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公開日 2026/10/09
最終更新日 2026/10/09
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断っても帰らない、夜にインターホンを鳴らし続ける、名乗らずに勧誘してくる——不動産の訪問営業が悪質化したとき、「警察を呼んでいいのか」と迷う人は少なくありません。
とくに一人暮らしや在宅時間の長い世帯は狙われやすく、ひとりで抱え込むほど不安は大きくなりがちです。
この記事では、どこからが「通報してよい」ラインなのかを整理し、110番と#9110の使い分けや通報時の伝え方、証拠の残し方までをわかりやすく解説します。
「警察を呼ぶなんて大げさではないか」とためらう人ほど、悪質な訪問営業に長く付き合ってしまいがちです。
この章では、通報してよいかどうかを分ける法的な線引きを先に押さえておきましょう。
警察を呼んでよいか迷ったときは、次のような行為があるかどうかを目安にしてください。
これらはいずれも、次に見る不退去罪や宅建業法・特定商取引法に触れる可能性のある行為です。
相手に退去を求めたのに正当な理由なく居座った場合、不退去罪が成立しうると法律で定められています。
不退去罪は刑法第130条の後段に規定され、法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。*1
なお、従来の「懲役」は2025年6月1日に施行された改正刑法で「拘禁刑」に一本化されています。*1
重要なのは、相手が入ってきた時点ではなく「出て行ってほしい」という意思を示したあとに帰らないことが要件になる点です。
つまり、はっきりと退去を求めた記録を残しておくことが、通報の裏づけになります。
用語:不退去罪 退去を要求されたのに住居や建物などから立ち去らない罪で、刑事事件にあたるため警察が対応できます。
訪問営業そのものは違法ではありませんが、勧誘の仕方しだいで宅地建物取引業法に違反します。
宅建業法では、会社名・担当者名・勧誘目的を告げない勧誘、契約しない意思を示した相手への勧誘継続、迷惑な時間帯の電話・訪問などが禁止されています。
これらに違反した宅建業者は、免許行政庁から業務改善指示や業務停止命令などの行政処分を受ける対象になります。*3
違法性の有無は、通報や相談のときに「どの行為が問題なのか」を説明する手がかりにもなります。
通報すべきか様子を見るかで迷ったら、「いま身の危険や迷惑が進行しているか」を基準にするとよいでしょう。
一方で、まだ被害は出ていないが不安だ、という段階では警察相談専用電話の#9110が適しています。
この使い分けは次の章の体験談と、そのあとの通報実践の章でより具体的に見ていきます。
ここからは、実際に寄せられやすい悪質な訪問営業の場面を5つのケースで紹介します。
それぞれで取るべき対応と、根拠となる法律や使える窓口をセットで確認しましょう。
「今日契約してくれるまで帰りません」と言われ、玄関先に座り込まれたケースです。
これは不退去罪の典型で、まず「お引き取りください」と明確に退去を求めるのが第一歩です。
それでも帰らなければ、その時点で不退去罪が成立しうるため110番しても問題ないでしょう。
通報する際は「退去を求めたのに帰らない人がいる」と伝えると、状況が警察に伝わりやすくなります。
夜にインターホンを連打され、居留守を使っても長時間鳴らし続けられたケースです。
夜間など迷惑な時間帯の勧誘は宅建業法や特定商取引法で禁じられています。*3
基本の対応は、ドアを開けずインターホン越しにはっきり断り、それ以上応じないことです。
恐怖を感じたり、鳴らし続けて生活が妨げられたりする場合は、我慢せず通報することも検討しましょう。
注意
ドアを開けると居座りや押し売りに発展しやすいため、相手の身元が不明なうちは解錠しないでください。
会社名も訪問の目的も言わず、「ちょっとだけ」と玄関の中に入ろうとするケースです。
勧誘に先立って事業者名・勧誘目的・商品の種類を告げることは、特定商取引法で義務づけられています。*4
名乗らない相手は信用できないため、ドアチェーンをかけたまま用件を確認するのが安全です。
強引に入ろうとする場合は住居侵入にあたるおそれもある行為です。
一度はっきり断ったのに後日また訪れたり、建物の前で待ち伏せされたりするケースです。
契約しない意思を示した相手への再勧誘は、宅建業法でも禁止されています。*2
再訪問の日時や状況を記録し、悪質なら免許行政庁への通報や#9110での相談につなげましょう。
断った途端に態度が豹変し、暴言や大声で威圧されたケースです。
脅し文句で契約を迫る行為は、身の安全に関わるため最も通報が必要な場面です。
身の危険を感じたら迷わず110番し、可能であればやり取りを録音しておきましょう。
その場では言い返して刺激せず、「お引き取りください」と繰り返すだけにとどめるのが安全です。
「呼ぶ」と決めたあとに大切なのは、どこに・どう伝えるかという具体的な行動です。
ここでは110番と#9110の使い分けと、伝え方・記録の残し方を整理します。
事件・事故など今すぐ駆けつけてほしい緊急時は、110番を使います。
緊急ではないが警察に相談したいときは、警察相談専用電話の#9110が全国共通の窓口です。*5
#9110は、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。*5
通報や相談のときは、状況を順序立てて伝えると対応がスムーズになります。
次の情報をメモしておき、落ち着いて伝えましょう。
今いる場所と住所
自宅の住所や目印になる建物を伝えます。
何が起きているか
居座り・暴言など、いま起きている行為を具体的に伝えます。
相手の人数・特徴
人数や服装、車のナンバーなどわかる範囲で伝えます。
経過時間と要求
どのくらい続いているか、相手の要求も添えます。
あとで通報や相談に使えるよう、やり取りの証拠を残しておくことが大切です。
スマートフォンの録音機能を使えば、会話の内容を手軽に記録できます。
日時・相手の言動・訪問回数をメモし、名刺やチラシがあれば保管しておきましょう。
これらの記録は、消費生活センターや免許行政庁に情報提供するときにも役立ちます。
「通報したら逆に嫌がらせされないか」という不安を持つ人は少なくありません。
再び訪問された場合は、その場でもう一度通報し、経過を記録に残すのが基本です。
継続的に不安がある場合は、#9110で状況を相談しておくと対応の相談にのってもらえます。
過度に恐れる必要はありませんが、記録を積み重ねておくことが自分を守る備えになります。
訪問営業のトラブルは、警察以外にも頼れる公的な相談先があります。
行政や消費生活の窓口を知っておくと、状況に応じて適切な相手に相談できます。
悪質な勧誘をする宅建業者は、免許を出している行政庁に通報・申告できます。
宅建業者の免許は、営業区域に応じて国土交通大臣または都道府県知事が交付しています。
名刺や広告に記載された免許番号を控えておくと、どの行政庁が窓口かを確認しやすくなります。
行政庁は、再勧誘や迷惑時間帯の勧誘などの違反に対して指導や処分を行う権限を持っています。*3
契約や勧誘に関する消費者トラブルは、消費生活センターに相談できます。
全国共通の消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの相談窓口につながります。*6
訪問販売で契約してしまっても、法律の要件を満たせばクーリング・オフが利用できます。
原則として宅建業者の事務所等以外で買受けの申込みをした場合などが対象で、所定の告知を受けてから8日を経過すると利用できなくなります。適用条件があるため、契約内容を確認したうえで消費生活センター等へ相談しましょう。*4
その場の勢いで名刺交換やアンケート記入をしてしまうこともあります。
個人情報を渡すと、後日の電話勧誘や再訪問につながるおそれがあります。
渡した日時と内容をメモし、しつこい連絡が続く場合は消費生活センターや#9110に相談しましょう。
不安をあおる連絡が来ても、慌てて新たな契約や支払いに応じないことが大切です。
次の訪問に備えるには、日ごろの対応を少し工夫しておくだけで十分です。
インターホンはモニター付きにし、知らない相手にはドアを開けない習慣をつけましょう。
録画機能や記録を活用すれば、万一のときの証拠にもなります。
日常的な断り方や再勧誘を止める手順は、次の関連記事でくわしく解説しています。
最後に、不動産の訪問営業と警察について、よく寄せられる疑問に答えます。
正当な理由にもとづく通報で、利用者が逆に訴えられるリスクは基本的に低いと考えられます。
大切なのは、感情的にならず「退去を求めたのに帰らない」など事実を淡々と伝えることです。
録音や記録が残っていれば、通報が正当であることの裏づけになります。
名刺を渡さないことだけで直ちに宅建業法違反になるわけではありません。一方、会社名・勧誘者の氏名・勧誘目的を告げないまま勧誘することは禁止されています。*4
宅建業者の場合は、商号や勧誘目的を告げずに勧誘することも禁止されています。*2
信頼できない相手には応じず、必要なら免許行政庁に情報提供しましょう。
居座りや迷惑行為の記録があれば、警察も対応しやすくなります。
進行中の迷惑は110番、継続的な不安は#9110と、状況で窓口を使い分けましょう。
日時や言動のメモが残っていると、相談時に状況が伝わりやすくなります。
訪問営業という手法そのものは違法ではありません。
ただし、名乗らない・再勧誘・迷惑時間帯の勧誘・居座りなどは違法になりえます。
「営業だから仕方ない」と我慢せず、違反があれば通報・相談してよいと覚えておきましょう。
賃貸でも持ち家でも、住居形態を問わず通報できます。
退去を求めたのに居座る行為は、どちらの住まいでも不退去罪の対象になりうるからです。
とくに一人暮らしは狙われやすいため、ためらわず窓口を頼ることが大切です。
不動産の訪問営業で迷ったときの判断軸は、とてもシンプルです。
自宅・建物内等で退去を求めても居座りが続き、警察官にすぐ来てもらう必要がある状況なら110番を検討してください。不退去罪に該当するかは具体的な状況によって判断されます。
身の危険や進行中の迷惑は110番、緊急でない相談は#9110、消費者トラブルは188が窓口です。
名乗らない・再勧誘・夜間の勧誘などは、宅建業法や特定商取引法で違法になりえます。
慌てず事実を記録し、落ち着いて窓口に頼ることが、自分と家族を守る最善の対応です。
※出典
*1:e-Gov法令検索|刑法(第130条 住居侵入等・不退去罪)
*2:e-Gov法令検索|宅地建物取引業法(第47条の2)
*3:国土交通省|宅地建物取引業法施行規則の一部改正について
*4:消費者庁|特定商取引法ガイド 訪問販売
*5:政府広報オンライン|警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ
*6:政府広報オンライン|消費者トラブルで困ったら「188」へお電話を
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