ループイフダン両建てとは?仕組み・メリット・デメリット・危険性を徹底解説
公開日 2025/12/01
最終更新日 2025/12/02
ループイフダンには「買い」と「売り」を同時に走らせる“両建て運用”があります。
特に、ループイフダンBSという両建て専用ロジックは、上がっても下がっても利益が狙えます。
一方で、両建ては誤解されやすく、「危険」「やめとけ」といった声も少なくありません。
本記事では、ループイフダン両建ての特徴とリスク、向いてる人を解説します。
- ・ループイフダン両建てはレンジ相場に強く、トレンド相場に弱い
- ・買いと売りを同時に持つことで、少ない資金でもチャンスを広げやすい
- ・ポジションが増えやすく、ロスカットで損失が大きくなりやすい
- ・常に含み損を抱えやすく、スワップやスプレッドなどのコストにも注意
- ・最大ポジション数を抑え、レンジになりやすい通貨ペアを選ぶことが安全運用のポイント
- ・初心者はまず片側運用で仕組みに慣れたうえで、少額から両建てを試すのが無難
ループイフダン両建て(BS)の基本
ループイフダンBSは「買い」と「売り」をセットで稼働させる自動売買ロジックです。
値動きが上下に振れたとき、双方のポジションで利益を繰り返し取りに行く仕組みです。
一般的な裁量FXの両建てよりも自動化が進んでおり、手放しで利益を狙える点が特徴です。
通常のループイフダン(買い単独・売り単独運用)との違い
ループイフダンBSは、通常の「買いだけ」「売りだけ」で稼働させるループイフダンとは仕組みが異なります。
通常の運用では、買いまたは売りのどちらか一方のみを個別に選び、値幅や最大ポジション数を自由に設定します。
一方、ループイフダンBSは最初から「買いと売りの両方がセットになったロジック」として動く点が大きな違いです。
BSの自動売買システムは柔軟な運用ができない
また通常運用では、買いだけ停止したり、売りのみ停止したりといった細かな調整が可能です。
しかしループイフダンBSはセット稼働のため、片側だけ止めるといった柔軟なコントロールができません。
加えて、通常のループイフダンでは売買幅を自分で選べます。
BSではロジックに組み込まれた固定幅で動くため、相場に合わせて微調整できないという制約があります。
ループイフダン両建てのメリット
次に、ループイフダン両建てのメリットをまとめます。
① 上がっても下がっても利益が出る可能性がある
ループイフダン両建ては「買い」と「売り」を同時に動かします。
相場が上昇した場合は買い側で、下落した場合は売り側で利益を積み重ねることができます。
値動きが一定の範囲で上下に揺れているだけでも、自動的に細かい利確を繰り返す仕組みです。
特にレンジ相場では、どちらの方向にも動くたびに利益が発生します。
片側運用より効率よく利益を狙える場合があります。
「相場の方向を当てられない」という初心者でも、利益を取りやすいのが大きな特徴です。
② 必要証拠金が少なく済みやすい
一般的に「買いと売りを同時に持つ=必要資金は2倍になる」と考えられがちです。
しかしループイフダンの両建ては仕組みが異なり、証拠金は“通常の半分で足りる”ケースがあります。
理由は、同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に保有している場合、必要証拠金は「より数量が大きい側だけ」に対して計算されるからです。
資金が少なく済む理由を解説
たとえば、買い4万通貨・売り4万通貨を保有しているとします。
この場合、必要な証拠金は「4万通貨分だけ」でよく、「8万通貨=2倍の資金」は必要ありません。
つまり、半分の資金で8万通貨分の値動きチャンスを受け取れます。
結果、資金効率(レバレッジ効率)が非常に高くなります。
両建てでは上下どちらでも利益を狙えます。
「少ない資金でチャンスを広げやすい」という初心者にとっても大きなメリットがあります。
③ 値動きが急でもどちらか片側が利益化される
相場が急に動いたときでも、両建てならどちらか片方のポジションが利益になりやすいです。
たとえば急上昇すれば「買いポジション」が利益を出し、急下落すれば「売りポジション」が利益を出します。
そのため、一時的に片側で含み損が増えてしまっても、もう片側で利益を確保できます。
「損失だけが積み上がる」という状況が起きにくくなります。
ループイフダン両建てのデメリット
次に、ループイフダン両建てのデメリットもまとめます。① ロスカットリスクが急増する
ループイフダンの両建ては、相場が「真ん中」で上下に動いている時は強い運用方法です。
しかし上昇だけが続けば売りポジションが、下落だけが続けば買いポジションが大きな含み損になります。
この状態が長く続くと証拠金維持率が低下し、ロスカットの危険が一気に高まります。
両建ては、レンジ相場向きの自動売買ロジック。
トレンド相場では急激なダメージが出やすい点は必ず理解しておく必要があります。
② 常に含み損が発生する(心理的ストレスが大きい)
ループイフダンは「下がったら買い」「上がったら売り」で新規注文を積み上げる仕組みです。
そのため、どの方向でも必ず含み損を抱えた状態から始まります。
含み損は“未来の利益のタネ”でもありますが、初心者にとっては精神的に不安を感じやすいポイントです。
特に両建てはポジション数が増えやすく、含み損の金額も大きく見え、ストレスを感じる人が多いです。
③ ムダに多くポジションを持ちやすく、端っこで“悪いポジション”を掴みやすい
ループイフダンはナンピン+追随注文の組み合わせのため、ポジション数が膨らみやすいです。
両建ての場合、上昇トレンドでは売りポジションが、下降トレンドでは買いポジションがどんどん増えます。
この結果、チャートの“端”に残ったポジションが大量に残り続ける「クソポジション問題」が発生しやすくなります。
端のポジションは決済されず放置されるため、含み損の原因にもなり、資金効率が下がる要因になります。
④ スワップポイントの支払いで利益が削られる
ループイフダン両建てでは、売り側に回っているポジションでスワップポイントの支払いが発生することがあります。
ドル円の売り、豪ドル円の売りなど、高金利通貨の売りはスワップ負担が非常に大きくなりやすいです。
このスワップ支払いが積み重なると、せっかくの利確がスワップで相殺されるケースもあります。
「売りのスワップがつらすぎて途中で損切り決済した」という体験談もあります。
両建てをする場合は、スワップ状況を必ずチェックし、負担が大きい通貨ペアを避ける判断も重要になります。
⑤ 買いだけ停止・売りだけ停止ができず、調整が難しい
ループイフダンBSは買いと売りをセットで動かすため、片側だけストップすることができません。
片方だけ含み損を抱えている状況で「損失側だけ止めたい」場面でも、柔軟な調整ができないという弱点があります。
⑥ スプレッド負担が単純に2倍になる
両建ては、買いも売りも同時にエントリーするため、それぞれのスプレッドがコストになります。
相場が小幅にしか動かない時間帯は、実質的なコスト負担が増えて利益を圧迫します。
スプレッドが広めの通貨ペアを選ぶほど、このデメリットは大きくなります。
⑦ ロスカット時は損失額が実質2倍になりやすい
両建ては利益が2倍になりやすい反面、損失も2倍になる可能性があります。
片側の含み損が大きくなって証拠金維持率が下がると、両側のポジションが同時にロスカットされる場合があります。
両建てを行う際は、慎重に運用する必要があります。
FX自動売買・ループイフダンの両建てはおすすめか?
結論としては、以下のように分かれます。
両建てをおすすめできる人
・相場が長期間レンジに入りやすい通貨ペアで運用したい人
・資金量に余裕があり、片側が大きく逆行しても耐えられる人
・「値動きに張り付けない」「放置気味の運用をしたい」人
両建てをおすすめしない人
・短期間で増やしたい人
・値幅の大きい通貨ペアを選ぶ人
・資金に余裕がなく、ロスカットを避けたい人
・急変動で不安になりやすい人
両建て運用で失敗しないための注意点
ループイフダン両建ては、条件がそろえば効率よく利益を狙えます。
一方で、設定を間違えるとロスカットに直結しやすいです。
ここでは、これから両建てを検討する人が特に意識しておきたい基本的な注意点を整理します。
① 最大ポジションは必ず少なめに設定する
両建てでは買いと売りの両方でポジションが増えていきます。
そのため、片側運用よりも総ポジション数が膨らみやすくなります。
最大ポジション数を多く設定しすぎると、相場の急変時に一気に含み損が積み上がります。
結果、ロスカット確率が増加。
特に初めて両建てを試す場合は「少なめスタート」が基本。
運用に慣れてから段階的に増やすほうが安全です。
② トレンド発生時は運用停止も選択肢にする
両建てが最も苦手とするのは、上昇か下落のどちらか一方向に真っすぐ伸びるトレンド相場です。
値動きが止まらず同じ方向に続いていると感じたら、一度ループイフダンを停止して様子を見る判断も大切です。
「とりあえず動かしたままにしておく」よりも、いったん立ち止まって相場を確認しましょう。
それだけで、致命的なロスカットを避けられる場面は少なくありません。
③ 一方向に偏りやすい通貨ペアは避ける
トルコリラやメキシコペソなど、長期的に下落トレンドが続きやすい高金利通貨は、そもそも両建てとの相性が良くありません。
片方向に偏りやすい通貨で両建てを行うと、どちらか片側の含み損だけが積み上がり続けるリスクが高くなります。
過去の値動きがレンジになりやすい豪ドル/NZドルなどを選ぶほうが、両建ての特性を生かしやすくなります。
ループイフダン両建てに関するQ&A
Q1. ループイフダンの両建ては儲かる?
レンジ相場では利益が出やすいですが、強いトレンドが出ると含み損が急増します。
Q2. ループイフダンBSは危険ですか?
片側だけ停止ができない、ロスカットなしを選べないなど制約があり、柔軟性は高くありません。
資金管理を誤ると急落・急騰時にロスカットリスクが高まります。
Q3. 通常の片側運用と比べてどちらが安全ですか?
安全性は片側運用のほうが高いです。
両建ては資金効率が高いですが、トレンドに弱く、管理が難しくなります。
Q4. 初心者でも両建てできますか?
できますが、安全性は高くありません。
初心者はまず片側運用で仕組みに慣れたほうが失敗が少なくなります。
まとめ:ループイフダン両建ては損切りが必要なことも
ループイフダン両建て(BS)は、レンジ相場では強く、トレンド相場では弱いです。
片側運用よりも複雑で、リスク管理もシビアですが、条件が合えば効率良く利益を狙えるロジックです。
両建ては万能ではないため、自分の投資スタイルやメンタルに合うかを見極めることをおすすめします。