「みんなで大家さん」集団訴訟の真相|行政処分・裁判の経緯から返金の見通しまで徹底解説
公開日 2026/04/16
最終更新日 2026/04/16
「みんなで大家さんの集団訴訟に参加したい」「裁判はどこまで進んでいるのか」「返金はされるの?」出資者の方から、こうした疑問の声が数多く上がっています。
本記事は、みんなで大家さんに出資している方・訴訟参加を検討している方・何が起こっているのか知りたい方に向けて、行政処分の経緯・集団訴訟の現状・返金の見通しを、各社の報道と公式情報をもとに徹底解説します。
- ・2025年11月と2026年2月の2回の集団提訴で、計約2,500人・約230億円の返還請求が大阪地裁に係属している
- ・2026年3月26日の初判決で、大阪地裁が出資者への全額返還を命じた
- ・運営会社は分割返還による和解を申し出たが、原告側は拒否
- ・訴訟参加の相談窓口は「みんなで大家さん被害対策弁護団」
「みんなで大家さん」とはどんな商品だった?
集団訴訟の背景を理解するために、まず「みんなで大家さん」の概要を整理します。
不動産特定共同事業法に基づく小口投資商品の仕組み
「みんなで大家さん」は、不動産特定共同事業法(不特法)に基づいて運営される不動産小口化商品です。
投資家が1口100万円単位で資金を出資し、運営会社の都市綜研インベストファンド株式会社(共生バンクグループ、大阪市)が資金をまとめて不動産の取得・開発・賃貸運営を行います。
得られた賃料収入や不動産売却益から投資家に分配金が支払われ、運用期間終了後に元本が返還されるという仕組みです。
不動産特定共同事業法に基づく正規の許可事業者ですが、実態との乖離が問題の発端となりました。
年利7%・1口100万円という高利回り
みんなで大家さんが多くの投資家を集めた理由は、年利6〜7%前後という高い分配利回りです。
「第二の年金」「老後の安定収入」という訴求が、特にシニア層に強く刺さったようです。
日経不動産マーケット情報の報道によると、みんなで大家さんは約3万8,000人から総額2,000億円超を集めており、そのうちシリーズ成田だけで1,500億円超にのぼるとされています。
出典:日経不動産マーケット情報|【トラブル】「みんなで大家さん」成田借地問題、迷走と先送りの顛末
シリーズ成田とは?成田空港隣接地の大型開発プロジェクト
問題の発端となったのが「シリーズ成田」です。
成田空港に隣接する土地に大型商業施設を建設し、賃料などから年7%の想定利回りを謳った商品群で、成田1号〜18号まで展開されていました。
「成田空港周辺の大型開発」という訴求力の高さから多くの投資家が出資しましたが、開発は大幅に遅延し、後に成田国際空港株式会社(NAA)との借地契約も終了するに至りました。
出典:日本経済新聞|「みんなで大家さん」側に出資金返還命令 大阪地裁、集団訴訟で初
【こちらもチェック!】
不動産小口化商品は危険で怪しい?リスクと3つの回避方法を解説問題が発覚するまでの経緯
集団訴訟に至るまでには、段階的な問題の積み重ねがありました。
時系列で整理します。
開発計画の変更と説明不足
ゲートウェイ成田の開発コンセプトは、当初の「大規模複合施設」から「デジタルドーム」「物流センター」へと何度も変更されました。
こうした計画変更が繰り返される中、投資家への説明は不十分なままとなり、実際の開発状況についても十分な情報開示がなされませんでした。
2024年6月の行政処分
2024年6月17日、大阪府と東京都は都市綜研インベストファンド株式会社と販売会社のみんなで大家さん販売株式会社に対し、不動産特定共同事業法に基づく一部業務停止命令(各30日間)を発令しました。
処分の理由は、ファンドの対象不動産に変更があったにもかかわらず、投資家への説明が不十分だったことです。
これは同社にとって2013年に続く行政処分であり、処分公表後に多くの投資家が解約を申し入れました。
出典:みんなで大家さん公式サイト|今回の行政処分に関する当社グループからのお詫びとご説明
行政処分後の混乱
2024年6月の行政処分後、投資家の間では不安が広がりました。
しかし分配金の支払い自体はしばらく継続されていたため、問題を深刻に捉えない投資家もいたようです。
一方、解約を希望する投資家からは「解約手続きが進まない」「返金が遅れている」という声も上がり始め、混乱が続きました。
2025年7月の分配金遅延発覚
2025年7月31日、シリーズ成田の投資家に対して分配金の支払い遅延を告げる文書が送付されました。
これを機に解約申請が殺到し、問題が広く報じられるようになります。
配当は数カ月続けて遅延し、その後分配金の停止は成田シリーズ以外のファンドにも波及していきました。
出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト|分配金遅延の「みんなで大家さん」、被害弁護団が提訴へ
【こちらもチェック!】
みんなで大家さんが業務停止!危ない・詐欺の評判は本当?ポンジスキームなの?「みんなで大家さん」の裁判はどう進んでいる?
問題が表面化してから、訴訟は急速に拡大しました。
裁判の経緯を時系列で解説します。
2025年11月・第1次集団訴訟
2025年11月5日、みんなで大家さん被害対策弁護団が大阪地裁に第1次集団訴訟を提起しました。
- 原告数:1,191人
- 請求額:約114億円
出典:東京新聞デジタル|「みんなで大家さん」出資者1191人、114億円の返還求め提訴 「多くは高齢者、悲惨な状態」と弁護士
2026年2月・第2次集団訴訟
2026年2月、新たに投資家が追加提訴しました。
- 第2次提訴の請求額:約117億円
- 第1次・第2次合計:全国47都道府県の出資者 計約2,500人・累計請求総額 約230億円
出典:東京新聞デジタル|「みんなで大家さん」出資者1300人が新たに提訴 計2500人になり総額230億円の出資金返還を求める
出典:日本経済新聞|「みんなで大家さん」運営会社を追加提訴 原告、計2500人規模に
2026年3月・大阪地裁初判決
2026年3月、大阪地裁で集団訴訟の初判決が言い渡されました。
出資者3人が求めた約1,700万円の返還について、裁判所は「当事者間に争いがない」として運営会社に全額返還を命じました。これは一連の集団訴訟における初の司法判断です。
出典:日本経済新聞|「みんなで大家さん」側に出資金返還命令 大阪地裁、集団訴訟で初
和解案の提示と拒否
2026年2月、運営会社は原告側に「契約終了時に手数料を差し引いた出資金を分割で全額返還」する和解案を提示しました。
しかし原告側弁護団はこれを拒否しています。理由は主に以下の通りです。
- 分割払いの途中で支払いが滞り、全額が返還されなくなる恐れがある
- 分割払いの担保・保証が明示されていない
- 財務状況が不透明で全額返還の実行可能性が不明
出典:時事ドットコム|みんなで大家さん側が和解申し出 「出資金、分割で全額返還」―集団訴訟、原告側は拒否・大阪地裁
行政処分・刑事告訴の現状と法的な位置づけ
民事訴訟と並行して、行政処分や刑事告訴の動向も重要な関心事です。
過去の行政処分(2013年・2024年)の内容比較
みんなで大家さんは2013年にも行政処分を受けています。
| 時期 | 処分内容 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 2013年 | 業務改善命令(大阪府) | 不適切な勧誘行為・説明義務違反 |
| 2024年6月17日 | 一部業務停止命令30日(大阪府・東京都) | 対象不動産変更時の投資家への説明不十分 |
2024年の処分は、2013年の処分から約11年後に下されたもので、同種の問題が繰り返されています。
出典:みんなで大家さん公式サイト|今回の行政処分に関する当社グループからのお詫びとご説明
大阪府・東京都による業務停止命令の法的根拠
2024年6月の業務停止命令は、不動産特定共同事業法(不特法)第42条に基づくものです。
同法は事業者に対し、投資家への重要事項の説明義務・情報開示義務・誠実義務などを課しており、これらの違反が認定された場合に行政処分の対象となります。
行政処分歴は、大阪府・東京都の公式サイトや国土交通省の不動産特定共同事業者一覧から確認することができます。
刑事告訴の動向
2026年4月時点において、運営会社・代表者に対する刑事告訴が一部の投資家・弁護団によって行われているとの報道があります。
刑事事件として立件されるかどうかは捜査機関の判断によりますが、詐欺罪(刑法246条)の成立には「最初から欺く故意があったこと」の立証が必要とされており、これが難しいといわれています。
国税局による土地差し押さえと資産保全の実態
税滞納による不動産の差し押さえが行われたとの報道も出ています。
差し押さえが行われると、その資産は出資者への返還よりも税金の回収に優先して充当される可能性があるため、出資者にとって不利な状況となりえます。
出資者が直面している「返金」問題の現状
出資者が最も気にしている「返金」について、現状と選択肢を整理します。
クーリングオフが使えるのはどんな場合?
不動産特定共同事業法では、書面受領後8日間のクーリングオフ権が認められています。
しかし、すでに運用が始まっているファンドに対してクーリングオフを使うことは、期限が過ぎているため原則として困難です。
ただし、重要事項の説明が不十分だったり、告知義務違反があった場合には、取消権(民法96条)を主張できる可能性があります。
この点は個別に弁護士へ相談してください。
解約申請から返金までに6〜12ヶ月かかった実態
2025年7月以降、解約申請が殺到しましたが、実際の返金には長期間を要しているケースが多く報告されています。
解約申請が受け付けられても返金まで6〜12ヶ月以上かかった事例もあり、解約=即返金ではないという現実が出資者を苦しめています。
和解・訴訟・個別請求とは?返金を求める3つのルート
返金を求める手段は主に3つあります。
- 和解:運営会社が提示する分割返還案を受け入れる方法。返金の確実性・スピードに不確実性がある
- 集団訴訟参加:被害対策弁護団を通じて訴訟に参加する方法。判決が出れば強制執行できる可能性がある
- 個別請求:自ら弁護士を立てて個別に返還請求する方法。柔軟に対応できるが費用・手間がかかる
この問題が示す不動産クラウドファンディングのリスク
今回の事例は、不動産クラウドファンディングへの投資判断において重要な教訓を与えています。
情報開示の不透明さと投資家保護の限界
みんなで大家さんの問題の根底には、投資家への情報開示の不透明さがあります。
開発の進捗・収益状況・資金の使途が十分に開示されないまま、投資家は商品に出資し続けました。
現行制度では行政処分があっても事業者が事業を継続できるため、情報開示の充実度を自分で確認する姿勢が投資家には求められます。
高利回りをうたう商品に潜むリスク
年利7%という利回りを継続して支払うためには、それを裏付ける安定した不動産収益が必要です。
収益の裏付けが不明確な高利回り商品は、資金繰りへの依存リスクが潜んでいる可能性があります。
一般的に不動産投資の安定利回りは3〜5%程度とされており、それを大きく上回る利回りを長期保証する商品には、その根拠を詳しく確認する姿勢が必要です。
行政処分歴・財産管理体制の確認が重要
投資判断の際には、以下の点を必ず確認することをおすすめします。
- 過去の行政処分歴
- 投資家の資金が分別管理・信託保全されているか
- 第三者機関による監査の実施状況
- 運用中ファンドの進捗開示の頻度・詳細度
【こちらもチェック!】
不動産クラウドファンディングで元本割れする原因は?リスクを抑える方法を紹介安心して投資できる不動産クラファンを選ぶための基準
みんなで大家さんの問題を教訓に、次の投資先を選ぶ基準を整理します。
情報開示の充実度と運営会社の透明性
信頼できる不動産クラファン事業者は、以下の情報を積極的に開示しています。
- 対象不動産の所在地・面積・築年数・賃料
- 劣後出資比率と資金の使途
- 運用中ファンドの進捗報告(月次・四半期ごとなど)
- 運営会社の財務情報(資本金・純資産・決算情報)
情報開示が充実しているほど、投資家は実態を把握でき、問題の早期発見につながります。
行政処分歴・財務健全性の確認ポイント
行政処分歴の確認は、不動産特定共同事業者を監督する都道府県の公式サイトや国土交通省の情報で行えます。
また、運営会社の資本金・純資産・負債状況を確認することで、財務健全性を一定程度把握することができます。
上場企業や大手企業グループが運営しているサービスは開示義務が厳しく、比較的透明性が高い傾向があります。
ゴクラクで比較して信頼できる事業者を探そう
不動産クラウドファンディングの比較には、約140以上のサービスを一括比較できる「ゴクラク」が便利です。
ゴクラクでは、利回り・投資額・運用期間・募集ステータスで絞り込みができ、事業者の信頼性をレーダーチャートで可視化したり、投資家の口コミを確認することもできます。
今後の不動産クラファン投資を検討している方は、まずゴクラクで条件を横並びで比較し、透明性の高い事業者を見つけることから始めてみましょう。
2026/04/04
2026/02/16
2026/02/04
2026/02/01
2026/02/03
#事業者レビュー