不動産クラウドファンディングをやっていて、ふと考えたことはありませんか。
「これ、もし江戸時代にあったら、どんなファンドが組成されてたんだろう?」
ここから先は、クラファンをわかりやすく理解するための“作り話”です。
たとえば1853年。
ペリーが黒船で来て、開国を迫った、あの年です。
黒船、来航。ただし積み荷は募集要項だった
嘉永6年(1853年)、浦賀沖に黒い船が4隻。
江戸の町は上を下への大騒ぎです。
このときペリーは、甲板の上でこう言い放ちます。
「開国シテクダサイ。イイファンド、アリマス」
武器で脅すのではなく、瓦版(かわらばん)を配って回る。
こうして史上空前のファンドが募集開始されるのでした。
🚢 ファンド名:『開国先取り・下田/函館 開港地ファンド 第1号』
【組成者】 アメリカ合衆国東インド艦隊・「日米和親開発組合」(※注:奉行所の認可については現在も鋭意取得交渉中)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件 | 下田・函館の開港予定エリア/計約12万坪(※現状:何もない海岸線。葦と砂利しかありません) |
| 募集額 | 5,000両(約5億円) |
| 想定利回り | 年利 28.5%(※攘夷リスクプレミアム反映済み) |
| 運用期間 | 18ヶ月(※予定。幕府の対応次第で大幅延長の可能性あり) |
| 募集方式 | 先着式(※攘夷派からの襲撃を懸念される方は、屋号での匿名参加も可) |
| 出口戦略 | 開港確定後、欧米商館・倉庫業者への一括売却益で配当 |
【投資額に応じた限定特典】
1両(約10万円)以上 ― 全国紙議事録 全12冊
攘夷論争・全国紙議事録(複写版)全12冊進呈(※約3,000ページ。読破には半年を要します)。
10両(約100万円)以上 ― 黒船見学クルーズ
黒船見学クルーズご招待(※遠目から眺めるだけ。上陸は禁止。乗船料・通行手形発行料は自己負担)。
50両(約500万円)以上・★VIP ― 通り名の命名権
開港地の通り名命名権1区画(あなたの希望で「○○町」と命名)(※お奉行の最終承認が必要。「毛唐町」「異人町」等の不適切な命名はご遠慮ください)。
100両(約1,000万円)以上・★SVIP ― 開港式典の主賓席
開港日「縄切りの儀」の主賓席ご招待(※当日まで場所は秘密。攘夷派テロ警戒のため。命の保証はいたしかねます)。あわせて、後世の歴史教科書に「○○翁、開国の立役者」として記載される権利つき(※文部省への記載交渉は出資者ご自身で行ってください)。
投資家(ご隠居・町衆)たちのツッコミ・SNSの反応
- 「『黒船が来たから不動産が上がるはず』っていう壮大すぎる仮説に5億円賭けるの草」
- 「物件の現状『葦と砂利しかありません』って正直すぎでしょww」
- 「運用期間『18ヶ月(予定)』、絶対これ3年は延びるやつ😇」
- 「特典の議事録3,000ページ、読破するために投資する人いる?」
- 「通り名命名権、絶対『毛唐町』申請するヤツが出てきて却下祭りになる」
- 「100両払って『場所秘密の縄切りの儀』に出席って、もうVIPじゃなくて人質では」
- 「『教科書記載は出資者ご自身で交渉』、自助努力の範囲が広すぎる」
- 「これ募集ページに『攘夷派からの襲撃懸念』ってちゃんと注記してるの、コンプラ意識高くて逆に好き」
- 「『匿名参加可』ってクラファンの常識を1ミリも信じてない設計で大草原」
狙いは「これから開く港の土地」
このファンドの狙いは、ひとことで言えばこうです。
黒船のあと、開かれることになった港の土地を、にぎわう前に押さえておく。
港が開けば、外国の船が来て、人とモノが一気に行き交います。
荷を下ろす蔵、船乗りが泊まる宿、商いの店。
人とモノが集まる港町は、こうしてにぎわっていく——という見立てです。
ちなみに黒船が来たのは浦賀ですが、実際に開かれた港は下田と函館でした。
なので物件も、この2つの港です。
「これからにぎわう土地を、安いうちに仕入れておく」。
令和の不動産投資でもよく聞く発想を、開国前の日本でやってしまおう、というわけですね。
次回予告|第2回「徳川家康の江戸開府ファンド」編
「もし江戸時代に不動産クラファンがあったら」シリーズ、次回は──
第2回:徳川家康の江戸開府ファンド ──「ど田舎の湿地帯」が世界最大の都市になるまで、200年の長期投資。
「現代の地方都市ファンド、本当に200年後に勝てるのか?」を、家康の判断と一緒に検証します。
【免責事項】 本記事はフィクションを含む読み物であり、情報提供を目的としています。特定商品への投資を勧誘するものではありません。記載のファンド・組成者・利回り・特典・立地評価・配当原資等はすべて架空の創作であり、実在のいかなる商品・事業者とも関係ありません。投資は元本が保証されるものではなく、損失が生じる可能性があります。投資に関する意思決定は、ご自身の判断にてお願いいたします。