度を解説したもので、個別の法的助言ではありません。
仮差押え、訴訟、配当などの対応は契約内容や手続状況によって異なるため、実際の対応は弁護士等の専門家にご相談ください。
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