「みんなで大家さん」はポンジスキーム?投資詐欺と断定できない理由と今後の見通し
公開日 2026/04/16
最終更新日 2026/04/16
「みんなで大家さんはポンジスキームだった?」「なぜ逮捕されないの?」ネット上ではこうした疑問の声が広がっています。
本記事は、みんなで大家さんへの出資を検討していた方・すでに出資している方に向けて、ポンジスキーム疑惑の実態・法的な位置づけ・今後の見通しを、報道と法律の観点から徹底解説します。
- ・みんなで大家さんは公式にポンジスキームの認定は受けていない
- ・不動産特定共同事業の許可を得ていることが、詐欺認定を難しくしている理由の一つ
- ・2026年3月、大阪地裁が出資金全額返還を命じる初判決
みんなで大家さんとは?仕組みと基本情報
ポンジスキーム疑惑を検討する前に、まず「みんなで大家さん」の基本的な仕組みを整理しましょう。
不動産小口化商品としての基本的な仕組み
「みんなで大家さん」は、不動産特定共同事業法(不特法)に基づいて組成された不動産小口化商品です。
投資家が1口100万円単位で出資し、運営会社の都市綜研インベストファンド株式会社(共生バンクグループ)が資金をまとめて不動産の取得・開発・運営を行います。
得られた賃料収入や不動産売却益から、投資家に分配金が支払われるという設計です。
仕組みの上では正規の不動産投資商品となっています。
年利7%前後・1口100万円で2000億円超を集めた背景
みんなで大家さんが多くの投資家を集めた最大の理由は、年利6〜7%前後という高い分配利回りです。
銀行預金の利率が0.1%以下という超低金利時代において、年7%の利回りは「第二の年金」「老後の安心」というキャッチコピーが、特にシニア層に強く刺さったようです。
その結果、累計出資総額は2,000億円を超えたとも報じられています。
しかし、この「高利回り」が本当に実態のある不動産収益に裏付けられていたのかが、ポンジスキーム疑惑の核心となっています。
運営会社・共生バンクグループの概要
みんなで大家さんを運営するのは、都市綜研インベストファンド株式会社です。
共生バンクグループの一員です。
同社は大阪府・東京都の不動産特定共同事業者として許可を受けており、2000年代から事業を展開してきました。
2013年にも行政処分を受け、2024年6月にも大阪府・東京都から業務停止命令(30日間)を受けています。
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ポンジスキームとは、実際には存在しない投資利益を装い、新規投資家から集めた資金を既存投資家への配当に充てることで、さも投資が成功しているかのように見せかける詐欺的な手法です。
1920年代にアメリカのチャールズ・ポンジが行った詐欺に由来します。
ポンジスキームの最大の特徴は「実態のない収益源」であり、資金流入が止まると同時に崩壊します。
世界で最も有名な事例は、2008年に摘発されたバーナード・マドフ事件(被害額約650億ドル)です。
みんなで大家さんに疑念が向けられた3つの事情
みんなで大家さんがポンジスキームではないかと疑われた主な理由は以下の3点です。
- 更地でも分配金が支払われていた:ゲートウェイ成田の開発地が「ほぼ更地」のまま年7%の分配金が支払われていた点
- 口座残高の極端な少なさ:東京商工リサーチの調査で、一部ファンドが数十億円を集めながら口座残高が極めて少額だったと報告された点
- 新商品の継続的な募集:開発が進まない中で新しいシリーズ商品の募集が続けられていた点
成田プロジェクト「ゲートウェイ成田」の実態
みんなで大家さんの主力商品である「シリーズ成田」は、成田空港に隣接する大規模複合開発「ゲートウェイ成田」を開発するという名目で資金を集めていました。
しかし、2025年以降の現地調査・報道によれば、開発予定地はほぼ更地のままであり、開発進捗は思わしくないようです。
さらに、成田国際空港株式会社(NAA)との借地契約が終了したことも明らかになっています。
出典:日本経済新聞|成田空港会社、「みんなで大家さん」事業者と土地賃貸借契約打ち切り
「ほぼ更地」と報じられた開発地でも分配が続いていた構造
本来、不動産小口化商品の分配金は「賃料収入」や「不動産売却益」が原資となるはずです。
しかし、更地・未開発の土地からは賃料収入は発生しません。
それでも年7%の分配金が長期にわたって支払われていたとすれば、その原資がどこから来ていたのかという疑問が生じるのは自然なことです。
この点が「ポンジスキームではないか」という疑惑を産んでいるようです。
運営会社の見解と、法的評価が割れやすい論点
運営会社(共生バンクグループ)は、詐欺であるという指摘を否定しています。
同社の立場は「不動産開発は正当に進めており、分配金は適正に支払ってきた。開発の遅延はNAAとの契約問題や外部環境の変化によるもの」というものです。
ポンジスキームの法的認定には「詐欺の故意」の証明が必要であり、これが訴追を難しくしている点でもあります。
みんなで大家さんはなぜ捕まらない?
「なぜ逮捕されないのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。
次にこの点を深堀りして解説します。
不動産特定共同事業の許可を得ていた
都市綜研インベストファンド株式会社は、不動産特定共同事業法に基づく許可を大阪府・東京都から正式に取得していました。
これは「無許可営業」ではなく、国の制度の枠組みの中で事業を行っていたことを意味します。
許可を得て運営されている事業者を「詐欺」として刑事告発するには、許可の枠を超えた違法行為の立証が必要です。
長年の分配実績が"詐欺"認定を難しく見せやすい理由
みんなで大家さんは、2000年代から長年にわたって分配金を支払い続けてきた実績があります。
「分配金を払い続けていた期間がある」という事実は、「最初から騙すつもりだった」という詐欺の故意を否定する材料にもなります。
詐欺罪の成立には「欺く意図があった」という故意の立証が必要です。
「詐欺の故意」の立証がハードルになりやすい理由
刑事事件として詐欺罪(刑法246条)を適用するには、一般に以下の要件を満たす必要があります。
- 相手を欺く行為があったこと
- その結果、相手が錯誤に陥ったこと
- 錯誤に基づいて財物を交付した、または財産上不法の利益を与えたこと
- 行為者に故意があったこと
「開発が遅れた」「資金繰りが苦しくなった」という事態は、悪意がなくても起こり得ます。
そのため、「最初から嘘をついていた」という立証は容易ではありません。
高利回りをうたう投資商品でも直ちに詐欺と断定できない理由
高利回りを謳う投資商品がすべて詐欺というわけではありません。
リスクに見合ったリターンを目指す正当な商品も存在します。
重要なのは、そのリターンが「実態ある収益源」に裏付けられているかどうかです。
みんなで大家さんの場合、開発が進まない土地から本当に7%の収益が得られていたのかが問われており、現在進行中の民事訴訟でその点が争われています。
これまでの行政処分と問題の時系列
みんなで大家さんをめぐる問題の経緯を時系列で整理します。
2024年6月:大阪府・東京都が一部業務停止30日の行政処分
2024年6月、大阪府と東京都は都市綜研インベストファンドに対し、不動産特定共同事業法に基づく一部業務停止命令(30日間)を発令しました。
処分の理由は、成田プロジェクトの事業プラン変更に伴う重要事項の説明不足、シリーズ成田16号の対象不動産表示・契約変更手続の不適切さなどでした。
2025年7月:シリーズ成田で分配金遅延が表面化
2025年7月31日、シリーズ成田の投資家に分配金の支払い遅延を通知する文書が送付されました。
これを機に、投資家の解約申請が殺到し始めます。
その後、分配金の停止は成田シリーズ以外の商品にも広がり、同サービスで提供される多くのファンドで分配金が停止しました。
2025年10月:解約に関する新たな提案をめぐり行政指導
2025年10月、運営会社が解約申請に対する新たな対応案を提示したことをめぐり、大阪府から行政指導が行われたと報じられています。
投資家への対応の不透明さが引き続き問題視されました。
2025年11月〜2026年2月:集団訴訟が約2500人・232億円規模に拡大
2025年11月5日、被害対策弁護団が第1次集団訴訟を大阪地裁に提訴。
原告1,191人、請求額114億3,700万円。
2026年2月にはさらに第2次集団訴訟が提起され、合計で約2,500人・約232億円規模の訴訟に発展しました。
出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト|分配金遅延の「みんなで大家さん」、被害弁護団が提訴へ
2026年3月:大阪地裁が出資金全額返還を命じる初判断
2026年3月、大阪地裁は集団訴訟の初判決を言い渡し、出資者3人が求めた約1,700万円の全額返還を運営会社に命じました。
一方、運営会社は原告側に「分割で全額返還する」という和解を申し出ましたが、原告側はこれを拒否しています。
出典:日本経済新聞|「みんなで大家さん」側に出資金返還命令 大阪地裁、集団訴訟で初
今後みんなで大家さんはどうなるのか?
出資者にとって最も気になる「今後どうなるのか」という点を、複数のシナリオで整理します。
出資金が戻る可能性と返還の現実的な見通し
大阪地裁の初判決では全額返還が命じられましたが、判決が出ても直ちに返金されるとは限りません。
運営会社が控訴する可能性があり、その場合は上級審での判断を待つことになります。
また、仮に返還命令が確定しても、運営会社に十分な資産がなければ回収は困難です。
現実的な回収の見通しは、運営会社の資産状況・不動産売却の進捗・法的整理の有無などによって大きく異なります。
事業継続・資産売却・法的整理のシナリオと投資家への影響
現時点で考えられる主なシナリオは以下の3つです。
- 事業継続シナリオ:開発資産を売却しながら投資家への返還を段階的に進める(ただし、現状の資金繰りでは全額返還には時間がかかる可能性もある)
- 資産売却シナリオ:保有不動産を売却し、投資家への返還原資を確保する。(売却額・分配方法によって投資家への影響が異なる)
- 法的整理シナリオ:民事再生や破産などの法的手続きに入った場合、出資金の回収はさらに困難になる可能性がある
すでに投資している人が今すぐ取れる行動
出資中の方が今すぐ取るべき行動は以下の通りです。
- 手元の出資契約書・通知文書を整理・保管する
- 被害対策弁護団(みんなで大家さん被害対策弁護団)に相談する
- 集団訴訟への参加を検討する
- 和解案が来た場合は弁護士に相談してから判断する
この問題から学ぶ、危ない投資の見抜き方
今回の問題は、多くの投資家に重要な教訓となります。
高利回りを強調する投資商品で注意したい共通パターン
ポンジスキームや資金繰り依存型の投資商品には、共通するパターンがあります。
- 市場相場を大幅に上回る利回りを長期保証している
- 元本保証を明示または示唆している(金融商品では法律上禁止)
- 運用の仕組みや資金の流れが不透明である
- 解約・出金が難しい、または遅延しやすい
- 口コミや紹介制度による新規顧客の獲得を重視している
これらのパターンが複数当てはまる場合は、投資前に慎重な確認が必要です。
行政処分歴・情報開示の透明性を必ず確認する
不動産特定共同事業者の行政処分歴は、各都道府県の担当部署や国土交通省のウェブサイトで確認できます。
また、ファンドの運用状況・進捗報告が定期的に公開されているかどうかも重要な指標です。
情報開示が不十分な事業者への投資は、問題が起きたときに実態を把握するのが遅れる原因となります。
ポンジ型・資金繰り依存型の案件を避けるための判断基準
安全な不動産クラウドファンディングを選ぶための判断基準は以下の通りです。
- 劣後出資比率が10%以上あること
- 対象不動産の所在地・賃料・稼働状況が開示されていること
- 運営会社の財務情報(資本金・純資産)が公開されていること
- 過去に行政処分歴がないこと
- 運用期間が3〜24ヶ月程度と明確であること
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騙されるな!クラウドファンディング投資詐欺に注意。見極める方法とはみんなで大家さんの代わりに、不動産クラファンをどう選ぶか
みんなで大家さんの問題は特定の事業者の問題であり、不動産クラウドファンディング業界全体が問題なわけではありません。
「一社の問題=業界全体の問題」とは限らない
日本には現在、不動産特定共同事業法の許可を受けた多くの事業者が存在し、透明性の高い情報開示を行いながら健全に運営している会社もたくさんあります。
一つの事業者の問題を業界全体に過度に一般化することなく、個別の事業者をしっかり見極めることが大切です。
安全性を見る4つのチェックポイント
安全な不動産クラファンを選ぶ際の4つのチェックポイントを紹介します。
- 1. 許可・登録の確認:不動産特定共同事業法の許可番号を確認し、行政処分歴がないか調べる
- 2. 情報開示の充実度:対象不動産の詳細・進捗報告・財務情報が定期的に公開されているか
- 3. 優先劣後構造:事業者が劣後出資をすることで、投資家の元本が優先的に保護される仕組みがあるか
- 4. 運用期間の明確さ:1〜2年以内の明確な運用期間があるか(長期開発型は実態確認が重要)
この4点を確認するだけで、リスクの高い商品を避ける確率が上がります。
比較サイトを使って条件を横並びで確認する
複数の不動産クラファン事業者を比較する際には、比較サイトを活用することで効率的に情報を集めることができます。
個別のサービスサイトを一つずつ訪問するよりも、比較サイトで条件を横並びにして確認するほうが、見落としを防ぎ、より良い判断ができます。
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「次はきちんとした事業者に投資したい」「信頼できる不動産クラファンを安全に探したい」という方は、まずゴクラクで条件を比較してみてください。
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