俺は、津田沼駅から少し離れたファミリー向けマンションの一室である
俺は、千葉県船橋市習志野五丁目にある区分マンションの一室である。
JR総武線「津田沼」駅からは、バスで約20分。
最初に言っておく。
俺は駅近ではない。
駅徒歩5分の物件たちが、不動産サイトの中でキラキラしているのを、俺は知っている。
あいつらは強い。
「駅徒歩」という、履歴書に書ける必殺技を持っている。
一方、俺はバス便(使える公共の交通手段がバス)である。
不動産の世界では、バス便と聞いた瞬間に、少しだけ画面をスクロールする人がいる。
やめてほしい。
せめて床面積まで見てから判断してほしい。
俺の床面積は75.58㎡。
ファミリーで暮らすには、ちゃんと現実味のある広さだ。
リビングにソファを置ける。
子ども部屋も考えられる。
在宅勤務用の机だって、どこかに置ける。
建物は鉄筋コンクリート造。
平成10年4月生まれの築28年
新築ではないが、まだまだ家族の暮らしを受け止める気はある。
駅から近いとは言えない。
でも、家族で暮らす部屋としては、まだ全然やれると思っている。
自分で言うのもなんだが、俺はわりと生活向きだ。
「俺が投資対象になった」だと、、、
そんな俺が、最近知ってしまった。
俺はどうやら、
「津田沼区分マンションリノベーションファンド【抽選式】」
の対象になったらしい。
急にファンド対象になってしまった。
昨日まで普通の部屋だったのに。
今日から想定利回り7%を背負っている。
荷が重い。
部屋なのに、肩が凝る。
【案件ページ上の基本情報】
- 所在地:千葉県船橋市習志野五丁目2番2号
- 対象:ファミリータイプの区分マンション1室
- 交通:JR総武線「津田沼」駅 バス約20分
- 床面積:75.58㎡
- 構造・築年:鉄筋コンクリート造・平成10年4月築
- 想定利回り:年7%
- 想定運用期間:約6ヶ月
- 募集金額:優先出資2,000万円、劣後出資200万円
最近、俺の中に人が来る
ファンド対象になってから、俺の中に人が来るようになった。
床を見る人。
壁を見る人。
キッチンの前で腕を組む人。
浴室を見て、少し真顔になる人。
窓の外を見て、「駅距離はありますけど、ファミリー向けなら……」とつぶやく人。
俺の前で、あまりにも正直な会議をしないでほしい。
聞こえている。
部屋にも聞こえている。
「ここはリノベで印象変わりますね」
と言われた。
うれしい。
でも、それはつまり今の俺の印象が変えたほうがいいということでもある。
褒められているのか、遠回しに注意されているのか、判断が難しい。
「リノベでバリューアップ」だと、、、
今回のファンドでは、俺にリノベーションを行うらしい。
新築物件の価格が高騰する中で、リノベーションによって新築に近い室内空間を目指す。
そういう話だ。
たしかに、ファミリー向けの部屋は、室内の印象がかなり大事だ。
キッチンが古い。
浴室が古い。
床や壁に年齢が出ている。
そうなると、内見に来た人は急に静かになる。
あの沈黙は怖い。
部屋としては、できれば経験したくない。
逆に、水回りや内装が整えば、暮らしの想像はしやすくなる。
ここにソファを置く。
この部屋を子ども部屋にする。
休日は津田沼駅前まで買い物に行く。
リノベーションとは、買う人に「住んだ後の自分」を想像してもらう準備なのかもしれない。
【読みどころ】ファンドの要点
この案件は、リノベーションで室内の印象を高め、ファミリー層に向けて売却を狙うファンドです。
駅距離の弱点を、広さ・価格・室内品質でどこまで補えるかがポイントになります。
駅から遠い俺にも、メリットはある
駅からバス約20分。
この事実は変わらない。
リノベーションしても、床を張り替えても、壁紙を変えても、俺が駅前にワープすることはない。
そこは認める。
ただ、駅近でないからといって、暮らしに向いていないわけではない。
ファミリー層や長く住む人が多い落ち着いた住宅地
ここは大型繁華街の真ん中ではなく、ファミリー層や長く住む人が多い落ち着いた住宅地だ。
公園や学校が点在し、日々の生活がしやすい環境と説明されている。
津田沼駅周辺には商業施設がある。
都心へのアクセスもいい。
主要駅にもアクセスでき、住宅地の落ち着きもある。
とはいえ、駅近の物件には勝てない面もある。
でも、駅近の物件が全員ファミリー向きとは限らない。
もちろん、売るときには駅からの距離が見られる。
買う人は正直だ。
バス必須であることは、価格にも判断にも影響する。
だからこそ、俺は高級感だけで押す部屋ではない。
広さ、室内のきれいさ、価格の納得感。
この3つが揃って、ようやく検討してもらえる。
津田沼区分マンションリノベーションファンドのポイント
- 強み:津田沼エリアの知名度、都心アクセス、駅周辺の利便性
- 強み:75㎡超のファミリー向け住戸
- 強み:落ち着いた住宅地で、ファミリー層を狙いやすい
- 弱み:JR津田沼駅からバス約20分
- 注意点:売却時は、駅距離を価格と室内品質で補えるかが重要
固定賃料という言葉を聞いて、少しだけ落ち着いた
このファンドでは、固定賃料による賃料収入を確保すると説明されている。
売却だけに頼らず、運用期間中の賃料収入も見込むということだ。
部屋としても、これは少し落ち着く。
売却だけを待つ部屋は、ずっとオーディション結果を待っているみたいで落ち着かない。
固定賃料があると聞くと、「運用中も俺、ちゃんと仕事あるんだな」と思える。
投資家が把握したいこと
ただし、投資家としてはここで確認したい点がある。
固定賃料の金額はいくらか。
誰が借りるのか。
契約期間は運用期間と合っているのか。
途中解約や滞納が起きた場合はどうなるのか。
「固定」という言葉は安心感がある。
でも、契約成立前書面など、しっかり中身まで見てこそ安心できる。
本ファンドのポイント
固定賃料はプラス材料ですが、金額・契約相手・契約条件の確認が重要です。
売却益だけでなく、運用中の収益がどの程度見込めるのかを見ておきたいところです。
半年後、俺は誰かに買われるかもしれない
このファンドの運用期間は約6ヶ月。
2026年7月6日から2027年1月5日までの予定だ。
建物の時間感覚で言えば、半年はかなり短い。
でも、その半年で俺は変わる。
床を見られる。
壁を見られる。
水回りを整えられる。
写真を撮られる。
売買事例と比べられる。
そして、誰かに買われるかもしれない。
リノベーションしたとしても、果たして買い手がつくのか?
案件ページによると、このマンションでは、リノベーション前の部屋でも「1坪あたり約80万円〜110万円」くらいで売れた事例があるらしい。
俺の広さは75.58㎡。
坪数にすると、約22.86坪だ。
つまり、かなりざっくり言うと、リノベーション前でも、過去の事例では次のような価格感になる。
【過去事例から見たざっくり価格感】
- 80万円/坪の場合:約1,829万円
- 100万円/坪の場合:約2,286万円
- 110万円/坪の場合:約2,515万円
今回の俺は、ここからリノベーションされる。
床や壁、水回りがきれいになれば、買う人が「このまま住めそう」と思いやすくなる。
そうなれば、リノベーション前より高い価格で売れる可能性がある。
つまり俺は、今のまま売られるわけではない。
ちゃんと身なりを整えてから、もう一度市場に出る。
部屋なのに、ほぼプロフィール写真の撮り直しである。
ただし、リノベーションしたからといって、必ず高く売れるわけではない。
駅からバス約20分という条件は変わらない。
だから、買い手が「この価格ならあり」と思える売り出し価格にできるかが大事になる。
部屋なのに、ほとんど婚活みたいなことをしている
とは言え、安く見すぎると、リノベーションの意味が薄くなる。
ちょうどいい価格で、ちょうどいい買い手に見つけてもらう。
部屋なのに、ほとんど婚活みたいなことをしている。
【読みどころ】
出口では、リノベ後の価格設定が重要になります。
駅距離を踏まえて、ファミリー層が納得できる価格帯で売れるかがポイントです。
年7%を背負う部屋の気持ち
想定利回りは年7%。
運用期間は約6ヶ月。
1口1万円から投資できる。
数字としては目を引く。
部屋としても、少し背筋が伸びる。
俺、7%って言われている。
普通に緊張する。
リノベ後の写真写り、かなり大事じゃないか。
ただし、想定利回りは保証ではない。
売却価格が想定を下回る可能性がある。
売却時期が遅れる可能性もある。
不動産市況が変わる可能性もある。
劣後出資比率は10%をやや下回る
このファンドには、優先出資2,000万円に対して劣後出資200万円の優先劣後構造がある。
売却損が出た場合、まず劣後出資(運営会社)が損失を負担する仕組みだ。
ただし、劣後出資を超える損失が出れば、優先出資者の元本が毀損する可能性もある。
ここは、部屋本人としてもごまかせない。
【投資家が見ておきたいこと】
- 駅からバス約20分でも、ファミリー層に選ばれる価格帯か
- リノベーション後の室内が、購入検討者に刺さる内容か
- 固定賃料の金額・契約条件は確認できるか
- 売却時に、駅距離を踏まえた現実的な価格設定になっているか
- 優先劣後構造があっても、元本保証ではないことを理解しているか
俺は、もう一度ファミリーの部屋になる準備をしている
俺は、駅近ではない。
新築でもない。
でも、75.58㎡の広さがある。
家族の暮らしを受け止める余白がある。
これから俺は、リノベーションされる。
床を見られる。
壁を見られる。
水回りを整えられる。
写真を撮られる。
利回りを背負う。
売却出口を期待される。
正直、不安はある。
でも、少しだけ楽しみでもある。
いつか誰かが、俺の玄関に家族分の靴を並べるかもしれない。
リビングにソファを置くかもしれない。
キッチンで夕飯を作るかもしれない。
子どもがランドセルを置きっぱなしにするかもしれない。
休日、津田沼駅前まで買い物に行って、帰りのバスで少し眠くなるかもしれない。
その日常が、また俺の中で始まるなら。
リノベーションも、売却も、数字で語られることも、悪いことばかりではない。
俺は、津田沼駅から少し離れたファミリータイプの一室だ。
派手な物件ではない。
でも、暮らしを預かる準備はできている。
あとは、俺をちょうどよく見つけてくれる人を待つだけだ。