FXは少額投資でも危険?メリット・デメリットから検証

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#リスクマネジメント
FX取引はレバレッジを使うことで少額から行えます。初心者でも手軽に始めることができますが、実際に儲かるものなのか、あるいはどれくらい危険なのか気になる人も少なくないでしょう。

そこで今回は、FXは少額投資でも危険なのか、また少額投資から始めるべきかについて、メリット、デメリットを確認しながらチェックしていきます。

そもそもFXとは

FXは「Foreign Exchange(外国為替)」を略したもので、「外国為替証拠金取引」とも訳されます。2つの国の通貨を売買するため、2つの通貨がペアとなる「通貨ペア」というものが取引対象となるのが特徴です。

たとえば「USDJPY(米ドル/日本円)」という通貨ペアのポジションを保有する場合、「買い(ロング)ポジション」と「売り(ショート)ポジション」のどちらか、あるいは両方を保有します。このポジションを保有する際には「証拠金」と呼ばれる担保のようなものを預けます。ポジションは反対売買をすることで決済され、その際に証拠金は口座残高に戻ります。

さらに反対売買までの為替レート変動により、為替差益あるいは為替差損が生じて口座残高に反映されます。このような取引の仕組みを「差金決済取引」と呼びます。たとえば1米ドル=150円でロングポジションを保有し、1米ドル=151円になった時点で決済すれば、1通貨あたり1円の為替差益が生じます。

FXは「レバレッジ」で少額から始められる

レバレッジFXは取引に必要な証拠金に「レバレッジ」をかけられるため少額投資ができます。レバレッジとは、証拠金を担保にその資金の何倍もの取引を可能にして投資効率を高める手法のことを指します。

たとえば1米ドル=150円であれば「USDJPY」で1,000通貨のロングポジションあるいはショートポジションを保有する場合、15万円の証拠金に加え手数料が必要です。手数料は通常、売値と買値の差である「スプレッド」として支払います(スプレッドはFXサービスや通貨ペアによって異なりますが、「USDJPY」であればおおむね1通貨あたり0.2銭以下となっています)。

FXの取引に必要な証拠金はレバレッジを使うことで少なくすることができます。国内のFX業者では最大で25倍までのレバレッジが使えます。仮にレバレッジを25倍にすれば、FX取引に必要な証拠金は25分の1で済みます。

通貨ペアの取引単位はFX業者によって異なり、1,000通貨あるいは100通貨などと決まっています。1単位が1,000通貨であれば「USDJPY」のFX取引には最低1,000米ドルの証拠金が必要です。1米ドル=150円であれば15万円になります。これがレバレッジ25倍であれば25分の1で済み、6,000円の証拠金で取引できます。このようにレバレッジを使えることがFXで少額投資ができる理由です。

FXを少額で取引をした場合の利益シミュレーション

FXではレバレッジを使って少ない証拠金で取引できます。15万円の資金で「USDJPY(米ドル/日本円)」を取引した場合の利益率をレバレッジごとにみてみましょう。以下はレバレッジを使って資金めいっばいの通貨量で取引を行い、50pips(0.5円)の利幅が出た場合の利益率です。

レバレッジ 最大取引量 50pips利幅による利益 利益率
1倍 1000通貨 500円 0.33%
5倍 5,000通貨 2,500円 1.67%
10倍 1万通貨 5,000円 3.33%
25倍 2万5,000通貨 1万5,000円 8.33%

ただし資金をめいっばい使ってポジションを保有すると、価格変動により証拠金維持率が低下して強制決済される「ロスカット」が生じる可能性があるので注意しましょう。

FX取引を少額で行うメリット

FXでの少額投資には次のようなメリットがあります。

メリット1.少額で実践経験を積める

FXでの少額投資を検討している人の中には、初心者の人も多いでしょう。そうなるとやはり実践しながら経験を積んでいく必要があります。FXにはデモトレードというものもありますが、やはり自分のお金がリスクに晒される緊張感は実践を通さないと味わえません。

例えば「USDJPY」は最低取引単位が1,000通貨であれば通常10万円以上の資金が必要になります。しかしレバレッジを25倍にすれば1万円の資金でも十分に取引ができます。少額取引であれば損失が出た場合も比較的少なく済むので、何度も取引経験を積めるメリットがあります。

メリット2.高い利益率が狙える

FXの少額取引でトレードに慣れたら少しずつロット数(通貨数量)を増やしていきましょう。ロット数が増えるほど同じ利益率でも得られる利益が多くなります。

例えばレバレッジ1倍と25倍を比べると、1回の取引で獲得する利幅が同じでも利益には25倍もの差がつきます。運用資金に対する利益率も25倍になるということです。FXであれば少額の運用資金であっても、レバレッジを使うことで高い利益率を狙えるのがメリットとなります。

メリット3.分散投資ができる

レバレッジを使って少額でFX取引をすると、複数の通貨ペアに資金を分散することもできます。

例えば「USDJPY」のほかに「EURJPY(ユーロ/日本円)」や「GBPJPY(ポンド/日本円)」、あるいは「GBPUSD(ポンド/米ドル)」といった通貨ペアにも投資できます。通貨ペアによって値動きの大きさが違うので、複数の通貨ペアに資金を分散することはリスク分散につながります。

FX取引を少額で行うデメリット

FXでの少額投資にはデメリットもあるので注意しましょう。

デメリット1.損失率が大きくなる

FXでは少額投資でもレバレッジが使えるので、運用資金に対して大きなポジションサイズの取引ができます。これは大きな利益が期待できる反面、大きな損失となるリスクも生じるということです。

仮に10万円の資金で25倍のレバレッジを使い1米ドル=150円で「USDJPY」のロング(買い)ポジションを保有するとします。最大で1万6,666通貨のポジションを保有できますが、50pips(0.5円)の損失を出すと8,333円の損失額が発生します。実に8.33%の損失率を1回の取引で生じさせることになります。もし100pips(1円)の損失であれば損失額は1万6,000円以上にもなってしまいます。

デメリット2.利益が少なくなる

損失リスクを回避するためにレバレッジ倍率を下げることも可能ですが、その場合には得られる利益も少なくなります。もともと少額投資のため資金が少ないので、得られる利益もそれほど多くありません。複利で増やすとしてもスタートの資金が少なければ、大きな利益を得るまで時間がかかります。

投資の目的がたとえば将来の資産作りである場合、FXの少額投資は不向きといえます。少額投資はあくまでもFXトレードに慣れるためのものとしておくのもよいでしょう。

デメリット3.運用手法が限られる

FXの少額投資では取引できるポジションサイズが小さいので、運用手法が限られるのはデメリットです。複数の通貨ペアで運用したり、あるいは損益に応じてポジションサイズを変更したりといった手法がFXにはいろいろあります。

FXでの少額投資では大きなポジションサイズがとれないので、運用する通貨ペアの数も限られますしポジションサイズの増減範囲も限られます。少額投資を続けると、本格的にFX取引に取り組むには資金的に物足りなくなるでしょう。

【コラム】FXは危険?「9割が負ける」は本当か

巷では、「FXは9割が負ける」という説が流れていますが、これは本当でしょうか。FX専門メディアの「WikiFX Japan」が、金融先物取引協会の調査をまとめたデータによると、約6割の人が利益を出しているとの結果が出たとしています。FX調査参照:FXは9割の人が負ける!?退場しないためにすべきことを解説|WikiFX Japan

データでは利益を出している人のほうが多くなっていますが、初心者に限ればこのようにならない可能性があります。FXは基本的には高度な知識やトレードテクニック、ときには勘や経験もモノをいう投資であり、初心者がいきなり大儲けするのは簡単なことではありません。

だからこそ、少額から経験を積むこと、また少額から行うことで損失を抑え、「退場」しないことが重要になります。

レバレッジを活用してFXで少額投資を始めよう

FXは少額から始めようFX少額投資の有効性について詳しく解説してきました。

FX取引はレバレッジを使えるのが特徴であり、それによって少額投資でも大きなお金を動かすことができます。また、少額投資であれば、少ない手元資金でも繰り返しトレードができ実践経験を積めるのが大きなメリットです。

本格的に稼ぐためにはそれなりの資金が必要になりますが、FX取引で稼ぐ基本を学ぶことはできます。まずはリスクを押さえながら取引を重ね、FXトレードに慣れることを目的に少額投資を活用するのがおすすめです。

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  • 記事を書いた人 ゴクラクJOURNAL編集部

    『ゴクラクJOURNAL』は、不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディング、事業型ファンドといった少額投資ファンドに関する情報や、投資・お金、その他ファイナンシャルテクノロジーに関する情報を提供しています。編集部では、投資初心者の目線に立ったユーザーファーストのメディア運営を目指しています。

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